黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第210話「その執事、蛇行」/極限状態で起きたフィニの変化。「今だけ〇〇に戻りたい」

こんにちは!餅月です。
『黒執事』最新話第210話「その執事、蛇行」Gファンタジ―2024年4月号の考察をしていきたいと思います。
※体調不良で一日更新が遅れてしまいましたすみません💦

前回、文字通り地獄の展開を迎えた黒執事。
重傷を負っていたスネークの魂が、あっさりと死神によって回収されてしまいました。

私のXは本誌勢の阿鼻叫喚で埋め尽くされていました。
そんな地獄の展開後の黒執事。
今回は一体どんなお話だったのでしょうか。

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前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
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第210話初見読みライブ配信

初見読みライブ配信はこちらです。
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毎月18日Gファンタジー発売日に、
YouTube Liveにて初見読み&考察のリアルタイムライブ配信を行っています。
最近はこちらのブログ記事と並行して聞いて下さっている方もいらっしゃると伺っています。

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あらすじ:黒執事第210 話「その執事、蛇行」Gファンタジー2024年4月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:逃げているフィニアン
危機感と罪悪感に追いつめられて
スネークを置いて地下通路を走る5人。

・地下通路を逃げながらフィニアンは罪悪感に苛まれる。
・被検体だった頃、仲間を見捨て施設から逃げ出した過去を回顧する。
・過去と異なり罪悪感を感じるフィニは「今だけ過去の自分に戻りたい」と苦しむ
ポメラニアンクラスのテオのリーダーシップを見て、フィニは坊ちゃんの面影を重ねる
・フィニは自分だけでも帰還し、この事実をセバスチャン達に伝えなくてはと己を奮い立たせる
・職員が迫る中、フィニたちは川に繋がっていると思われる排水路に行き当たる。
・「泳げないから置いて行って」というオリバーを抱え、フィニは排水路へ飛び込んだ

次号表紙で登場!!
黒執事第210話終了ー

第210話:考察的中箇所

・スネークが離脱し、フィニのみが帰還する展開になる→考察的中◎!

第209話:新たに張られた重要伏線箇所

・フィニのいた実験施設とF.O.L児童養護施設との共通点
・過去のフィニと現在のフィニの変化
・メイリン、バルド、フィニそれぞれの過去から現在への描き方から見えた「差」
・テオに坊ちゃんの面影を重ねるフィニと、アーティにセバスチャンの面影を重ねる読者→F.O.L児童養護院の「成果」の証明
・F.O.L児童養護院もまた、他の血液収集施設同様フィニたちが逃げる事を本気では止めない可能性
・追ってきたF.O.L児童養護院職員→この中に重要キャラはいない可能性
・スネークの生死と新たな死神の存在→飛ばされた=重要事項の可能性

枢先生の巻末コメント

「寄宿学校編」のアニメがもうすぐ放映スタート!みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

次号黒執事表紙!!!!
いやーー楽しみです!
来月はいよいよアニメ黒執事寄宿学校編がスタートしますね!!もうワクワクが止まりません!!

今月号の黒執事はフィニアンの心情がとても印象的でした。
過去のフィニアンと今のフィニアンの心境の違い、そしてそこに伴う苦しい葛藤。
描くことがなかなか難しいはずの人間としての複雑な心理描写を、たった2ページで読んでいるこちらの胸が苦しくなるほどリアルに描かれていたことが大変印象的でした。

人外の力が加わった施設であるF.O.L児童養護施設とフィニがいた進みすぎた技術を持つ実験施設。
この二つにはまだまだ共通点がありそうです。

それでは考察に移っていきたいと思います!

考察

フィニのいた実験施設とF.O.L児童養護施設との共通点

常人ならざる怪力を持つフィニアン。
彼のその力は、ドイツの謎の研究施設の実験により付与されたものであることが既に明らかになっています。
しかし、この施設が結局どのような施設だったのかという詳細についてはいまだに明らかになっていません。

黒執事の中では歴史的史実と異なる進みすぎた技術を持つという事が、背後に何らかの人外の力が加わっている事の伏線として描かれることがあります。
今回のF.O.L児童養護施設もまた例外ではありません。

このF.O.L児童養護院に潜入した当初から、何者かによって特殊能力を付与された過去があると思われるフィニとスネークがそれぞれF.O.L児童養護院にどこかで見覚えがあると言及していました。
このことから当ブログではF.O.L児童養護院はスネークとフィニの出生(彼らの特殊能力に人外の力が加わった可能性)がある事の伏線である可能性があると考察を重ねてきました。
こちらの詳しい考察は下記記事にまとめています。

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そんな中、小さなポイントではあるのですが今回また新たな共通点が描かれました。
それはフィニが仲間を見捨て、地下道を走り施設から脱出を図ったという点です。

過去のフィニが仲間を見捨てたことについては次の項目で詳しく言及します。
まずはミニポイントである、地下道を走って施設から脱出を図ったという共通点について見ていきたいと思います。

フィニが今回F.O.L児童養護院から脱出する時に地下道を走ったことは決して偶然ではありません。
実は、緑の魔女編内で描かれたフィニの過去編の中で、フィニは実験施設から脱出する際に地下道を走り、マンホールを開けて外に出たことが既に描かれているからです。

地下から出てきた過去のフィニアン:黒執事19巻第92話「その執事、奉公」より引用

このシーンの後、フィニはマンホールのすぐ前にいたセバスチャン&坊ちゃんと合流を果たします。
進みすぎた施設から脱出を図るという事だけでなく、こんな細かい点まで過去編と共通項として丁寧に描かれている事が非常に黒執事らしい演出だと感じました。

しかし、ただ共通点として描かれた訳ではありません。
今回も過去同様、仲間を見捨て逃亡を図ったフィニアンですが、その心境は大いに変化している事が分かります。

『過去のフィニ』と『現在のフィニ』の変化

今回の第210話で最も印象的だったのは個人的にはこの部分でした。
過去、被検体12番としてのフィニが施設から逃げた時は、人間としての心を持ち合わせていなかったことが明言されました。
その為、当時のフィニは見捨てた仲間に想いを馳せることもなく、ただただ「外へ」とそればかりを考えていた事が分かりました。

しかし、フィニは坊ちゃんから名前を貰った事で人間の心を持つことが出来てしまいました。
この人間らしい感情は、緑の魔女編で坊ちゃん達が窮地に陥った際はポジティブな力として発動しフィニに更なる力を与えました。

ただ、生物兵器である被検体12番としては。
とびきりの人殺しであることを求められるファントムハイヴ家使用人としては、この人間らしい心は時にフィニに重くのしかかり、邪魔なものになってしまうことさえあるようです。

これは考察と言うよりは私個人の感想なのですが、フィニアンが人間の心を持ったこともしセバスチャンが知ったら、少なくとも評価することは無いように感じてなりません。悪魔であるセバスチャンは「無駄なものを覚えたおかげで逆に弱くなった」とさえ思うかも、しれません。
しかし、何となくではありますが坊ちゃんは利害的にはセバスチャン同様の事を思いつつも、どこかフィニアンのこの葛藤を理解してくれるような気がします。

今回、スネークを見捨てるという選択をしたフィニアン。
これは過去のフィニアンと完全に一致しているようにも見えます。
しかし、今回の第210話の最期の最期で、フィニアンは「自分を置いて行って」というオリバーを見捨てることはありませんでした。

これは過去のフィニとの明確な相違点であると言えます。

メイリン、バルド、フィニそれぞれの過去から現在への描き方から見えた「差」

ヒースフィールド男爵邸編から始まり、アテナ退役軍人療養所、そしてF.O.L児童養護施設では、それぞれファントムハイヴ家の使用人ズの過去と現在の対比が描かれました。
メイリン、バルド、フィニは、それぞれ過去に悲惨な出来事や環境に身を置いていました。
彼らはセバスチャンに引き抜かれファントムハイヴ家で生活を始めました。使用人ズはいろいろドジを踏みながらも、以前より生き生きと「人間らしく」生活をしている事が分かります。

しかし今回、極限の選択を迫られたフィニの心境が明らかになったことで、この3人の過去から現在にかけての変化がそれぞれ異なる形で描かれている可能性を感じました。
箇条書きで纏めると以下の通りです。

使用人ズが人間らしさを得た結果

メイリン
過去:感情が無いスナイパー。失敗が許されない。自分を女だと知るものはおらず、女性として扱われなくても気にしなかった。幼少期に人を殺した際は怯えていたが、次第に慣れ感情を失った
現在:女性として扱われる。眼鏡を得て自分の姿を知る。小さな失敗は許される。「女性を騙して食い物にする主人はお断り」と勧誘を蹴る

→女性として尊重される扱いを受けた事で、金銭面だけではなびかない道徳心を得る。
→人間らしさを得た結果、忠誠心を基に自身の能力を使うことが出来るようになった。(今のところ葛藤は無し)

バルド
過去:最も人間らしい人物。家庭を持っていたが全て失った事で人を殺すことを生きる目的とする不死身の傭兵と成る。
現在:唯一死を正しく恐れることが出来る使用人として使用人達をまとめる。

→他の2人と異なり、過去と現在で最も変化が少ない人物
→家族の代わりに、死に急ぎやすい戦闘を行うメイリンフィニをサポートする。看護師エイダに慈悲を見せる人間としての葛藤あり

フィニアン
過去:感情無き生物兵器。名前も無かった
現在:名前を貰い、人間のフィニアンとして生きる。スネークと触れ、過去に自分が人を殺めた事実等を始めて振り返る

更に簡単にまとめると、
使用人ズにはこのような差分があると感じています。

メイリン
・幼少期に初めて人を殺した際は怯える様子があった→次第に慣れ、感情を失う→ファントムハイヴ家との出会いがポジティブな方向に進み感情を取り戻す

バルド
・悪意や憎悪をもって殺人を犯した事を理解している→ファントムハイヴ家と出会った事で自分自身の内面が大きく変化することはなかった

フィニ
・過去と現在に犯した殺人について一部罪悪感を持っている。(サーカス団員とスネークの見捨てについて)→ファントムハイヴ家と出会いポジティブな方向に進んだのち、自身の生き方に葛藤を覚える結果となった

一見、使用人ズは全員が坊ちゃん達と出会った事で生き生きと生活できるようになったとも見えそうなほど凄惨な過去が描かれましたが、各々が人の心を持ったことで起こった変化がこれだけ異なるのはとても面白く感じました。
特にバルドが他の2人に比べて大きく変化していないのも面白いポイントであると感じています。

使用人ズの中で最も人間らしいのがバルドである為変化が少なく、次に人間らしいのがフィニアンである可能性があります。
現在一番生き生きと葛藤なく生きれているのはメイリンのように見えますが、ヒースフィールド男爵邸編の中ではメイリンはフィニアン程、自身の良心と葛藤しなくてはいけないようなシーンに遭遇しませんでした。
もしかするとメイリンは幼少期の時点で既に良心に苛まれる苦しい思いをしていたためかもしれません。
今後もし再び似たような状況に立たされた場合は、今度は彼女もフィニの様に人間らしく悩んでしまうことがあるのかもしれません。

F.O.L児童養護院の「成果」の証明

次に、F.O.L児童養護院の最適性が生み出す結果について考察をしていきたいと思います。
F.O.L児童養護院は、輸血対象者により適合する血液を得るために輸血対象者を模倣する人物の育成に努めていました。

今回、このF.O.L児童養護院の適性を読者である私たち自身が証明してしまうような鮮やかな描かれ方をされたシーンがあった為考察を残させて頂きます。

言及するシーンは以下の通りです。

・テオに坊ちゃんの面影を重ねるフィニ
・アーティにセバスチャンの面影を重ねる読者

テオに坊ちゃんの面影を重ねるフィニ

第一に、今回の第210話ではまずフィニが、兄シエルと坊っちゃんの模倣品として育てられたテオに坊ちゃんの面影を重ねるシーンがありました。
フィニアンは、ファントムハイヴ家の使用人であり、作中の中で誰よりも近く坊ちゃんを見ている人の1人です。
また更にいうなれば、フィニアンは兄シエルが坊ちゃんとして屋敷に帰還を果たした際、使用人たちの中で唯一兄シエルに対し違和感を持っていました。
つまり、フィニアンは見た目だけでなく中身で兄シエルと坊っちゃんの違いを敏感に察知できる人物であることが分かります。

そんなフィニアンが、顔や髪型が全く異なるはずのテオに坊ちゃんの面影を重ねるという事は、まぎれもなくテオの内面が坊ちゃんと似たものがあることの表れではないでしょうか。
ジェーンの言葉を借りるならば、F.O.L児童養護院の適性=「魂のかたち」が似ているとはこのことを意味しているのかもしれません。

これは個人的な意見ですが、そんな模倣品の育成を目指しているF.O.L児童養護院からしてみれば、坊ちゃんの傍で使用人をしているフィニが最適性とされるテオに坊ちゃんの面影を重ねてしまった事自体、思わずほくそ笑みたくなるほどの「成果」である可能性があります。

アーティにセバスチャンの面影を重ねる読者

そして、今回の第210話では思わずF.O.L児童養護院側がほくそ笑んでしまうのではないか、と思われるような演出がもう一度ありました。
それが前述したアーティのシーンです。

職員に追い詰められ、文字通り絶体絶命の子供達。
そんな中、まるで救世主の様にひらめく燕尾服の描写がありました。

これを見て、「もしかしてこんな絶体絶命の中でセバスチャンが助けに来てくれた…!?」とつい思ってしまった読者の方は、きっと私だけではなかったはずです。(事実ライブ配信中、私の他にも「一瞬セバスチャンかと私も思いました」というコメントを頂きました。)

しかし、この燕尾服の正体はセバスチャンではなくアーティのものでした。
アーティはマスティフクラスの最適性です。

マスティフクラスは上級使用人としてのスキルを身に付けさせられている為、必然的にアーティは「完璧な執事」であるセバスチャンと酷似して見えることがあります。
先程はフィニアンがテオに坊ちゃんの面影を重ねましたが、このシーンではフィニアンがアーティにセバスチャンの面影を重ねるというシーンは描かれませんでした。

つまり、もし仮に私の他にもこのシーンで一瞬でも「セバスチャンか!?」と思ってしまった人がいたとするならば、それは私達読者が、フィニ等のキャラクターの主観的誘導に引っ張られることが無いまま自主的にF.O.L児童養護院の最適性としての成果を認めてしまった証拠と言えるのではないでしょうか。F.O.L児童養護院のまだ名もなき上の人物をほくそ笑ませてしまったような気がして、なんとも心地よい悔しさを感じましたw(こういう罠は大好きなのでどんどん引っ掛かっていきたい所存です)


皆様はこのアーティ君の燕尾服のひらめきをどう思われましたか?私にはフィニアンとテオの対比として描かれたように思えて非常に深く印象に残りました。
小さいシーンではありますが、この鮮やかな誘導にはゾクゾクと鳥肌を感じずにはいられませんでした。

燕尾服のコマは直接深く考察には関係しませんので敢えて画像は引用しません。
本誌で見て下さった方、どのようにかんじられたか是非コメント欄で教えて頂けると嬉しいです!

F.O.L児童養護院のフィニたちに対する「本気度」

次にF.O.L児童養護院側の、坊ちゃんサイドに対する向き合い方について考察していきたいと思います。
現在敵対している両者。
当然坊ちゃん側は本気で向かっていっているのですが、それに対しF.O.L児童養護院側はどうでしょうか?

結論から申し上げますと、F.O.L児童養護院側は坊ちゃんサイドに対しそこまで本気で戦おうと思っていないように私は感じています。
もう少し分かりやすく言えば、侵入を許したり、例え一部損害を受けたとしても問題とせず、何なら坊ちゃんが仕向けた使用人たちを皆殺しにしようという「本気度」がいまいち足りないように、手を抜いているように私は感じています。

実はこれはメイリンたちが潜入したヒースフィールド男爵邸編との共通点であると感じます。
ヒースフィールド男爵邸で、メイドのジェーンと武力衝突したメイリン。
しかしジェーンはこれから!と言うところで突然「やめた」と言い、戦闘を放棄しました。

その結果、ヒースフィールド男爵邸では無事血液収集施設を破壊し、囚われていたメイド達の解放に成功します。
その報告をポラリス様から受けた際、兄シエルは悔しがるどころかこのように坊ちゃんを賛美しました。

坊ちゃんによって施設が破壊されたことを「喜ばしい」と言う兄シエル:黒執事31巻第169話「その執事、絶叫」より引用

このことから、もはや兄シエル側にとっては血液収集施設が一つ破壊されたところで、それは致命傷には成り得ない問題である可能性があります。
むしろ兄シエルは坊ちゃんと対立してからの流れを度々兄弟喧嘩と言っており、その勝敗を楽しんでいるような様子さえ見えます。

勿論、喧嘩をする以上兄シエルもただただ坊ちゃんに花を持たせることはありません。
事実、兄シエルは既に坊ちゃんを伯爵の座から引きずり下ろしました。
いくら喧嘩を楽しんでいるとはいえ、みすみす負けてくれるようなことは決してしません。舐めてかかれば当然大きな傷を負うことになります。

ただ同時に、兄シエル側はある程度手加減をしており、坊ちゃんを完全に再起不能にしようと躍起になっているようにもどうも思えないのです。
兄シエルの真意考察についてはとても長くなるので下記記事に詳細をまとめています。
www.under-taker.com

さて、今回のF.O.L児童養護院編でもその片鱗が垣間見えると感じました。
その理由は、子供たちの逃走を知り追いかけてきた施設職員があまりにモブであるという点です。

子供たちを追ってきたF.O.L児童養護院職員→この中に重要キャラはいない可能性

あまりに名もなきモブ。是非本誌で見て見て下さい。
見ればきっと「ああ」とわかって頂けると思います。この焦りようと下っ端感…。真面目に言えば、眼鏡も付けておらず人外要素のかけらもない、とても重要人物には見え無さそうな人たちが追っかけてきているのです。

ではこの施設にいわゆる「重要な人物はいない」のでしょうか?答えはです。
私は現時点では「この施設内に重要な人物はいるが、現在スネークとドールの傍におり、子供達よりもそちらの対応を優先しているのではないか」と感じています。
具体的に説明していきます。

まず、ドールの蘇生まで話を戻したいと思います。
そもそもドールは完全に一度死んだ身から復活したビザールドールです。
カノープス様として地位を与えられていることから彼女は非常に重要な人物であり、また蘇生にもまだ未登場の重要人物による高度な技術を注がれている事が施設職員の発言からわかります。

蘇生技術を持つ重要人物の存在を匂わす施設職員:第204話「その執事、逸走」より引用

また更に、ドールはフィニたちが潜入する直前まで施設職員ではない別の誰か(これが恐らく重要人物。まだ未登場の人外である可能性大)によってまさにこの治療を受けていた最中であったことが分かります。
先に引用した通り簡単な医療行為はこの施設職員達にも出来る用です。しかし、下記シーンを見る限り、この施設職員以外の人物がドールの措置を行っている事が分かります。

別の「誰か」が蘇生措置を行っている最中であることを示唆する女性職員:第207話「その執事、刃傷」より引用

つまり、フィニや子供たちの目と鼻の先に重要な人外と思われるキャラクターがいることがほぼほぼ確定していることが分かります。

それにも関わらずこんな重要人物が敢えて出てこず、明らかにモブが追っかけてきている事がF.O.L児童養護院側から坊ちゃんサイドに対しての「適度な手加減」以外に何があるでしょうか。少なくとも現段階では私にはどうしてもこう見えてしまってなりません。

ここから先は上記考察を基にしたあくまで仮説です。
初めはスネークたちの傍にいたフィニアンですが、複数の人影が近づいてきたことによりその場を離れました。
私はこの人影の中にはこの高度な蘇生技術を持つ人外が紛れていた可能性は十分考えられると感じています。

近づくF.O.L児童養護院側の人物:第207話「その執事、刃傷」より引用

フィニたちが去った後、この人影はドール&スネークと合流し、ドールの口から恐らく状況把握をしたと思われます。
ここで仮に重要人物がいた場合、その人物はドールの蘇生、もしくはスネークの措置の為にここにとどまり、残ったモブを「捕まえられたらラッキー」程度の気持ちで子供たち確保に向かわせた可能性があるのではないか、と感じています。

一見先程の人影はモブの影だったと思わせるような演出ですが、もしかするとこれはミスリードなのかもしれません。
正確に言えば、重要人物は紛れていたもののドールたちの蘇生場にとどまった為、結果モブだけが追っかけてきたという図が正しいのかも、しれません。

ただもし仮にそうだとしたら、
重要人物が足止めをさせられてしまうような要因(ドールの狼狽と消耗)を作ったのはれっきとした坊ちゃんサイドの成果と言えます。
それをF.O.L児童養護院が汲み取り行動し、かつ無理なくできる範囲で出せるコマを出し、兄シエルの言葉を借りれば兄弟喧嘩を続けたと考えれば、先程のヒースフィールド男爵邸での兄シエルの発言とも共通点が見える考えであるように感じてなりません。

重要な情報が逃げ出そうとしているのにこの余裕さ、力を突然緩めるような状況が非常に似ていると私は感じました。

F.O.L児童養護院施設の破壊失敗

また、F.O.L児童養護院側が力を緩めた理由は、もしかすると施設の破壊自体は免れたからかもしれません。
フィニアンは元々坊ちゃんから施設の調査の他に血液収集の事実があった場合その施設の破壊までを命令されていました。

しかし、現在フィニは逃げながらこのように心の中で発言しています。

フィニアン
「そうだよ、僕だけでもかえらなきゃ。坊ちゃんとセバスチャンさんに、ここで調べたことを伝えるんだ。
黒執事第210話「その執事、蛇行」より引用

この台詞からわかる通り、少なくとも現時点でのフィニの目標は調べた内容の報告となっている事が分かります。
子供たちを抱えることになったからという理由もあるでしょうが、この施設の破壊については現段階では流石のフィニのチート能力を持ってしても、もう考えることが出来ない状況のようです。

今までのヒースフィールド男爵邸編、アテナ退役軍人療養所編では施設の破壊、施設の吸収と言う形でどちらも坊ちゃんが兄シエル側から引き離すことに成功しました。
しかしこのF.O.L児童養護院は、施設の破壊までは至らない可能性が現時点では非常に高いです。

また、当初ポメラニアンクラスのテオの発案により施設の闇を世間に暴くための証拠として臓器を持ち出そうとしていた子供達でしたが、戦闘によりそれらも失ってしまいました。
このことから、現段階でF.O.L児童養護院が受けた損失は少人数の下っ端職員の死亡最適性の子供4人の流出(※証拠や重要機密の流出は無し)に留められる比較的軽傷であることが分かります。
最適性が逃げたとしても、施設があり子供たちが残っていれば、いくらでもまた最適性を育てることは可能です。
更にいうなれば、仮にスネークをビザールドールとして復活させた場合はむしろ坊ちゃん側から一人重要なキーパーソンを奪取した事にもなりかねません。

このことから、F.O.L児童養護院側としては今回の事件は極めて軽傷であり、仮にフィニたちが逃げたとしても大きな痛手ではない可能性があります。

スネークの生死と新たな死神

ドールのその後とスネークの死後、その魂を回収に来た新たな死神の存在について、第210話では語られることが無く先延ばしとされました。
ここでこれらのことが敢えて語られることなくフィニたちの逃走劇が先に描かれたという事は、むしろ先伸ばされた上記内容の方がより今後の黒執事の展開に直結する重要事項である可能性があります。
重要であるからこそ描かれるのが後回しになった可能性があります。

アテナ退役軍人療養所編のラストでは、施設に潜入していた現役の死神であるロナルドがビザールドールであり恐らくベガざまと思われる看護師レイラを捕獲しました。(※途中でウィルが来てレイラを死神派遣協会本部へ連れて行くと言っていましたが、ウィルは離脱組のスパイである可能性もまだ完全には否定できません。その為本当に連れて行ったかはまだ不明です。)
ただ、ロナルドは今のところ離脱組との関係はない純粋な死神派遣協会の死神であると思われます。

その為、死神派遣協会は現在怪しい施設に現役死神を派遣し、蘇生技術の高いビザールドールを見つけた場合その身柄の捕獲を命じられている可能性があります。

第209話で登場した新たな死神もまた、ロナルド同様死神派遣協会から動く死体の調査&捕獲を依頼されているのかもしれません。
となると、フィニが去りスネークの魂が回収された後、この死神はドールを捕獲しようと動いた可能性さえあります。

もし仮にこれらの状況と離脱組と思われる蘇生技術を持つ死神がぶつかっていた場合、やはりこちらとのやり取りの方が、F.O.L児童養護院にとってはよっぽど厄介な事件となるのかもしれません。
新しい死神の考察については今後の黒執事に大きく関わってくる可能性がある為、改めて後日個別記事を書かせて頂きます!

まとめ

今回も盛り沢山の回でした。
スネークたちが深堀されるのではなく一旦フィニサイドに話がうつったのは「やはり」と感じずにはいられません。
一旦話が先延ばしにされたからこそ、スネークとドールの今後、そして新たな現役死神の存在が重要なものに思えてなりません。

複雑な人間としての「良心」に苦しめられているフィニ。
もしフィニが無事セバスチャン達の元へ帰還で来たとしたら、その心境を理解し、ケアしてくれるのは同じような苦しみを経験したことがある坊ちゃんとバルドなのかも、しれませんね。

来月からはいよいよアニメ黒執事も放送が始まります!
原作だけでなく、アニメの方も楽しめる贅沢な期間。思いっきり黒執事に浸りたいと思います!!

※アニメ黒執事も、Youtubeで同時視聴ライブを行おうと思います!(本編は映しません。海外の反応シリーズの様に、一緒にみんなで見よう!スタイルでライブできたらと思っています!)
多分私がキャーキャー言っているだけの配信になるかと思いますが、良ければ気軽に遊びに来てやってください!
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餅月