黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第212話「その執事、南行」/束の間の休息。物語が向かう先は「各国を巻き込んだ世界大戦」かーーー

こんにちは!餅月です。
『黒執事』最新話第212話「その執事、南行」Gファンタジ―2024年6月号の考察をしていきたいと思います。


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前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
www.under-taker.com

第212話初見読みライブ配信

初見読みライブ配信はこちらです。
www.youtube.com
毎月18日Gファンタジー発売日に、
YouTube Liveにて初見読み&考察のリアルタイムライブ配信を行っています!
※18日が土日の場合、日付が前倒しで発売となります。
最近はこちらのブログ記事と並行して聞いて下さっている方もいらっしゃると伺っています。
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あらすじ:黒執事第212話「その執事、南行」Gファンタジー2024南6月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:汽車のチケット
いざ、復讐の旅路(バカンス)へーーー
汽車の一等客室

汽車の一等客室で顔合わせで座るセバスチャンと坊っちゃん
・食堂車で食事をとりながら各所へ派遣した使用人たちに想いを馳せる
・坊ちゃんは、劉の目的は現代より進んだ医術を欲しているのだろうと言う。
劉の巨大中華系マフィアが組織ぐるみで人知を超えた技術を横取りすることが目的なのだろうと二人は考えた。
・だからこそ劉を信頼しており、仕損じることはないだろうと坊ちゃんは語る。
・逆にメイリン・藍猫チームと、フィニ・スネークチームには心配が残る二人。
・家事使用人に不適合なメイリンをメイドにしたのはお前だといった坊ちゃんに対し、最初に不適合なフィニを雇用したのは坊ちゃんだろうと言い返すセバスチャン。
・赤子同然だったフィニを雇用したのは、赤ん坊は自分を裏切ることも騙すこともないからだと坊ちゃんは説明する。
・それでも彼らはきっと主人の為誇りと命を懸けて与えられた仕事を全うするでしょう。とセバスチャンは語る。
・「広い食堂車でゆっくり足を伸ばしたいから」と、坊ちゃんはセバスチャン用にも紅茶を手配し、2人でアフタヌーンティーを囲んだ。

復讐までの、束の間の休息。
黒執事第212話終了ー

第212話:考察的中箇所

  • 劉の目的は死者蘇生技術の横取り→的中◎

第212話:新たに張られた重要伏線

今回新たに張られた重要な伏線はこちらです

  • 『汽車』の共通点
  • 『汽車』で終わったサーカス編と、『汽車』で始まったホテル編
  • 兄シエルの『鉄道』に投資する発言
  • セバスチャンと坊っちゃんが向かい合って座る構図の意味合い
  • 劉の目的(中国)と、ドイツのフィニアンの存在→世界大戦の暗喩か
  • 進みすぎた技術への言及
  • セバスチャン坊ちゃんが感じた不安度に準じた使用人たちのミッション達成度

枢先生の巻末コメント

大きめの観葉植物を購入。過去にミントすら枯らしたので不安しかない……。

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

久しぶりの坊ちゃん&セバスチャンコンビ!!

表紙&中身といい、いかにもザ・黒執事らしい回でした!
すぐにホテル編が始まるのかと思ったら、道中も丁寧に描いてもらえましたね。
「束の間の休息」とあったように、まるで今までの黒執事でもあったような章と章の間の休息回を見ているような気分でした。

食堂車での優雅な食事シーンを中心に描かれ、久しぶりに黒執事らしい貴族ワールドを堪能できましたが、とはいえ二人の会話内容はここ4年間追ってきた使用人ズ達の奮闘をダイジェストに振り替えることが出来るような内容でした。
この会話の中でさらりと触れられた内容が、きっと今後の黒執事において重要な点になると思われる箇所も多々ありました。

それでは順番に考察に移っていきたいと思います!

考察

『汽車』と『黒執事』

今回の第212話では汽車が登場しました。
この汽車は黒執事の中で重要な意味合いを持って描かれている可能性があります。
それは以下の通りです。

  • 『汽車』で終わったサーカス編と、『汽車』で始まったホテル編
  • 兄シエルの『鉄道』に投資する発言

順番に考察していきます。

サーカス編とホテル編『汽車』の共通点

汽車でブライトンのホテルを目指している二人のシーンが描かれました。
坊ちゃんの命令により基本悪魔の超人的能力の使用を禁じられているセバスチャン。
お尋ね者になったことによりヴィクトリア駅に警察の検問があったことから大幅な遠回りをする羽目になった二人ですが、そんな追い詰められた状態でも悪魔の超人的能力を使わずに汽車を使用する辺りが流石です。

今回の第212話では、坊ちゃんと共に汽車の一等客室を利用するセバスチャンが描かれました。部屋番号が悪魔の数字である6ですね。
実は、黒執事内では既に一度、全く同じ描写が描かれています。

それがサーカス編です。
サーカス編のラストでは、坊ちゃんがレンボーン貧救院を訪れる際セバスチャンが坊ちゃんと共に一等客室で移動する様子が描かれました。

汽車の一等客室を利用するセバスチャンと坊っちゃん:黒執事第36話「その執事、随行」:黒執事第21話「その執事、南行」より引用

サーカス編のラストといえば言わずもがな、
サーカス団員の中で児童誘拐に関わった一軍メンバー全員が命を落とした直後にこの汽車のシーンが描かれた形です。

そして今回汽車のシーンが描かれたのは、
F.O.L児童養護院編内でサーカス団員のスネークが命を落とした直後です。

今回の一等客室のシーンはサーカス編のラストと通じる演出をして意識して描かれた可能性があります。

セバスチャンも一等客室を利用している理由

サーカス編で汽車を利用した際、セバスチャンは坊ちゃんにこのように発言していました。

セバスチャン
「急でしたので三等席がとれず私も一等での同席となり申し訳ありません。」
黒執事第36話「その執事、随行」より引用

このことから、使用人であるセバスチャンは普段は三等席を使用しており一等席で坊ちゃんと同席することはあまりないことが分かります。
今回の第212話内でセバスチャンが坊ちゃんと共に一等客室を利用していた理由は明言されていません。

三等客席と思われる席が通路まで混みあっている様子が描かれていることから今回もチケットが取れなかった可能性も十分考えられますが、もしかすると今回はセバスチャンもお尋ね者であることから犯罪者が紛れ込みやすい&人目につきやすい三等客席を意図的に避けたという可能性も考えられます。

お尋ね者として顔が割れているセバスチャン:黒執事29巻第150話「その執事、魅了」より引用

しかしこうして改めて見てみると、今の汽車での二人はここでピットに写真を撮られた時のままの様子ですね!?
しかも今回は貴族だけでなく市民にも大々的に顔が割れており、かつ新聞の見出しを飾る大事になっている以上、今こそ変装すべき時なのでは…!?!

もしマダム・レッドが生きていたら彼女も突っ込んでいたかもしれません。

伝説の駒鳥回で『変装』について語るマダム・レッド:黒執事3巻第7話「その執事、酔狂」より引用
『敢えて』変装しない坊ちゃんの意地と誇り

ただ同時に、今回ここで敢えて変装をしないことに坊ちゃんのファントムハイヴ『伯爵』としての意地のようなものも感じました。
現在坊ちゃんは兄シエルの策にハマり、殺人事件の濡れ衣を着せられ、偽物のファントムハイヴ伯爵として追われる立場となってしまっています。

駒鳥を始め豪華客船編、寄宿学校編、劉の阿片窟と、様々な場所で変装をしてきたセバスチャンと坊っちゃんですが、現在はその立場自体追われてしまっている身となっています。
こんな状態であるからこそ、ある程度の隠密はしつつも出来る範囲ではファントムハイヴ伯爵としてありのままの自分でいる事が、今は坊ちゃんにとっては重要なのかもしれません。

実際今回久しぶりに優雅に食事をとる坊ちゃんらしいシーンを見て凄く安心できたのも事実です。
この兄弟喧嘩で兄シエルと葬儀屋側がまだまだ全然本気を出していないのはほぼほぼ間違いありませんが、人外の力に頼らず敢えて汽車で陸路を行く坊ちゃんや、可能な限りファントムハイヴ伯爵として隠れすぎることなく進む坊ちゃんも、まだまだ兄シエルに負けず劣らず余裕を持っているのではと感じました。

鉄道と兄シエル

青の復讐編では、セバスチャンと坊っちゃんシーンだけでなく、メイリンたちがヒースフィールド男爵邸に向かう際も汽車を使用するシーンが描かれました。
兄シエルに復讐する為には使用人たちの足として鉄道が不可欠であったことが分かります。

実は、黒執事の中では一度鉄道について兄シエルが語ったことがありました。
弟である坊ちゃんが今後は女性や子供に向けてのニーズが増えることを予想し菓子・玩具産業に力を入れたことに対し、それを評価しつつも兄シエルが「僕なら鉄道か通信に投資していただろうな」と言ったシーンです。

自分なら鉄道に投資しただろうなと言う兄シエル:黒執事29巻第151話「その執事、無精」より引用

坊ちゃんは娯楽的需要にこたえるファントム社を経営したのに対し、兄シエルの思想は市民の生活と切っても切り離せないものへの投資であったことから兄の聡明さにゾッとした方も多いのではないでしょうか。

事実、現在追われている坊ちゃん達も鉄道無くしては活動することが出来ません。
兄シエルは殺害されてしまった為実際に鉄道と通信に投資することは出来ませんでしたが、もし存命だった場合はもしかするとこの汽車も兄シエル達の息がかかったものになっていたのかも…。と想像せずにはいられませんでした。

向かい合って座るセバスチャンと坊っちゃん

さて、食堂車のシーンでセバスチャンと坊っちゃんが互いに向かい合って机を囲むシーンが描かれました。

テーブルを挟み座る坊ちゃんとセバスチャン:黒執事第212話「その執事、南行」より引用

普段は執事として決して座ることが無いセバスチャン。
そんなセバスチャンが座る事、ましてや坊ちゃんと向かい合って座る事は非常に珍しいです。
※今回セバスチャンは、自分が坊ちゃんの執事であるという事を目立たせない為に敢えて客を装い座っているものと思われます。
完全に余談ですが、この時の坊ちゃんはセバスチャンが客として浮かないように&なるべく長く滞在する為セバスチャンに対し最低限の紅茶を注文しています。机の上を見るとイングリッシュブレックファストが下げられアフタヌーンティーの様なケーキたちに変わっている事が分かりますね。ただセバスチャンの方には紅茶のみでケーキ用の取り皿がありません。悪魔であるセバスチャンはケーキの美味しさが分からないのでお預け感は無いと思いますが、軽く二人前はありそうなこのケーキを完食するまでとなれば坊ちゃんはかなりこの食堂車でゆっくりと休めそうですね。セバスチャンが何かを口に食べ物を口に入れるシーンは本当に珍しいので、カップを持つセバスチャンの後ろ姿はかなり新鮮に感じました。

さてさて、話を戻します。
セバスチャンは漫画内で一度だけこのようにテーブルを挟んで向かい合って座ったことがあります。
それがまだ悪魔だったセバスチャンと坊っちゃんの契約シーンです。

テーブルを挟み座る坊ちゃんとセバスチャン:黒執事27巻第138話「その執事、推敲」より引用

執事として普段立っているセバスチャンが椅子にもたれかかり悪魔として座る様子は、枢先生もかなり意識して描かれたと当時Xで言及されていました。

生執事豪華客船編では、古川セバスが悪魔らしく椅子に座るシーンがありました。
枢先生が作られたセバスチャン像の内面を古川さんが的確に理解されていたから故に実現したシーンだったんですね…!

国を跨いだ『伏線』

さて、次に考察していきたいのは国を跨いだ伏線についてです。
今回の第212話では、過去を振り返る形でイギリス以外で中国・ドイツの名前が出てきました。

  • 中国→巨大中華系マフィア(劉)による死者蘇生技術の奪取
  • ドイツ→進みすぎた技術による人体実験

今回の第212話では出てきませんでしたが、
その他黒執事本誌の中では既に、葬儀屋(アンダーテイカー)の死者蘇生技術と関係がある他国としてアメリカフランスの名前も出てきています。

使用人たちの奮闘を振り返る第212話で改めてこの海外が関わるポイントに触れられた事は将来黒執事が世界大戦に進んでいく未来を示唆するために意図的に張られた伏線である可能性があります。

それでは、次に今回触れられた中国とドイツの伏線について順番に考察をしていきたいと思います。

劉の目的(中国)→考察的中◎!

当ブログで2年前に考察していたこちらの記事。↓
www.under-taker.com

この記事内で、アテナ退役軍人療養所の調査に同行した劉の目的について考察をしていました。
今回坊ちゃんの口からも劉の目的について見解が述べられ、こちらの考察が的中となりました!

以下、一部引用の形で紹介させて頂きます。

劉は何故敢えて兄シエルではなく坊ちゃん側についているのでしょうか?
初期のバルドも「何故青幇幹部の劉がわざわざ潜入調査まで同行するのか」ということについて疑問に思っていました。

この疑問点は今後非常に重要な点となってくる可能性があります。

今回の第186話で劉はこのように言いました。

劉「彼は今伯爵ですらない。崖っぷちに追い詰められたただの子供だ。」
黒執事第186話「その執事、専行」より引用

この言葉は、猶更何故劉が坊ちゃん側についているのかを疑問視させます。
冷酷で無慈悲な劉が、「ただの子供」に身を落とした坊ちゃんを切り捨てないこと自体に大きな違和感であるからです。

バルドへの態度からもわかる通り、劉に温情はありません。
単純に考えれば、坊ちゃんと行動を共にすることで青幇に何らかのメリットがあると考えることが妥当のように感じます。

青幇へもたらすメリットとは

こちらはまだ考察と言うよりは予想レベルなのですが、
劉がこの潜入調査を同行する理由を考えてみました。

単純に考えれば、この潜入調査が青幇にメリットをもたらすものであるからと考えられそうです。

しかし今のところ、坊ちゃん側の方が圧倒的に劣勢です。
伯爵としてのファントムハイヴ家との関係を維持するためが目標であった場合は、仮に兄シエルが伯爵に返り咲いた場合を考えると、わざわざ坊ちゃん側について敵対して見せることは青幇にとってベストな選択とは言えないように感じます。

これはあくまで予想なのですが、青幇、そして劉の目的は坊ちゃんたちの味方をすることと言うよりは、兄シエル側の死者蘇生の研究技術と、その破壊に重きが置いているのかもしれません。

以前から当ブログで考察している通り、
葬儀屋(アンダーテイカ―)が研究している死者蘇生の実験はもはや「魂の定義」を根本から破壊する程の大きな問題となっています。

そしてこれらの実験には金銭的な援助も不可欠であり、葬儀屋の後ろには国家レベルのパトロンがついている可能性が出ています。
この考察については下記記事で詳しくまとめています。
www.under-taker.com
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死者蘇生の力により蘇ったビザールドールが葬儀屋が言う通り「最高の動物兵器」としてどこかの国の兵力になった場合。
それは諸外国にとっては間違いなく脅威となります。

その為、青幇はそれを阻止するという坊ちゃんと目的が一致しているため、行動を共にしている可能性も考えられるのではないでしょうか。
勿論壊すだけでなく、「あわよくば自分たちのものに」という気持ちもあるのかもしれません。

そう考えると、今回の坊ちゃんたちの計画はただのお家騒動と言うよりは、もっとずっと大きな、戦争や今後の人間の死の在り方にすら直結するようなとても大きなヤマであるように思えます。
そう考えると、わざわざ青幇幹部である劉が、直接潜入調査に同行するのも非常に納得がいくように感じます。

これは現段階ではあくまで可能性の一つとして挙げられるだけなので、他にも理由がある可能性はあります。
ただ、現段階で一番単純に考えてみると、こんな動機が候補の一つとしては考えられるのではないでしょうか。

またもし仮にこの説が正しかった場合、施設を壊そうとしていることから青幇は兄に支出をしていないということになります。
逆に言えば青幇にとって都合の悪い相手が、兄シエル側に資金的援助をしているという可能性もあるのかもしれませんね。(まだ妄想です。)

※以下追記
また中国は古い昔から死者蘇生の研究に積極的だったことで有名です。(※キョンシーなど)
思えば、死者を蘇生するカルンスタイン病院の話を坊ちゃんに持ち出してきたのも劉からでした。この事件の捜査は女王からの命令ではなく、劉の情報を元に坊ちゃんが独自で動いたものでした。
もしかすると、豪華客船編を焚きつけた時点から、既に劉は死者蘇生の研究の取得に向けて動き始めていたのかもしれません。

引用源:【黒執事考察ブログ】ネタバレ第186話「その執事、専行」/エイダに肩入れするバルドを咎める劉。調査に同行する劉の本当の目的とは。 - 黒執事考察ブログ

今回の第212話内では豪華客船編の際カルンスタイン病院の話を坊ちゃんに持ってきたのも劉だったという事もしっかり触れられました。
坊ちゃんは第212話で「4つの施設の中でアテナ退役軍人療養所が一番『あたり』に近いと踏んだのだろう」と言及していました。
実際、現段階のわかる範囲ではアテナ退役軍人療養所は唯一死神(ロナルド)が潜入していた施設でした。その施設を引き当てるとは流石劉です。

アテナ退役軍人療養所編では最終的に施設を丸ごと中国に持っていくことに成功している劉。
青幇幹部である劉がわざわざこの潜入調査に参加した対価としてこれは十分な報酬であるようにも感じます。

世界を巻き込んだ死者蘇生技術の流出は、既にどんどん始まっていると言える可能性が非常に高いです。


生物兵器開発のフィニアン(ドイツ)

F.O.L児童養護院編内でも触れられましたが、今回再度フィニアンの過去について触れられました。

セバスチャン
ドイツの実験施設で特殊な改造を施された被検体12番。出会った時のフィニは肉体以外言葉すら覚束ない赤子も同然の状態でしたから。」
黒執事第212話「その執事、南行」より引用

黒執事の中で既出情報が何度も描かれる事は、その内容の中に今後の黒執事に展開に関わる大きな伏線が隠されている事が非常に多いです。
今回のセバスチャンの台詞の中で今後の黒執事に関わる重要な伏線としては、下記点を挙げることが出来ます。

  • ドイツ
  • 実験施設で特殊な改造(進みすぎた技術を持つことを示唆)
  • 被検体12番(生物兵器=ビザールドールとの共通点)

またこのセバスチャンの発言の他に、第212話では坊ちゃんの口によって現代より進んだ医療技術として、黒執事の中で人外の関わり合いを示唆する「進みすぎた技術」への言及もありました。
これらがセットで1話の中で語られたのは意図的な伏線である可能性が非常に高いです。

こちらについては過去記事で以前考察をさせて頂いています!
物凄く長くなってしまうので、よろしければ是非下記記事をチェックして見て下さい!
フィニ(とスネーク)の生物兵器としての能力は、単なるチートではなく人外の人体実験と関係した世界大戦に繋がる超重要伏線である可能性があります。
↓↓
www.under-taker.com

使用人たちのミッション達成度

第212話では坊ちゃんセバスチャンが各所に派遣した使用人たちについてどのように思っていたかを中心に描かれました。
ファントムハイヴ家使用人として優秀な彼らではありますが抜けてる部分もあり、やはり心配がゼロだったという訳ではなかったようです。

結果的に、セバスチャンと坊っちゃんの子の不安度は、使用人たちのミッション達成度にある程度比例していた事が分かりました。
順番にまとめていきます。

劉とバルドチーム(アテナ退役軍人療養所)

  • セバスチャン坊ちゃんの見解→心配なし
  • ミッション達成度→完遂

劉が純粋な気持ちで坊ちゃんに協力している訳ではなく、医療技術の横取りを目的にしていると分かった上で信用しているといった坊ちゃん。
実際、劉とバルドが担当したアテナ退役軍人療養所は、施設設備のみならず技術者被検体丸ごと劉がいる中国へ持っていくという形で完全に潰すことに成功しました。

先程も言及しましたが、これにより国を跨いだ医療技術の流出があった事は今後の黒執事で非常に重要なポイントになる可能性があります。
とはいえ、1施設を破壊するという目的で考えればこのアテナ退役軍人療養所は兄シエルと葬儀屋側に最もダメージを与える形での施設奪取に成功したパターンであると言えます。

メモ:坊ちゃんの発言

今回、アテナ退役軍人療養所編を振り返るにあたり坊ちゃんがアテ退役軍人療養所と発言しているシーンがありました。
恐らくこれは伏線的な意味合いがあるものではなく、コミックス化される際アテナに変更されるものと思われます。

コミックスで差し替えられる可能性がある箇所:第212話「その執事、南行」より引用

メイリンと藍猫チーム(ヒースフィールド男爵邸)

  • セバスチャンと坊っちゃんの見解→心配
  • ミッション達成度→破壊成功(未回収の伏線、取りこぼし要素あり)

戦闘力を評価しつつもメイドとしてうまく紛れ込めるかを心配していたセバスチャンと坊っちゃん。
メイリンと藍猫チームは最終的に施設の破壊には成功しました。

しかし、劉たちのアテナ退役軍人療養所と比べると明確な差があります。
それは施設の設備を破壊したのみであり、根幹は断てなかったという点です。

確かに輸血提供者や機材を破壊できたことは大きく、坊ちゃんの命令内容は完遂した状態です。
ただしアテナ退役軍人療養所と異なり、ヒースフィールド男爵邸では輸血技術をもつ技術者を見つけることは出来ておらず、取り逃がした状態となっています。
技術者を取り逃がしている限り、葬儀屋側に資金さえあればヒースフィールド男爵邸の様な施設をまた作る事が可能な状況のままミッションが終了しています。
実際、兄シエルと葬儀屋がヒースフィールド男爵邸が破壊されたことをポラリス様から聞いた際、彼らは焦る様子は一切見せませんでした。

メイドとして登場した明らかに何かを知っているジェーンの存在や、ヒースフィールド男爵邸がただの血液搾取施設ではなく将来の輸血提供者を増やすための人間製造工場であった可能性等、未回収の伏線が多々残っている重要な章であると言えます。

フィニアンとスネークチーム(F.O.L児童養護院)

  • セバスチャンと坊っちゃんの見解→フィニの従順さとスネークの能力があれば危なっかしいが何とかなりそう
  • ミッション達成度→スネークが死亡したことにより施設の破壊失敗(情報と子供達4人の持ち帰りは成功)

F.O.L児童養護院編は、潜入した3つの施設の中で唯一施設の破壊に失敗した場所です。
セバスチャンと坊っちゃんはスネークの能力とフィニの従順さを評価していました。
この2つが欠けることが無ければ互いに補い合い、施設を破壊することも出来たかもしれません。

ですが、F.O.L児童養護院では亡くなったはずのサーカス団のドールとの再会という坊ちゃんが予期せぬことが起こり、結果としてスネークは死亡してしまいました。
倒れたスネークを前にしてフィニは苦しみましたが、セバスチャン達が評価していた坊ちゃんへの従順さからスネークを見捨てることを選び、かろうじて情報の一部持ち帰りには成功しました。

施設側のダメージとしては最も価値の高い4人の子供たちを奪われ、数人の下っ端職員が死亡したのみです。(子供たちもまだ沢山施設に残っている為、また育てることが可能です。)

施設の設備も高度な医療技術を持つ職員も無事な為、F.O.L児童養護院は、潜入した3つの施設の中で与えることが出来たダメージが最も低い章だったと考えられます。

以上の様に、約4年にわたり行われてきた使用人潜入調査は、坊ちゃんとセバスチャンが危惧した心配度とある程度比例した結果となっている事が分かります。

おまけ:ドルイット子爵ホテルの支配人説

最期にこちらはまだ根拠が薄い妄想程度のオマケ考察です。

今回のお話からホテル編が始まると思っていたのでウキウキとブライトンホテルの既出事項を確認していたのですが、気になるセンテンスを見つけました。

ブライトンの新リゾートホテル
リーズナブルな宿泊費に対しホスピタリティが素晴らしくバカンス期間終了後も滞在を延期する客が多数。自宅を引き払う者までいる。暁学会に所属していた貴族が支配人を務める。

黒執事29巻第153話「その執事、会同」より引用

暁学会に所属していた貴族‥。ふむふむ。
これもしかするとドルイット子爵の可能性はないでしょうか!?

元々当ブログではただの希望として「そろそろホテル編辺りでドルイット子爵出てきてくれないかなー」と時折言及してきていました。
また先日、寄宿学校編でアニメでも再登場を果たしたドルイット子爵についてクマさんが言及された際このような一文が添えられていました。

社交の場に必ず現れます

社交の場に必ず現れます
これはもしやホテルでも出てきてくれるのでは…!?

そんな希望を感じて改めてブライトンのホテル詳細を見返した際に気になった文言がこの暁学会に所属していた貴族が支配人を務めると言う一文でした。
暁学会に所属していた貴族と言えば…。そうこしゃくです。
実際、暁学会に所属していた貴族として実名が上がってる坊ちゃんの知り合いの貴族()はドルイット子爵のみなので、もしこの支配人に既出キャラがあてがわれる場合はドルイット子爵その人である可能性は十分に考えられるかも…!と感じています。(それか、ヒースフィールド男爵の様な新キャラか、のどちらかだと思います。)

ネックとしてはあんなキャラを葬儀屋側がホテルの支配人なんて重要なポジションにおくか?と言う点だと思うのですが、暁学会には健康バカのリアン・ストーカーをカルンスタイン病院の院長として抜擢していたという前科があるので全然可能性はあると思います。やりかねん。

あとドルイット子爵って葬儀屋(アンダーテイカー)の相当なお気に入りなんですよね。
彼が死ぬことは小生にとって世界の損失とまで言わせる男ですし、グレルチャンの刃から葬儀屋御自ら身を呈して守らせただけでなく、豪華客船が沈没する際に卒塔婆で貼り付けにしいかだを組んで脱出させるという手厚いアフターフォローを受けて生還を果たしているわけで。それこそリアン・ストーカーは見捨てたにも関わらず、です。

メタ発言をすれば豪華客船編のラスボス御自ら。デスサイズで船を割って、兄シエルを救出して逃げなくてはいけないという超絶忙しい時にこれだけのアフターフォローをさせてるわけですから…。
こうしてみるとこしゃく凄すぎますねwwww

またちょっと真面目に考察すれば、現在アニメで話題の寄宿学校編。
あれも、実はドルイット子爵がレドモンドに暁学会を教えていなければ多分そもそも起こらなかったはずなんですよね。

寄宿学校編の佳境、真夜中のお茶会シーンでセバスチャンが「元を辿れば小さいこと。それをこれだけ複雑怪奇にしたのは貴方ですね?」と校長に化けた葬儀屋さんに言うシーンがありますが、違う元を辿れば多分元凶はドルイットだと声を大にして言いたいですww

そう考えると寄宿学校編の陰の立役者と言っても過言ではない程の働きを見せているドルイット子爵。
功績としては十分、社交界との相性も買われなにより葬儀屋のプッシュがあれば支配人でいても何らおかしくない、と感じてやみません…。(完全に個人の意見ですが、もしそうでなくでもドルイットがお客としてホテルに来てくれていたとしたら多分葬儀屋さんは大喜びすると思いますwww)

仮に支配人ではなかったとしても、社交界が大好きなドルイット子爵にはこのホテルでバカンスを楽しんでいてもらいたいなあと感じてしまってなりません笑

何と次回のGファンも表紙が黒執事とのこと!3月連続は凄すぎますね!?
ボートパレード坊ちゃんの絵柄の下敷きがつくとのことでめちゃくちゃ豪華です!
来月の黒執事も楽しみにしたいと思います!

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餅月