黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】タナカさんと葬儀屋の共通点。双子を長男・次男で差別しない理由とは?

こんにちは!餅月です。
今日はタナカさんと葬儀屋(アンダーテイカー)の共通点について考察していきたいと思います。

タナカさんについては過去記事でもまとめてあります。
よろしければ読んでみてください!
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また、今回の記事は
下記の記事からのピックアップ、掘り下げとなっております。
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タナカさんと葬儀屋の共通点

現在、タナカさんと葬儀屋は真シエルサイドとしてファントムハイヴ家本邸にいます。

一見物語の流れ上当たり前のように見える光景ですが、
これは黒執事の中では非常に珍しく、また同時にタナカさんと葬儀屋にとっては懐かしい状態である可能性があるのです。

一見何も共通点が無いように見える二人ですが、
タナカさんと葬儀屋にはいくつか共通点があります。

タナカさんと葬儀屋の共通点

・クローディア時代からファントムハイヴ家と関わっている
・双子を長男次男で差別しない

クローディア時代からファントムハイヴ家と関わるタナカさんと葬儀屋

以前も当ブログで言及ましたが、タナカさんと葬儀屋は共にクローディア時代からファントムハイヴ家とかかわりを持っていることが判明しています。

二人はこの黒執事という作品の中でも特に古い時代からの付き合い、もしくは面識がある関係であると考えられます。

ヴィンセント時代はよく本邸に出入りしていた葬儀屋

坊ちゃんが当主となってからは、情報を得る際、坊ちゃんが基本葬儀屋の店を訪れていたことにより原作の中で葬儀屋がファントムハイヴ家本邸を訪れるシーンは一度も描かれてきませんでした。

しかし先日、そんな葬儀屋が坊ちゃん達双子の幼少期時代に、ヴィンセントに呼ばれてファントムハイヴ家本邸の中に出入りをしているシーンが描かれました。
更に過去のサーカス編ではケルヴィン男爵の回想の中で、ヴィンセントと共にビリヤード台を囲む葬儀屋の絵が描かれていたこともあります。(そのシーンでは背後にタナカさんもいました)

以上のことから葬儀屋は、坊ちゃんが当主になる以前は今より頻繁にファントムハイヴ邸に出入りをしていたようです。

最近の黒執事でも、真シエルが仕事をしている際に出窓に座りながらインナー姿でくつろぎながら本を読んでいる葬儀屋が描かれていましたね。
あれはもしかすると、葬儀屋さんがクローディアと共にいた時期によくしていたリラックスするための姿勢なのかも、しれません。

タナカさんも、そんな葬儀屋を指摘するようなことをしません。
タナカさんと葬儀屋が仲が良かったのか、それともつかず離れずで互いの存在を黙認してきていたのか。それはまだわかりません。

しかし彼らが今本邸で一緒にいることは、私たち読者や坊ちゃんセバスチャンたちが予想するものよりはもう少し深い歴史を感じる気がします。

双子を長男次男で差別しない

タナカさんと葬儀屋の共通点はそれだけではありません。
二人の最大の共通点は、双子を長男か次男かで区別しないという点です。

正確に言えば、
生き残っている人間の中で、双子を長男か次男かで区別しない最後のキャラクターたちといった方がいいのかもしれません。

双子を長男次男で区別する人たち

先代からの付き合いであるディーデリヒは、坊ちゃんが幼いころに爵位は長男しか継げないことを忠告しました。

また最近で印象深かったのはエリザベス(リジー)でしょうか…
彼女は双子を長男か次男かで区別せざるを得ない点で、最も苦しい立場として描かれている気がします。

またフランシスもこのように言っていました。

長男と次男を区別して見ているフランシス:黒執事26巻第132話「その執事、嘉賞」より引用

ここでは次男である坊ちゃんのことを、次男ではなくわざわざ「スペア」とルビがふられています。

このように、黒執事の中で登場キャラクターは基本ファントムハイヴ家の双子を長男と次男で区別している事が分かります。

両親も双子を長男次男で区別しなかった

ちなみにシエルたち双子の両親、ヴィンセントとレイチェルも個人的には双子を長男次男で区別しなかった人物として考えたいなと私は思っています。

ヴィンセントとレイチェルは、今後の後継ぎという意味でシエルに長男としての立場を示唆することはありました。

ですが、彼らはほかの人達と違い、長男次男が関係するのはあくまで伯爵を継ぐか継げないかという立場上の問題だけであり、次男だから長男に劣る、長男であるシエルの方が大事といったそのような図り方はしていなかったのではないかと、過去回想から感じました。

スペアという理由も勿論ゼロではなかったとは思いますが、それでも両親は二人を区別せず、同じ教育を受けさせました。

また二人から、双子に対し長男だから、次男だからという理由で愛情を偏らせていた様な様子も見受けられません。
長男も次男も等しく愛情を注いでいた。
それがヴィンセントとレイチェルの姿勢だったのだと感じます。

その点について、ヴィンセントとレイチェルもタナカさんや葬儀屋と似た視点で双子を見ていたのではないでしょうか。

ですが、タナカさんと葬儀屋からは、
私はこの両親の視線よりも更に双子を平等に見ているように感じました。
具体的に考察していきます。

双子を平等にみる葬儀屋

まず初めに葬儀屋ですが、
葬儀屋ははっきりと双子を長男か次男かで区別しないことを明言しています。

屋敷内で自分にぶつかってきた坊ちゃんに対し、
「君はどっち(長男か次男)かな?」と問いかけた後に葬儀屋はこのように訂正します。

「小生にとってはどちらもファントムハイヴだ」と発言する葬儀屋:黒執事26巻第131話「その執事、宿老」より引用

葬儀屋にとってこの子が長男か次男かは「まあどっちでもいいか」と言い切れるほど軽い情報であることが分かります。
この子が長男であろうと次男であろうと、自分にとって大切なファントムハイヴであることは変わらないと明言しているのです。

この一言は坊ちゃんにとってどれだけ救いになる言葉でしょうか‥‥。

葬儀屋は双子を爵位を継ぐ継がないの測りではなく、もっと存在そのものから大切にしていることがよく分かる一コマです。

双子を平等にみるタナカさん

次にタナカさんを見てみましょう。
タナカさんも双子を平等に大切にしているように見えるキャラクターです。

真シエルと坊っちゃんを平等に見ているタナカ:黒執事26巻第132話その執事「その執事、嘉賞」より引用

正確に言えば、双子を長男か次男かで差別するような態度を見せたことが無いキャラクターといった方がいいかもしれません。

現在のタナカさんは真シエル側についてるため、一見タナカさんは「やはり長男であり本当の後継者であるシエルの方が坊ちゃんより大事なんだ!」と思いがちです。
しかしタナカさんのしぐさや発言を考察してみると、そうとも限らないのです。

タナカさんは双子の中で執事(自分)を欲しているのが現時点では真シエルだったため、真シエルをサポートすることにしただけであり、そこに長男か次男かという物差しは存在していない可能性があるのです。
このタナカさん考察は長くなってしまう為、詳しくは下記記事に乗せてあります!

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※以下、2025年5月追記

余談:坊ちゃんの寂しさを知っていたのは葬儀屋だけ

余談ですが、黒執事の中で坊ちゃんの寂しかったという感覚、そして劣等感はとても重要です。

まだ原作の中では未回収の伏線として残っている状態ですが、兄シエルに対する坊ちゃんの劣等感、もしくは兄の異常な愛情は、坊ちゃんの体調に影響を及ぼすほど坊ちゃんを苦しめていた可能性があります。

そして重要な点は、兄シエルはこの坊ちゃんの苦しみを現在進行形で全く理解できておらず、逆に葬儀屋は坊ちゃんが幸せではなかったという事実をちゃんと知っていたという点です。

それが分かる原作のシーンがあります。
血液が足りず動けなくなってしまった兄シエルと葬儀屋の間でこのような会話がありました。

兄シエル
「ああ・・・くそ、歯がゆいな。早く弟の側に行きたいのに身体が言うことをきかない。弟もこんな気持ちで僕をながめてたのか。

葬儀屋
「…それはどうだろうねェ。だって今の君は、とても幸せそうじゃないか

黒執事第149話「その執事、鳩合」より引用

この台詞が意味するもの。
葬儀屋が伝えたいことは、当時の坊ちゃんは今の兄の様に決して幸せではなかったということです。

双子同士以上に坊ちゃんの事を理解している葬儀屋さん‥‥すごくないですか?
しかもその気づきは坊ちゃんへの思いやりがあってこそ…。

坊ちゃんの苦しみをたった一人、陰できちんと理解してあげていたという優しさが泣けてきます。

引用
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まとめ

以上のことから、現在真シエル側についているタナカさんと葬儀屋は、真シエルが長男だからという理由で肩入れしているわけではないという可能性が出てきました。

この二人がファントムハイヴ家に力を貸す理由は、お家騒動や爵位争奪戦という理由ではなく、どちらかというともっと理由なき愛、家族愛のようなアガペーに近いものを感じます。

この二人の動機と協力、そして最終的に成し遂げたいことが今後の黒執事の展開を大きく左右していくのではないでしょうか。

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↑この記事でも書きましたが、
セバスチャンが言った「勝ち負けなどどうでもよかった」というセリフは伏線である可能性があります。

現在、坊ちゃんたちは真シエルから爵位を取り戻すという理由で動いており、真シエルもそれに乗った形で対立しています。

しかし、真シエル側(タナカ葬儀屋を含む)の真の目的は、双子に爵位争奪戦をさせることではないように思えてなりません。

私は双子を差別しない真シエル側にとって、爵位争奪戦の勝ち負けなどどうでも良い問題なのではないかと感じています。

彼らの本当の目的は、
坊っちゃんとシエルが再び一緒に仲睦まじく幸せに暮らすことなのではないでしょうか?

これは考察というより妄想ですが、幸い双子なので、もしかすると真シエルは坊ちゃんが自分の元に来た場合、自分(シエル)として伯爵業を引き続きするのはお前がやっていいよとさえいうかもしれないと感じています真シエルの坊ちゃんへの執着心が「誰の目にも触れずに自分が守る」だった場合は、当然このような提案は出ないと感じています。

兄シエルは自分がファントムハイヴ伯爵になる事で坊ちゃんと引き離されてしまう未来を嫌がっていました。
彼らは双子がまた以前の様に一緒にいれる方法を思いつき、それを実行するために動いているのではないでしょうか。

タナカさんがそれらを容認しているかはまだわかりません。
むしろ、私はタナカさんは真シエルや葬儀屋のやり方に対し、直接的対立はせずともどちらかといえば容認できない、否定的立場なのではないかなと感じています。
それはタナカさんが真シエル側についてから笑顔が消えた事にも表れています。
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タナカさんはあくまで自分の執事道を貫く為に、ファントムハイヴ家への忠誠心を基に双子の立場を平等に天秤で測り、双子のために行動しているように私には見えました。
この複雑な感情は、もしかするとタナカさんとリジーとの共通点なのかもしれません。

タナカさんはまだまだダークホースですが、それでもタナカさんと葬儀屋は間違いなく黒執事の中で非常に重要であり強力なキャラクターです。

この二人の真意、そして本当の目的によっては坊ちゃんたちの現在の動きは肩透かしを食う可能性があります。

彼らの動きが今後の黒執事に大きく関わってくることは間違いないので、ドキドキしながら今後の展開を楽しみに待ちたいと思います。

餅月