黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第205話「その執事、恐慌」/『最悪の展開』。スネークに告げられた残酷な真実とは…。「一緒に●●●●●●●●に復讐しよう。」

こんにちは!餅月です。
『黒執事』最新話第205話「その執事、恐慌」Gファンタジ―2023年11月号の考察をしていきたいと思います。

恐れていた事が遂に起きてしまいました…
前回の第204話では輸血を受けている真っ最中のドールとフィニ・スネーク組が鉢合わせるという最悪の状況に陥っていた黒執事。
どう足掻いても絶望しかない状況に、この一か月間胃をキリキリさせながら待っていた黒執事ファンの方も多いのではないでしょうか。
間違いなく一つの大きな分岐点をむかえている黒執事。
今月号も順番に考察していきたいと思います。

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前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
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第205話:初見読みライブ配信

第205話の初見読みライブ配信はこちらです。
毎月18日Gファンタジー発売日に、
YouTube Liveにて初見読み&考察のリアルタイムライブ配信を行っています。
よろしければ高評価とチャンネル登録で応援頂けると大変励みになります!(^^)!
※今回ライブ配信内で、ウィルに関する考察について1つ大きなミスをして発言しちゃっています。好きすぎて先走っちゃいましたごめんなさいm(__)m
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あらすじ:黒執事第205話「その執事、恐慌」Gファンタジー2023年11月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:フィニに「フィニアン」の本を渡す坊ちゃんセバスチャンと、スネークに手を差し伸べるドール
人になった日
地下通路の奥は出口ではなく…。

ドールに、「お前がお星さま」なんだろうと突きつけるテオ
・施設職員は「適性が高すぎるのも考えものだわ、大切に育ててきたのに残念よ」といい子供たちに向けて発砲する
・フィニが庇うが、ドールが「すべて知られたからにはお前らを外に出すわけにはいかない」と立ちはだかる。
・ドールはスネークに対し嘘をついたことを謝り、「お前にだけはオレが化け物になっちまったことを知られたくなかった」と言った。
ドールは自分やサーカス団員が坊ちゃん、使用人たちにより殺されたことを赤裸々に暴露する
・スネークに対し、「一緒にファントムハイヴに復讐しよう」と言うドール

暴かれたシエル嘘。
第205話終了ーー

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
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第205話:回収された重要伏線箇所

・ドールの正体はお星さまだった←考察的中◎!
・ドールによって坊ちゃんの嘘とサーカス団への仕打ちが暴かれた←考察的中◎!

第205話:新たに張られた重要伏線箇所

ファントムハイヴ家本邸で起こった虐殺をドールに伝えたのは誰か?

枢先生の巻末コメント

近年、ついに9月も終わらないうちから翌年のハロウィーンについて思いを馳せるようになりました。

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

もう‥‥ため息しか出ない回でした…。
いつか来るとは思っていたのですが…遂に恐れていた事が起きてしまいました。

坊ちゃんの嘘がバレる瞬間。
これほど胸がえぐられる瞬間はありません。

また、ビザールドール本人であるドールの口から今の自分をどう思っているかの説明があったのがとても新鮮でした。「化け物」。この言葉には思わずハッとさせられました。死者蘇生、限りなく生きた人間に近い、そんな言葉で飾られ、最近はいよいよ一見だけでは生者との見分けがつかなくなってきた彼らですが、本人がどう思うかについてここまでストレートに描かれたことはなかったように感じます。
お星さまという、恐らく相当優遇されている立場であるはずのドールでさえ、自分のことを「化け物」と表してしまう。やはりビザールドールはまだまだ歪んでおり、生者との差は確実に存在する。そんなことを改めて痛感させられたように感じました。

ライブ配信でもラストで言及しましたが、「化け物」であるはずのドールの身のこなしはとても柔らかく、サーカス団のお姫様だったドールと間違いなく同一人物であると感じさせる一コマがありました。
これらが同時に存在する「歪さ」こそが、残された生者や、蘇生された本人を一番苦しめるポイントなのではないかと感じ、胸が切なくなりました。

それでは順番に考察を進めていきたいと思います。

考察

ドールの正体は「お星さま」

今回の第205話で、遂にドールの正体が明らかになりました。
最古の記事ですと、当ブログでは2017年からドールが復活してまた原作に登場する可能性について考察をしていました・・・!なんと6年前‥!
6年前にはもうすでに貼られていた伏線が、今回ようやく正式に回収された形になります!

当時はまだ伏線も少なかった為ナイフ使い=ドールではないかと考察をしていますが、記念に最古記事を挙げさせて頂きます。
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現在の、ドールがお星さまである可能性について本格的に考察記事をまとめたのは2020年なので今から約3年前です。
ドールの復活とお星さま説については下記記事にまとめてあります。

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今回、F.O.L児童養護院のテオによってドール本人に「お前がお星さまなんだろう」という事実が突きつけられました。
ドールはこの質問に明確に答えてはいませんが、「全部知られてしまったからには」と言っていい否定していないことからほぼ確定で間違いないと思われます。

ドールが本誌で正式に再登場を果たしたのは丁度1年前の同じ月でした。
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一見、一年前に突然ドールが再登場を果たし「お星さま」になった、と見えるかもしれません。
しかしよくよくコミックスを読み返してみると少なくとも6年前にはドールが再登場する兆しがヒントとして黒執事からしっかり与えられている事が分かります。
この伏線の緻密さが、黒執事を考察という面から楽しませて頂く上で本当に面白く、またすごいなと感じるポイントだなと改めて思いました。

ドールによって暴かれた坊ちゃんの『嘘』

恐れていたことが遂に今回起きてしまいました。
坊ちゃんがスネークについていた『嘘』が、遂にドールの手によって暴かれてしまいました。

当ブログでは2019年から、
原作内で再びサーカス編について触れられ、スネークが坊ちゃんの嘘に気付く日が来ると考察をしてきました。今回、この考察が的中した形となります。
当時の記事を紹介させて頂きます。

2019年3月15日記事
【考察】ブラバットとリアン・ストーカーの明確な違い/ブラバットは人間か?死神か?/ブラバットが言う「青き星に惹かれた」の真意とは - 黒執事考察ブログより引用

余談:原作内で再びサーカス編について触れられる日が来ることはほぼ間違いない

ちょっと脱線しますが、
何故ここで敢えてここまでケルヴィンを疑ったかと言うと、サーカス編は再び原作内で言及や何かしらの動きのきっかけを創り出す章である可能性が非常に高いからです。

今回のブラバットとケルヴィンに交流があった説はまだ根拠が無く可能性はあまり高くない話です。
ですが、このタイミングか果たして別のタイミングかはわかりませんがあのサーカス編出の出来事はこのまま終わるものでは無く、今後の原作に大きく影響を及ぼす可能性が高いです。

その理由は、サーカス編は黒執事の中で最も謎に満ちた章であるからです。
考えてみるとあまりにも不可解な要素が沢山あることが分かります。

・管理課のウィルが駆り出されるほどの人手不足だった死神派遣協会。あの夜どこでどの数の魂の回収が行われていたのか

・ドールの遺体は屋敷の外で燃え無い状態であり、かつ近くに葬儀屋が来ていたことから遺体が蘇生可能な状態だったこと

・ドールは坊ちゃんの焼き印を見た唯一のキャラクターであること(生き返り、真シエルの焼き印の位置と違うことから真シエルが坊ちゃんではないと確信するための伏線である可能性:真シエルに仕え、坊ちゃんの嘘をスネークにつけるか?)

・ケルヴィンを含め、先生、サーカス団員など、魂の回収がされたシーンが明記されていないものが複数いる事

・坊ちゃんはサーカス団員を殺した事実をスネークに隠したうえで使えさせていること

ざっとあげればこんな感じです

特にスネークがいまだ坊ちゃんに騙された状態で傍に居続けていることから、この嘘がばれることで坊ちゃんが追い込まれ、その時にサーカス編での出来事が坊ちゃんを追い詰める可能性は非常に高く、ほぼ間違いないと考えています。

このことから、今後の黒執事がどのような方向に動く形になるのでしょうか?
簡単な予想ではありますが考察をしてみたいと思います。

1.『選択』を迫られるスネーク

スネークに坊ちゃんの『嘘』がバレるとどうなるのか。
結論から申し上げますと、スネークは早急な決断を迫られる可能性があります。

どんな決断かと言いますと、簡単に言えばサーカス団員(ドール)を取るか、それとも坊ちゃんを取るか、という選択の決断です。

実はこの『選択の決断』が黒執事の中で描かれることは初めてではありません。
今回スネークが置かれた立場は、私は青の教団編でリジー(エリザべス)が置かれた立場に酷似していると感じています。

順番に説明していきます。

「兄」と「弟」に挟まれ、一人決断したリジー

まず、リジー(エリザベス)のパターンを整理していきます。
リジーはスフィア・ミュージックホールでブラバットに血液占いをされた後、家族に隠してスフィアに入り浸り屋敷に帰ってこなくなりました。
リジーは無断で集会に参加したどこかのタイミングで、兄シエルと再会を果たしました。
一人真実を知ってしまい、苦悩していたことが黒執事144話で痛いほどの悲しみと共に描かれています。

ここで1つ言及しておきたいポイントは、リジーが決断した『瞬間』は描かれることが無かったという点です。
しかし今回のスネークは、現在進行形で『決断』を迫られています。
リジーとスネークの置かれた立場はとても似ていますが、どちらを選択するか決断する『瞬間』が描かれるか否か、という点で1つ大きな違いがあると思われます。

リジーは一人で悩み、そして決断をするしかありませんでした。しかし決断したとはいえ、リジーは今も尚悩み、苦悩し続けています。
恐らくスネークもまた、例えどちらを選んだとしてもスッキリすることはなく、その先にあるものはつらく悲しい現実と悩み、なのではないでしょうか。

リジーとドールの回想:共通点

また、今回のリジーとドールの回想では小さな共通点がありました。
それは、意地悪そうな笑みを浮かべる坊ちゃんの回想です。

リジーとドールはどちらも坊ちゃんに『嘘』をつかれたという点でも共通点があります。
そんな彼らには坊ちゃんがどのように見えているかが分かるシーンです。

意地悪な坊ちゃんを想像するリジー:黒執事第144話「その執事、御用」より引用
意地悪な笑顔を浮かべる坊ちゃん達を想像するドール:黒執事第205話「その執事、恐慌」より引用

特にドールのこの台詞はスネークに対して向けられたことであるから、この絵のような印象を植え付けたいという思惑も垣間見えます。
実際に坊ちゃんではなく兄を選んだリジーの回想とかなり酷似しているドールのこの一コマ…。
スネークにももしこのような坊ちゃんの印象が強くなってしまった場合、坊ちゃんの味方で居続けることはもしかすると難しくなってしまうのかもしれません。

余談:メイリン編との共通点。兄シエル側から使用人の引き抜き勧誘は今回で2回目

又余談ですが、今回のスネークの状況は、メイリン編であったヒースフィールド男爵邸編とも共通点がありました。
それは『勧誘』です。
今回スネークはドールから勧誘を受けましたが、実は坊ちゃんサイドが兄シエル側に引き抜きの勧誘を受けるのは今回が2度目です。

一度目はヒースフィールド男爵邸編でのメイリンです。
メイドジェーンはメイリンを3倍の報酬で勧誘しました。その後メイリンは過去回想に入り、坊ちゃんへの恩義を再確認して『決断』し、ジェーンの勧誘を蹴りました。
もし万が一スネークがドールを蹴る形になるとするとメイリン編と展開が同じになる事になります。
勝手な予想ですが、過去に既に描かれたからこそ、今回は異なる結果になってしまうような予感がして怖いです。

第206話以降の黒執事の展開:予想考察

これらを踏まえて、今後の黒執事がどのような流れになるかを予想考察してみます。
結論から申し上げますと、もう間もなく本誌はスネークの過去編(※サーカス団員達との出会い)に移る可能性が高いのではないかと私は感じました。

そう考える理由は大きく分けて2つ存在します。

- スネークがどちらを選ぶか考える上で、サーカス団との記憶を振り返る必要があるから

  • 扉絵でまだ本誌で描かれたことが無いスネークの過去が描かれたから
  • スネークの過去は未だ明かされたことが無く、F.O.L児童養護院編はスネークの過去編が描かれる可能性があったから

先程も言及した通り、これからスネークは非常に大きな決断を迫られることになります。
その為スネークは自分が坊ちゃんにつくか、それともドールたちの元へ戻るか考える上で、サーカス団員達との記憶を振り返る必要が出てくるのはとても自然です。
また、第二の理由として、今回第205話の扉絵では今までしっかりとは描かれたことが無いスネークの過去と思われる絵が描かれました。
※一度第50話で3コマだけ描かれたことがありますが、これ以外の詳細は不明です。

スネークとサーカス団員の過去:黒執事第50話「その執事、埋葬」より引用
新たに描かれたスネークの過去:黒執事第205話「その執事、恐慌」扉絵より引用

他には、今までヒースフィールド男爵邸編、アテナ退役軍人療養所編と順番にメイリン、バルドの過去が明らかになったことから今回F.O.L児童養護施設編ではフィニの過去が明らかになるのでは、と見せかけて実は今回の章はスネークの過去回想編になるのではと当ブログでは考察をしてきていました。この考察については下記記事で詳しく言及しています。
一部引用でご紹介させて頂きます。
※ちなみにこちらのF.O.L児童養護施設編がスネークの過去回想になる可能性考察は、F.O.L児童養護院編が始まった最初の第一話の考察時に考察をさせて頂いておりました。ちょうど一年前ですね。もし当たっていたとしたらとてもうれしいです!
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F.O.L児童養護院編はフィニの過去編ではなくスネークの過去編になる可能性

また、今回のF.O.L児童養護院編は、どちらかの過去について語られる場合
フィニアンの過去編ではなくスネークの過去編がメインになる可能性があります。

今までのヒースフィールド男爵邸編とアテナ退役軍人療養所編ではメイリンとバルドの過去が明らかになったことから、自然とフィニの過去編が始まると感じる方も多いかと思います。
しかしフィニと坊ちゃんの出会いは、実は緑の魔女編で既に一度簡単にではありますが描かれているのです。

実は初期使用人ズの三人の中で最も過去がはっきりとわかっていたのはフィニアンだったんです。
しかしフィニの過去編でも最も重要な部分はまだ明らかになっていません。
それは女王の番犬である坊ちゃんが、どのような命令を受けてどんな施設を破壊したかについてです。
フィニアンの施設にドイツが関係していたのは間違いありませんが、ドイツ国内の研究施設だったのか、それともイギリス国内にあったものなのかはまだ分かりません。(坊ちゃん曰く事件を追って一度だけ国外に言った事があるというので、それがこの時のことを指している可能性はありますがドイツとはまだ限定されていません。)
もし仮に今回のF.O.L児童養護院編とスネークのいた施設、そして緑の魔女の村が繋がってくる場合、上記こそが最も重要なポイントになる可能性があります。

さて話をスネークに戻します。
スネークはと言いますと、幼馴染で形成されているサーカス団員一軍の中で唯一後入りした新入りメンバーでした。

サーカス団員一軍の中で唯一イレギュラーな存在だったスネーク:黒執事第26話「その執事、同僚」より引用

スネークの過去は、現在はまだ見世物として檻に入っていた所をサーカス団員達に引き取られたのみしか明らかになっておりません。
また一番仲が良かったであろうサーカス団員の一軍メンバーさえ、「お前本当に蛇の言葉がわかるのか?」と、本物の蛇男であることについてはいささか怪しんでいるような様子です。
以上のことからスネークは、他の使用人たちと負けず劣らず過去が謎だらけのキャラクターであることが分かります。

肝心の出生についてはまだ何も明らかになっておらず、ジョーカーたちと幼馴染でないことから救貧院出身でもないことが分かります。

しかしスネークは児童養護院という言葉に嫌悪感を覚えている為、ジョーカーたちに合う以前にどこかで児童養護院を経験した可能性があります。
ちなみにですが、仮にスネークがF.O.L児童養護院のような建物で実験を受けていた場合、記憶があやふやなことから児童養護院を経験するより前の経験である可能性があります。
※スネークの場合は誕生そのものが実験であった可能性がある為直接スネーク自身が実験体になったかはまだ言い切れません。

しかし何はともあれ、今回のF.O.L児童養護院編でのメインはスネークがドールたちの言葉を通じ真実を知ることにあるような気がしてなりません。
このF.O.L児童養護院の根幹を探っていけば、恐らくスネークとフィニの過去それぞれに繋がる何かがあることは恐らく間違いありませんが、どこまでそしてどのように深堀されているかはまだ謎です。

今回の章で、スネークが非常に着目されることはまず間違いが無いと私は感じています。
引用源:www.under-taker.com【黒執事考察ブログ】ネタバレ第192 話「その執事、懇望」/新章F.O.L児童養護院編始動!!!【考察的中!?】遂にあの『超重要キャラ』が再登場する可能性/ウィル「そろそろ決着をつけなければならない。」 - 黒執事考察ブログ

以上のことから、今回の章ではもう間もなくスネークの過去回想がいよいよ詳しく描かれる可能性が高いのではないかと感じています。
どの程度の長さで描かれるかは全く分かりませんが、特にスネークの出生については人外との関りも否定できないため、気になって仕方ありません。
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しかし一点、坊ちゃんサイドに立って言及させて頂きますと、
恐らくこれから描かれるスネークの過去編はあくまでスネーク目線での過去回想であるという点を述べさせていただきたいです。

スネークはサーカス団員達のことを家族の様に慕っていますが、実はスネークはサーカス団の裏の顔を何も知らされておらず、実際のところはサーカス団一軍幼馴染メンバーとスネークの間には大きな越えられない壁があったことが明らかになっています。
ジョーカーがスネークをサーカス団に迎え入れた理由は同情と言うよりは「蛇の使いが一級品だった」「蛇使いがいなくて丁度良かった」など、かなりビジネス的な考えが強かったことが分かります。
確かに坊ちゃんはサーカス団一軍メンバーを虐殺しましたが、そもそもサーカス団員達がケルヴィン男爵に従わずに子供たちを誘拐、殺害をしなければ女王の番犬の毒牙にはかからなかったはずなのです。(※まあ、ケルヴィン男爵はもともとファントムハイヴに強い執着を持っており坊ちゃんの誘拐を仕掛けた為、子供たちを誘拐していたとしてもいなかったとしてもケルヴィンに従っている限りどちらにせよ衝突は免れなかったとは思いますが…。)

この事実をスネークは一部は坊ちゃんの口から聞いてはいるものの、実際はほとんど上手く呑み込めていない状況のはずです。
その状態でスネークが過去を振り返り天秤にかけて正しく判断が出来るかどうか‥‥。
ここが私が一番不安に感じている点です。

スネークを勧誘する際、坊ちゃんはスネークに対しこのように言いました。

坊ちゃん
「皆が悪人じゃないことはわかっている。誰にでも優しく明るい。だからこそ罪を償い、本当の幸せを手にして欲しいと思う。」
黒執事第50話「その執事、埋葬」より引用

サーカス編が全て終わった後に、ジョーカーたちが守りたかった養護院をわざわざ訪れていた坊ちゃん。
養護院は既に廃墟となっていた様を見て、人間の事を「悪魔よりよっぽど悪魔らしい」と悲痛な笑い声をあげていました。
そんな坊ちゃんがあるからこそ、このスネークに対する言葉が全て「嘘」とはどうしても思えないのです。
しかしこれがどこまで通じるかどうか…。

過去にブログでも言及しましたが、スネークはサーカス団からも坊ちゃんからも、双方から嘘をつかれてしまっています。
過去記事から引用させて頂きます。

スネークは双方から騙されている

現在、黒執事の中での焦点はスネークに嘘をついてる坊ちゃんに目が向けられがちです。
しかし実はサーカス編の当時から、サーカス団員もまたスネークに対して嘘をついていたことが分かります。

サーカス団に多大なる恩義を感じているスネーク。
しかしサーカス団員は同じ一軍メンバーでありつつも幼馴染ではない新参者のスネークに対して人さらいを行っていることを隠していました。

こうしてみるとスネークは本当に哀れです。
昔も今も、サーカス団員の仲間たちのことを家族の様に思っているスネークですが、当のサーカス団員達との間には大きな境目があるように感じます。
付き合いの歴が違うからこそ仕方がなかったのかもしれませんが、それでもスネークのひたむきな気持ちを知っている読者としてみればあまりにも切ない現実です。

また、嘘をついてごまかすという点において、ドールは今回も、そして前回のサーカス編でも非常に重要なポジションにいることが分かります。

ドールはサーカス編で、サーカス団のテントに忍び込んだ坊ちゃんと接触した際、坊ちゃんの嘘の懇願を信じてしまい非情になりきることが出来ませんでした。
その結果徐々にサーカス団員達の秘密にほころびが生じ、最終的に崩壊に至ったのです。

坊ちゃんを見逃した事を責められ殴られるドール:黒執事第29話「その執事、醜行」より引用

今回もまた「嘘」を隠し通すという点で、ドールはサーカス編と同じく非常に重要な立ち位置にいます。

果たして今回は情に流されること無く、嘘をつきとおすことが出来るのでしょうか。
引用源:
【黒執事考察ブログ】ネタバレ第194話「その執事、入校」ドールが吐いた「嘘」。/ポメラニアンはヴィクトリア女王が愛した犬種/F.O.L児童養護院の目的は兄シエルを取り囲む周りの環境、および使用人たちも丸ごと1からシリウス型の子供たちに限定した形で再現することにある可能性について - 黒執事考察ブログ

ただこのようなどちらも結局はグレーである問題について、過去の黒執事の傾向では容赦なくズバズバと苦しい展開を転がり落ちていくことがあります。
なので今回の件も、決してすっきりした回答、と言うのはもはや期待できず、いうなれば非常にある意味リアルで苦しい展開を迎える可能性が高いのでは、と感じています。

今後の黒執事:銃声が巻き起こすもの

こちらはまだ根拠が浅い予想考察となります。
スネークの過去回想を挟み現実に戻った後、近いうちに離脱組の新しい死神、もしくはそれに匹敵する重要キャラクター(可能性は低そうですが葬儀屋やポラリス様等誰か)が登場する可能性があると私は感じています。

といいますのも今回、フィニたちと施設側との間で武力衝突が発生し、施設職員が発砲、そしてフィニがガラス瓶を割り大きな音が発生しました。
結論から申し上げますと、この音がその人物を引き寄せる引き金になった可能性があります。

ドールは直前まで輸血処置を受けていましたが、施設職員達は「時間がかかっているようね」と発言していました。
このことから、つい先ほどまでドールは施設職員以外の別の誰かから処置を受けており、一段落して施設職員と交代になったタイミングでフィニたちと鉢合わせになった可能性があります。
もしそうであった場合、この施設にはまだドールの処置を行った離脱組の死神もしくはそれに匹敵する重要人物がまだ近くにいる可能性があります。

その状態で銃声とガラスが割れる音がした場合、その人物が様子を見に戻ってくる可能性は非常に高いのではないでしょうか。
もし仮にこの人物が本当に離脱組の新しい死神であった場合、それはレイラのハサミ型デスサイズの持ち主、または確証は持てませんがジェーンの斧がデスサイズであった場合そのどちらかの持ち主のNEW死神である可能性があります。

もしそうであった場合、デスサイズの殺傷能力はおおよそ持ち主の死神の戦闘能力に比例している事から、恐らくオセロ同様の技術特化型(※医療技術を持ち、葬儀屋に施した可能性有)の死神であり武力はそこまで高くない可能性があります。
離脱組の死神については下記記事で詳しく言及しています。
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疑問点:ファントムハイヴ邸でのサーカス団員の虐殺をドールに伝えたのは誰?

こちらは疑問点です。大きな伏線である可能性がある為、こちらに残しておきます。
今回、ドールの口からはサーカス団員達がどのように殺されたか、そして誰によって殺されたかまでが赤裸々に語られました。

ドールは、この事実をどのように知ったのでしょうか?
大前提として、ドールはケルヴィン男爵邸で坊ちゃん、セバスチャンによって殺害されました。
なので100歩譲ってドールがケルヴィンとジョーカーの最後を知っていることは理解が出来るのですが、遠く離れたファントムハイヴ邸で同時刻に起こっていた虐殺について死因のみならず誰が殺したかまで知っているのは純粋に疑問として残ります。
現段階で考えられる候補は上から可能性純に考えて以下の通りです。

・葬儀屋(検死した可能性)
・離脱組の死神?
・タナカさん

葬儀屋説

サーカス編の際葬儀屋さん本人は坊ちゃんを追いケルヴィン男爵邸にいた為、ドール(と、ジョーカー※仮)のようにファントムハイヴ邸で亡くなったサーカス団員の死体を直接回収することはできなかったと思われます。
しかしサーカス編当時は豪華客船編より前の為、葬儀屋が葬儀屋業としてまだ現役でした。
もし仮に今回も葬儀屋に死体処理を依頼していた場合、その時に葬儀屋は死体から記憶を盗み見た可能性があります。

ただ、サーカス編ではファントムハイヴ邸でなくなった団員の死体やその処理についてが一切明白にされておらず、葬儀屋に依頼が行ったかも謎です。

セバスチャンの発言
「貴方がた3人は散らかした物を片付けてください。修理と通常業務は私がします。」
黒執事第37話「その執事、新調」より引用

散らかした物というワードに強調の点が打たれていた為ここに死体の意味が込められている可能性もありますが、死体遺棄を使用人たちが担当するか…?と思うと考えものです。
最近明かされたバルドの過去編では、ファントムハイヴ邸に忍び込んだ暗殺者をバルドが殺めた後は、翌日に葬儀屋が遺体を回収に来るようセバスチャンが手配していました。

セバスチャンにとっての通常業務に暗殺者の遺体処理手配が含まれていた場合、この可能性が一番高くなるのではと感じています。

離脱組の死神説

まだ直接は登場していませんが、葬儀屋側にまだ未登場の離脱組の死神が存在していることはほぼ確実と言えます。
これは完全な予想ですが、もしサーカス編の際葬儀屋はケルヴィン男爵邸、その死神はファントムハイヴ本邸で事件の成り行きをみていた場合、ファントムハイヴ邸での虐殺の詳細を知ることは可能なように感じます。
ただこれはまだ根拠が浅いため、あくまで「可能性」の一説として挙げさせて頂きます。

タナカさん説

最後にタナカさん説です。
ファントムハイヴ邸がサーカス団員の襲撃を受けた際、タナカさんは現場にいました。
そしてその後兄シエル側で執事をしています。

このことから、今見えるキャラクターの中、明かされている情報で素直に考えてみれば、タナカさんが詳細を話したと考えることが一番自然なようにも見えます。
しかしこの説については、タナカさんの人間性を考えるとどうしても可能性を低く感じざるを得ません。

ドールがスネークに説明したサーカス団員達の最後は確かに全て事実でしたが、それらは本来知る必要もないような詳細な部分まで共有されていました。
もし仮にこれをタナカさんが話していたとした場合、この内容は少なからず坊ちゃんにとって不利になる情報であり、またドールに対し坊ちゃんへの敵意を増す内容であると分かっていたはずです。

それにも関わらず、坊ちゃんを陥れるような内容の共有を、たとえ事実であったとしてもあのタナカさんが本当にするだろうか…と感じずにはいられません。
双子の秘密でさえ、坊ちゃんが隠している内は真実に気づきつつも墓までもっていこうとしていたタナカさん。
そんなタナカさんがこんな残酷なことを危険な相手に赤裸々に伝えるはずがない、という、半分考察半分希望を交えた理由で、一番可能性が低い説とさせて頂きました。頼む‥‥。

ドール:記憶を繋がれている説

ファントムハイヴ邸での記憶について、葬儀屋や離脱組の死神の仕業である可能性について言及しましたが、もっと言えばドールは彼らによってファントムハイヴ邸での事件を言葉ではなく記憶として埋め込まれた形で蘇生されている可能性もあります。
といいますのも、ドールの語り口はまるでサーカス団員の死を全て見たかのように詳細であるからです。また、本来ならば知っている筈がない情報もいくつかドールは語っています。

例えば死因だけなら死体でも特定できますが、誰に殺されたかまでは現地で直接見るか、もしくは遺体の走馬灯劇場を覗きでもしない限りなかなか難しいと思われます。
それにも関わらずドールは誰に殺されたかまでを、詳細に語りました。
また、さらに言えばドールはメイリン、バルドと直接会ったことがありません。それにも関わらずメイドとシェフが殺害したことを語りました。
更に更にいうなれば、フィニに関する暴露もおかしな点があるのです。
それは、ドールがフィニを「庭師」と呼んだ点です。

フィニは児童養護施設に来てからドールに対して自分が庭師だとは名乗っていませんでした。
あくまで四人の子供たちにのみ、疑惑の念をといてもらう為に「庭師」であることを明かしており、その場にドールはいませんでした。

4人の子供たちにのみ自分が「庭師」だと明かしていたフィニアン:黒執事第199話「その執事、陳答」より引用

それにも関わらず、今回の第205話ではドールはフィニアンを指し「庭師」と叫びました。

何故かフィニアンが庭師であることを知っているドール:黒執事第205話「その執事、恐慌」より引用

この記憶は一体何処から来たのでしょうか?

これはまだ予想レベルの内容なのですが、もしかするとドールはより高度な蘇生実験を行うために「未来への願望」を強化するために殺されたサーカス団員の記憶を走馬灯劇場の中に繋げられてしまったのかも、しれません。
だとしたら本当に残酷です。
もしそうだとしたら、まるで自分自身が見たり経験したかのような臨場感あふれるサーカス団員達の殺される描写の説明の仕方や、本来初対面であるはずのフィニや、見たこともないはずのメイリンやバルドを知っている事もつじつまが合うように感じます。
走馬灯劇場を編集できることは既に葬儀屋によって明らかにされています。
元々坊ちゃんへの殺意に塗れて無念の内に殺されてしまったドール。
恐らくそれに着目した葬儀屋が実験台として死体を回収したと当ブログでは考察をしてきていました。
つまりそれだけでも素材としては十分優秀なのではないかと思われたのですが、もし更に上を目指しファントムハイヴ邸本邸での記憶も埋め込まれていたとしたら…。
現段階ではなんだか恐ろしいほどつじつまが合うような気がしてなりません。

第205話ではまるで狂ったような笑顔を見せたドールですが、もしそうだとしたら本来は知ることもなかったはずの残酷で抱えきれないような記憶に押しつぶされそうなのかもしれません。
余談ですが、ジョーカーの可能性があるポラリス様も感情のコントロールが出来ない節がありました。
もしジョーカーもまたドール同様にこのような記憶の埋め込みや共有がされていたとしたら‥‥。あのように取り乱し続けてしまうのも最ものように感じます。

ドールの目的:ファントムハイヴへの復讐

そして、遂にドールの目的が明らかになりました。
それはやはりサーカス団員を皆殺しにしたファントムハイヴへの復讐でした。

当ブログではポラリス様(※ジョーカー仮)の、兄シエルへの忠誠の言葉に見せかけた殺意などを考察してきました。
表向きは兄シエルと葬儀屋に従い延命をしてもらいつつ、全ては青き星(シリウス=兄=双子)の為にと謳うスフィア・ミュージックホールにいながらこの発言は明らかに矛盾しています。

恐らくこの矛盾があるからこそ、ポラリス様とカノープス様は共にこれだけ狂わんばかりに苦しんでいるのではないでしょうか。

やはり、危惧していた通り少なくともドールはファントムハイヴへの真っ黒な感情を持っていました。
葬儀屋と兄シエルは何故このような危険な人物を、お星さまという立場に置いているのでしょうか?

勿論葬儀屋も兄シエルもドールそしてポラリス様のこの感情を知らないはずはありません。むしろ先ほども言及した通りもしサーカス団員の記憶を誰かがドールに授けていた場合、この殺意の感情さえ意図的に植え付けたものである可能性すらあります。
制御できるという自信があるのか、それとも何か突出する利用目的があり、それを果たした暁には彼らを処分するつもりなのか…。まだその詳細は分かりません。

ドールが敢えて「シエル」や「スマイル」ではなく、「ファントムハイヴに復讐」と言った点も気になります。
果たしてこれは坊ちゃんだけを指すのか、それとも兄まで指すのか‥‥。

いずれにせよ、どちらも葬儀屋と兄が許すはずはありません。
「全ては青き星の為に」と謳っておきつつも、内お星さま2名は少なくとも忠誠心はなさそうです。…かといって坊ちゃんに対しても殺意がMAXのはずなので、坊ちゃん側に寝返る、という訳では全くありませんが・・・。

見える範囲の情報を見る限り、今兄シエル側がドール、そしてポラリス様に対して行っていることは兄シエル自身を殺意対象の餌として実験を行っているようにさえ感じます。
このあたりの点は、いくら読んでもまだまだ推しの考えがはっきり見えないポイントです。
これからもまだまだ伏線が張られると思うので、引き続き注意深く読んでいきたいと思います。

まとめ

6年以上暖められた伏線が無事見事に回収され、そしてまた新たな伏線が張られました。
いよいよ苦しい展開になってきています。今回のお話を一言で纏めるならば、ドールが真実を暴露した瞬間に文字通り心に氷水を思いきりかけられたかのように感じたお話でした。

いつかは来ると思ってはいましたがまさか今回ではないだろう。いつも何となくついそう思ってしまうのですが、やはりその時は訪れてしまいました。
葬儀屋さんもこんな感じでいつか逝ってしまうのでしょうか…。確定はしてない。確定はしてないけど限りなく…ううん助けて。

考察に直接関係が無かった為上記記事では触れてきませんでしたが、今回の第205話では施設職員の発砲から子供たちを守る為フィニアンは肩を負傷しています。
これだけ頑張っているのに、その先で突きつけられた現実は…。あまりにも残酷です。

また、実はスネークもドールに対し「ドール。お前が『お星さま』?そんなの‥‥嘘だろ?」と、なんといつもの「って、●●が言ってる」という言葉なしの素の言葉がぽつりと一言だけこぼれていました。
そしてそれ以降は言葉が出ない…。とてもリアルで、スネークの混乱が手に取るように分かりました。

いよいよ決断の時が近いように感じます。
果たしてスネークはどちらを選ぶのでしょうか?ここは全く考察できません。
考察する場所ではなく、スネーク本人でないと、そして枢先生でないと分からない点だと感じています。だからこそ胃がキリキリしてしかたがありません…。

しかしあまりにも赤裸々で、綺麗ごと無しにリジーの心境を描いたのが黒執事…。
あの容赦なさを見ると…スネークがまた坊ちゃんと敵対していた頃に戻ってしまうのではないかと不安でなりません。せめてドール側につきつつも「わからない」というスタンスでいてくれたらまだ救いはあるのですが…。

リジーもですが、結局兄シエル側を選んでしまう理由はそちらを選ばないと大切な人が死んでしまうからなんですよね。
なので今回のスネークも、結局倫理観では共感できなかったにしても、ドールがまた死んでしまうという事実を天秤にかけられたとき、見捨てることが出来るかと言われると…。それもかなり難しいように感じます。

だからこそ、逆に言えば明確に「兄の生命線を断つ。(※殺す)」とそれでも言い続けることが出来る坊ちゃんはやはり一つ突出しており、また芯が通っているように感じます。兄シエルと葬儀屋さんは内心泣いちゃうかもしれませんが。

急展開を迎えた黒執事、来月号までおなかを壊さないように気を付けながら胃をキリキリさせつつ待ちたいと思います。
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餅月