黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第186話「その執事、専行」/エイダに肩入れするバルドを咎める劉。調査に同行する劉の本当の目的とは。

こんにちは!餅月です。
『黒執事』最新話第186話「その執事、専行」Gファンタジ―2022年4月号の考察をしていきたいと思います。

今回の黒執事は一言で表すならば劉回!!
劉が推しの方には特にたまらない回ではなかったでしょうか。

物語もどんどん核心に迫りつつあり、ゾクゾクするような緊迫感が高まりつつあります。

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
www.under-taker.com


あらすじ:黒執事第186話「その執事、専行」Gファンタジー2022年4月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:中国の伝統衣装に身を包んだ劉の後ろ姿
蒼龍の髭を撫でること勿れ

蒼龍(そうりゅう)とは四神の一つ、青竜の別名。
引用源:
蒼龍 - Wikipedia

エイダに肩入れするバルドを咎める劉。

・バルドはエイダをかばう理由として、この施設は確かに血液を集めていたが、支援を盾にやりたくないことをやらされているだけであり、そんな彼らを殺したくないと答える。
・劉は君の意見は聞いていない、主人の命令を遂行できないなんて使用人失格だと答える。
・バルドにナイフを突き立てようとする劉に対し、バルドは他所様の手駒に手をかけるなんてそっちこそよっぽどだと答える。
・劉は「少しは頭が回るんだ」と言い、バルドに向けていたナイフを、物陰で聞いていた死神ロナルドに投げた。
・「ロナルドをネズミと間違えた」と言い訳する劉。「ネズミはこの清潔な施設にいてはならない病原菌塗れの害獣ですから」とほほ笑む。
・翌日。エイダは包帯や薬品を持ってきた男に対し「お代」と称して血液を渡す。
・「今回は約束通りの量だな、賢い選択だ。それでいい。」という男。
・その男の馬車を、木の上から拳銃を持ったバルドが見下ろしていた。

小さな戦争が始まる。
第186話終了ーー

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
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枢先生の巻末コメント

「黒執事」15周年記念オーケストラコンサート。本当に感動しました。サントラを聴きつつ思い出を反芻する日々。

私も聴きに行きましたが本当に素敵なコンサートでした…!
忙しくてなかなか記事が書けないのですが、必ず記事にさせて頂きます!

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

いやーーー久しぶりの開眼劉…!
扉絵からして美しすぎました。
扉絵に添えられた花の種類は一体何なのでしょうか?
蓮の花に似ているような気もしますが木から生えています。

黒執事は花言葉も非常に重要な意味合いが込められることが多いので、何か劉を示すような花言葉が込められているのかもしれません。
もしこちらの花の種類を知っている方がいましたら是非コメント欄で教えてください!

そして今回の扉絵に添えられた一言。
「蒼龍の髭を撫でること勿れ」。これは恐らく龍の鬚を撫でるということわざを少しアレンジした造語ではないかと思われます。
竜の鬚を撫で虎の尾を踏むとも言いますが、意味は極めて危険なことをすることの例えです。

ここでいう竜は、劉の事を例えているのでしょう。
ただの竜ではなく、四神の一つである蒼龍に例えるあたりにとろけるような言葉の美しさを感じました。本当に、なんて素敵な例えなんでしょう…。

バルドの選択が、劉を反応させてしまう極めて危険な物であったことがよく分かります。
思わずヒリついてしまうような緊張感を出したかと思えば、突然緩み愛嬌を出す劉。
そんな彼に翻弄されまくる、、まさしく極上な1話でした。

それでは考察に移っていきたいと思います!

疑問点:劉の目的とは

劉は何故敢えて兄シエルではなく坊ちゃん側についているのでしょうか?
初期のバルドも「何故青幇幹部の劉がわざわざ潜入調査まで同行するのか」ということについて疑問に思っていました。

この疑問点は今後非常に重要な点となってくる可能性があります。

今回の第186話で劉はこのように言いました。

劉「彼は今伯爵ですらない。崖っぷちに追い詰められたただの子供だ。」
黒執事第186話「その執事、専行」より引用

この言葉は、猶更何故劉が坊ちゃん側についているのかを疑問視させます。
冷酷で無慈悲な劉が、「ただの子供」に身を落とした坊ちゃんを切り捨てないこと自体に大きな違和感であるからです。

バルドへの態度からもわかる通り、劉に温情はありません。
単純に考えれば、坊ちゃんと行動を共にすることで青幇に何らかのメリットがあると考えることが妥当のように感じます。

青幇へもたらすメリットとは

こちらはまだ考察と言うよりは予想レベルなのですが、
劉がこの潜入調査を同行する理由を考えてみました。

単純に考えれば、この潜入調査が青幇にメリットをもたらすものであるからと考えられそうです。

しかし今のところ、坊ちゃん側の方が圧倒的に劣勢です。
伯爵としてのファントムハイヴ家との関係を維持するためが目標であった場合は、仮に兄シエルが伯爵に返り咲いた場合を考えると、わざわざ坊ちゃん側について敵対して見せることは青幇にとってベストな選択とは言えないように感じます。

これはあくまで予想なのですが、青幇、そして劉の目的は坊ちゃんたちの味方をすることと言うよりは、兄シエル側の死者蘇生の研究技術と、その破壊に重きが置いているのかもしれません。

以前から当ブログで考察している通り、
葬儀屋(アンダーテイカ―)が研究している死者蘇生の実験はもはや「魂の定義」を根本から破壊する程の大きな問題となっています。

そしてこれらの実験には金銭的な援助も不可欠であり、葬儀屋の後ろには国家レベルのパトロンがついている可能性が出ています。
この考察については下記記事で詳しくまとめています。
www.under-taker.com
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死者蘇生の力により蘇ったビザールドールが葬儀屋が言う通り「最高の動物兵器」としてどこかの国の兵力になった場合。
それは諸外国にとっては間違いなく脅威となります。

その為、青幇はそれを阻止するという坊ちゃんと目的が一致しているため、行動を共にしている可能性も考えられるのではないでしょうか。
勿論壊すだけでなく、「あわよくば自分たちのものに」という気持ちもあるのかもしれません。

そう考えると、今回の坊ちゃんたちの計画はただのお家騒動と言うよりは、もっとずっと大きな、戦争や今後の人間の死の在り方にすら直結するようなとても大きなヤマであるように思えます。
そう考えると、わざわざ青幇幹部である劉が、直接潜入調査に同行するのも非常に納得がいくように感じます。

これは現段階ではあくまで可能性の一つとして挙げられるだけなので、他にも理由がある可能性はあります。
ただ、現段階で一番単純に考えてみると、こんな動機が候補の一つとしては考えられるのではないでしょうか。

またもし仮にこの説が正しかった場合、施設を壊そうとしていることから青幇は兄に支出をしていないということになります。
逆に言えば青幇にとって都合の悪い相手が、兄シエル側に資金的援助をしているという可能性もあるのかもしれませんね。(まだ妄想です。)

※以下追記
また中国は古い昔から死者蘇生の研究に積極的だったことで有名です。(※キョンシーなど)
思えば、死者を蘇生するカルンスタイン病院の話を坊ちゃんに持ち出してきたのも劉からでした。この事件の捜査は女王からの命令ではなく、劉の情報を元に坊ちゃんが独自で動いたものでした。
もしかすると、豪華客船編を焚きつけた時点から、既に劉は死者蘇生の研究の取得に向けて動き始めていたのかもしれません。

死神と「害獣」

勘違いを装って死神ロナルド・ノックスにナイフを投げつけ攻撃をした劉。
その時に劉は少々興味深いセリフを言っていました。

劉「ああノックス先生!申し訳有りません。ネズミが入り込んだのかと勘違いを…。ネズミはこの清潔な施設にいてはならない病原菌塗れの害獣ですから。」
黒執事第186話「その執事、専行」より引用

私がこの中で気になったワードは「ネズミ」「病原菌塗れ」「害獣」の三つです。
これらは全て、黒執事の中では「悪魔」を示唆するときに使われる言葉だからです。

黒死病(ペスト)

まず、「ネズミ」と「病原菌塗れ」というワードですが、ここから思い浮かぶ病気はペスト(黒死病)です。
諸説ありますが、黒死病はネズミを媒介にして広がったという説は非常に有名です。

ネズミが媒介ではない可能性についてと黒死病については下記サイトに詳しく掲載がありました。
natgeo.nikkeibp.co.jp

またアニメ黒執事の中では
原作にはないオリジナルセリフではありますが、セバスチャンが「黒死病」は自分が流行らせたと発言をしています。

セバスチャン「では白状しましょう。実はヨーロッパに黒死病(ペスト)を流行らせたのは私なんです。
アニメ「黒執事」Ⅷその執事、脱走より引用

「害獣」

次に「害獣」というワードです。
これは豪華客船編にて、葬儀屋(アンダーテイカー)が悪魔であるセバスチャンを読んだ呼び方と一致します。

葬儀屋
「前から興味あったんだよねえ…害獣風情が何故お着せで執事なんかしてるのか。見せてもらうよ。君の走馬燈。」
黒執事第61話「その執事、誕生」より引用

以上からわかる通り、
今回のこの短い劉のセリフの中では、黒執事の中で「悪魔」を連想させる時に使われるワードが3つも使用されていることが分かります。
しかもそのワードを人間である劉から、死神であるロナルドに投げかけられたというのは非常に意味深です。

黒執事の中で死神とは悪魔と対比で描かれていることも多いため、その死神を「害獣」に例えたのはどうも何か引っ掛かりを感じます。
勿論考えすぎの可能性もありますが…。

また死神派遣協会と悪魔の関係性については、実はないわけではありません。
死神が付けている「眼鏡」には、当時「悪魔の仕業」と言う異名がありました。

これを死神たちが大切につけているのは非常に意味深であり、死神派遣協会と悪魔に何らかの繋がりがあることを表す伏線である可能性が出ています。

本当に本当に考えすぎかもしれませんが、劉のセリフはこの伏線に繋がるものを意味しているのかも、しれません。

死神派遣協会の眼鏡から見る悪魔との関係性についての考察は下記記事にまとめてあります!
www.under-taker.com

血液を渡したエイダ/偽物か?

最後に、ラストに登場した血液について考察をしていきたいと思います。
包帯と薬品を持ってきた男に対し、エイダは「お代」として患者から抜いた血液を渡しました。
しかし前夜にバルドと「もう血液を渡さない」と約束していることから、この血液は偽物である可能性が高いです。

エイダは約束よりも少量の血液を渡していた

男が「今回約束通りの量だな」と言っていることから、前回の血液回収の際にエイダは約束の量より少ない血液を渡していたことが確定しました。
恐らく患者の体を気遣っての事だったのでしょう。

エイダは心から患者たちの体を思いやっていることが分かります。

血液を採りに来た男

血液を採りに来た男ですが、彼が兄シエル側の人間であることは間違いありません。
しかし彼が重要人物かそれともモブなのかはまだ考察が出来ない状態です。

かなり眼光が鋭く描かれていることと、血液を約束通りの量渡したエイダに対し「賢い選択だ。それでいい」と言うあたりはいかにもなにか知っていそうな雰囲気はあります。しかしそんな重要な人物が果たして血液運搬なんてするでしょうか?いやいや、もしくは重要な人物だからこそ血液運搬をまかされたのか…?ここはまだヒントが少なすぎて全く考察が出来ません。
(※個人的には、仮にこの血液が偽物だった場合、それに気づかず素直に運搬していしまっている可能性があるのでもしそうだとしたらモブっぽいななんておもっています…w)

少なくとも、この男の行く先を辿れば、新たな兄シエル達に関わる施設を見つけることが出来そうです。
「小さな戦争」を巻き起こすバルドの手腕に期待したいです。

まとめ

メイリンと藍猫チームは一丸となって血液収集施設を破壊しましたが、バルドと劉チームは互いの方針が完全に食い違ってしまいました。

エイダに温情をかける形で動くことを決めたバルド。
1読者である私から見てみるといまのところエイダにも怪しい影はなく、ベストな選択のように見えるのですが果たしていったいどうなるのでしょうか…。
「我は忠告したからね」と言った劉の顔が頭をよぎります。
二人の方針が完全に食い違っているのは既に明らかです。

果たしてバルドの温情が功を奏すのでしょうか。
それとも劉の非道さを持たなかったことで後々後悔する結果を残してしまうのでしょうか。

来月の黒執事も、固唾を飲んで見守りたいと思います!

餅月