こんにちは!餅月です
今回は今年の3月に上げた下記考察記事の抜粋まとめなおし記事となります。
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先日発売のコミック最新刊27巻では、遂に悪魔と契約者との間に結ばれた契約の具体的内容が明らかになりました。
セバスチャンは坊っちゃんを前にして机に座り契約交渉を行ったのですが、このシーンには読者を惑わすための非常に緻密で難しいトリックが仕掛けられている可能性があります。
皆様はコミックを読み、知らないうちにセバスチャンの嘘にからめとられてはいないでしょうか?
今回の大きなテーマはこちらです
・悪魔は死んだ人間を生きかえらせることが出来るのか
・セバスチャンの発言は今話だけは信用してはいけない
「死んだ人間を生き返らせることは出来るのか」
さて、今回の話の中で最も重要そうなのはのはこの問題です。
私は以前より当ブログで
「悪魔には死んだ人間を生きかえらせる能力がある可能性が高い」と考察してきました。
第138話では、坊ちゃんからその能力の有無をセバスチャンに問うシーンが描かれる可能性が高いと予想考察しましたが、こちらが的中しました。当ブログでも何度か言及させて頂きましたが、
今まで黒執事のアニメ、原作を通じ、「悪魔に誰かを生き返らせて欲しい」と頼んだ人物は誰一人として存在しませんでした。
これは大きな伏線である可能性が高いです。
そして今回、
満を持して坊ちゃんはセバスチャンに遂に「人を生き返らせることが出来るのか」という疑問を投げかけました。
今回紐解く内容はこの「死者蘇生の能力」についての悪魔と坊ちゃんの会話内容です。
注意点!例外的に、今回はセバスチャンが嘘をつける状態である
今回の考察をしていくうえで大切なのは、
今回の話の時点では、まだセバスチャンは嘘をついている可能性があるということです。」
黒執事を考察するうえで、
セバスチャンの発言は普段は非常に重要なものです。
理由は、セバスチャンは坊っちゃんによって「嘘を付くことを禁止」されているため、発言の全てに信用が置けるからです。
しかし今回のセバスチャンは契約前のためイレギュラーです。
普段は全面的に信用できるセバスチャンの発言ですが、「嘘を付いてはいけない」という決まりごとが課せられてない以上、今回の彼の発言はむしろ全く信用できないものとなっています。
これが今回の重要のポイントだと感じています。
ここを混同すると、あっという間にセバスチャンの話術にからめとられ真実が見えなくなってしまいます。
これらを踏まえたうえで、具体的に考察していきたいと思います!
悪魔には死んだ人間を生きかえらせることが出来るのか?
まずは坊ちゃんの「死人を生き返らせることが出来るのか」という坊ちゃんの問いに対するセバスチャンの回答を見てみましょう。
悪魔「穏やかで幸せな時間をお約束しますよ。」
このセリフ自体が、すでに非常におかしな回答であることにお気づき頂けるでしょうか?
まず大前提として、
このセバスチャンの回答は
そもそも死んだ人間を生き返らせられるかどうかという坊ちゃんの問いに対する答えになっていません。
具体的に言いますと、
もしこの坊ちゃんの質問に解答するならば「イエス」か「ノー」の二択しか存在しないからです。
英語の文法的に考えてみれば直ぐにわかります。
坊ちゃんの質問は「Can you~?」です。必然的に答えは「yes,I can」か「No,I can`t.」の二択であることが明白です。
それにもかかわらず「穏やかな時間を約束する。」という回答・・・。
英語のテストだったらペケかもしれません笑
つまり、セバスチャンはこの時点で坊ちゃんの問いに対し応えているように見せかけながら、実は答えをはぐらかしているという事実があることが分かります。
何故セバスチャンは「穏やかな時間を...」と答えたのか?
ではそれを踏まえ次の疑問です。
何故セバスチャンは敢えて「穏やかな時間を...」という答えになっていない返答をしたのでしょうか?
セバスチャンは非常に賢い悪魔です。
当然セバスチャンは、自分のこの回答が文法的に見ても答えになっていないとわかっていながらこの発言をしたはずです。
分かっていながらあえてこの問いにしたのには理由がある可能性が高いです。
その理由こそが質問者をはぐらかすためという目的であった可能性があります。
悪魔の本心は?
セバスチャンが発言した「穏やかで幸せな時間をお約束しますよ。」というセリフ。
セバスチャンは何故あえて「イエス」「ノー」ではなくこの言い方で答えたのでしょうか。
それには2つ理由があるのではないかと私は考えています。
それがこちらです。
・本当の答えをはぐらかし、誤魔化すため
・言葉の受け取り手側に「答えの本当の真偽に関係なく、勝手に「答え」を想像させてしまう回答」とするため
どういうことなのか具体的に説明していきます。
セバスチャンの真意を紐解くうえで、今回の悪魔の回答に対する、「正解の受け答え方」を考えてみたいと思います。
悪魔の口車に乗らされない正解の受け答え方があるとすれば恐らく下記の方法のみをあげることが出来ます。
「それは答えになっていない。イエスかノーかで答えろ」
これこそが、悪魔の口車に乗せられなかった唯一の正解の回答と言えるのかもしれません。
しかし坊ちゃんは「嘘だ」と言ってしまいました。
坊ちゃんは、いったい何を思って「嘘だ」と発言したのでしょうか?
これこそが、先ほど言及した悪魔が期待した「受け取り手側に妄想の答えを魅せる事」に関わってくる部分です。
セバスチャンの回答は支離滅裂
セバスチャンの発した回答は、
一見的を得ているように見えていながら実のところ支離滅裂です。
「穏やかで幸せな時間をお約束しますよ。」という発言は何も定義がありません。
「穏やか」が何をもって「穏やか」というのか。
「幸せ」とはどういう状況を指すのか。
これらの定義は全て受け取った人一人一人によって異なるものです。
なのでセバスチャンのこの答えは、嘘か本当か、という話ですらないのです。
むしろ何も答えていないといった方が正しいのかもしれません。
それなのに坊ちゃんはセバスチャンのこの発言を受け「嘘だ」と言ってしまいました。
この発言があらわすことは、
坊ちゃんは悪魔の支離滅裂な話の中から、「イエス」か「ノー」かという、回答の幻想を、独自で生みだしてしまったということです。
これはとても危険な状態だと感じます。
何故坊ちゃんは「嘘だ」といったのか
「穏やかな時間をお約束しますよ」
先程この答えは、受け取る人によってさまざまな回答を妄想することが出来ると言いました。
例えばいくつか考えてみます。
- (シエルを本当に復活させられるから、)穏やかな時間を約束しますよ。
- (シエルを復活は出来ないけど、そう信じ込ませる事は出来るから)穏やかな時間を約束しますよ。
- (坊っちゃんを殺し、死後の世界で)穏やかな時間を約束しますよ。
などなどなど・・・・
パターンは未知数です。
これこそが、悪魔セバスチャンが坊ちゃんと私たち読者に魅せようとしている幻想だと私は感じています。
これに絡めとられると、もう真実を見つけることは難しくなるのではないでしょうか。
セバスチャンが坊ちゃんの質問に「イエス」「ノー」で答えてない今、上記の幻の中からはたしてどれが、セバスチャンが指す本当の事実だったのか、を知る術はもはやありません。
すべてが根拠のない私たちの思い込みとなってしまいますし、それこそが悪魔セバスチャンの目的なんだと思います。
坊ちゃんが見てしまった悪魔の「応えの幻」
「嘘だ」といった坊ちゃんの中では、
悪魔の答えになっていない解答を受け、何か「真実」にみえる幻想を見てしまったはずです。
では坊ちゃんにはこの発言がどのような答えに見えたのでしょうか?
これを理解するために、「嘘だ」と答えた坊ちゃんの発言を見てみたいと思います。
- 渡り賃は2度と戻らないとおまえは言った。(根拠)
- つまり死んだ人間を生き返らせることや時間を戻すことは出来ない(答え)
- 『死んだ人間が生きている』そう僕に思い込ませることが出来るだけ(答え)
これらの坊ちゃんの推理は一見的を得ているように見えますが、残念ながらすべて論破できてしまう内容となっています。
一つずつ説明していきたいと思います。
渡り賃は2度と戻らないとおまえは言った。(根拠)
この発言の時点でセバスチャンは坊ちゃんと契約していないため、セバスチャンの発言が真実だという保証はどこにもありません。
坊ちゃんはこのセバスチャンの発言を根拠にしてこの論理を考えたようですが、根拠と呼ぶにはまだ少し危険な状態です。
むしろセバスチャンが坊ちゃんを契約まで漕ぎつけるために「シエルは戻らない」と嘘をついた可能性さえ、この時点ではありました。
追記:なお、現在軸のセバスチャン(嘘を付いてはいけないと契約した後)によって「兄シエルの魂は私が渡り賃として頂いた。そうでないければ私は今ここにはいない」と言及され、この発言が真実であったことが明らかにされました。
セバスチャンは契約の際、嘘と真実を織り混ぜて発言していたようです。こんな風にごちゃまぜにされてしまっては、誰も悪魔の真意にたどり着けませんよね。
坊ちゃんはセバスチャンと契約する際、「奴は僕と対等に契約する気は全くない‥!」と危機感を感じていましたが、正しくその通りだなと感じました。
死んだ人間を生き返らせることや時間を戻すことは出来ない(答え)
先程の部分が、坊ちゃんが悪魔の説明を「嘘だ」と感じた理由に対する「根拠」でした。
そしてその「根拠」を元に坊ちゃんが見出した「答え」が、「悪魔は死んだ人間を生き返らせることや時間を戻すことは出来ない」というものだと坊ちゃんは説明しています。
「死んだ人間を生きかえらせることはできない」という答えは、セバスチャンの「渡り賃は2度と戻らない」という発言が事実であった場合のみ有効です。(これさえも、契約時には嘘である可能性は十分ありましたので、それを踏まえるとこの時点ではかなり弱い根拠であることが分かります。)
最も重要な点は、「時間を戻すこと」についてセバスチャンは一度も言及していないという点です。
時間を戻すことが出来ない、という答えは一体どこから出てきたのでしょうか?
これこそが坊ちゃんが頭の中で描いてしまった幻の答えであると考えることが出来ます。
『死んだ人間が生きている』そう僕に思い込ませることが出来るだけ
更に続きます。
何故坊ちゃんは「『死んだ人間が生きている』そう僕に思い込ませることが出来る」と坊ちゃんは思ったのでしょうか?
先ほども述べたように、
ざっと考えただけでもセバスチャンの言う「穏やかな時間」とは何通りも予想することが出来ます。
それらの中から、セバスチャンが本当に示す答えが、「思い込ませる」ことだったと限定して言い切れる根拠はどこにも存在しません。
坊ちゃんが悪魔に見せられてしまった偽りの答え
以上を踏まえ、
坊ちゃんが見出してしまった「根拠のない偽りの答え」をまとめます。
・坊ちゃんは、悪魔が死んだ人間を生きかえらせることは出来ないと思った。
・坊ちゃんは、悪魔が時間を巻き戻すことは出来ないと思った。
・坊ちゃんは、代わりに悪魔は死んだ人間が生き返ったと誰かに思い込ませることが出来ると思った。
これが、セバスチャンが坊ちゃんに見せた幻です。
坊ちゃんの答えを聞いたセバスチャンは‥‥
以上のように考えると、
坊ちゃんが「嘘だ」と指摘したことは実はすべて根拠があやふやであることが分かります
そしてそんな坊ちゃんの回答を受け、セバスチャンはこう答えます。
・・・・・ゾッとするものがありませんか?
本当に・・・?
本当に坊ちゃんは「気づいた」のでしょうか?
普段でしたらセバスチャンの言葉をすべて事実としてとらえることが出来ます。
しかし何度も言うように
今回のセバスチャンは坊っちゃんと契約を結ぶ前なので、この時点でもまだ嘘が付ける状態です。
私は本当は坊ちゃんは何も気づいていないのだと思います。
むしろ悪魔セバスチャンが巧みに織り交ぜた言葉の幻想に、ものの見事に捕まってしまっただけのようにどうしても見えてしまいます。
常に 一枚上手な悪魔の話術
セバスチャンは坊ちゃんに勝手な幻想を見せ、更にこう続けます。
悪魔「よくお気づきになりましたねえ」
悪魔「冷静ですし、勘が良くていらっしゃる。先ほどまで赤子のように泣きわめいていたとは思えません」
坊っちゃん
「なっ・・・馬鹿にするな!」
私にはこれが、悪魔による「リップサービス」のように聞こえます。
セバスチャンだけが、今回の坊ちゃんと自分との間の会話の本当の意味に気づいているのではないでしょうか。それに関わらず坊ちゃんのミスを指摘することなく、さも相手が正しいかのように「正解正解、すごいねー」とヨイショしているようにさえ感じました。
坊ちゃんは、このセバスチャンの対応により更に「自分は悪魔を出し抜いた、悪魔の嘘を見破った」と悪魔によって思い込まされているだけようにどうしても私には見えてしまっているのです。
だからこそ坊ちゃんは、悪魔のヨイショに対し、「馬鹿にするな」と発言します。
とても皮肉な状態が悪魔によって生み出されているように感じます。
まとめ
以上のことから、
私は坊っちゃんから「嘘だ」という言葉が出てくることこそ、坊ちゃんがすでにセバスチャンの話術にはまってしまっている証拠なのではないかと考えます。
私はこの問答が原作で描かれる前の記事で、
- 今回の契約回想中のセバスチャンの話は信じてはいけない
- セバスチャンは嘘をついている可能性が高い
と言及し、ここが今後ミスリードとして描かれる可能性がある点について言及していました。
今回坊ちゃんが「嘘だ」と発言した時、一瞬「考察当たったきたあああああ!」とタコ躍りをしかけたのですが、冷静に考えると今回言及したような様々な疑問点を感じることが出来ました。
セバスチャンが契約をする際、嘘をついているのは恐らく事実です。
ですが、その「嘘」は、今回坊ちゃんが言及したところとは異なる点で嘘をついている可能性があります。
私はそれこそが
悪魔は人間を生き返らせることが出来るというものなのではないかと感じています。
セバスチャンは「悪魔に人間をよみがえらせることが出来るのか」という質問に対しまだ答えを述べていない状態です。
はぐらかしたという事実は非常に重要です。
悪魔が真実を悟られたくない、はぐらかしたいとおもう理由が存在するはずだからです。
「答えないことが答え」とはよく言いますが、私はセバスチャンが分かりにくい話術を使ってまではぐらかしたことから、「悪魔には死者蘇生が出来る可能性が高いのではないか」とより強く感じるようになりました。
また、こう考える理由としてはもう一つ大きな理由があります。
それは死神と悪魔の上下関係に関する伏線の中で、密接に関わってきそうな部分が存在するからです。
死神派遣協会と悪魔
死神派遣協会は悪魔を「害獣」とさげすんでいます。
しかし、実は本来、死神の力は悪魔の力から派生、もしくは由来したものである可能性が出ています。
その理由として、死神派遣協会の死神が大事にする眼鏡を挙げることが出来ます。
実は当時の19世紀イギリスでは、眼鏡には「悪魔の仕業」という異名がありました。
眼鏡(悪魔の仕業)に頼っているグレル・サトクリフとロナルド・ノックスは悪魔であるセバスチャンに勝つことが出来ません。
しかし、眼鏡をしていない葬儀屋だけはセバスチャンに勝つことが出来ます。
そして葬儀屋は
葬儀屋
「目(眼鏡=悪魔の仕業)に頼っているようじゃァ、まだまだ青いねえ~?」
と発言します。
・・これは偶然でしょうか?
もし死神派遣協会の死神たちが大切にする眼鏡が「死神は悪魔の力に依存する」ことを表す象徴だった場合、悪魔と死神の上下関係がひっくり返る可能性があります。
死神派遣協会も、死神という形ではありますが人間を死者蘇生することが可能な組織です。
なのでもし悪魔にも死者蘇生が可能である場合、そしてその力こそが死神派遣協会の死者蘇生の能力にもつながってくる場合、悪魔が死者蘇生を出来るか否かは今後の黒執事で非常に大きな伏線となる可能性があります。
眼鏡と死神派遣協会の関係性については下記記事に更に詳しくまとめてあります!
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黒執事の中で死者蘇生が出来る人物
悪魔に死者蘇生が可能だと仮定すると、黒執事内における死者蘇生が可能な人物は以下の通りとなります。
・死神派遣協会
・葬儀屋
・悪魔
また同時に、死者蘇生できる条件として、それぞれに相違点があることも大変興味深いです。
例えば以下の通りです。
・火葬した死体しか死者蘇生できない派遣協会
・火葬されていない死体しか死者蘇生できない葬儀屋
・不明点が多いものの、炎を印象的に使うことが多い悪魔
死者蘇生についての考察は下記記事に具体的にまとめてあります!
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まとめ
以上が今回の考察内容です。
何回にも分けて描かれている悪魔と坊ちゃんの契約シーンは、語られてこなかった空白の時間を毎回少しずつ埋める形で形成されてきました。
カレー事件編
・坊ちゃんはどこかに捕まった過去があるサーカス編
・捕まったのは黒ミサだった。会場の再現により坊ちゃんのトラウマが再燃する豪華客船編
・具体的に黒ミサで二人がどのように出会い、契約したのか緑の魔女編
・黒ミサで具体的にどのような仕打ちがされたのか青の教団編
・実は黒ミサには坊ちゃんだけでなく本当のシエルも捕まっており、坊ちゃんが双子だったこと、また細かな伏線が回収される(いつ指輪を手に入れたか、など)
今回の青の教団編で、
「契約」シーンに残された伏線はほぼ全てが一気に回収されました。
しかし実はまだ2つだけ、
語られずに残された伏線が存在します。
それが今回考察した「悪魔に死者蘇生は可能か」と、もう一つ。
「兄シエルの名前がいつどのような経由で坊ちゃんの中で悪しき名となったか」です。
詳しい考察は下記記事にまとめてあります!
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坊ちゃんが、復活した兄シエルに会えたことを喜ばず、むしろ過剰におびえる描写は違和感が残るものです。
まだ何故そのようにおびえるのかの理由も全く明らかとなっていません。
坊ちゃんの中で兄シエルが悪しき名となったタイミングと、セバスチャンが「悪魔が人間を生き返らせることが出来るか否か」を本当の意味で答えた時期は、もしかすると近いのかもしれません。
坊ちゃんは賢いです。契約時には悪魔の巧みな話術に絡めとられ答えにたどり着けなかったとしても、恐らく最終的な現段階ではセバスチャンから悪魔が本当に死者蘇生が出来るのか否かについて、イエスかノーの答えを得ることに成功しているような気がします。
これはあくまで根拠のない予想ですが、もしかするとセバスチャンが契約後坊ちゃんを絶望の淵に叩き落すために敢えて真実を教えた可能性さえあるのではないでしょうか。
そしてもしその事実を伝えたタイミングでセバスチャンは坊っちゃん対し兄シエルを悪しき名に貶めるほどの衝撃事実を伝えていたとしたら・・・
兄シエルには様々な妖しい疑惑が存在します。
これについては今後まとめ記事を作らせて頂きますが、簡単にまとめますと兄シエルはファントムハイヴ家襲撃事件に加担した加害者側である可能性があります。
まだ根拠はありませんが、私はセバスチャンが、兄シエルの為に自分が兄シエルになるという健気な自己犠牲の精神から契約を結んだ坊ちゃんに対し、坊ちゃんを絶望の淵に叩き落してその魂をより美味なものにする為に、この残酷な事実を敢えて伝えた可能性があると感じました。
そして坊ちゃんはそれを受け、最終的にセバスチャンに対抗するためにあえて兄シエルの死者蘇生を望まず、またその事実を踏まえてもなお兄シエルの為ではなく自分自身のために生きると決め、悪魔と戦う選択をした可能威があると考えています。
セバスチャンは坊っちゃんと契約を結び終え、ようやく嘘を禁じられました。
そして嘘を禁じられてから、まだ現在もなおセバスチャンから「人を生き返らせることが出来るか否か」についての言及はありません。
・シエルの名が悪しき名となった理由
・悪魔に死者蘇生が可能かどうか
この意図的に残された最後の二つの伏線は、後々兄シエルのキャラクター性を180度変えるものとして、そして果ては悪魔と死神派遣協会の関係性にまで関わってくる、非常に重要な伏線となる可能性があります。
餅月