黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第208話「その執事、解放」/考察的中!!遂に明かされたスネークの過去。しかし肝心なポイントは意図的に隠されている可能性について

こんにちは!餅月です。
『黒執事』最新話第208話「その執事、解放」Gファンタジ―2024年2月号の考察をしていきたいと思います。

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前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
www.under-taker.com

第208話初見読みライブ配信

第208話の初見読みライブ配信はこちらです。
今回から、顔出しライブ配信になりました!
オープニングとエンディング動画も新たに作ったので是非観て下さい!

毎月18日Gファンタジー発売日に、
YouTube Liveにて初見読み&考察のリアルタイムライブ配信を行っています。
最近はこちらのブログ記事と並行して聞いて下さっている方もいらっしゃると伺っています。

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あらすじ:黒執事第208話「その執事、解放」Gファンタジー2024年2月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:光の名赤から差し出される手に、自分の手を伸ばすスネーク
それは確かに…光だったー
家族に傷つけられ、仲間に見限られたスネーク

なんで、どうしてこうなったんだ。どうしてお前たちは俺たちに手を差し伸べた?とぼんやり考えるスネーク。
・スネークの過去回想に入る。
気づいた時には檻の中にいた、その理由も外の世界も何も知らなかった
・豪華なカーテンの奥に檻があり、その中でスネークと蛇たちは閉じ込められていた。
・見世物小屋の男は、スネークの事を「世界に一人しかいない半身半蛇の怪物」「母は人間父は蛇」「父親は…あのデカいヤツ(大蛇)」と説明する
・スネークは「全部嘘だ、父なんていない。俺も蛇たちもみんなどこか遠いところから連れてこられた」と回想する。
・その後サーカス団に助けられたスネーク。同じタイミングでサーカス団員ダガーは複数の子供たちを馬車に乗せていた。
・言葉を発さなかったスネークだが、ジャンボが蛇に対して問いかけると返事を返すことが出来た。
ジャンボが名付け親となり、蛇たちに名前を付けた。
・そんな中、セバスチャンと坊っちゃんが潜入する日がやってくる。

現れたのは2名の有望新人(ルーキー)
黒執事第208話終了ー

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
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第208話:考察的中箇所

・F.O.L児童養護院編はフィニアンではなくスネークの過去回想編になる→考察的中◎!

第208話:新たに張られた重要伏線箇所

・スネークの境遇と双子の類似点
・スネークの発言に存在する違和感
・スネークの出生(謎のまま)
・スネークの蛇使いの能力について(謎のまま)
・サーカス団は何故スネークを解放したのか

枢先生の巻末コメント

足を下から温めるフットヒーターを導入したら、足のかゆみが解消。嬉しい~

以前Twitterでどうにかできないかとご相談されていた枢先生。
無事解消されたようでよかったです!

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

スネークの舌ってスプリットタンだったんだ!!!
多分スネークの舌先は初公開だったはず‥。まさか舌まで蛇のようだったとは…!今回のお話の中で一番印象に残ったような気がします。

ピアス大好きな葬儀屋さんならやっててもおかしくないと感じますが、スネーク本人にはスプリットタンにするようなイメージが無い為、生まれつきなのかそれとも誰かにそうされたのか…。気になるところですね。
ライブで読んだ時は初見時「スネークってねずみ食べてたの!?」と一瞬素直に騙されかけたので、吐き出した時は安心しました。

また考察内容としましては、F.O.L児童養護院編第一話である192話のブログで言及した、今回の章がスネークの過去編になる可能性があるという考察が的中しました。
以下引用です

F.O.L児童養護院編はフィニの過去編ではなくスネークの過去編になる可能性

また、今回のF.O.L児童養護院編は、どちらかの過去について語られる場合
フィニアンの過去編ではなくスネークの過去編がメインになる可能性があります。

今までのヒースフィールド男爵邸編とアテナ退役軍人療養所編ではメイリンとバルドの過去が明らかになったことから、自然とフィニの過去編が始まると感じる方も多いかと思います。
しかしフィニと坊ちゃんの出会いは、実は緑の魔女編で既に一度簡単にではありますが描かれているのです。
(略)
スネークの過去は、現在はまだ見世物として檻に入っていた所をサーカス団員達に引き取られたのみしか明らかになっておりません。
また一番仲が良かったであろうサーカス団員の一軍メンバーさえ、「お前本当に蛇の言葉がわかるのか?」と、本物の蛇男であることについてはいささか怪しんでいるような様子です。
以上のことからスネークは、他の使用人たちと負けず劣らず過去が謎だらけのキャラクターであることが分かります。

肝心の出生についてはまだ何も明らかになっておらず、ジョーカーたちと幼馴染でないことから救貧院出身でもないことが分かります。

しかしスネークは児童養護院という言葉に嫌悪感を覚えている為、ジョーカーたちに合う以前にどこかで児童養護院を経験した可能性があります。
(略)
しかし何はともあれ、今回のF.O.L児童養護院編でのメインはスネークがドールたちの言葉を通じ真実を知ることにあるような気がしてなりません。
このF.O.L児童養護院の根幹を探っていけば、恐らくスネークとフィニの過去それぞれに繋がる何かがあることは恐らく間違いありませんが、どこまでそしてどのように深堀されているかはまだ謎です。

今回の章で、スネークが非常に着目されることはまず間違いが無いと私は感じています。
(略)

引用源:
www.under-taker.com


この他にも、F.O.L児童養護院編が開始した第192話の考察で言及した「スネークが坊ちゃんの嘘を知ってしまう事」「スネークが帰還を果たせない事」これらの考察が的中となりました。
考察が当たったのは勿論すごく嬉しいのですが、あまりにも悲しい展開に切ない気持ちが込み上げてなりません。
第一話の時点でこれだけの事が予想できる緻密な伏線のヒントが張り巡らされている黒執事は、本当に凄いと改めて感じました。
以下該当記事の引用です。

今後スネークはどうなるのでしょうか?
これはまだ根拠の淺い私の予想なのですが、恐らく真実を知ったスネークは坊ちゃんの元へ戻ることはないのではないかと感じます。

そもそもの大前提ですが、スネークは坊ちゃんに騙されて使役されているからです。
はじめスネークは、サーカス団の仲間が消えたのは坊ちゃんのせいに違いないと踏み、坊ちゃんを殺すためにやってきました。
その時のスネークの怒りは相当で、その表情を見た坊ちゃんにドールが死ぬ間際に見せた表情を彷彿とさせるほどのものであったことが原作の中で描かれています。

スネークの表情に死ぬ間際のドールを思い出す坊ちゃん:黒執事第50話「その執事、埋葬」より引用

しかし坊ちゃんは言葉巧みに
サーカス団員たちは失踪したと嘘をつき、一緒にサーカス団員を探そうという名目でスネークを勧誘しました。

スネークが坊ちゃんに騙されていたことに気付いてしまった場合、スネークはこの時の怒りに満ちたスネークの状態に戻ってしまう可能性があります。

もしこの考察が正しかった場合は、
以前エリザベスが坊ちゃんの元を去ってしまったときのような本当に辛い展開が待ち受けているのかもしれません。

【帰還までを命じた坊ちゃん/帰還しないメンバーがいる事の伏線か】

また、坊ちゃんは今回別々に行動をするにあたり、任務が完了次第、戻ってくることまで命令しました。

以前当ブログでも言及しましたが、
大変つらい考察ではあるのですがこの命令がすなわち戻ってこないメンバーが出てくることの伏線である可能性もあります。
他の章で死者が出ない限り、それがスネークとなる可能性はないでしょうか。

・予想考察:スネークとフィニの関係性

ではもし仮にそうなってしまった場合、
スネークは敵対することになるフィニアンを攻撃するでしょうか?

これはまだ根拠のない私の予想なのですが、
スネークとフィニアンは互いに攻撃をしあうことはないのではと現段階では感じています。
(略)
スネークもまた、きっと複雑な感情に苛まれはするでしょうがそれでも坊ちゃんへの怒りを直接関係が無いフィニアンに向けるのは違うと思ってくれるのではないかと、期待したいです…(自分が仲間を奪われたように坊ちゃんの仲間であるフィニを殺してやるとなったらもう地獄ですが・・・)

私個人的には、スネークには何とかその理性を保ってもらって、
フィニには坊ちゃんへの自分が離脱するという伝達係の意味もかねてせめて坊ちゃんの元へ返してほしいと願ってやみません。
※演出的にも、フィニアンのみだけが坊ちゃんの元へ戻り、その旨を報告するなんて描写も非常に黒執事らしくかつ残酷なように感じます。

まだまだこの部分については考察が出来ず、様々な可能性を考えることが出来ます。
和気藹々とした様子で孤児院に向かう道中を歩んだ二人ですが、帰還の路は他のグループとは異なり、このような関係性で共に坊ちゃんの元へ戻ることだけはもう叶わないような気がしてなりません。

引用源:
www.under-taker.com


また更に第208話の中で個人的に気になったのはスネークが閉じ込められていた檻の周りには豪華なカーテンの装飾があったという点です。
このちぐはぐさ、そして顧客の裕福さ、、ファントムハイヴ家の双子が閉じ込められていた時と酷似していてゾッとしました。

スネークの見世物小屋の詳細はまだ分かりませんが、悪魔召喚儀式をしていた連中とスネークの見世物小屋、この二つのバックには何か共通点があったりするのでしょうか?

今回の第208話ではいよいよスネークの過去に触れられましたが、総じていえば重要な部分は一切語られていない過去編であると私は感じています。
黒執事では重要な点を敢えて隠すという手法がとられることが多々あります。
勿論これは意図的なはずで、この語られていない部分いこそ今後の黒執事に関わってくる重要な「何か」が隠されている可能性があります。

順番に考察をしていきたいと思います!

考察

スネークの境遇と双子の類似点

スネークの過去については今まで何度か所々かいつまんだ形で明らかにされてきました。
その中でわかっていたことは、スネークは見世物小屋にいた事、そしてそこからサーカス団員達によって解放されたという内容です。

今回の第208話では、新たにスネークがいた見世物小屋の詳細が明らかになりました。
スネークがいた過去の境遇には、下記ポイントで双子が悪魔召喚儀式に囚われていた時との共通点があると感じています。

・豪華な部屋と檻
・顧客が富裕層対象
・ケルヴィン男爵との関係性

順番に考察していきます。

豪華な部屋と檻

スネークと坊っちゃんがいた「檻」の描写では、「檻」とは不釣り合いな豪華なカーテン飾りが描かれている事が共通点として挙げられます。

スネークの「檻」
スネークの「檻」豪華なカーテン飾りとタッセル:黒執事第208話「その執事、解放」より引用
坊ちゃんの「檻」
坊ちゃんの「檻」:黒執事20巻第95話「その執事、失望」より引用

なお、坊ちゃんの檻で豪華なカーテンがついている描写は緑の魔女編の中で登場する回想編の中でのみです。
実際に坊ちゃんと兄シエル双子が捉えられていた檻の周りには豪華な飾りはありませんでした。

この違いにつきまして、あくまで予想ですがスネークの場合は顧客自らがスネークの檻まで近寄っていたことから檻があるこの場が商売場となっていた為顧客に寄せて飾り付けられていた可能性があります。
対し双子たちの場合は檻がある場所に顧客が来ることはありません。顧客である貴族たちに虐げられる際に双子たちが豪華な現場に檻ごと移動していた為、檻周りの装飾の必要が無かった可能性があります。

顧客が富裕層対象

スネークの見世物小屋と双子が捕まった現場は、どちらも富裕層対象に商売が行われていたことが分かります。
また、顧客が檻をのぞき込む描写も酷似したものが存在します。

スネークの場合
檻をのぞき込む客:黒執事第208話「その執事、解放」より引用
双子の場合
檻をのぞき込む客:黒執事27巻第135話「その執事、献上」より引用

疑問点:スネークと双子を扱う「業者」に共通点はあるのか?

スネークと双子の過去にはかなり似た点が多いと感じています。
それではこの二つに何か共通点はあるのでしょうか?
結論から申し上げますとこれはまだ分かりません。

双子はファントムハイヴ家襲撃事件で攫われてからすぐに貴族たちの元に連れていかれた訳ではありませんでした。
双子たちは一度、双子たちがファントムハイヴ家の子供であることを知らない下請け業者の元で売られていたことが明らかになっています。(双子を見つけた貴族が、業者の前で「まさか本当にファントム…」と口を滑らせかけて黙るというシーンがあります。)

後ほど詳しく言及しますが、スネークは出生に人外の力が関わっている可能性があります。その為もし仮にスネークもまた出生について隠す必要があった場合、意図的に何も知らない下請け業者に売りさばかれたという可能性もあります。

ただし、一点だけ今回のスネークと双子で共通しているポイントがあります。それはケルヴィン男爵の存在です。
まず、スネークを助け出したサーカス団はケルヴィン男爵の所有物でした。
そして双子を見つけ、買取り、悪魔召喚儀式にした貴族たちはケルヴィン男爵の中まであり、その最後の生き残りがケルヴィン男爵その人です。

直接的には関係が無いかもしれませんが、こちらは共通点として挙げられる為メモとして残しておきます。

サーカス団員の目的/スネークと共にいた子供たちは、ケルヴィンが攫っていた

サーカス団員達は何故スネークを解放したのでしょうか?
その理由と思われる一コマが今回の第208話の中で描かれていました。
スネークを解放した傍らで、さりげなく子供たちを誘拐していると思われるダガーの姿が映っています。
スネークにとってサーカス団員達の登場は間違いなく救いだったと思うのですが、その瞬間でさえ、サーカス団員達は子供たちの誘拐という犯罪行為の最中だったことが分かります。

スネーク解放の傍ら、子供たちを馬車へと誘導するダガー:黒執事第208話「その執事、解放」より引用

サーカス編では既に何故彼らが子供たちを誘拐していたかその理由が明らかにされています。
この時のサーカス団員の当初の目的はケルヴィンの命令によりスネークがいた見世物小屋にいた子供たちを誘拐し子羊とし、悪魔召喚儀式の再現をするための準備をすることであったと考えられます。
しかしスネークは、蛇を扱えるという特殊さからサーカス団員としてこの時引き抜かれ、難を免れた可能性があります。

もしここで他の子供たちと同様スネークがケルヴィン男爵に引き渡されていたとしたら、スネークはサーカス団員達の義手義足に加工されていたか、もしくは悪魔召喚儀式の生贄である子供たちの中に混ざりセバスチャンと坊っちゃんによって殺害されていたかもしれません。

そう考えるとこのシーンは決して美しいだけの救出物語ではなく、恐ろしい人生の分岐点とも言えますね。

何故サーカス団員達がこの時スネークを助けたのかは、後ほど改めて考察していきます。

スネークがいた見世物小屋はどうなった?

サーカス団の子供誘拐事件のある意味被害者となったスネークの見世物小屋。
この小屋の従業員たちはどうなったのでしょうか?

先程引用した誘拐シーンでは、ダガーの傍で縛られている大人がいることが分かります。

また、サーカス編ではジョーカーがこのように発言しています。

ジョーカー
「何故俺達が誰にも見つからず子供を攫ってこれたと思う?目撃者は皆いなくなるからだ。(略)俺達はプロだ。仕事中接触した者はどんな理由があろうと消す。
黒執事第32話「その執事、嘲笑」より引用

このことから、関係者は全員殺害されたと考えられます。
先程少し言及した通り、仮にスネークの出生に人外の力が加わるという大きな秘密があった場合、この終わり方はあまりにお粗末と言えます。
以上のことから、スネークがいた見世物小屋はもはやスネークの出生とは何ら関係ない下請け業者であった可能性が高いのではと感じています。

サーカス団と坊っちゃんは、何故スネークを助けたのか

今回の第208話では、意識薄れゆくスネークが裏切られたことを受け、「それならなんでお前たちは俺たちに手を差し伸べたのか」と疑問を投げかけるシーンがありました。
これについては実は原作の中で、スネークがいない場所で双方の本音が既に描かれています。

サーカス団(ジョーカー)の主張
「あいつの蛇の扱いは一級品やったし、丁度蛇使いもいおへんどしたさかい最短でメンバーにならはったってワケ。」
黒執事6巻第26話「その執事、同僚」より引用

坊ちゃんの主張
「野放しにしておいて何度も命を狙われるよりいい。あの蛇を操る能力もなかなか役に立ちそうだ。それにそろそろペットも欲しかったしな。」
黒執事11巻第50話「その執事、埋葬」より引用

今回のスネークの問いに答えるとしたらこの二か所だと感じます。

これだけ聞くとどちらの主張も利己的に見えます。しかし私は、彼らの本心としてはこれだけではないのではと感じています。
ジョーカーは子供を攫い殺害しなくてはいけないことに心を痛めていました。どこかでスネークを助けたいという気持ちが働き、仲間に招き入れたのではないでしょうか。
また坊ちゃんも、ジョーカーの懺悔を聞き「お前は間違っていない」と肯定し一定の理解を見せていました。スネークを勧誘した際の「皆が悪人じゃないことはわかっている」という発言は本心であったと考えられます。更に坊ちゃんはこのようにも発言していました。

坊ちゃん
「僕は傲慢だ。だけど無責任に誰かを救えると豪語できる程じゃない。」
黒執事8巻第36話「その執事、遂行」より引用

この言葉を返せば、坊ちゃんは自分が責任を負えることが出来ると判断できる範囲では可能な限り人を救いたいと思っているのではないでしょうか。
だからこそ、サーカス編でスネークに行った「お前も救いたい」と言うセリフもまた本心だったのではないかと感じます。

これらが入り混じっているからこそ、スネークも坊ちゃんも、そしてサーカス団員達も皆が苦しい心境になってしまったのではと感じます。




スネークの過去についての『違和感』

さて、次に今回の第208話で個人的に最も気になった部分について考察をしていきたいと思います。
今回満を持して本誌はスネークの過去編に入りました。
しかし、これを読んで重要なところはまだ何も明かされていない過去編なのではないかと感じました。

黒執事の中では、時々重要なシーンを回想から意図的に外し、複数回同じ回想シーンを描くことで徐々に真相が明らかにされるという演出が取られることがあります。
最も印象深い上記の形はやはり悪魔召喚儀式の前後ではないでしょうか。
同じ過去回想にも関わらす既に本誌では3回以上描かれています。しかしどの回も常に意図的に情報が欠けた不完全な形として描かれており、回を重ねるごとにより重要な内容が明らかにされていきました。

今回のスネークの過去回想も、この悪魔召喚儀式の描き方と同様、意図的に重要な部分を伏せられて描かれているのではないかと感じました。

どの点が「不完全」であると感じたかをまずは箇条書きでまとめさせて頂きます。

・スネークの出生が明らかにされていない
・スネークの蛇使いの能力の有無について明らかにされていない
・スネークの発言の矛盾
・言葉が話せるくらい大きく、知性もあるのに見世物小屋に入る前を何も知らない

順番に説明していきます。

スネークの出生と蛇の能力について

先程感想の部分で言及した通り、スネークの過去編に入るにあたり私が最も気になっていた内容はスネークの出生でした。
スネークは「蛇と人間とのハーフ」を謳っていますが、それが本当かどうかは実は今まで本誌の中で明かされてきませんでした。
実際サーカス団のピーターも「ってかお前本当に蛇と喋れんの?」と怪しんでいる様子さえありました。

しかし、黒執事の中でスネークは蛇と会話が出来ていなければ知り得ない情報を何度も知っていた描写があることから、私はスネークは本当に蛇の言葉が分かるという特殊能力を持ったキャラクターであると感じています。

しかし結論から申し上げますと、今回のスネークの過去編では出生について明かされることはありませんでした。
「気づいた時には檻の中にいた」「外の世界は何も知らない」からはじまり、スネークの出生については完全に飛ばされた形となります。

スネークの発言の矛盾

また、スネークの上記発言には矛盾も残ります。
気付いた時には檻の中にいて外の世界を知らないと言いますが、それでも見世物小屋の主人が語る自分の出生を否定し、かつ「自分も蛇もどこか遠いところから連れてこられた」という説明は明らかに矛盾しています。

スネークの語彙力

更に気になる点はスネークの語彙力です。
スネークは一切の教育を受けていないように見えますが、それでも救助後サーカス団員達を相手に英語を話すことが出来ました。気づいた時には檻の中にいたのならば、いつその能力を得たのかは疑問が残ります。

これらの矛盾や疑問点を総じて考えると、スネークの出生にはまだ何か隠された内容があるのではないかと感じます。

黒執事では重要な内容は意図的に隠されることがあります。
その為、仮にスネークの特殊体質に関わるであろう出生が意図的に隠されたと考えた場合、スネークの出生に関わる秘密は黒執事の根幹に関わる重要なポイントである可能性があります。
ではそれは一体なんでしょうか?

私はスネークの出生には人外の存在が関わっているのではないかと感じています。

スネークは人外の力を用い作られた人間兵器である可能性

こちらは2020年に考察した記事がある為そちらを引用させて頂きます。
またスネークのみならず、フィニもまた同様に人外の力を用いて実験で製造された人間兵器である可能性があります。

「進みすぎた」力を持つことから、人外の力が加わった可能性がある人物

・フィニアン
・スネーク

(略)
人外の力が加わった可能性がある人物としてのフィニアンとスネークの存在もとても興味深いです。彼らは今後黒執事で重要になるキャラクターかもしれません。

特異の存在であるスネークとフィニアン

黒執事で登場する人外を並べてみると、
フィニアンとスネークの存在はかなり特殊であることが分かります。

スネークは人外に近いキャラなのか?

スネークが本当に蛇とのハーフの人外であるのか否かはまだ確証が持てません。
ですが、サーカス編で坊ちゃんが一軍のテントに侵入した際、スネークは蛇しか知らなかったはずのその事実を知ることが出来ました。

この理由はやはり蛇から教えてもらったからと考えることが一番自然に感じます(スネークがそのように見せかけるような何かトリックを張るようなタイプにも今のところ見えませんよね)

スネークが蛇たちと会話が出来ることは、一般人が技術として体得できる範囲のレベルを超えたものであることが分かります。

まだ確証は持てないものの、
スネークが人外、もしくは人外に何らかの手を加えられた人間である可能性は十分に考えられると感じています。

まだ根拠のない予想ですが、私はどちらかというと何となく後者であるような気がします。

その理由としては、フィニがその類に入るキャラクターである可能性があるからです。

フィニアンは実験で人外の力を与えられたか?

フィニもまた、スネーク同様一般人が技術として体得できる範囲のレベルを超えた力を持っているキャラクターです。

フィニはその力を得るために何か努力したわけではありません。
過去の描写から見てフィニは何か(恐らく生物兵器?)になるための実験台として、一方的にその力を与えられた可能性があります。

フィニがドイツ語を話せることから、その実験はドイツ語圏で行われていたことが分かります。
緑の魔女編で掘り下げられたドイツですが、まだまだ人外の点でも今後の黒執事に関わるほど重要な点が隠されていそうな予感がします!

フィニたちの実験施設が緑の魔女編でのサリンの研究や戦車の研究(どちらも当時存在しなかった未来のもの)に関わっていたらすごいですね。

このように、本人が必ずしも人外で無かったとしても、黒執事には人外に手を加えられたことによって人外のような力を得た可能性があるキャラクターも存在することが分かります

引用源:www.under-taker.com


黒執事を読み解く上では、時代にそぐわない「進みすぎた技術」の傍に人外の力が及んでいる事が非常に多いです。
また、元死神である葬儀屋の力が加わった死者蘇生の技術によって完成した肉人形(ビザールドール)は、葬儀屋の口からも「生物兵器」と語られており、その技術が生物兵器に使われることがあることもすでに明らかにされています。
明らかに異質な力を持つスネークとフィニ。

今回そんなスネークの出生が意図的に隠されたことから、ビザールドール同様彼らもまた人外の力に依存した何らかの実験により生み出された生物兵器である可能性は以前より高まったのではないかと感じています。

妄想考察:何故スネークは出生を「知らない」のか

スネークの発言の矛盾は、出生や外の世界を知らないと言っているにもかかわらず、見世物小屋の男が主張したスネークの生い立ちを否定したことにあります。
何故このような矛盾が生じてしまっているのでしょうか?

これはまだ確証は持てませんが、現段階で考えれらる可能性は走馬灯劇場の編集です。
豪華客船編の中で、葬儀屋により走馬灯劇場は編集が可能である事、偽の記憶を繋ぐことが出来ることが明かされています。
となれば、重要な箇所に関わる記憶を編集で消し、繋ぐことも可能である可能性が非常に高いのではないでしょうか。

もし仮に、先ほど言及したようにスネークの出生に何らかの人外が関わっていた場合、スネークはもしかすると情報漏洩防止の為に走馬灯劇場を一部切り取り編集され記憶を失っているという可能性もあるのかも、しれません。


余談:スネークの蛇たちの「名付け親」

最後にちょっとしたティーブレイク考察です。
今回の第208話で、スネークの蛇たちの名付け親がジャンボであることが明らかにされました。
体が大きく、フィニとの怪力勝負の末壮絶な最後を迎えた彼の印象が非常に強いため、意外に感じた方も多かったのではないでしょうか?

当ブログでは以前スネークの蛇たちの名前が全員イギリスの詩人の名前からとられている事について言及しており、こちらが的中となりました。
スネークの蛇の名前については下記記事にまとめています。
www.under-taker.com

ジャンボの「愛読書」から名付けたとのこと、私もかなり意外に感じたのですが改めてサーカス編を読み直したところこの伏線がちゃんと貼られていたことに気が付きました。

本を読むジャンボ:黒執事7巻第29話「その執事、醜行」より引用

亡くなる前夜、「愛読書」を読むジャンボの姿が描かれていました。
このころからしっかり伏線が張られていたことに改めて驚かされました!!

まとめ

いよいよスネークの過去編の突入しました。
しかしその上で重要なのは、「肝心の部分が敢えて説明されていない」という点ではないでしょうか。

黒執事では重要なことが敢えて隠されスルーされることがある為、スネークの過去にはそれだけ重要な秘密が隠されているのではないかと強く感じました。
最後のコマではブラックとスマイルに扮したセバスチャンと坊っちゃんが出てきたため、来月からの回想はサーカス編の事件解決後の回想に入るのかもしれませんね。となると今回のスネークの過去回想は今までの使用人たちのようにそんなに長くはならないのかもしれません。

過去が明かされきれなかったことも含め、例えこの後すぐにスネークの過去回想が終わってしまったとしてもスネーク自身が亡くなり黒執事からログアウト、とはならないようにも感じました。
まだまだ掘り下げが必要なキャラのように感じます。

もしこの考察が正しかった場合、果たしてそれは「人間」としての復活なのか、それとも「ビザールドール」としての復活なのか…。
現段階でどうしても後者の気がしてなりません。

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餅月