黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【ネタバレ考察】『黒執事』第163話「その執事、転倒」/ファントムハイヴ家に仕えることを決めたメイリン

こんにちは、餅月です!
『黒執事』最新話第163話「その執事、転倒」Gファンタジ―2020年5月号の考察をしていきたいと思います。

コロナウィルスで大変な状態の中、予定通り発売して頂きありがとうございます!
娯楽が少ない今、ファンとして大好きな黒執事の続きが読めることがとても嬉しいです!

では今回も考察していきたいと思います!
前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです。
www.under-taker.com

あらすじ:黒執事第163話「その執事、転倒」Gファンタジー2020年5月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:食卓につく、ボロをまとったメイリン

襤褸(ボロ)の主賓ーーー
刺客をもてなすシエルたち

ハロッズの烏龍茶を出すセバスチャン
・坊ちゃんはリン(メイリン)に青幇に追われて怯えながら暮らすか、ファントムハイヴ家で新しい生活を始めるかを問う
・人殺ししかしたことがないがメイドになれるのか?とメイリンが問うとセバスチャンが「私も前職は執事では無い」と答える
・メイリンはここで働かせてくれと頭を下げ、坊ちゃんはそれを歓迎する
・坊ちゃんに本名を聞かれ、リンは初めて「美玲(メイリン)」と本名を名乗った
・メイリンを部屋に案内する際、セバスチャンにフィニアンが突撃しセバスチャンが転倒する
・メイリンを紹介され、メイリンの手を強く握るフィニアン。
・セバスチャンに「手を痛めたらスナイパーとしての射殺精度が落ちる」と注意される
・自分の背景をばらされ焦るメイリンだが、スナイパー、射殺というワードを呟いた後フィニアンは「カッコいいです!今日から一緒に坊ちゃんの敵をいっぱい殺しましょうね!」と笑顔で答えた

規格外の使用人が一人増員ーー
第163話終了

今回新たに回収された伏線箇所

今回新たに回収された重要そうな伏線の箇条書きです。
具体的な考察は、根拠とともにこの後詳しく書きます!

・フィニアンが「スナイパー、射殺」というワードに引っかかった訳
・ファントムハイヴ家でも青幇でも、メイリンが必要とされている理由は殺しの腕であることが共通している

枢やな先生巻末コメント

コルセットやフリルを描くと心のHPが回復するのを感じます。いくらでも描きたい。

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

今回のお話もメイリンの回想編でした!
遂にメイリンの本名が明らかになりました。
今までカタカナのみの表記でしたが漢字で「美玲」だったんですね!

あとフィニアンが!若い!
過去編だからとても幼く見えて可愛いです( ;∀;)
回想だからこそ、キャラクター全員が現在とは異なる点があるところが読んでいてとても面白かったです!

それでは考察に移りたいと思います!

考察

フィニアンは、スナイパーに射殺されかけた過去を持つ

メイリンの手を強く握ったフィニアンに対し、
セバスチャンが「手を痛めたらスナイパーとしての射殺精度が落ちる」と注意しました。

これを受けてフィニアンは
「狙撃手(スナイパー)....射殺....」と繰り返します。

このセリフですが、
メイリンの他に自分自身のことも意味するダブルミーニングである可能性があります。

というのも、
フィニアン自身が過去に射殺されかけたことがあるからです。

フィニアンは人体実験の非検体としていた施設でその施設の先生と呼ばれる人物に射殺されそうになったことがありました。

またその際先生は、近距離からではなく長距離から、長い銃を使ってフィニアン達を狙いました。
その様子はメイリンのスナイパーとしての姿勢と酷似しています。

フィニアンは「狙撃手(スナイパー)....射殺....」とつぶやいた後すぐに笑顔を見せているので、この時自身の過去を具体的に思い出すようなことはなかったのかもしれません。

まだ外の世界に対応しきれていないようにも見えるので、狙撃手(スナイパー)、射殺.というワードを聞いて何となく胸の中で引っかかった、という具合だったのかもしれません。

メイリンの仕事はあくまで「殺し」である

またもう一つ印象に残るシーンがありました。

それはセバスチャンの
「手を痛めたらスナイパーとしての射殺精度が落ちるというセリフです。

メイリンが今までいた中国マフィア青幇に比べれば、今のファントムハイヴ家の待遇は格段に良いものです。

メイリンを人として扱い、メイドとして雇用した様子には思わず「よかったね( ;∀;)」とホロリとしてしまいそうな暖かさも感じました。

ですが、メイリンの仕事はあくまでファントムハイヴ家でも「殺し」であることに変わりはないという残酷な現実を、このセリフからひしひしと感じました。

実際メイリンはもうこのような生き方をしてきた以上、凄腕スナイパーとして生きていく以外の道はないというのも事実だと思います。

ですが元々のメイリンは
あくまでパチンコで人の耳飾りを落とすだけの泥棒であり、人を殺すような強盗を犯すことはありませんでした。

そして青幇にその力で人を殺すように言われ、
初めて人に銃口を向けた時のメイリンの表情は怯えきっていました。

人を殺したくなかったリン(メイリン):黒執事第159話「その執事、配送」より引用

青幇はメイリンに対し
「殺さなければお前を殺す」と脅し人を殺すよう迫りました。

それに対しセバスチャンは
「恩がある家主を守るために人を殺せ」と、また別の形でメイリンに殺人を迫っていたことが分かります。

まさしく北風と太陽のように
青幇とセバスチャンは、
待遇と言い方が異なるだけで、同じ殺人をするように言っていることが分かります。

事実今回の物語はフィニアンの無邪気な
「今日から一緒に坊ちゃんの敵をいーーーーーーっぱい殺しましょうね!というセリフで終わっています。

このことからも、メイリンは人道的な扱いは受けられるようになったものの結局自分が元々したく無かった人を殺すという暗殺業からは逃れることが出来なかったことが分かります。

もちろん、最終的に現在のメイリンはとても幸せそうな為、この事実は特に悲観すべきことではないと私は思います。

メイリンにとってスナイパーは間違いなく天職であり、その能力をベストな形で生かせる形だったからこそ、現在の坊ちゃんに忠心を誓うメイリンの姿があるのではないでしょうか。

ですが、このようなほぼほぼ大団円な過去回想の中にもどこか現実的な厳しい一面を残す部分が、非常に黒執事らしいなと感じ、読んでいてとてもシビれました。

余談:お茶は高級品

今回、メイリンが烏龍茶を飲むシーンがありました。
このシーンは非常に象徴的な場面のように感じました。

メイリンは元々両親と共に紅茶の輸送船でイギリスにやってきていたことが明らかになっています。

また、当時のイギリスではお茶とは富の象徴ともいえるものでした。

メイリンをファントムハイヴ家へと勧誘した際も、セバスチャンが紅茶と砂糖を支給するといっていましたね。
これもファントムハイヴ家の財力と待遇の良さを象徴するものだったのと考えられます。

その為、本来両親たちが乗って来ていた船でイギリスに輸入された高級品であるお茶を、本来飲めるはずがない立場であったメイリンが飲むというこのシーンは非常に印象的なシーンだなと私は感じました。

ついでなので、イギリスのお茶についての歴史も少し触れておきたいと思います。

イギリス:お茶の歴史

お茶の輸入は、大英帝国繁栄の基礎を築いたといわれています。
当時イギリスは、東インド会社でお茶の輸入を独占(独占廃止は1813年)し、莫大な利益を得ていました。

紅茶が原因で起こった戦争としては阿片戦争も有名です。

紅茶のために起こった戦争!?

歴史の教科書にも載っているアヘン戦争は、アヘン(麻薬)の禁輸を発端とした清とイギリスの戦争。実は、この戦争には紅茶の貿易が大きく関わっているのです。紅茶の消費量が増えた当時のイギリスは清から大量の紅茶を輸入していました。一方で輸出できるものは少なく、貿易赤字が増える一方。そこで着目したのがアヘンです。清ではアヘンの輸入を禁止していましたが、イギリス人による密輸によって大量のアヘンが国内に持ち込まれることになりました。そしてイギリスのアヘン輸出量は紅茶輸入量を超え、清の経済危機にまで発展します。このような背景の中、清がイギリス貿易商の積荷を廃棄したことからアヘン戦争が始まったのです。圧倒的な戦力で戦争に勝利したイギリスは香港を占領し、その後インドで紅茶の大量生産技術を確立して紅茶を安定供給できるようになりました。

引用源:
紅茶の国・イギリスの茶文化と歴史。 | 大井川茶園 公式ブログ

メイリンが両親を亡くしイギリスで孤児をしていたのが1844年。
ファントムハイヴ家に仕えたのが1854年なのでこれらの直接的な影響は受けていないでしょうが、それでもお茶はまだまだ高級品でメイリンの手に届くものではありませんでした。

まとめ/眼鏡の異名は「悪魔の仕業」

メイリンの過去が更に明らかとなりました。
所々でセバスチャンが非常にいい味を出していて、油断していたところでいつも笑わされる、そんな楽しい過去回想です!
勿論メイリンの過去はとてもシビアな内容なのですが、シビアさだけではなく確実にギャグ要素が入っているところが流石黒執事…!

メイリンの過去編で残るのは

・メイリンが眼鏡を買ってもらう仮定
・メイリンがドジっ子になるまで
・メイリンがセバスチャンに惚れるまで

この三つ位が予想できる大きな出来事でしょうか‥?

現在まだまだ男勝りなリンですが、それでも坊ちゃんに対して初めて女の子としての本名である「美玲」を名乗りました。

ここからメイリンがどのように女の子らしくなっていくのかがとっても楽しみです!

残る三つの伏線の中で、
今後の黒執事に関わってくる可能性があるものとすれば、やはりメイリンが眼鏡を買ってもらう部分でしょうか?

眼鏡と言えばやはり死神派遣協会です。

当ブログで以前より言及している通り、
当時のイギリスには眼鏡には悪魔の仕業という異名があることから、これは死神派遣協会と悪魔とに関係性があることを示している大きな伏線である可能性が出てきています。

実際、メイリンの過去回想編に入る前、メイドのジェーンがメイリンの眼鏡について触れました。

「買ってもらった」というメイリンに対し、
「随分気前がいいご主人様だったのね」と言ったことからも眼鏡が当時はとても高価な物であり、本来メイドが主人に買ってもらえるようなものではないことがよくわかります。

しかし既にジェーンによって眼鏡についてこのように触れられていることから、メイリンが眼鏡を買うシーンで何か更に根幹に触れられるようなことがあるのではないかなあと私はちょっと期待してしまっています(ドキドキ
もしそこでセバスチャンや誰かから眼鏡について何らかの意味深な言及があれば…
いよいよ悪魔と死神の上下関係が逆転する可能性も出てくるのかもしれません!

死神派遣協会の眼鏡についての考察は下記記事をご確認ください
www.under-taker.com


いよいよメイリン編も大詰め!
これから更に可愛くなっていくメイリンが見れるのではないでしょうか(#^^#)

通常は持参するのが一般的なメイド服ですが、メイリンはメイド服も持っていません。

なのでメイド服も、ホプキンステーラーのニナに仕立ててもらったのかもしれませんね。
もしそのような描写が描かれたとしたら、とても楽しい過去回想になりそうな予感です!

餅月