こんにちは、餅月です!
今回は『黒執事』24巻第119話「その執事、示教」の考察をしていきたいと思います。
前回のネタバレ&考察はこちらの記事をご覧ください。
www.under-taker.com
あらすじ:黒執事24巻第119話「その執事、示教」
扉絵:真ん中に座るエドワードを囲んだファントム・ファイヴのメンバー
裏で一般人から血液を採取し多数の死亡事故を起こしているスフィアミュージックホール。
ロンドン市民の中でカリスマ的立ち位置にいる彼らに対抗すべく、坊ちゃんはスフィア・ミュージックホールの目の前にファントム・ミュージックホールを建てました。
ブラバット「ファントム・ミュージックホールだって・・・!?こんな目の前にミュージックホールを作るなんて・・・。」
ファントム・ファイヴのメンバーをねぎらう坊ちゃん
ソーマ「観客のびっくりした顔!シエルにも見せてやりたかったぜ!」
ハーコート「きっ、緊張しましたーーー」
エドワード「あんな不良のような振る舞いで本当に良かったのか?」
チェスロック「学校の奴らが見たら気絶しそうな変わりようだったぜ!あのクソマジメな緑寮監督生がよオ」
謎のイケメン「すまない眼鏡をくれないか。何も見えん」
謎のイケメンにメガネを渡すセバスチャン。
セバスチャン「舞台に上がる時はまたはずしてくださいね」
セットされた髪をピシッと戻し、眼鏡をかけるとイケメンは青寮の監督生クレイトンになった
チェスロック「・・・ま、一番変わったのはクレイトンだけどな。」
回想に入る
エドワード「俺たちもミュージックホールを作る!?」
坊ちゃん「そうだ。S4に変わる新しいカリスマを創り出し人々の熱狂対象をすり替える。」
エドワード「そんなことが可能か?」
坊ちゃん「出来るさ。例えば紅茶。同じ値段ならより香りと味がいい方を選ぶだろう?単純な話だ。消費者は分かりやすく残酷だ。」
エドワード「それはそうかもしれんがS4に匹敵するカリスマを持つ人材となると・・・。」
坊ちゃん「いるじゃないか、ここに。」
エドワード「はあ!?俺!?」
坊ちゃん「名門ウェストン校の現監督生にして侯爵家の跡取り。運動神経も良くルックスも悪くない。これ以上の適任はいないだろう。」
エドワード「しかし俺は歌と踊りなど」
坊ちゃん「エドワード、エリザベスを取り戻したくないのか?」
エドワード「だが俺一人じゃ・・・」
坊ちゃん「心配するな。メンバーに目星をつけてある。既にスカウトに向かわせた。」
ウェストン校
ミカエリス先生に紛したセバスチャンが現役監督生たちに声をかけていく
ハーコート「レドモンド先輩たちがそんなことに・・・。」
セバスチャン「我々だけでは解決が難しい問題なのです。どうか力を貸していただけませんか?」
ハーコート「せ・・・先生ほどの方が僕なんかを必要として下さるなんて・・・。分かりました。学園で孤立していた僕を救ってくれたのは先生です。先生のためなら僕・・・頑張ります!」
チェスロック「へえあいつらをひっくり返そうって?面白いじゃねえか」
クレイトン「かつての監督生がこれ以上堕ちる姿は見たくない。いいだろう。」
ソーマ「弟分のピンチとくれば俺の出番だな。ひと肌脱いでやるとするか!」
坊ちゃんの部屋に集まる五人
坊ちゃん「皆よく集まってくれた。S4の存在によってロンドン市民が危険にさらされている。お前たちの力を貸してほしい。」
チェスロック「それはいいけどこの面子で大丈夫なのかよ。特にそこのガリ勉君(クレイトン)とか」
カチンとするクレイトン
セバスチャン「いいえ彼はかなりの素質をお持ちですよ。ちょっと失礼」
櫛を取り出しクレイトンをスタイリングするセバスチャン
そこにはセバスチャン似のイケメンになったクレイトンがいた。あまりの代わり様に悲鳴を上げる4人
盛り上がっている4人に対し、店の開店である二週間後に向け準備を始めるよう言う坊ちゃん
S4に勝つ秘策として「キャラ設定」の書かれたファイルをメンバーに渡す
坊ちゃん「メンバーはそれぞれに分かりやすい特徴があった方が求心力が強い。今からお前たちはそこに書いてあるキャラに成りきってもらう。」
5人「えええええ」
エドワード「チョイ悪で強引」
ハーコート「弟系小悪魔」
クレイトン「冷徹なインテリ・・・。」
ソーマ「大富豪で俺様」
チェスロック「素のままで十分インパクトがあるので特になし・・・って俺だけ!?」
セバスチャン「英国屈指の名門校にその髪型とメイクで通うなんて凡人には思いもつきませんよチェスロック様!」
チェスロック「喧嘩売ってんのか!」
エドワード「しかしチョイ悪で強引と言われても具体的にどうすればいいんだ?」
坊ちゃん「セバスチャン、手本を。」
セバスチャン「はい。」
エドワードに近づき、壁ドンするセバスチャン
セバスチャン「カマトトぶるなよ。本当は期待してたんだろ?子猫ちゃん(アゴくい)」
ぞわわわとするエドワード
エドワード「はあああああ!?これを俺にやれと!?」
セバスチャン「この数日の街頭アンケートの結果、女性はやや強引な男性に惹かれる傾向があるようですよ。」
エドワード「女性に対して下品な物言いをするのはどうかと思うぞ?」
セバスチャン「強烈な育ちの良さが発揮されてますね。ウーン真顔で言われると・・・。」
坊ちゃん「S4のように歌って踊るだけではただの二番煎じ。物真似だけでは対等にはなれても勝てはしない。重要なのは新しさと個性だ!」
セバスチャン「ご安心ください、私が責任を持ってみっちりレッスンして差し上げます。」
日々のトレーニングが始まる
坊ちゃん「どうだ進捗は。」
セバスチャン「なかなかに順調ですよ。特にソーマ様の才能はかなりの物ですよ。物怖じしませんしダンスなどは一度教えればすぐ習得なさるほどで。」
坊ちゃん「あいつ精神年齢の低さに目をつぶれば実はかなり万能なんじゃないか・・・?」
セバスチャン「その一点ですべてを台無しにしている感がありますが・・・。エドワード様も素直に他人を尊敬し次々に吸収していらっしゃいますよ。
坊ちゃん「僕も開店に向けていくつか新しいサービスを考案した。」
セバスチャン「・・・なるほど。」
坊ちゃん「そういえば例の血液の調査はどうなっている?」
セバスチャン「まだ何の連絡もありませんね。」
その頃、血液を使い実験をしているサリヴァン
サリヴァン「色が変わった・・!実験は成功だ!ヴォルフ!お前の血は『カノープス』と同じ成分をしているぞ!」
サリヴァン「四種類の星の名で分類された血液。調査の結果どうやら赤血球表面に存在する物質に違いがあると分かった。この異なる種の血を混ぜ合わせると血液は固まり始める。過去多発した輸血の失敗はこの分類を行わなかったからだろう。これは歴史的な発見だ!」
ヴォルフラム「逆に言えば奴らはもう輸血実験を成功させているってことじゃ・・・。」
サリヴァン「そこだ!ここまで結果が出ているならもう大量の血液を収集する必要は無い。なのに集め続ける理由はなんだ?集めた大量の血液はどこに消えている?」
その頃、スフィア・ミュージックホールの実験室にて
そこにはグレルとオセロがいた
グレル「ずいぶん大がかりな施設ねえ。失血死が多くなるわけだわ。」
オセロ「うん。それにかなり進んでいる。いや、進みすぎている。」
グレル「どーゆーコト?」
オセロ「(無視して)たまーに悪魔と契約してとんでもない技術手にする奴もいたけどこれはそれよりもーちょっと・・・アイツはこういうの詳しかった訳じゃないし・・他に誰か・・・うーん...」
グレル「ちょっとオセロ無視しないでョ!全く全然話聞いてないワネ。これだからギークは・・・。」
オセロ「俺にもまだわからないことが多いけど、一つだけはっきりしたよグレルチャン。」
グレル「ハイハイなーに?(興味無さそうに)」
オセロ「この騒動の裏で手を引いてる奴。早急に捜し出して折檻しよう」
グレル「アラ♡最初からそーやってわかりやすく言いなさいョ(嬉しそうに)」
第119話終
次話の黒執事第120話のあらすじ&ネタバレ考察記事はこちらです。
www.under-taker.com
考察
今回最も重要なのはサリヴァンによる輸血の解説と、オセロの呟き部分であると言えます。
引用してもよし
回収された伏線
実はイケメンクレイトン
私は初めファントム・ファイヴのメンバーの中で彼を見たときセバスチャンかと思いました。
まさかクレイトン(青寮の監督生)だったとは・・・・
彼は去年のクリケット大会で自分の体(顔)を張ってデットボールからご婦人を守るなどの紳士的な行為をして真夜中のお茶会に招待されたりしているので、実は中身も外身もすごく素敵な人なんです。私は好きです。クレイトン
お星さま=血液型だった
今回回収された中で最も重要といえる伏線です。
お星さまが表すものが血液型であることが明らかとなりました。
シリウス(☆) =AB型
カノープス(☆☆) =B型
ベガ(☆☆☆) =O型
ポラリス(☆☆☆☆) =A型
お星さまについては下記記事に具体的にまとめてあります。
www.under-taker.com
新たに張られた伏線
回収された大量の血液は何処へ?
スフィア・ミュージックホールは輸血実験成功だけが目的では無いことが明らかとなりました。
何故なら実験に成功したならばもう大量のサンプル血液を集める必要が無いからです。
しかしスフィア・ミュージックホールの元ではいまだに大量の血液が消えています。
その理由は、スフィア・ミュージックホールは輸血の技術を用い死者蘇生を試みているからと考えることが出来ます。
スフィア・ミュージックホールの裏に葬儀屋(アンダーテイカー)がいることは間違いありません。
失敗を繰り返しながら、葬儀屋はより完璧な死者蘇生を実現させるために大量の血を必要としていた可能性が高いです。
疑問点
真シエルだけを蘇らせるにしては消えた血液の量が多すぎるとも考えられます。
葬儀屋は自身が死者蘇生したビザールドールについて「最高の動物兵器」を匂わせていました。
シエルのほかにも兵器として使えるびざーるドールを大量に作っている可能性があります。
この場合、兵器としての劣悪な死者蘇生を望んでいるのは豪華客船編で葬儀屋ビザールドールを受注した人物たちかもしれません。(私はフランス政府辺りが関わっている可能性があるかな?と感じています。)
しかしとはいえ今回血を抜いた遺体を捨てているので、数としてのビザールドールは作っていないかもしれません。
今回スフィアは遺体を捨てている
今回、スフィア・ミュージックホールは血を抜いた遺体を捨てています。
今まで葬儀屋はより完璧な死者蘇生をするための実験として沢山の遺体を集め、実験をする必要がありました。
豪華客船編のビザールドールが「質より量」だった場合、
今回の青の教団編のビザールドールは「量より質」の実験をしている事を表しているのかもしれません。
オセロ「進み過ぎている」←最重要
今回の最重要伏線です。
オセロの「進みすぎている」発言。これは具体的に何を表しているのでしょうか?
それは時代です。
黒執事は現在1889年。
近代的な輸血の発展は1900年にラントシュタイナーが血液型を発見してから始まるものなので時代が10年ほど進みすぎているといえます。
人間同士の輸血が始まったものの完全な成功方法が発見されておらず、この1889年頃は人間同士の輸血の成功法を求めて多数の臨床実験が繰り返されていた時代となります。ある種輸血の中で最も危険な時代であったと言えるでしょう。
しかし問題は何故オセロが「時代的に進みすぎている」ことを知っているかということです。
私たちの感覚で例えてみると分かりやすいです。
3Dテレビが開発されたときに「進みすぎている」なんて思うでしょうか?
「時代は進んだなあ」とは思うかもしれませんが、「進みすぎている」というセリフは違和感を感じます。
過去の事実を「歴史」として既に知っている私たち読者からしてみれば、この黒執事の世界における輸血実験の成功は「時代にそぐわず進みすぎている」と納得が出来ます。
つまり、オセロ(死神派遣協会)は未来と、その歴史を知っている私たちと感覚が近いキャラクターであるということになります。
確かに死神のリストが存在する時点で、死神派遣協会は未来を知っている集団であるともいえます。
オセロ「悪魔と契約してとんでもない技術を手にした奴」とは
このセリフも伏線の可能性があります。
この「奴」は、オセロが意識しているかは定かではありませんが「死神派遣協会のお上」にも当てはまる可能性があります。
先程も考察したように、死神派遣協会は未来を知っている可能性があります。
そして、以前下記記事で考察した通り、死神が大切にしている「眼鏡」には、18世紀イギリスでは「悪魔の仕業」という異名がありました。
このことから、死神派遣協会のお上は「死神という形で死者蘇生が出来る能力を悪魔から得た人物」である可能性があります。
「眼鏡」についての考察はこちらの記事にまとめてあります。
www.under-taker.com
オセロは「奴」と発言しているので、これが死神派遣協会のお上のことを指しているかは定かではありません。
おそらくはこのお上の他にも実際に誰かが悪魔に未来的な力を望んだのだと思います。
そしてオセロが意図しない間にそれは死神派遣協会に対する伏線になっていた・・・という可能性が高いのではないでしょうか。
またこれらを踏まえたうえで、今回の「進みすぎた技術」について悪魔との契約とは少し違うと感じているようです。
オセロ「アイツはこういうの詳しかった訳じゃないし・・。」
進みすぎた技術をみてこのように呟くオセロ。「あいつ」とはいったい誰のことなのでしょうか?
私はこれは葬儀屋(アンダーテイカー)のことを指していると感じています。
豪華客船編で葬儀屋のことはグレルとロナルドによって既にお上に報告済みです。当然オセロも知っているはずです。
また仮にこの「あいつ」が葬儀屋のことを指していた場合、葬儀屋とオセロは対等に近い存在であり、死神派遣協会の中で同期であった可能性が更に高まったと言えます。
オセロと葬儀屋が同期の死神である可能性についてはこちらをご覧ください。
余談( ..)φ
オセロは「あいつはこういうの詳しかった訳じゃないし・・・」と発言しています。
もしこれらの進みすぎた技術を葬儀屋本人が自身の努力のみで成し得ていたとしたら、本当に努力の天才としか言いようがありません。
シエルのいとこであり婚約者であるリジーの兄エドワードも寄宿学校編で「お前は努力の天才だ」と言われていました。
葬儀屋との血縁関係の有り無しで未だに考察が揺れるミッドフォード家ですが、この「努力の天才」という意味では葬儀屋と共通点があると考えてもいいのかもしれません。
折檻=葬儀屋
ラストにオセロがいい笑顔で言った「折檻」という言葉。
オセロ本人もまだまだ分からないことだらけだと認めていますが、葬儀屋が関わっていることはすでに何となく察しているようです。
おそらくこの「折檻」というセリフは葬儀屋に向けたものであると考えて間違いないでしょう。
同期である葬儀屋にいい笑顔で「折檻」というワードを投げるオセロ。少し不気味です。
またもし同期であれば、葬儀屋の強さも知っているはずです。
それなのに「折檻」できるという自信はいったいどこから湧いて出てくるのでしょうか?
おそらくこれは死神派遣協会のお上の強力さを表す伏線であると考えられます。
実際葬儀屋も原作の中で「苦労した」「面倒な奴ら」というセリフを三回発言していますが、すべて死神派遣協会についてのことを表しています。
今のところ黒執事の中での最強キャラクターは葬儀屋ですが、その葬儀屋よりも上の強さとして死神派遣協会が置かれている事はどうやら間違いがなさそうです。
いよいよ葬儀屋死亡フラグが立ってきた気がしますうああああ・・・・
まとめ
今回はオセロがメインの回であったと感じています。
オセロ君、まだほんの少ししか登場していないにも関わらず、その独り言のぼやきさえすべてが伏線になってしまうほどの重要キャラクターです。
今回の記事は、オセロのキャラクター紹介記事として改めてアップしてみようと思います。
ちなみにもしオセロと葬儀屋が出会った時。もしかしたらオセロは葬儀屋のことを本名で呼ぶかもしれませんね。葬儀屋が人間界で葬儀屋をやっていることをオセロは恐らく知らないと思うので・・・
・・・何て呼ぶんだろう
・・・セドちゃん?笑(葬儀屋の本名がセドリックだった仮定)
餅月