黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】「進みすぎた技術」の裏には人外の影?「完璧な執事」セバスチャンが「古臭い」と否定される世界

こんにちは!餅月です。
今日はF.O.L.児童養護院編の進みすぎた思想について考察していきます。

今回の記事は、下記記事からの抜粋となります。
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F.O.L.児童養護院の「進みすぎた」思考

F.O.L.児童養護院の「進みすぎた」思想について考察していきたいと思います。

黒執事の中で「進みすぎた技術」は、人外との癒着を見抜く上でとても重要です。

例えば葬儀屋の死者蘇生技術など、進みすぎた技術の背後には人外が関わっている事があるからです。

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今回のF.O.L.児童養護院もまた、葬儀屋を始めとしたその他離脱組の死神の息がかかっている施設であるが故に「進みすぎた」思想を持った施設の可能性があります。

第197話で、F.O.L.児童養護院の「進みすぎた」思想を謳うモットーが明らかにされたので、そちらについて言及していきたいと思います。

アーティから明かされたF.O.L.児童養護院のモットー

アーティ
「財産も家柄も持たない私たちが面倒くさいことは女性にやってもらおうだなんて世の中そんな甘くない!それに当院ではそのように旧時代的な思想は禁止です。先進的かつ効率的であることこそがF.O.L.児童養護院のモットー。
黒執事第197話「その執事、烏合」より引用

家事や裁縫ごとなどを女性に頼らないという考えは、非常に現代的です。
アーティも先進的かつ効率的と言っていますが、この考えは正しく「進みすぎた」思考であることが分かります。

「進みすぎている」ものの象徴とも言えるのが死神派遣協会の存在です。

死神派遣協会も、下っ端の死神達は皆服装が統一されているなど無駄を省き個性を殺し、効率を重視している事が分かります。

これは死神派遣協会出身の葬儀屋と離脱組がこの施設を作ったからこそ踏襲されたものである可能性があります。

ディスられるセバスチャン

先程触れたアーティの台詞。これは実はさりげなくセバスチャンディスりとなっています。

今回、フィニの口から「セバスチャンさんが裁縫や軽食作りは普通女性使用人の仕事」と言っていたことが描かれました。
アーティはこれを「旧時代的な思考」とばっさり切り捨てていることになるのです。

旧時代的な思想として描かれるセバスチャン:黒執事第197話「その執事、烏合」より引用

F.O.L.児童養護院の考えは確かに現代的ですが、それをセバスチャンと対比にしてディスるとは何とも皮肉です。

ニナにディスられるセバスチャン

また、セバスチャンが「古臭い」とディスられるのは実は初めてではありません。

セバスチャンはよく、ファントムハイヴ家お抱えのデザイナーホプキンス・テーラーのニナ古臭いとディスられています。
またその回数は1回ではありません。
緑の魔女編でセバスチャンが作ったサリヴァンの衣装をみて、ニナがとディスるシーンもありました。

セバスチャンをディスるニナ:黒執事第107話「その執事、強要」より引用

ネクタルスプリングスホテルでもディスられるセバスチャン

セバスチャンディスりはこれだけではありません。

最新章である高級リゾートホテルザ・ネクタルスプリングスホテル

葬儀屋の息がかかったこの施設もまた最新技術を駆使した仕様となっていました。
その便利さは使用人であるセバスチャンを必要としなくなってしまう程。

セバスチャンは冒頭から完全にメンツを潰されてしまいました。
以下、記事を引用させて頂きます。

「使用人」を必要としない最新設備

今回の第214話では、ザ・ネクタルスプリングスホテルの最新設備が明らかにされました。

現代では当たり前であるエレベーターや水道、内線電話。
これらは当時は最先端だったことが語られました。

調べたところ、どの技術も丁度当時が最先端だったようで、「進みすぎた技術」ではなさそうです。今回のお話が歴史的背景に忠実である事が分かる文が見つかりましたので引用させて頂きます。

18世紀後半になると、ポンプで上階まで水を届ける「ハイ・サービス(high service)」が可能になりましたが、ほとんどの人には値段的に手が届かなかったので、「ロー・サービス」(low service)で地下や一階部分にのみ給水され、上階には手で運びました。
通常お金のない下宿人は屋根裏部屋にいましたから、わざわざ上まで水を運ばないといけませんでした。ですから、現在の日本のタワマンと違い、上階に行けば行くほど社会的地位が低いということを思い知らされたのです。
また、裕福な家庭では水を運ぶのは召使の仕事なので、高いお金を払う必要性を感じなかったようです。また、雨水を同時に活用していたようです。1810−11年にイギリスを訪れたフランス人のルイ・シモンド(Louis Simond、1767-1831)は、日記の中に、裕福な家庭では、water closet(トイレ)といわれるものがあり、上階にある雨水をためた水槽からパイプで水を引き流していると書いています。

引用:アンティークな家との対話: Q:普通の家に水が引かれるようになったのはいつ?上水道の歴史その2

これらの技術を受け、一番ダメージを受けたのはセバスチャンでしょう。

使用人を必要としない程の最新技術は、古き良き執事であるセバスチャンのメンツをつぶすほどのものといえます。

まるで自分の古いおもてなし方法は「プロではない」といわれているかのような…。
施設の説明を受けているセバスチャンの表情は終始硬いです。

「プロのおもてなし」を受けて表情をこわばらせるセバスチャン:黒執事第214話「その執事、上昇」より引用

引用:www.under-taker.com

まとめ

このように、長く生きる悪魔であるセバスチャンは黒執事の中でしばしば古臭い考えを持つキャラクターとして意図的に描かれることがあります。

F.O.L.児童養護院でも、ネクタルスプリングスホテルでも、改めてこの対比がなされたのではないでしょうか。

「完璧な執事」であるセバスチャン。
それが最新技術の前では「古臭い」となってしまうのが何とも皮肉です。

黒執事の主人公であるセバスチャンの1番の強みを堂々とディスってしまう原作の描き方は本当に凄まじい…!めちゃくちゃ思い切った演出ですよね。

これからの黒執事は、この「進みすぎた技術」を持つ葬儀屋や死神派遣協会と対峙することになるかと思います。

セバスチャンは「古臭い」まま終わってしまうのでしょうか。
それとも「完璧な執事」としてこれらに打ち勝つことが出来るのでしょうか。

今後の展開を楽しみに待ちたいと思います。

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それではまた次の記事でお会いしましょう!
餅月