こんにちは、餅月です!
今回は『黒執事』28巻第144話「その執事、御用」の考察をしていきたいと思います。
前回のネタバレ&考察はこちらの記事をご覧ください。
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祝!黒執事12周年!
今回の第144話をもって、
黒執事は12周年を迎えました!
枢先生、くまさん
並びに関係者の皆さま本当におめでとうございます!
いつも素敵な作品をありがとうございます。
これからも物語のチェックメイトが下されるその日まで、固唾を呑みながら坊ちゃんたちの物語を見守らせてください(´;ω;`)
原作では辛い展開が続いていますが、どうかお身体だけは崩さないようお気を付けください(;O;)
本日発売のGファンタジー掲載・黒執事144話。シエルが双子という設定を決めた時から決めていた内容。皆さんがモヤモヤするかスッキリするかわかりませんが、言葉を尽くして描いてみました。よろしくお願いします。【枢】
— 枢やな_Staff (@toboso_official) 2018年9月17日
そんな記念すべき第144話。
今回はリジーによる気持ちが吐露される回でした。
幼き日に坊ちゃんが感じていた自分が生き残ってしまうことから生まれる劣等感と不安。
そんな不安は当たってたという、大変大変つらく、残酷な伏線回収の回でした。
あらすじ:黒執事28巻第144話「その執事、御用」月刊Gファンタジー 2018年10月号
扉絵:ずっとあなたが好きだった?ファントムハイヴ邸の廊下を二人で走るエリザベスと真シエル、それとすれ違うようにタナカに連れられ一人寂しそうに歩く坊ちゃん
・坊ちゃんは、スフィア・ミュージックホール連続殺人事件の重要参考人として、警察に署まで同行を願われそれに従う。
・坊ちゃんの潔白を主張するフィニアンを制し、バルドは警察に連行される坊ちゃんに「今後俺たちは誰に給料をもらえばいいか」と問いかける。
・セバスチャンはそれに対し「後ほど取りにこい」と意味深な返事をする。
・ブラバットとセバスチャン坊ちゃんは護送馬車で警察に連行されてしまった。
・警察は本邸に残った死神に話を聞こうとするが、いつの間にかオセロとグレルは忽然と姿を消していた。追う警察。
・ミッドフォード侯爵は真シエルに本邸で事情を聴くことに。エリザベスとエドワードは屋敷へ帰る。
・エリザベスの心境の告白が始まる。
・好きな人を見分けることが出来なかった罪悪感、坊っちゃんに笑われていたのではという疑心暗鬼。そして三年前に戻ってきていたのがシエルではないとわかったとして、自分があれほど喜べたか自信が無いという悲痛な告白だった。
・今までの恋心も、何もかもを「全部、偽物」と否定し、第144話は終了する
考察に続きます
次話のネタバレ考察はこちらとなります
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葬儀屋ヲタの感想
・リッ…リジー……、リジー……(語彙力
・タナカさん半年以上も紅茶もって待機していたのに結局淹れ直しを命じられててもう(´;ω;`)
・まさかリジーの花嫁姿とおばあちゃん姿が同時に見れるだなんて!!
・坊ちゃんはリジーのことを馬鹿な女だなんて笑っていなかったよ!実際は坊ちゃんもすごく苦しんでいたんだよと声を大にして言いたい頼む言わせてくれええええううううあああ
・「神よ、なんと酷な試練をお与えになるのか‥。」のエドワードのセリフは、まるでキャラクターが自分たちを見て言っているかのような構図だったので、枢先生は苦しかったのではないかなと勝手に感じてしまいました。
ぜんぶ偽物。
それが今のエリザベスの中の答えのようです。
エリザベスの気持ちも坊ちゃんの気持ちも痛いほどわかってしまうからこそ、大変苦しい内容でした。
個人的には真シエルの
「タナカ。応接間にご案内を。」
のセリフも苦しく刺さってしまいました。
まるで昔からずっと当主であったかのようなセリフ…。
真シエルの一挙一動は、まるでゆっくりと坊ちゃんの居場所を侵食していくかのようで、抵抗を感じずにはいられません。
そんな黒執事ですが、
今回坊ちゃんは警察に連行されてしまいました。
ファントムハイヴ邸には主不在のまま、真シエルと葬儀屋、そして使用人たちだけが残っている状態です。
今後の黒執事はどうなってしまうのでしょうか?
それでは考察に移っていきたいと思います。
考察
回収された伏線
坊っちゃんの不安は的中していた
今回のリジーの回想では、
リジー自身が坊ちゃんがシエルではないと感じていた節々の描写が包括的に伏線回収されました。
なかでも最も重要だった点は、恐らくサバトの回想シーンで真シエルを犠牲に自分が生き残ることに罪悪感を覚える坊ちゃんの描写ではないでしょうか。
僕だけが帰っても誰も喜ばない お父様はもういない オマケの僕だけが戻ってっきたらきっとがっかりする じいやは ・・・(一部抜粋)
黒執事27巻第137話「その執事、折衝」より引用
これは坊ちゃんが悪魔と契約する直前のシーンです。
ここで坊ちゃんは
真シエルが死に、自分が生きて帰ることを周りがどのように感じるかをしきりに考えていました。
結果的に坊ちゃんは、
自分の私利私欲のためではなく、周りを失望させないために自分が死に、真シエルが生き残ったことにしようと決心しました。
これは坊ちゃんがシエルに成り代わろうと思った理由であると言えます。
今回のエリザベスが馬車の中でエドワードに訴えた主張は、
この坊ちゃんの不安が、まさしく的中していたことを明らかにするものでした。
私は個人的に坊ちゃんの劣等感は少し行き過ぎたものなのではと考えていました。
まさかそれが本当にその通りだったなんて...
あまりにも辛い伏線回収でした。
新たに張られた伏線
バルドのセリフの真意は?
今回、坊ちゃんは犯人ではないと詰め寄るフィニアンを制し、バルドが興味深い発言をしていました。
バルド
「…で?俺たちゃこれから誰に給料をもらやいい?」
黒執事28巻第144話「その執事、御用」より引用
それに対しセバスチャンの発言は下記の通りでした。
セバスチャン
「…ご覧の通り今すぐは無理ですね。後程取りに来てください。」
黒執事28巻第144話「その執事、御用」より引用
セリフだけの引用では少しわかりにくいですが、このシーンは意味深に描かれていました。
まだ確定はしていませんが、
ここでバルドが気にしていたことは給料の受け取りではなく、引き離された主とセバスチャンとどのようの今後合流するかを確かめた可能性があります。
セバスチャンが「あとで取りに来い」といったことから、
使用人たちは今後坊ちゃんの帰りをただ待つだけでなく、警察署まで赴き何らかの大きな行動を起こす可能性があります。
疑問点
死神たちが消えた理由
これが今回の黒執事の中で個人的な最大の謎です
アバーライン
「あれ!?あの赤毛と白衣の男はどこに行った!?」モブ警察
「あんなに派手なのに!?いつの間に逃げたんだ!?」
黒執事28巻第144話「その執事、御用」より引用
…グレル何しに来たの!?
当ブログでは、
グレルが来たのはファントムハイヴ邸で魂の回収があるからだと予想していました。
その予想から、
今回ファントムハイヴ邸で警察をも巻き込んだ戦闘がおこるのではと予想していたのですが、死神たちはなんとあっさりと引き下がっていきました。
グレルが魂の回収に来ていたとすれば、死者が一人も出ていいない今、猶更やってきた理由が分かりませんし、
葬儀屋を探しているオセロがグレルを連れてやってきていたとしても、葬儀屋が目の前にいるにも関わらず引き下がる理由はありません。
これはまだ根拠のないただの予想ですが、
もしかすると死神は、安易に大勢の人間の前に姿を現してはいけないなどの規定があるのかも知れません。
死神が誰に見えているのかは度々黒執事考察の中で話題になりますが、もし今回の出来事を踏まえ、それらの点についてのなんらかの言及がなされたとしたら面白いなと感じました。
またもし本当に死神派遣協会にこのような規定が存在していたと知ってて、葬儀屋がそれを逆手に取り敢えて警察を呼んでいたとしても面白いですよね。(※これはまだ根拠がないのでお遊び予想レベルです。)
今回死神たちが無言で引く理由を考えるとすれば、大勢の人間が目の前にいたことをあげられるかな?と感じました。
面倒に巻き込まれる前に今回は手を引いた、という可能性ももちろんあります。
とはいえあれほど「折檻」を豪語していた死神派遣協会がなぜこうも素直に引き下がったのか。
その理由については、今後注意してみる必要がありそうです。
エリザベスはまだ嘘を付いている可能性
今回エリザベスは遂に
真シエルと坊ちゃんに対する気持ちを全て吐露したかのように見えました。
しかし、
エリザベスはまだ全てをエドワードに話したわけではない可能性があります。
今回のエリザベスの発言の中で気になった点はこのセリフです。
エリザベス
「あたし自分がこんなにひどい女の子だなんて知りたくなかった!」
黒執事28巻第144話「その執事、御用」より引用
エリザベス
「シエルたちが良くないことをしてるのは何となくわかってた。でも、でもまたシエルが死んじゃったら、あたし…。」
黒執事28巻第144話「その執事、御用」より引用
これは、エリザベスにとって現在進行形のブーメランになっている可能性があります。
それこそが先ほど言ったエリザベスがまだエドワードに打ち明けていない嘘と関わるのではと考えています。
具体的に説明していきます
エリザベスの嘘
エリザベスは現在進行形でまだ嘘を付いている可能性があります。
それは、真シエルこそがシリウス様であり、坊ちゃんは無実であると知っているのに敢えて黙っているという点です。
スフィア・ミュージックホールが坊ちゃんに濡れ衣を着せた直後で、葬儀屋や真シエルは追い詰められた坊っちゃんを笑顔で見つめている描写があるのですが、エリザベスは坊っちゃんの方を観ようとせずその表情は思いつめるように暗いものとなっています。
真シエルにうまく言いくるめられ、真実を知らない可能性も無くはありませんが
私はエリザベスは、
坊ちゃんが今回の連続殺人事件の件について無実だと分かっていながら、何らかの真シエルの口上に乗り、最終的に罪を着せることに賛同したのではないかと考えています。
その罪の意識から
エリザベスは坊ちゃんの顔を見ることが出来ないのではと感じました。
何処か怒っているような様子なのは、坊ちゃんに嘘を付かれていたという怒りの気持ちとのはざまにいるからという可能性もあります。
エリザベスは真シエルと葬儀屋が良くないことをしていることに気づいていると言いました。
また自分の思考の醜さを恥じる描写もありました。
これらは過去のことだけでなく、現在進行形で未だにエリザベスを苦しめている可能性があります。
今後気になる点
恐らく次回の黒執事は、今後下記の内容が順番ランダムに語られていくのではないかと考えています。
・真シエルとミッドフォード侯爵との対話
・使用人たちの行動
・護送馬車でのブラバットとセバスチャンたちの会話
・警察署での坊ちゃんとアバーラインとの会話
・グレル・オセログループの行動の真意
ブラバットとセバスチャンたちが護送馬車の中で何を話すのかは非常に興味深いです。
またミッドフォード侯爵との対話を通じ、真シエルのキャラクター性や目的が徐々に明らかになってくるかもしれません。(全てを素直に暴露するはずはないので、会話を通じての考察が必要になるかなと考えています。)
ミッドフォード侯爵との対話の席に葬儀屋は果たして同席するのでしょうか?
こればかりは何とも言えませんが、真シエルの死者蘇生は葬儀屋なしにはどうしても説明不可能なため、深くまで話すことはないものの一応責任者として同席するかもしれないなと何となくですが予想しています(だとしたら相当シュールで面白い図にもなるなと感じています笑)
まとめ
今回予想が大きく外れ、
坊ちゃんはおとなしく警察に護送されていってしまいました。
当ブログでは任意同行に応じた場合
女王の番犬として坊ちゃんがスフィアを調べていたことを知っているアバーラインと直接話せることになることから、坊ちゃんにとって今より有利な状況に好転するのではないかと考察してきました。
恐らく坊ちゃんが任意同行を求められた際、
抵抗も言い訳も言わずに「わかった」と警察に素直に応じた理由は、おそらくこの点も踏まえての判断もあったのではないかと考えています。
…しかし真シエルがそんな詰めの甘いミスをするでしょうか?
もしかしたら、
任意同行に応じ話し合いをしてもなお坊ちゃんに言い逃れが出来ないような奥の手をさらに用意しているのではと余計に勘ぐってしまいます。
このまま坊ちゃんの疑惑が解け、アバーラインを中心に徐々に坊ちゃんのターンになったとしたら御の字ではあるのですが…
うーーん、何となくそんな簡単な未来は用意されていないような予感がしています。
まだまだヒントが少なく考察が難しい状況ですが、ようやく場面が動いたため今後の展開によって更に真シエルの目的が明らかになってくるのではないでしょうか。
注意深く見守っていきたいと思います。
そろそろ坊っちゃんサイドに好転してくれ…!(´;ω;`)
餅月