黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第175話「その執事、同情」/明かされたバルドの過去/セバスチャンは何故バルドをヘッドハンティングしたのか?

こんにちは、餅月です!
『黒執事』最新話第175話「その執事、同情」Gファンタジ―2021年5月号の考察をしていきたいと思います。

すみません!私が発売日を間違えていて一日更新が遅れてしまいました(;O;)
ブログを始めて以来初めての失態…っせっかくの有給が

今回の黒執事では遂にメイリン同様バルドの過去が本格的に語られ始めました
また看護婦エイダの本心も垣間見え、とても興味深いです。

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです!
www.under-taker.com



あらすじ:黒執事第175話「その執事、同情」Gファンタジー2021年5月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:ピクニックをするセバスチャンと坊ちゃん。周りには使用人たちの幸せそうな姿も

木漏れ日に、硝煙を忘れて。
攻撃を促す劉にバルドは…?

・バルドは劉に対しここが血液採集を行っている場合殲滅する役割を理解していると答える
・劉は「医者と看護師は全員始末するべき」と言うが、バルドは「職員を始末しただけでは同じことが繰り返されるだけだから施設は破壊するべきだ」という
・しかしバルドは「真実を知らずに利用されている者も皆殺しにしろとは命令されていないから、やり方については検討したので数日時間が欲しい」と言う。
・深夜、バルドが施設内を調査していると看護婦エイダに遭遇する
・エイダはバルドが偽名で入所していることを知っていた。(バルドは自分がアフリカの戦争帰りと言っていたが、アメリカの戦争の話をしていたことから怪しまれていた)
何が目的でこの療養所へ来たというエイダに対し、バルドは初日から怪しいと分かっていたのに何故あの施設を見せたんだと銃を突きつけながら質問する
人命は守る。しかしそれだけではだめで、血液を提供すれば退役軍人たちの尊厳が守られるとエイダは答える
劣悪な状態でただ生かされているような看護が横行していることが許せない、尊厳は命に等しいはずだとエイダは激昂する
・なぜそこまで、と聞くバルドに対し、エイダは自分が過去にスーダンの反乱に看護婦団として従軍したことを明かし、その際の壮絶な体験を語る。
彼らを穏やかに死なせてやることすらできず、おめおめと生き残った自分に出来る唯一の贖罪は看護だけなんだと語る
・バルドはそのセリフに銃を下ろし、「俺と、同じだな」とポツリと言う

ーーーーーー
過去回想

・外は雨が降っている洞窟の中
・兵士の死体の山の中でただ一人生きている人間であるバルドは、あまりの空腹から仲間の死体の腕を食べようとしていた
・その時、背後で何かばさりと音がしバルドが振り向くと、場違いな燕尾服の男がちょうどバルドに背中を向けてピクニック用のレジャーシートを引いている所だった。
・立派な食器と場違いな紅茶が注がれると、その男はバルドにカップを差し出しながら微笑みこういった
・セバスチャン「こんにちは。紅茶はいかがですか?」

極限状態の米軍兵の前に現れたのは・・・・一人の執事!?
第175話終了

枢先生の巻末コメント

新生・生執事を観劇。演者の皆様のフレッシュさを浴び、とても元気が出ました。

今回の重要な伏線箇所

重要そうな伏線の箇条書きです。
具体的な考察は、根拠とともにこの後詳しく書きます!


・セバスチャンは何故バルドをヘッドハンティングしたのか
・バルドの伏線
・エイダが、アテナ退役軍人療養とスフィア・ミュージックホールの関連性を知っているか否かについて
・エイダは何故バルドに血液収集施設を明かしたのか
・エイダの言う「尊厳」とは
・エイダの過去、バルドの過去

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

遂にバルドの過去編が始まりました!!
そして久々に登場セバスチャン。ページをめくった瞬間、そのあまりの空気の読まなさに思わず素で「こんにゃろーーーwwww」と声が出てしまいましたwwww(※もちろんいい意味ですww)
バルドはこんなに必死の極限状態なのに、見せつけるようにピクニックの準備をする様子が流石の空気クラッシャーwww枢先生はフリーダムセバスと言われていました。とても納得

扉絵は平和なピクニックですが、その話の中身で実際に行われているピクニックとは情景がかけ離れているのでとても皮肉が効いています。
特にカトラリーのセットが本誌の中で使用されているものと全く同じなのが猶更心に刺さって…(;O;)

今回も沢山気になる点がありました。
それでは考察に移っていきたいと思います!

考察

セバスチャンは何故バルドをヘッドハンティングしたのか

今回一番大きな疑問として感じたのがこの謎です。
何故、セバスチャンはわざわざバルドをヘッドハンティングしたのでしょうか?
こちらについて詳しくは次号にでもすぐにセバスチャンの口から明らかになりそうですが、よくよく考えれば大きな疑問だなと感じました。

フィニやメイリンは人外に近いようなあきらかな特殊能力があるのに対し、今のところバルドは2人程突出したものが見えていないからです。
強いて言えば人間らしさや情の深さなどがあげられそうですが、それが理由とは思えませんし…
いろいろな食材を消し炭にしてしまうこと以外はよく言えば比較的大きな短所も無いと言える為、総合統括型として採用された可能性も十分に考えられます。

バルドの過去については今回いよいよ触れられ始めたためまだ詳しいことは明らかになってはいませんが、何を理由にセバスチャンが迎えに来たのでしょうか?とても興味があります。

疫病に強い体質か?※妄想

1つ考察っぽいことをしてみますが、これは根拠が浅いため十分外れる可能性があります。
何故バルドがセバスチャンにヘッドハンティングされたのか。
一番単純に考えれば、
単に一番激戦区の中で一番最後まで生き残った兵士だからという可能性が一番高いように感じます。

しかしちょっとだけ深読みして考えてみると、何故バルドだけが生き残ったのかというポイントに目を向けてみると、もしかするとバルドの特別さが垣間見えるのかも、しれません。

洞窟の中のバルド以外の命を落とした兵士たちとバルドを比べてみました。
バルドが居た洞窟の中の兵士たちの死体は、見た限り五体満足の人が多い印象でした。
多少傷はあるものの、大きな損傷が目立つ人はいません。
となると、死因は自殺や外傷の可能性は低そうです。

また洞窟の中には死体に群がるハエやネズミが居ることが明らかになっています。
これらのネズミというワードはアテナ退役軍人療養所でもたびたび出てきていました。

もしこれが共通項としての重要な伏線であった場合、バルド以外の兵士たちは戦争の傷ではなく不衛生による疫病のまん延で亡くなった可能性もあるかもしれません。

疫病であれば小さな傷があるだけで大きな外傷がなくても五体満足のまま亡くなってしまうことには納得がいきます。
そしてバルドも頭から血を流していることから、他の兵士たちと同じくバルドもまた怪我をしていることが分かります。

このことからバルドも疫病にかかるリスクは等しく背負っていたことが分かります。
それにも関わらずバルドだけ生き残った理由を考えると、もしかするとバルドは人よりも疫病にかかりにくいという特殊体質の持ち主であり、その能力をセバスチャンに買われ屈強な兵士としてヘッドハンティングをされたのかも、しれません

・・・・流石に考えすぎかもしれませんが!笑
考えすぎかな?と思う理由は緑の魔女編でバルドが触れられなかったからです。
あれは一応人狼の呪いという設定だったので「疫病」としてはまた違うカテゴリーだったのかもしれませんが、体に異常が出るという意味ではかなり疫病を感じさせます。

ただセバスチャンはアニメで黒死病(ペスト)を流行らせたのは私だと白状しているため、もし仮にバルドが疫病に強かったとしたら、その点敏感に反応した可能性も、あります笑

正直当たる可能性はめちゃんこ低いとは思いますが、お遊び程度に可能性だけ記しておきますね

余談:バルドが料理長になった理由

今回、戦場でバルドがおなかを空かせている描写がありました。
あわや人間の死体に手をつけようとするほどの極限状態。もしかするとこの体験が、バルドをファントムハイヴ家で料理長になろうと思うきっかけになったのかもしれませんね。

バルドの伏線

エイダは、バルドが入所した初日からバルドの事を怪しんでいたことが新たに明らかになりました。
こちらですが、実は既に第172話で伏線が張られていました。
第172話で錯乱したバルドが叫んだ戦争体験。
この戦争体験の内容が、バルドの設定だったはずの「アフリカ」での戦争ではなく「アメリカ」の戦争のものだったからです。

ホントだーーーーー!
確かにバルドはアリゾナと言っています
またセリフの中にあったアパッチ族については以前ブログで調べてはいたのですがリカだったことにはまっっったく気づきませんでした!
見事に引っかかりました!👏

混乱するバルドを無言で見ていたエイダの沈黙は、これを示す伏線だったんですね!

f:id:mochimochimoon:20210417014918j:plain
バルドの混乱に沈黙するエイダ:黒執事第172話「その執事、心癒」より引用

ちなみにエイダがこれに気づいた理由は
エイダ自身がアフリカのスーダンでの反乱に看護婦団として赴いていたからでした。

茶番と言いましたが、バルドのセリフには決して笑うことが出来ない部分もあるような気がします。
精神不安定なフリをしている最中に語られたバルドの悲惨な戦争体験。この内容は恐らく過去実際に彼の身にあったあった内容に近しいものなのではないでしょうか。

ちなみにバルドの口から「アパッチの矢が飛んでくるぞ!」というセリフが出ましたが、アパッチ族という好戦的な略奪部族が実在します。
彼らはバルドの言う通り、弓を射ることに非常に長けていました。

彼らは矢を射る際に、人差し指と親指で矢羽をつまむのではなく、中指と薬指の間で弦ごと矢羽を挟んで射た。また、彼らの弓はバッファローの腱を膠(にかわ)で何層にも塗り重ねていて、比類のない強靭さを持っていた。このため、他部族よりも素早くしかも強力に矢を射ることが出来、戦闘力で圧倒していた。
ちなみに偶然かもしれませんが、アパッチとは医療用語で重症患者における臨床的な重症度指数としても用いられているそうです。
ja.wikipedia.org

引用源:
【黒執事考察ブログ】ネタバレ第172話「その執事、心療」/ 遂にベガ様登場か…!?ナイチンゲールの誕生日は『あの年』と同じだった…!! - 黒執事考察ブログ
引用源:
アパッチ族 - Wikipedia

エイダがアテナ退役軍人療養とスフィア・ミュージックホールの関連性を知っているか否か

エイダがアテナ退役軍人療養所とスフィア・ミュージックホールに関りがあるか知っていたか否かという点は、現段階ではぼかされたままです。
理由はエイダがまだ明確に答えていないからです。

また、バルドが言ったセリフでは、エイダは自分たちアテナ退役軍人療養所のバックがスフィア・ミュージックホールと共通していると気づいていない可能性もあります。

バルドのセリフを見てみましょう。

バルド
「俺はさるお方の命で血液を収集する秘密結社の調査をしている。人死を犯して新聞の一面になったスフィア・ミュージックホール。知らないわけがないよな。看護婦が患者の命を危険にさらすってのか?
エイダ
「違う!」
黒執事第175話「その執事、同情」より引用

ここで重要なのは、エイダが否定しているのはバルドの「看護婦が患者の命を危険にさらすってのか?」という部分に対してのみの可能性であるという点です。

事実、この後エイダは自分が患者の命を尊重していることを述べています。
逆に言えば、エイダはスフィア・ミュージックホールについては何も言っていません。

スフィア・ミュージックホールとアテナ退役軍人療養所の血液収集機が一致していることなどを知っている私たち読者からしてみればアテナ退役軍人療養所とスフィア・ミュージックホールの背後に何らかの大きな関係性が見て取れることは一目瞭然なのですが、もしかするとエイダにとってスフィア・ミュージックホールは似て非なるかけ離れた施設として捉えられているのかもしれません。

ただ、スフィア・ミュージックホールについてはかなり大々的に報道されたようなので、血液収集機の写真等も出回っていた可能性は十分考えられますが、現段階ではそのような描写が無い為言い切ることはできません。しかしこの場合は、エイダがスフィア・ミュージックホール側と自分たちの施設との接点を把握したうえで加担していることになります。

しかしどちらにしても、エイダにとってスフィア・ミュージックホールは自分のやり方とはかけ離れた非人道的血液収集施設として把握していたことだけはどうやら間違いがなさそうです。

エイダは何故バルドに血液収集施設を明かしたのか

今回新たに張られた伏線の中で一番大きいものだと感じる点です。
エイダは、バルドが怪しい人物だと分かっていながらわざと血液収集施設を明かしました。

バルドはこれに対し、エイダに後ろめたさがあるのだろうと言っています。
事実エイダはバルドの言葉に対し後ろめたさを感じさせるような困った表情で口をつぐんでいます。

そしてそのまま話が別の方向に流れてしまい、結局エイダはバルドのこの質問に対し答えていません。

バルドの言う通りエイダからそこはかとない罪悪感を感じるのは事実です。
もしかするとスフィア・ミュージックホールで坊ちゃんに助けを求めたバイオレットの様に、エイダもまた今自分が加担してしまっている事実にどこか不安を感じているのかもしれません。

このエイダが何故バルドに対し血液収集施設を明かしたかという点は、今後非常に重要なポイントになってくる可能性があります。

エイダの言う「尊厳」とは

今回エイダが看護をする上で人間の尊厳をとても重視していることが新たに明らかになりました。

エイダは人命を守るだけではなく、退役軍人たちの尊厳も守らなくてはいけず、そのためには血液を提供する必要があると説明しました。

現代に例えるならば、輸血を必要としている患者と、輸血に協力する患者それぞれの尊厳と安全が保障されなくてはいけないということですね。とても現代的な考え方です。

しかしこの文章の中にはエイダの迷いと不安が垣間見えます。
それは何故尊厳を守るために血液を提供する必要があるのかについての説明がないからです。

エイダが第174話でこのように言及していました。

エイダ
「ここでは入所者から血液を採取し、さる研究機関へ提供することで医学の進歩に貢献している。アテナ退役軍人療養所はその研究機関からの支援で運営されている。検体提供に協力することで他の療養所よりも手厚い支援を受けることが可能になった。」
黒執事第174話「その執事、医療」より引用

この説明は納得がいきます。
しかし疑問点として残るのは、なおさらなぜエイダは今、苦悩の表情を浮かべているのかという点です。
また先ほども言及しましたが、何故怪しいと感じたバルドにこれらの重要な血液収集施設を明かしたのかという点も疑問です。

このセリフを言った際のエイダは自分のやっていることに自信があるように見えました。
しかしバルドに問い詰められた際のエイダにはどこか後ろめたさや迷いがあります。

まだこれは根拠がないのであくまで予想の一つなのですが、
エイダはもしかすると採取した血液がどのような研究に役立てられているかなどの詳細を知らないため、不安を抱えているのかもしれません。
もしくは血液収集に応じることが出来るアテナ退役軍人療養所以外の施設は劣悪な環境のままであるという現実に苦しみを感じているのかもしれません。

エイダが苦しむ理由があるとすれば、
現段階で考えられるポイントはこのあたりでしょうか‥‥
いずれにせよエイダはこのアテナ退役軍人療養所の、血液収集に頼る施設の維持の形に何かしらの感情を持っている可能性があります。

エイダの過去

今回、新たにエイダはスーダンの反乱に看護婦団として従軍していたことが明らかになりました。
注意書きに1881年にスーダン国で起こった植民地戦争、ハルツームが陥落とあったので、調べてみたところ恐らくマフディー戦争のことを指しているのかと思います。
ja.wikipedia.org
www.y-history.net

バルドと仲良くなったコニーと言う男性の患者もスーダンに行ったと言っていました。エイダと知り合いの可能性も無きにしも非ずですが、いかんせん大きな戦場ですのでその可能性は結構低いかもしれません。

余談:エイダの編み上げブーツ

余談ですが、戦場で看護婦をしていた当時のエイダはナイチンゲールが着ているような看護婦のドレスに編み上げブーツを履いていました。
この格好はメイリンと一致します。
現在のエイダは長靴を履いているので、この変化には「おっ!」と思う節がありました!

まとめ

いよいよバルドの過去回想に入りました。
バルドが何故セバスチャンにヘッドハンティングされたのかもやはり気になります。

しかしメイリン編との違いは、今回のバルドは施設側の人間であるエイダと似たような経験をしたことがあるという点です。

第175話の題名にもなっている通り、バルドはエイダに対し同情しています。
施設は壊すと言っている以上、エイダとも何もないわけにはいかないわけですが、それでもバルドは利用されている側の人間である可能性があるエイダに対しどのように対応すべきかをまだ迷っているように見えます。

これでもし坊ちゃん側に連れて行く、とかになったらこれまた面白い限りですが…

恐らくメイリン編での利用されている側であったヒースフィールド男爵はボコボコに潰されたわけで、もしそうなったとしたらこの対比は面白そうです笑

いよいよ来月からは本格的なバルドの過去編を見ることが出来そうです。
いったい彼にはどんな過去があり、そしてそれを踏まえアテナ退役軍人療養所に対してどのような決断を下すのでしょうか。

引き続き来月を楽しみに待ちたいと思います(#^^#)

餅月