こんにちは、餅月です!
『黒執事』最新話第169話「その執事、絶叫」Gファンタジ―2020年11月号の考察をしていきたいと思います。
前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです。
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今月号のGファンタジーは表紙の黒執事に始まり盛りだくさんの内容でした!
本誌の内容以外にも、ファントムホテルのグッズ詳細や豪華な付録等々…ファン大歓喜の内容だったのではないでしょうか!!
今回の第169話では、今後の黒執事の展開に大きく非常に重要な伏線が張られた可能性があります。
1つ1つ順番に考察をしていきたいと思います!
あらすじ:黒執事第169話「その執事、検証」Gファンタジー2020年11月号
※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。
扉絵:ベッドで眠っている兄シエル。天井には二つの星のライトがある(双子とシリウス様の暗喩か)
肉の煌めき(きらめき)
ヒースフィールド男爵邸。深夜。
・藍猫が地下で暴れる音と揺れで目を覚ました屋敷のメイド達。
・地下からの音だと気づき、意味深な様子を見せるミセス・アビー
・地下に監禁されていたメイド達が飛び出してきて、何も知らなかったメイド達が驚く
・口々に「警察を呼んで!」という中で、ミセス・アビーのみがそれを阻止してハウスキーパーの自分の指示に従わせようとする
・しかしメイドのジェーンに「花嫁探しはここまでよ」と言われ阻止される。
・「この裏切り者!」というミセス・アビーに対し、「メイドの募集要項に裏切らない方なんて書いてなかった」と答えるジェーン
・「なぜ私の花嫁候補たちがここに!?」という男爵
・捕まっていたメイド達はヒースフィールド男爵に対し「何が花嫁よ、何が妻と魂が似ているよ、よくも私たちを騙してくれたわね(※事実かはまだ確定できず。ミスリードの可能性もあり)」と言い男爵をフルボッコにする
・ジェーンと共に屋敷を去るメイリンと藍猫。ジェーンに対し「いい就職先を紹介してやってもいい」とメイリンは言うが、ジェーンはそれを断り「次は厄介な同僚がいない所へ行くわ」と言い、エプロンを脱ぐと2人に別れを告げる
・そのころファントムハイヴ邸では葬儀屋が兄シエルに対し血液を供給していた
・そこに帰宅したポラリス
・血液工場(ヒースフィールド男爵邸)が壊滅、男爵が逮捕されたことを伝える。
・その知らせを聞き、兄シエルは「全然悪い知らせではない。兄弟喧嘩で弟が一勝をあげた。こんなに喜ばしいことはない」という
・兄シエルは鼻に吸入器のような管を付けられている
・君らしいねと笑う葬儀屋に対し、このままではシリウス様に捧げるきらめきが足りなくなってしまう!と激昂するポラリス様
・暴れるポラリス様に対し「僕はもうシリウス様じゃない。それは弟の事だろう?」とたしなめる兄シエル
・体が震えるポラリス様に対し「新鮮な血液が手に入りやすいお前だってまだそれほど活動時間が長いわけじゃない。下がって休め」という兄シエル
・ポラリス様は「私は恐ろしい。もしまた主人を失ったら死んでも死に切れません。他に行く先など考えられない。私は死んでも執事ですから」と涙を流しながら訴えた
慟哭のポラリス
第169話終了ー
今回新たに回収された伏線箇所
今回新たに回収された重要そうな伏線の箇条書きです。
具体的な考察は、根拠とともにこの後詳しく書きます!
・Gファンタジー表紙「柘榴」に込められた意味
・ポラリス様の正体について
・ポラリス様のセリフの真意
・ヒースフィールド男爵邸編には、まだ複数の伏線が残されている
・カルンスタイン病院の元ナースは結局誰だったのか
・ミセス・アビーとジェーンの正体は
・「魂のかたち」が示すものとは
・ヒースフィールド男爵はどこまで知っていたのか
葬儀屋ヲタの叫び(感想)
先に断っておきますがいつもより長いですb
まず、表紙の兄シエルと、「肉の煌めき」という副題を見た時点で思ったんです。
もしかして、今回葬儀屋さん出てくるのではないか、と。
ちょっと待ってー!?今回のーーー表紙ーーーなんだか葬儀屋さん出てきちゃうんじゃないのー!?めくれないんDEATHけどー!?!?😇😇😇😇😇😇
— 餅月 (@mochimochimoon3) 2020年10月16日
そんな予感に手が震え、
「これは一人では無理だ」と思い、家族を呼び一緒に読んでもらいました笑
案の定推しが途中から出てきて卒倒!!うん!これは不可避!人
私「待って!!今なんか見えた!!えっ、前髪の下から片目があのアングルは初めてな気がするえっヤバすぎるちょっと待って一気には見れない!」
すごくすごかったので表情が写っている葬儀屋さんを思わず片手で隠して落ち着こうとした私。
ようやくちょっとだけ落ち着き、ふと隠している絵の左側を見たら
なんとそこにはうっかり見落としていた全身像の葬儀屋さんを発見。
しかもソファーにゆったりと横たわりながら足を組んでコートを脱いだインナースタイルでくつろいでいらっしゃるではないですか!!!
私「ぐおっ」
無事この時点で3回死にました。
ありがとうございます( ;∀;)ハレルヤ~
タスケテクダサイ…ダレカ…ダレ、カ…
— 餅月 (@mochimochimoon3) 2020年10月16日
しかし黒執事ポップアップストアの広告の威力もすさまじかった…
葬儀屋のホテルルームキーですよ!?
しかもクローディアの遺髪入れモチーフつきですよ!?
葬儀屋と、クローディアが
— 餅月 (@mochimochimoon3) 2020年10月16日
同じホテルの部屋の
鍵を…
あ、ぁぁあ、ぁ…ア…うぁ…うぎゃ…うぎゃぉ…
【イベント情報】
— 黒執事 Black Label (@BlackLabel_KS) October 16, 2020
2020年11月から開催の #黒執事ブラックレーベル ポップアップストアにて販売される新作グッズをHPに公開しました!
今回のテーマ「ファントムホテル」に合わせた豪華ラインナップをご用意。ぜひチェックしてください。https://t.co/8zNnne9qnZ#黒執事 pic.twitter.com/LP15S0rcW1
死神派遣協会の鍵があるにも関わらず、葬儀屋のホテルキーが個別にあることがもう泣け過ぎてヤバいです
上の方に小さくクローディアの遺髪入れまで描いてある威力もこれまた火力がすさまじい。
えっ、同じ部屋泊まるってことですか!?
ホテルキーについてのプチ考察は、後日別記事で新たに挙げさせて頂きますね!
葬儀屋さん+クローディア+ホテルの鍵=👏🥴
— 餅月 (@mochimochimoon3) 2020年10月16日
新たに張られた伏線も沢山あり、寿命が500年くらい伸びた最高の回でした!
それでは、考察に移りたいと思います!
考察
Gファンタジー表紙「柘榴」隠された意図
Gファンタジー2020年11月号の表紙を飾った黒執事。
ハロウィン時期にぴったりの、
ダークでスパイシーな世界観が本当に素敵な表紙でした!
この表紙には、描かれている果物として柘榴(ザクロ)が登場しています。
この柘榴、まるで坊ちゃんの臓器を暗喩しているかのような生々しい赤さで、非常に印象的です。
黒執事では場面に添えられる花には花言葉の意味合いを持たされていることが多々あります。
柘榴についても何か意味合いが込められていないか調べてみたところ、非常に興味深い内容を見つけました。
柘榴は人の味がする
俗説ではありますが、柘榴には人の味(人肉の味)がするといううわさ話が存在します。
正しく、今回の坊ちゃんの臓器に例えられた様子とぴったり一致する俗説ですね。
ある所に、自分の子供にご飯を食べさせる為に、村や町などから子供をさらって食べさせている「鬼子母神」という母親がいた。
その話を聞いたお釈迦様が、鬼子母神に被害者の気持ちを思わせる為に、鬼子母神の子供を隠し動揺させる。
そして自分の子供を隠され相手の気持ちがわかり、これまでの行いを悔い改める。
また、その時にお釈迦様が改心した鬼子母神に
「人の子を食べる代わりにこれを食べなさい」
と一言告げて渡した果実がザクロだった訳です。
このお話から「ザクロ=人代わりに食べられた=人の味」のように考えられた。
花言葉「愚かしさ」
また、柘榴の花言葉には「愚かしさ」というものも存在します。
これはセバスチャンが人間や坊ちゃんに対しよく言う言葉と一致しますね。
愚かしさ
この花言葉「愚かしさ」は、うっかりザクロを食べてしまったギリシア神話(下記参照)にちなみます。◆ギリシア神話とザクロ
冥界の神ハデスは、豊穣の神デメテルの娘ペルセポネに恋をする。
ある日、ハデスの勧めにより、ペルセポネを略奪して冥界に連れ去り、ザクロを勧めてペルセポネに食べるように誘導する。
しかし、冥界のルールで冥界産の食物を食べたものは客として扱われ、そこに留まらないといけない事に。
そしてペルセポネは一年の半分を冥界で過ごし、その間デメテルは嘆き悲しみ地上が冬になって、作物が育たない。
しかし、ペルセポネが戻ると再び花が咲き、木々が実を付けた
花言葉「子孫の守護」
柘榴にはちょっと怖い逸話や花言葉が多いイメージです。
しかしそれと同時に、柘榴は「子孫の守護」という花言葉も併せ持っています。
この言葉からはやはり葬儀屋(アンダーテイカー)を思いこさざるを得ません。
しかも子孫というワードがまた意味深ですよね。
このように柘榴の花言葉を紐解いてみると、
人を「愚かしい」と嘲笑うセバスチャンの気持ちと、ファントムハイヴを守ろうとする葬儀屋の「守護」の気持ちそれぞれを垣間見ることが出来るように感じます。
ポラリス様の正体について
次に、今回の第169話で恐らく最重要事項であるポラリス様についての考察をしていきたいと思います。
ポラリス様(☆☆☆☆)A型
ポラリス(☆☆☆☆)の部屋
ポラリス様のセリフ
「このままでは蒼き星が堕ちてしまう。そんなことがあれば私は執事として死んでも死にきれません。」
黒執事25巻第122話「その執事、待望」より注目するべき部屋のポイント
部屋とその他の謎
・床と机に刺さった複数本のナイフ
・「執事」というセリフ
・荒れた部屋と似合わない丁寧な口調床と机に刺さった複数本のナイフ
ポラリス様の部屋にはたくさんのナイフがあり、部屋の壁や床、物はすべてナイフで刻まれており精神的にかなり不安定なことが示唆されています。
荒れた部屋と似合わない丁寧な口調
ポラリス様の部屋は異常なほど荒れています。
それにも関わらずその口調はとても上品で丁寧な物腰です。ここがこのキャラクターの大変大きな矛盾点であると言えます。
「執事」というセリフ
※重要:ここがミスリードである可能性があります!下記内容は、枢先生のミスリードにものの見事にはまった形の解釈です。引用なので今はそのまま貼り付けますが、のちに詳しく言及します!
ポラリス様だけが唯一、お星さまの中で「青き星」について確実に言及したお星さまであると言えます。
それ以外のお星さまは、「青き星」について言及している可能性は高いですが主語が無いためまだ確定は出来ない状態となっています。このことからポラリス様は確実に真シエルとファントムハイヴ家に大きな執着を持っていると言えます。またポラリス様はシリウス様の執事を名乗りました。真シエルの執事とすれば、素直に受け取ればタナカとなります。
そして田中は実は真シエルが現れるまで、青の教団編において一度も登場していません。登場していなかった理由がスフィア。ミュージックホールで治療を受けていたからと考えればこの点はつじつまが合います。緑の魔女編においても、タナカの老いを強調している場面がありました。しかしこちらはまだあくまでまだ可能性の一つであると私は感じています。理由としましてはやはり部屋の荒れ具合をあげることが出来ます。田中があそこまで暴力的にものに当たる姿勢は、どうもキャラクター増から大きく離れている気がします。ではここで言う真シエルの執事を名乗るものは、田中以外だとしたら何者なのでしょうか・・?ナイフ使いとポラリス様が同一人物であると感じる理由
・ナイフを使っている。
・壁だけでなく家具にも傷を入れるなど手口が酷似している
・「執事」というポラリス様のセリフと真シエルをサポートしたナイフ使いの行動が繋がっている。
引用源:
【総まとめ】お星さまの正体について/お星さまを指す人数は、4人では無く全部で6人の可能性 - 黒執事考察ブログ
ただでさえ謎が深いお星さま方の中でも特に謎深かったポラリス様。
まだお顔は分からないものの、
そんなポラリス様が今回遂に姿を現しました。
ポラリス様は、アグニを殺したナイフ使いととても良く似ていました。
・ナイフを使っていること
・顔をフードで隠していること
ポラリス様はこれらがアグニを殺した謎のナイフ使いと一致しています。
これらを受け、私はポラリス様は以前から当ブログで考察していた通り、アグニを殺したナイフ使い=ポラリス様その人である可能性がより一層高まったのではないかと感じています。
※こちらで詳しく言及しています!
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これらを踏まえて次の疑問です。
では、仮にアグニを殺したナイフ使い=ポラリス様だったとして、ポラリス様はいったい何者なのでしょうか?
結論から申し上げますと、
今回の第169話を読み、私は改めてポラリス様(ナイフ使い)の正体は以前から当ブログで言及していた通りサーカス編で命を落としたジョーカーである可能性が高くなったのではないかと改めて感じました。
そのように考察した理由は下記記事で纏めてあります!
こちらの記事、特に面白い内容が書けたかなと思っているのでよろしければ是非一度読んでみてください!
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これらの考察を踏まえ、
今回の第169話で新たに分かったことを追記したいと思います。
ポラリス様新事実
まず初めに、ポラリス様について新たに分かったことを箇条書きにしたいと思います。
その後改めてそれぞれについて考察をしていきます
・ポラリス様は一度死んだ人間である
・ポラリス様は兄シエル同様の血液を使った治療を受けて活動している
・ポラリス様は一度主人を失っている
・ポラリス様の頬の涙は、ジョーカーの頬の涙のペイントと一致する
・ポラリス様は「執事」を自称している
・ポラリス様は自分が誰の執事なのかの主語を言っていない
これらをまとめてみると
ポラリス様の境遇は、主人を亡くし、自身も殺された経緯を持つサーカス編のジョーカーに非常によく似ていることが分かります。
それでは一つずつ説明をしていきたいと思います!
ポラリス様は一度死んだ人間
兄シエルがポラリス様に対し興味深い内容を話しました。
それがこちらです。
兄シエル
「顔が青いぞ。新鮮な血液が手に入りやすいお前だってまだそれほど活動時間が長いわけじゃない。今日はもう下がって休め。」
黒執事第169話「その執事、絶叫」より引用
このセリフから分かることは、ポラリス様は一度死んだはずの人間であるということです。
そしてポラリス様もまた、兄シエル同様生きるためには血液を輸血しなくてはならない不完全な存在でした。兄シエルよりは人口が多い血液型であったことから多少「もつ」ようですが、それでもポラリス様は激昂した後に手が震えて息切れがする程には体にガタが来ていました。
ポラリス様は兄シエル同様の血液を使った治療を受けて活動していることが分かります。
これはポラリス様が何者なのかを考察する上での非常に重要なヒントになります。
ジョーカーは、サーカス編の際坊ちゃんたちに殺され、死神ウィルによってその魂を審査、回収をされました。
その為このポラリス様の境遇は、
ジョーカーにも一致することが分かります。
ポラリスは一度主人を失っている
ポラリス様
「もしまた主人を失ったら、死んでも死にきれません。」
黒執事第169話「その執事、絶叫」より引用
このことから、ポラリス様は一度主人を過去に失っている人物であることが分かります。
こちらのポラリス様の境遇も、元の主人であるケルヴィン男爵を殺されたジョーカーの境遇ととてもよく似ていることが分かります。
ポラリス様の左目の涙
今回の第169話で最も重要なシーンこそこのポラリス様の涙のシーンではないかと感じています。
このシーンは、
伏線とミスリードそれぞれ二つの意味を持っている可能性があります。
伏線として:ジョーカーとポラリス様の涙の共通点
ミスリードとして:ポラリス様の頬を隠し、ジョーカーか判断できなくさせるため
まずは伏線としての意図について考察をしていきたいと思います。
伏線として:ジョーカーとポラリス様の涙
ポラリス様は両目から涙を流していましたが、光に当たったのは左目のみでした。
このポラリス様が左目から涙を流したという事実こそが、ポラリス様の正体を暗喩している可能性があります。
黒執事の中で、実は左目から涙を流す特徴的なキャラクターが既に存在しているのです。
それこそがサーカス編のジョーカです。
ジョーカーは道化師として、常に左目に涙のペイントを施していました。
ポラリス様とジョーカーは、それぞれ左目からの涙が強調されているという点で共通します。
ポラリス様もまた、目から直接涙が流れる様子は左目のみしか見ることが出来ません。
ミスリードとして:ポラリス様の頬を隠す涙
また同時にこの涙は、ポラリス様がジョーカーかどうかを判断できないようにする為のミスリードの意味も持っている可能性があります。
それは単純に、ポラリス様の左頬に涙が伝っていることから、この涙の下にジョーカーのペイントがあるのかないのかわからない様になっている点です。
ジョーカーの左頬の涙ペイントは、かなり印象的な特徴です。
ポラリス様の左頬に敢えて光を当て見せておきながら、涙の筋でそのペイント部分を隠してしまうことにより「ポラリス様はジョーカーではない」と思わせる意味のミスリード的要素も含まれているのではないかと感じました。
左頬を涙で隠しつつも、一見ジョーカーの特徴であった涙のペイントがあたかもないかのように見せる点はミスリードと伏線のダブルの意味でかけれている可能性があります。
※なお、ジョーカーの涙のペイントは、刺青ではなくペイントであったことがサーカス編ですでに明らかになっています。
このため、もし仮にポラリス様が本当にジョーカーであった場合も、現在のジョーカーが涙ペイントを施していない可能性は十分に考えられるとも感じています。
ポラリス様は「執事」を自称している
こちらは既出情報ですが、ポラリス様は執事を自称しています。
ジョーカーはケルヴィンの執事であった為、こちらもジョーカーとポラリス様の共通点として挙げることが出来ます。
ポラリス様は自分が誰の執事なのかの修飾語を言っていない
「執事」を自称するポラリス様ですが、これに対して重要な点があります。
それは、当ブログで以前より言及している通り、ポラリス様は自分が誰の執事なのか、その修飾語を明言していないという点です。
一見これは兄シエルを主人として指しているように見えてしまう文章なのですが必ずしもそうとは言い切れないため、こちらはポラリス様が忠誠を誓う主人を兄シエルだと思いこませるためのミスリードである可能性があります。
ポラリス様のセリフの真意
最後に二つ、わかりにくいポラリス様のセリフを考察していきたいと思います。
ポラリス様
「私は死んでも執事ですから。」
黒執事第169話「その執事、絶叫」より引用
このポラリス様のセリフを読み解くうえでも重要なのは、先ほど同様何が修飾語なのかを明白にする点です。
黒執事では、伏線の意味があるセリフが書かれる時意図的に主語や修飾語が引き抜かれていることが良くあります。
そのセリフがだれのことについて言っているものなのか。
ここをきちんと読み解かないと、せっかくの伏線箇所がミスリードになってしまう可能性があります。
今回のこのポラリス様のセリフは、私は
兄シエルを修飾語に見せかけたセリフで、実際のところの真の修飾語は、自分自身と過去の主人の二つの意味を持つ言葉なのではないかと感じました。
見せかけの言葉×(ミスリード)
→私は死んでも(シエル様の)執事ですから本当の意味①
→私は死んでも執事ですから(自分自身が死んでも、執事であることに変わりはない)本当の意味②
→私は死んでも(亡くなったた元主人の)執事ですから
このようにとらえてみると、
この言葉は兄シエルへの忠誠に見せかけた、元主人への忠誠を誓う言葉である可能性が見えてきます。
仮に元主人への忠誠から動いていたとして、ポラリス様は何故兄シエルの元にいるのでしょうか。
ポラリス様は更にこのようにも言っています。
ポラリス様
「他に行く先など考えられない。」
黒執事第169話「その執事、絶叫」より引用
つまりポラリス様には、生きていく理由がもう兄シエルの下にしか存在しない可能性が出てきています。
それは何故でしょうか?
それこそ、ポラリス様の元主人の夢こそが、兄シエルの蘇生だったからである可能性があります。
ケルヴィン男爵はファントムハイヴ家に執着をしていました。
ケルヴィン男爵にとって、シエルたち双子はどうしても手に入れたかったものです。
その為、亡き主人への忠誠から、亡き主人に変わって、主人がかなえたかったであろうファントムハイヴに対する夢を、ポラリス様(ジョーカー)はかなえようとしているのかもしれません。
仮に本当にポラリス様=ジョーカーであった場合、兄でなく弟のシエルが自分のサーカス団員たちを殺した張本人であることは当然知っていることになります。
この状態がいかにポラリス様にとって残酷なことか、よくわかるのではないでしょうか。
ポラリス様のセリフの主語は、
一見すべて兄シエルにかかっているように見えます。
そのようにとらえると
ポラリス様は兄シエルに対して忠誠を誓っているように見えます。
しかし、これはミスリードである可能性があります。
具体的に説明していきたいと思います。
ポラリス様
「このままではシリウス様に捧げるきらめきが足りなくなってしまう。あの役たたずども!!どいつもこいつもクソ以下のゴミだ!いっそ皆殺しにして血を搾り取ってやればよかった!!いいや今からでも遅くない。あいつらを全員ミンチにしてやるううう!」
黒執事第169話「その執事、絶叫」より引用
このセリフで重要なのは、
ポラリス様はシリウス様の為を思って血を集めようとしているのか否か、です。
このセリフだけを素直に読み取れば、ポラリス様はシリウス様(兄シエル)への忠誠心から血を集めていると読み取ることが出来ます。
しかし仮にこれがジョーカーのセリフであった場合、このセリフは兄シエルへではなくケルヴィン男爵への忠誠を誓い、その無念を晴らそうとする意味合いが込められているようにも見えます。
ポラリス様は何故泣いているのか
最後になりますが、ポラリス様は何故泣いていたのでしょうか?
ここまで考察をしてきて、単に兄シエルの体を案じてという意味ではなさそうに思えはしなかったでしょうか。
ポラリス様が泣いていた理由は、下記のような意味合いが込められていた可能性があります。
・ケルヴィン男爵を失った悲しさ
・仲間を失った悲しさ
・自分自身が殺された悲しさ
・自分と、自分の仲間の仇の家族を主人とするやるなさ
・死してなお、仇に仕えてまで主人への忠義を晴らそうとする悔しさ
このような残酷な理由からあふれた涙であった可能性があります。
ポラリス様とジョーカー
最後にまとめとして、
先ほど挙げたポラリス様の境遇と、ジョーカーの境遇がどこまで共通しているのかを比べてみたいと思います。
・ポラリス様は一度死んだ人間である
・ポラリス様は兄シエル同様の血液を使った治療を受けて活動している
・ポラリス様は一度主人を失っている
・ポラリス様の頬の涙は、ジョーカーの頬の涙のペイントと一致する
・ポラリス様は「執事」を自称している
・ポラリス様は自分が誰の執事なのかの主語を言っていない
・ジョーカーは一度死んだ人間である
・ジョーカーは兄シエル同様の血液を使った治療を受けて活動している
・ジョーカーは一度主人(ケルヴィン男爵)を失っている
・ポラリス様の頬の涙は、ジョーカーの頬の涙のペイントと一致する
・ジョーカーは「執事」を自称している
・ジョーカーはケルヴィン男爵の執事である
疑問点
次に、第169話に残された現在はまだ考察を進めることが出来ないものの今後重要となりえる可能性がある疑問点についてまとめておきたいと思います。
ヒースフィールド男爵邸編が一段落しましたが、果たしてこの章は本当に完結したのでしょうか?
まだまだ未回収の伏線がたくさん残っている可能性があります。
・ヒースフィールド男爵邸編には、まだ複数の伏線が残されている
・カルンスタイン病院の元ナースは結局誰だったのか
・ミセス・アビーとジェーンの正体は
・「魂のかたち」が示すものとは
・ヒースフィールド男爵はどこまで知っていたのか
カルンスタイン病院の元ナースは結局誰だったのか
まず第一に、血液供給施設は破壊したもののヒースフィールド男爵邸で血液を集めていた元凶である元ナースたちが誰のことだったのかがまだ何も明らかになっていません。
ミセス・アビーやジェーンなどが怪しいですが、怪しいだけでまだ確定もしていません。
ミセス・アビーは少なくとも今回の事件を隠蔽しようとしていました。
ジェーンは形上裏切って味方になったものの、またしばらくしたら何か別の形で登場しそうな予感もプンプンします。
このため、ヒースフィールド男爵邸編については今後も何らかの言及がある可能性があり、まだ完全に終わりというわけではない可能性が高いと感じています。
現に、ポラリス様からヒースフィールド男爵邸壊滅の報告を受けても兄シエルも葬儀屋も動じることはなく余裕な様子でした。
やはり血液収集を実現できるナースをつぶさない限り、ずっとイタチごっこになる可能性は否定できないと感じます。
ミセス・アビーとジェーンの正体は
カルンスタイン病院の元ナースとして可能性が最も高いのがこの二人です。
しかしその中でもジェーンはメイリンに匹敵する戦闘能力を持っていた為、用心棒にしてもメイドにしてもまだまだ非常に重要な隠された一面を持っているキャラなのではないかと感じます。
今回、ヒースフィールド男爵邸編が一段落し、「じゃあね」とエプロンを脱ぎ捨てる様子もいかにも意味深でした。
この二人のうちのどちらかがカノープス様である可能性も、まだ否定することが出来ません。
今後の展開を楽しみに待ちたいと思います!
「魂のかたち」が示すものとは
ヒースフィールド男爵邸編で何度か出てきた「魂のかたち」というワード。
これがかませ犬的ななにもない意味のものなのか、それとも本当に葬儀屋の死者蘇生のクオリティを挙げる何かに関わるものなのかはまだ判断が尽きません。
今回メイド達は、男爵に対し「何が魂のかたちよ。私たちを騙して!」と怒りました。
しかし残念ながら、この「魂のかたち」という何かが、まったく根拠がない言葉だった確証が持てない事もまた事実です。
何らかの重要な意味合いが込められていることを期待しますが、果たしてそれと性的な交わりが一体どのような形でまざるのでしょうか…
・ヒースフィールド男爵はどこまで知っていたのか
男爵どこまで知っているのか
最後に、男爵がこの事件についてどこまで知っていたかもいまだに疑問です。
今回地下から飛び出してきたメイド達を見たとき、男爵は「これはどういうことだ、何故私の花嫁候補たちがここに!?」と言っています。
この言葉からは、メイド達を血液の道具とは見ていないようです。(もしそうだとしたら、花嫁候補なんて言葉は出ませんよね)
男爵はどこまで知っていたのでしょうか。
もしかすると本当に花嫁を選んでいただけのつもりだったかものつもりだったのかも、しれません。
まとめ
今回の第169話は、伏線あり!推しあり!ギャグあり!シリアスあり!グッズ情報アリ!の本当に盛りだくさんな内容でした!!
特に久々に推しを見ることが出来たのでたまらなかったです…
来月も引き続き兄シエル達サイドが描かれるのでしょうか?
伏線が張られると同時に、あえて意図的に残している節もあるような予感がしました。
来週葬儀屋さんが出てくれたら一体どうなっちゃうんだろう…!
ここまで読んでくれてありがとうございました!
餅月