黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【ネタバレ考察】『黒執事』第164話「その執事、先導」/メイリンのセリフに隠されたダブルミーニング/初めて自分の顔をはっきり見る事が出来たメイリン

こんにちは、餅月です!
『黒執事』最新話第164話「その執事、先導」Gファンタジ―2020年6月号の考察をしていきたいと思います。

今回の回はとっっっても可愛らしいお話でした!
メイリンがどんどん女の子になっていく様子が本当に愛おしいです( ;∀;)♡

しかし可愛いだけでなく
よくよく意味を考えてみたらな「あああ!そういうことか!」とウルっとくるような、そんな奥深いシーンが多々ありました!

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです。
www.under-taker.com

あらすじ:黒執事第164話「その執事、先導」Gファンタジー2020年6月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:レースと黒い布(メイド服の材料)の裏から潜り抜けるように顔を覗かせる幼き日のメイリン
裏から表へ
メイド初日

・セバスチャンに屋敷を案内されるメイリン
メイリンが遠目は恐ろしく利くが近くが見えない事を知ると、セバスチャンは主人に相談して何らかの対処を考えると言った。
・お風呂に入ってから休むように言われ、メイリンは女性使用人専用の浴室に案内される
・翌朝、ホプキンステーラーのニナが訪れメイリンのメイド服を仕立る
・服を仕立る金はないというメイリンに対し、セバスチャンは衣装費は分割で給与から天引きするという

※メイリンが服を仕立てもらう描写は考察に直接かかわらない為ここで詳しくは言及しません。本当にかわいいので是非本誌で直接見てください!(^^)!

ホプキンス・テーラー特製のコルセットには防弾素材が芯地に使われている
・有事の際動きやすいようベルトでスカートをたくし上げられるように、弾倉ポーチを仕込むのもメイリンの為のオリジナル
・ニナの手からメイリンの眼鏡ファントムハイヴ伯爵からの贈り物として手渡される
・眼鏡をかけさせながらニナは「服というのは、世界が素敵に見える魔法なのよ」という
・その瞬間、ようやく自分の姿をはっきりとみることが出来たメイリンは「これが…俺?」と鏡に近づく
・その途端、ヒールブーツだったメイリンは豪快に転んだ(後に男物の編み上げブーツを履くことになる)

ドジメイド誕生の瞬間…?
第164話終了

今回新たに回収された伏線箇所

今回新たに回収された重要そうな伏線の箇条書きです。
具体的な考察は、根拠とともにこの後詳しく書きます!

・ファントムハイヴ家の厚遇
・メイリンは眼鏡を得るまでは自分の顔をはっきりと見たことが無かった可能性がある
・メイド服は自腹だが、眼鏡は坊っちゃんからのプレゼント
・ホプキンス・テーラーのコルセットは防弾素材

枢やな先生巻末コメント

産休中のスタッフが無事赤ちゃんを出産。明るいニュースで職場が笑顔に。めでたい。

素敵なニュース!
おめでとうございます!(#^^#)🎉

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

とにかく本当にかわいかった‥!
隅から隅まで可愛かった…!!
シリアスな展開の中の心のオアシスですね!

ハラハラドキドキの手に汗握る黒執事も勿論大大大好きなのですが、それでも推しが死ぬやもしれぬというスリル付き従う麻薬的激物(勿論いい意味で)なので、こんなほっこり回を挟んでもらえるのは正直とってもありがたいです笑
お陰でまた本誌がシリアス展開を迎えた際、そちらも全力で楽しめそうです!(^^)!

現実世界でメイリンは今、ジェーンと銃を向け合っているんですものね💦

今回メイリンとニナが再会しました!
彼女たちが顔を合わせるのは黒執事8巻第37話「その執事、新調」以来でしょうか。
その時ニナが「私のメイド服は役に立ったかしら?」と言っていましたね(#^^#)

ニナが登場する回はいつもお洋服が特に可愛くて、今回もメイド服やレースが沢山出てくるお話でした!

しかし何と、枢先生曰くこのレースは紙媒体になった際断ち切りで切れてしまう可能性があるとか‥!( ゚Д゚)

私は電子書籍で購入しましたが、電子書籍の方では断ち切りはないのかな?無事にこちらのレース拝むことが出来ました(#^^#)

漫画の描き方には詳しくないのですが、そうか、断ち切り部分にはもしかするとコミックスには入りきらない葬儀屋さんの髪の毛とか見切れてたりする可能性があるということか今後注意してチェックしてみることにしよう

今回も伏線が沢山ありました!
それでは考察に移りたいと思います!

考察

冒頭でも少し触れましたが、今回のお話はただ可愛いだけではありません。
思わずほろりと来てしまうようなメイリンの小さく健気な喜びなども描かれた、とても奥深い回でした。

ファントムハイヴ家の厚遇

メイリンのメイドとしての生活が始まりました。
その中で様々なファントムハイヴ家の厚遇が明らかになっていきます。

具体的に挙げてみると以下の通りです。

・メイリンには個室の部屋が与えられた
・女性使用人専用の浴室が与えられた
・ベッドで眠ることが許された

眼鏡で自分の姿を見ることが出来るようになった

中国マフィア青幇にいた時のメイリンは、ファントムハイヴ家に来る際も家畜のいる汽車に紛れてくるほど劣悪な環境でした。

それに比べれば、個室を与えられることがどれだけ贅沢な事かよく分かります。

またファントムハイヴ家には女性使用人専用の浴室があることも明らかになりました。坊ちゃんの代になってから女性の使用人はメイリンしかいないので、この浴室は事実上メイリン専用ということになりますね!とっても豪華です。

また使用人のお風呂の頻度はメイリン曰く一週間に一回程度が一般的だったようです。

現在メイリンたちが潜入中のヒースフィールド男爵邸ではメイドたちは二日に一回の入浴が許されていたようですが、それはどうやら男爵がいつメイドを寝所に呼んでもいいようにという非常に生々しい理由からだったようなので、入浴の回数が多いからといってファントムハイヴ家よりもヒースフィールド男爵邸の方が厚待遇、とは言い難いですよね。

「これが…オレ?」と言うメイリンの真意

今回のお話の中で一番重要な出来事は
メイリンが眼鏡をかけたことだと私は感じました。

自分の姿を見たメイリンが「これが…オレ?」と言うシーンがありますが、これが重要なダブルミーニングを含んでいる可能性があります。

具体的に説明していきたいと思います。

自分の顔もよく見えていなかったメイリン

今回、眼鏡をかけていないメイリン目線で自分の姿がどう見えているかが初めて明らかになりました。

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眼鏡が無いメイリンは、他人の顔はおろか自分の顔もよく見えなかった:黒執事第164話「その執事、先導」より引用

今までの過去回想で、誰かに差し出されたなどがよく見えないシーンは数度描かれてきました。
中国マフィアの中でパンと騙され靴をかじらされるシーンなどが印象的でしたね。

しかし今回新たに、メイリンは自分の顔はおろか対峙している他人の顔さえ、近くではまともに判別することが出来ていなかったことが新たに明らかになりました。

これは想像以上に大変なことであることが分かります。

そんなメイリンに対し、ホプキンスホプキンス・テーラーのニナは
「世界が素敵に見える魔法なのよ」という言葉と共にメイリンに眼鏡をかけてあげました。

メイリンは初めてメイド姿の自分を目にし、そんな自分を見て思わず「これが…オレ?」と言う言葉を漏らします。

このシーンは一見、メイリンが女性らしいメイドの姿になった自分の変わりように驚き思わずこのセリフを漏らしたように見えます。

勿論、その理由も含まれていると思います。
しかし、このセリフはそれだけを指しているわけではなく、もっと深く重要な内容を表しているダブルミーニングをもったセリフである可能性があります。

それはメイリンの仕草を見ると分かります。

スカートよりも自分の顔を見るメイリン

よくよくこのシーンを見てみると、
実はこの時メイリンはメイド服よりも自分の顔を見ていることが分かります。

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服やスカートではなく、自分の顔を見るメイリン:黒執事第164話「その執事、先導」より引用

このシーンの直前まで、メイリンは「俺がスカートなんて‥」とスカートを履くことについて言及していました。

その為、このセリフは一見スカートをはいた自分自身の変化に驚いているように見えます。

しかしもしそうだった場合、
スカートを広げてみるなど、服を確かめるような動作、視線を見せることが自然ではないでしょうか?

しかしこの時メイリンの視線は自分の顔にあり、またその手は自分自身の頬に添えられていました。

その様子は、服によって起こった自分の変貌に驚いたというよりはまるで初めて自分の顔をしっかり見たようにさえ感じます。

先程画像で説明した通り、眼鏡をかける前のメイリンは近くの物はおろか、対峙する人間や鏡で映る自分自身の顔さえまともに見えていないことが明らかになりました。

このことからメイリンは坊っちゃんに眼鏡をプレゼントしてもらったまさにこの瞬間が、初めて自分自身の顔をはっきり見ることが出来た時であった可能性があります。


メイリンの「これが…オレ?」というセリフは、
女性らしく変貌した自分に驚いたというよりも初めて自分自身の姿や顔を鮮明に見ることが出来たからこそ思わず出たセリフなのではないでしょうか。


だからこそメイリンはこの時スカートを見るわけではなく、思わず自分の頬に手を当てて自分の顔を中心に確認するように鏡を覗き込んだ可能性があります。

この可能性に気づいた時、私はメイリンのセリフに含まれた本当の重さに思わずハッとさせられました。

凄腕スナイパーの梟としてだけの利用価値で生かされてきたメイリンは、中国マフィアでは日常を顧みられることが一切ありませんでした。

その事実を言葉では分かっているつもりでも、メイリンのセリフの本当の意味に気づいた時、それがどれだけメイリンに普段からどれほどの困難を強いってきたかを改めて突きつけられたような気がしました。

眼鏡の「陰」と「陽」

眼鏡と言えば「悪魔の仕業」という異名があることから、当ブログでは死神派遣協会と悪魔との癒着を表すアイテムなのではないかと何かと不穏な伏線として考察しがちです。
これが黒執事の中の眼鏡に対する「陰」の部分だとしたら、今回のメイリンにとっての眼鏡は「陽」の部分なのかもしれません。

「悪魔の仕業」と言えば一気に不穏ですが、ニナの言葉を借りれば「世界が素敵に見える魔法」です!なんていい言葉なんでしょう‥!

今後眼鏡が黒執事にどのような影響を与えてくるかはまだはかり知れません。

ですが今回のお話の中では間違いなくメイリンにとって眼鏡は「素敵な魔法」だったようです(#^^#)
眼鏡についての不穏な考察は下記記事にまとめてあります!
www.under-taker.com

メイリンがセバスチャンに恋をするのは眼鏡をかけてから!?

現在のメイリンはセバスチャンにメロメロですが、過去回想中の現段階ではまだメイリンはセバスチャンに恋をしていません。

しかしそれも目が悪かったため今までセバスチャンの顔をよく見ることが出来ていなかったからと考えれば納得です。

眼鏡をしていないメイリンにとってはセバスチャンの姿も「ただの黒い塊」でした。

遠方からファントムハイヴ邸を狙撃しようと狙っていた時やセバスチャンに追いかけられている時は多少顔は見えていたでしょうが、その時は自分が女性ということも隠していましたし何より命を懸けた任務中だったためそれどころではなかった可能性があります。

いよいよメイリンが眼鏡をかけて、間近でセバスチャンの顔を見るタイミングが近くなってきた気がします!!
その時にもしかするメイリンは恋に落ちるのかもしれませんね!?とても楽しみです(#^^#)

ちなみにセバスチャンの顔をメイリンが間近で見るシーンは寄宿学校編ラスト、黒執事18巻第85話「その執事、滑走」の中に存在します。
これがもし伏線だったら面白いですね!

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眼鏡を合わせている最中にセバスチャンに覗き込まれるメイリン:黒執事18巻第85話「その執事、滑走」

なお、この時メイリンが購入した眼鏡のブランド「DON SON OP TICANT」は実在します。

www.facebook.com

自腹のメイド服とプレゼントの眼鏡

今回のお話の中でメイド服と眼鏡についての言及がありました。
この二つは金銭的なポイントで対比するものとして描かれています。

メイド服は支給されず自腹だった

まずメイド服について考察していきます。

今回のお話の中で、メイリンが「服を仕立る金なんかないぞ!」と言ったことに対しセバスチャンが「給料から分割で天引きします」と言いました。

これに対しニナが「ドケチ!」と言いますが、このセバスチャンの対応は史実に則った内容であることが分かります。

というのも、当時のイギリスでは屋敷にメイドとして奉公にでる娘たちはメイド服を持参しており、それが雇い主から支給されることは無かったからです。

これにつきましては以前別記事で詳しく考察したため、そちらの内容を引用させて頂きます。

当時のメイド服は支給されず自腹だった

今回の黒執事の中で、サラッと「メイド服は持ってきた?」というセリフがヒースフィールド男爵家の女中ジェーンからありました。

これも実は歴史的史実に則ったものとなります。

メイドのなり手はおもに、農村出身の少女たちでした。13歳までに家や近所のお店で家事や雑用をこなしながら、最低限の仕事をまず覚えます。そのあいだに、なけなしの給金を貯め、メイド用の制服を買う資金にします。メイドは従僕とちがって、お仕着せを主人から支給されることはありません。
引用源:メイドへの道とその後 – 英国執事とメイドの素顔

メイドと従僕の最大の違い。
それは支給のお仕着せがなく、自腹で制服を用意する必要があったことです。だから少女たちは初めての奉公をするまで、制服を作るための費用を貯金しました。当時は既成品がほとんどなく、布地を買って仕立屋で縫製しました。
19世紀初頭まではとくに決まった制服はなく、女主人のお下がりを着るメイドもいました。ときには客人に女主人にまちがえられるという事故(?)もありましたが。
ヴィクトリア朝になると身分差を厳格にするためでしょうか、はっきりとした理由は不明ですが、だんだんと黒い布地のドレスに白いエプロンとキャップ(帽子)というスタイルが確立しました。
引用源:メイドの服装 – 英国執事とメイドの素顔

メイド・・・とっても健気です。
こんなサラッとしたセリフ一つにも歴史的事実に忠実で、調べていてとても面白かったです!

引用源:
【ネタバレ考察】『黒執事』第152話「その執事、別動」/ファントムハイヴ家を出たメイリン。ヒースフィールド邸での新たな使用人生活/ヨークシャーはグレル・サトクリフと関係がある土地か - 黒執事考察ブログ

一見ドケチに見えるセバスチャンの発言ですが、歴史に当てはめてみるとセバスチャンが言った通り「当然」であったことが分かります。
当時のイギリスでのメイドについては下記記事に詳しくまとめてあります!
www.under-taker.com

プレゼントの眼鏡

これに対するものが坊ちゃんからメイリンに対する眼鏡のプレゼントです。

ヒースフィールド邸のジェーンもメイリンの眼鏡に対しメイドの薄給ではなかなか手が出ない高級品を買えたのかと聞き、メイリンが坊ちゃんが買ってくれたと答えると気前がいいご主人様だったのねと答えました。

ここは歴史とは反する坊ちゃんらしいエピソードだと感じました。

また先程眼鏡についての考察の際に死神派遣協会についても言及しました。

死神派遣協会の死神たちが全員ド近眼なのに対し、メイリンは遠視なので死神とメイリンは真逆であることが分かります。

死神たちにとって
・近眼
・眼鏡は「悪魔の仕業」?

メイリンにとって
・遠視
・眼鏡は「世界が素敵に見える魔法」

これだけ正反対だと面白いです。
もしかすると今後何かしらで影響がある伏線なのかもしれません!

ホプキンス・テーラーの防弾コルセット

他にもホプキンス・テーラーのコルセットについても興味深い豆知識が追加されました!

まさか防弾素材が使われているとは‥!メイリンもこの言葉に「この人もやっぱり女王の番犬の関係者なんだな」と気付きました。

ホプキンス・テーラーは代々女王の番犬のお抱えの仕立て屋です。

ということはあの人も防弾素材のコルセットを着ていたのでしょうか...クローディア・ファントムハイヴも!!

ここ気になりますね――!

フランシスは着てても納得いきます笑
もしクローディアも着ていたらなんだか強い女当主を感じますね!(゚∀゚)個人的には着ててほしいなー!

ちなみに余談ですが、そう考えるとレイチェル(ヴィンセントの妻で双子の母)も防弾素材のコルセットを着ていたのかな?と気になります。

ヴィンセント夫妻はファントムハイヴ家襲撃事件で命を落としましたが具体的な死因や傷がまだ明らかになっていません。またこれは今後非常に重要なポイントとなる可能性があります。

見得る範囲の様子だと、夫妻の死因はお腹当たりの負傷が原因のようにも見えますがまだまだ不確定です、
この辺りで果たしてコルセットは関わったのかどうか…考えすぎかもしれませんがこの辺りも気になります(#^^#)

まとめ

いよいよメイリンがメイド服に着替えました!
来月もまだ過去回想が続くのか、それとも一旦現実軸に戻るのか、50:50といったところでしょうか?

まだセバスチャンに恋する過程やドジっ子を極めていく経緯などが描かれていないので、もう少し回想が続いてくれるかな?とも感じています。

カレー編ではアグニに対し「メイドになれて幸せですだ。」とこぼしているメイリン。

今後ファントムハイヴ家で幸せになっていくメイリンの様子が見られたらとても嬉しいですね!

餅月