こんにちは!餅月です。
今日は、豪華客船編で葬儀屋(アンダーテイカー)がセバスチャンの走馬燈劇場を覗いた理由についてを考察していきたいと思います!
豪華客船編では葬儀屋がセバスチャンの走馬燈を暴いたことによって坊ちゃんとセバスチャンの具体的な契約内容、そしてセバスチャンの本心が明らかになりました。
皆様はこれを、
葬儀屋が何となく興味を持ったから、もしくはセバスチャンと坊ちゃんの過去を描く回想として必要な演出だからこのような形になったと思ってはいないでしょうか?
勿論その理由もあると思います。
しかし実は、よくよく内容を紐解いてみると
葬儀屋がこのタイミングでセバスチャンの走馬燈を覗いた理由はそれだけではなく、青の教団編にもつながる非常に重要な伏線的意味合いが含まれている可能性がでてきました!
なお、今回の記事は下記記事で考察した内容のピックアップ記事となります!
www.under-taker.com
葬儀屋からセバスチャンに対する「坊ちゃんを預けてもいいかを試すテスト」
結論から申し上げますと、
葬儀屋がセバスチャンの走馬燈を覗いた理由は、セバスチャンに坊ちゃんを預けていても本当に問題ないかを試すための葬儀屋からのテストであった可能性があります。
そしてそのテストの結果が、青の教団編での葬儀屋と兄シエルの行動に反映されている可能性があります。
具体的に考察していくため、まずは当時の葬儀屋の発言を紐解いていきたいと思います!
悪魔が坊ちゃんの側にいることをずっと「黙認」してきていた葬儀屋
まず大前提として、
葬儀屋はセバスチャンの正体が悪魔であることをずっと前から知っていました。
その事実を知りつつも、葬儀屋は坊ちゃんの側に悪魔がいることを黙認し続けてきていました。
何故葬儀屋は今までセバスチャンを黙認し続けていたのでしょうか?
その理由として考えられるものは以下の通りです。
・悪魔が坊ちゃんを襲う様子が無かったから
・悪魔の人外としての力が、坊ちゃんの役に立っているから
・今のところ坊ちゃんが悪魔の手綱を握れており、その力を利用することが出来ているから
葬儀屋自身も人外です。
その為、悪魔の力がどれだけ強大かは十分わかっていたはずです。
だからこそ、葬儀屋は悪魔の力をやみくもに危険視し坊ちゃんから取り上げるのではなく、その力を坊ちゃんが操れている間は葬儀屋もそのメリットを汲み、セバスチャンの存在を黙認していた可能性があります。
しかし逆に言えば、これらのどれか一つでも違えた場合には、葬儀屋はセバスチャンが坊ちゃんの近くにいることを許すつもりが無かった可能性があります。
ではなぜ今まで黙認してきていたのでしょうか?
それは、葬儀屋がセバスチャンの本心を探れるタイミングが、豪華客船編までなかったからです。
その為葬儀屋は、豪華客船編でセバスチャンの走馬燈を覗くまで、
セバスチャンの存在を黙認はしていたものの、信用はしていなかった事が分かります。
「黙認」はしていたが「信用」はしていなかった葬儀屋
葬儀屋はセバスチャンの存在を黙認していたものの、信用はしていませんでした。
ここは意外と盲点になりやすいのですが、
実は黒執事を考察するうえで非常に重要なポイントなのではないかと私は感じています。
と言いますのも、黒執事はセバスチャンと坊ちゃんの主従関係がメインで描かれている作品だからです。
その為、私たち読者はセバスチャンの忠実さに「彼は信用が置けるキャラクターだ」と騙されそうになります。
しかしこれは大きな間違いです。
セバスチャンは有能ですが、それでもずる賢く油断がおけない悪魔なのです。
時々同じ黒執事ファンの方から
セバスチャンと坊ちゃんはお互いを信頼していて絆があるように見えると伺うことがあります。
しかしこれに対し、私個人の意見としてはセバスチャンと坊ちゃんの間に絆や信頼は一切ないのではないかなと感じています。
2人の関係性は非常にヒリつくものがあり、常に緊張があります。
セバスチャンも隙あらば坊ちゃんの揚げ足を取ろうとしてくる節が多々あり、坊ちゃんが一つ指示を間違えれば、セバスチャンを正しく有能に使うことが一気にできなくなります。(切り裂きジャック編で犯人が「死神」とわかっていながら、坊ちゃんの指示に従い「人間」ばかりを調査していた節などが分かりやすい例です。)
現在は、坊っちゃんが主人として健闘している為セバスチャンを従えることが叶っていますが、坊ちゃんが少しでも気を抜けばすぐにセバスチャンは坊っちゃんに牙をむくでしょう。
事実、緑の魔女編では自分を見失った坊ちゃんに対しセバスチャンは早々に愛想をつき、坊ちゃんの命を奪おうとしました。
このことからも、セバスチャンは現在は坊っちゃんに忠誠を誓ってはいるものの、それは坊っちゃんが手綱を上手く握れている時限定の話であり、少しでも隙を見せたらすぐに手のひらを反す危険性を持っていることが分かります。
私たち読者はこれらを今までの章で知ることが出来ますが、葬儀屋は良くも悪くも坊ちゃんセバスチャンと距離が遠いため、ここまで明確に悪魔の思考を知ることが出来ませんでした。
逆に言えば葬儀屋は、忠実な駒としての表向きのセバスチャンの態度しか知りませんでした。
そんな様子を見れば普通は安心し信頼してしまいそうですが、それでも葬儀屋は悪魔を信用しません。
葬儀屋は悪魔がどんなものかわかっているからこそ、本来の姿と真逆の忠犬キャラで坊ちゃんにかしづくセバスチャンにずっと疑問を感じていたのでしょう。
なので豪華客船編でセバスチャンの走馬燈を見はじめる際、葬儀屋はこのようにいました。
葬儀屋
「前から興味あったんだよねえ…害獣風情が何故お着せで執事なんかしてるのか。見せてもらうよ。君の走馬燈。」
黒執事第61話「その執事、誕生」より引用
このことから葬儀屋は、単なる興味本位でセバスチャンのレコードを覗いたわけではなく、自分の中で疑問として存在した悪魔の本性と現在の坊ちゃんへの忠誠のギャップを解消する為にセバスチャンのレコードを再生したことが分かります。
そしてこれは結果として、
セバスチャンが坊ちゃんにとって、本当に側にいて利益のある相手なのかを審査するテストの場となった可能性があります。
この時までの葬儀屋は、まだセバスチャンに坊ちゃんを預けることを許していました。
その理由は先ほども言ったように今までのセバスチャンが坊ちゃんに害がなく、側にいることで坊ちゃんに利益をもたらしていたからです。
葬儀屋も人外なので、悪魔の力の強大さはわかっていたはずです。
だからこそ、その力が坊ちゃんを飲み込まないうちは、セバスチャンが坊ちゃんの側にいることを黙認していたのではないでしょうか。
しかし葬儀屋はそれでもなおセバスチャンのことを怪しみ、自身の疑問を確かめるために豪華客船編でセバスチャンの走馬燈を見ました。
その結果、葬儀屋はこのように言います。
葬儀屋
「君なら伯爵を守ってくれるって思ってたよ。流石は執事だねェ。君のレコード、なかなか面白かったよォ~。…でもやっぱり君は伯爵を不幸にしかしないみたいだ。だから消えてもらおうかな。」
黒執事第64話「その執事、重症」より引用
このセリフの前半部分、「流石は執事」や「なかなか面白かったよ」という発言は葬儀屋からのとんでもない皮肉です。
思わずヒリっとしてしまいそうです。
重要なのは後半部分です。
葬儀屋はセバスチャンのレコードを覗き、自分の不安が全て的中していたことを知りました。
結局いくら忠犬キャラを演じた所で、悪魔は坊っちゃんの魂を絶望に染め食べることしか考えていない。なので葬儀屋は「やっぱり君は伯爵を不幸にしかしないみたいだ。」と言います。
そしてその結果、
葬儀屋にとって初めて悪魔を坊ちゃんの側に置くうえでの不安点が確信へと変わりました。
この瞬間こそが、
葬儀屋が悪魔セバスチャンが坊ちゃんの側に居ることを黙認する事が出来なくなった瞬間なのではないかと私は思います。
なので、最後に葬儀屋はこう締めくくります。
葬儀屋
「だから消えてもらおうかな。」
黒執事第64話「その執事、重症」より引用
これが、葬儀屋がセバスチャンのレコードを見た本当の理由であり、かつ葬儀屋のセリフの本当の意味なのではないでしょうか。
葬儀屋はセバスチャンが坊ちゃんの側に居ることが本当に坊ちゃんの為になるのか、これを図るためにセバスチャンのレコードを暴き、セバスチャンの本心を見ました。
そしてその結果、セバスチャンがやはり最終的に坊ちゃんを不幸にすることを望んでいると知り、今まで悪魔を黙認できていた理由が崩れ葬儀屋の中でセバスチャンは排除すべき存在になりました。
そしてそれを受けた結果が青き教団編につながるのです。
セバスチャンと坊ちゃんを引き離しに来た「青の教団編」
葬儀屋の中で、セバスチャンは黙認できない存在となりました。
豪華客船編ではセバスチャンを仕留めそこないましたが、葬儀屋はその後本格的に二人を引き離すために坦々と準備を進めていた可能性があります。
寄宿学校編でも、葬儀屋は隙あらばセバスチャンから坊ちゃんを引き離そうとしていました。
しかしそれはセバスチャンによって阻止され、葬儀屋はその場では身を引きます。
もっと強引に奪うことも出来たとは思いますが、葬儀屋はこの時兄シエルに自我を持たせることが出来ていませんでした。
折角坊ちゃんを迎え入れるのなら、まだ不完全だとしてもせめて生きている時と変わらないくらい兄シエルの蘇生を完成したいという親心があったのかもしれません。
まとめ
以上のことから、それぞれの章で葬儀屋はこのように変化した可能性があります。
豪華客船編より前:セバスチャンが悪魔と知りながらも、坊ちゃんの側に居ることを黙認していた
豪華客船編:葬儀屋がセバスチャンを審査し、坊ちゃんの側に居ることを黙認できなくなった
寄宿学校編:隙あらば坊ちゃんを引き離そうとしたがセバスチャンによって阻止
緑の魔女編:坊ちゃんとセバスチャンを引き離すための準備期間。兄シエルの蘇生技術向上
青の教団編:満を持して、兄シエルと共に坊ちゃんとセバスチャンを引き離しに来た
こう考えてみると、豪華客船編での過去回想が単なる過去回想でないことがお分かりいただけるのではないでしょうか!?
これに気づいた時、葬儀屋の思考と黒執事の奥深さに改めてビリビリと来てしまいました!!
今回の記事の冒頭でも取り上げましたが、このように考えるとやはり葬儀屋とスフィア・ミュージックホールは坊っちゃんに対し敵意は無いように見えます(詳しくは下記記事で詳しく考察をしています!)
www.under-taker.com
まだまだ伏線箇所が山ほどあると改めて思い知らされました。
これからも楽しく少しずつ黒執事を考察していけたらと思います!
最後に、今回の記事を書く元となった私のツイートを張り付けておきます。
このツイートのリプ欄に考察が続いています!少々粗削りではありますが、良ければ読んでみてください!(^^)!
【黒執事考察】
— 餅月 (@mochimochimoon3) 2020年5月20日
ちょっと聞いて欲しいんだけど、葬儀屋が豪華客船編でセバスチャンのレコードを見た理由。あれ単なる興味や単に演出として過去回想を入れたかったからって訳じゃないと思うんだよ。あれは葬儀屋からセバスチャンに対する「坊ちゃんを預けても大丈夫か」を試したテストだと思うんだよ→
餅月