こんにちは、餅月です。
今日はシエル・ファントムハイヴが「悪しき名」となった理由についての考察をしていきたいと思います。
シエル・ファントムハイヴが「悪しき名」となった理由は?
まず初めに、悪魔と契約する前の坊ちゃんにとって、シエルという名前が悪しき名となるような理由は存在しませんでした。
2人は仲が悪いわけではなく、むしろとても仲が良い兄弟でした。
そしてその二人の仲は、兄シエルが亡くなるその瞬間まで変化はありませんでした。
それにも関わらず、シエルの名が坊ちゃんにとって悪しき名となった理由はどこにあるのでしょうか?
自己犠牲の精神
青の教団編の過去回想で、坊ちゃんがシエルを名乗った理由は
死んでしまった兄を生きていることとするために、自分という存在を殺してまで兄とを生かそうとした自己犠牲の精神からなるものであることが分かりました。
しかしこれは坊ちゃんが悪魔と契約するまでだけの考えとなったようです。
悪魔と契約した後、坊ちゃんはこう言います。
シエル・ファントムハイヴという悪しき名に懸けて
契約するときまでは自分の為ではなく、兄シエルの為にシエルという名を背負ったと言っていた坊ちゃんですが、ここでいきなり坊ちゃんの中でシエルの名が悪しき名となっているのです。
また、緑の魔女編でも
坊ちゃんが悪魔と契約した理由は「誰のためでもなく、僕の為だ」と言っている箇所があり、強調されています。
この矛盾点は非常に重要な伏線である可能性が極めて高いです。
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なぜ突然、坊ちゃんの中でシエルが悪しき名となったのでしょうか?
兄シエルには疑惑が存在する
悪しき名となった理由を考える前に、まず兄シエルに焦点を当ててみたいと思います。
兄シエルには、実は様々な怪しい疑惑が存在します。
簡単にまとめますと以下の通りです。
・兄シエルは坊っちゃんに異常な程歪んだ愛情を抱いている可能性
・兄シエルは坊っちゃんと一緒に遺体が為にファントムハイヴ家襲撃事件に関与していた可能性
仮にではありますが、
この兄シエルの疑惑が事実であったと仮定し、そしてその事実を坊ちゃんが何らかの方法で知ってしまった場合、坊ちゃんの中でシエルの名が「悪しき名」となることが可能なのではないかと感じました。
兄シエルについての疑惑は伏線箇所が多量にあるので、こちらの記事で詳しく考察しています!
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シエルの名を「悪しき名」と貶めるほどの事実を伝えたのはセバスチャンである可能性
では、坊ちゃんがどのような方法で兄シエルの真実を知ってしまったのか。
一番単純に考えれば悪魔セバスチャンが坊ちゃんにその事実を教えた可能性に行きつきます。
第一に、
坊ちゃんがシエルを悪しき名という前と後で接点がある人物はセバスチャンしかいませんでした。第二に、
セバスチャンは兄シエルの魂を手にしており、死んだ双子が兄の方であると分かっていたことからも、兄シエルの魂から兄シエルの真実を知り得た可能性は十分に考えられます。第三に、
セバスチャンは坊っちゃんの魂を絶望にまみれた状態で食べたいと考えている為、兄への愛から自己犠牲の精神で契約を結ばせた後に、坊ちゃんにその兄の残酷な真実をたたきつけることで坊ちゃんを絶望させようとした可能性があり、動機も矛盾は生じないことが分かります。
以上のように考えれば、この事実をセバスチャンが坊ちゃんに教えた可能性については十分に考えられます。
このセバスチャンの動機については、下記記事で詳しくまとめてあります!
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セバスチャンの嘘
またもう一つ、伏線と思われる個所が存在します。
それがこちらです。
襲撃されたタウンハウス内で、自分の部屋の壁に「おなかの中のキャンディ盗ったのだあれ?」の文字を見つけ、その後アグニの手から恐らく双子が写っているとみられる焼けた写真を拾い上げた坊ちゃん。
「キャンディ」については真シエルが当主の指輪を飲み込んだ際に指輪をキャンディと例えていたことより、坊ちゃんはこの時点でこの奇襲が兄によるものである可能性にたどり着いていたはずです。
その際坊ちゃんは
お前・・・僕に嘘はついていないな?
とセバスチャンに問い、「嘘はついていない」と答えるセバスチャンに対し今まで見たこともないような焦った表情を見せます。
普通は、死んだ家族が蘇ったとすれば嬉しいはずです。
しかし坊ちゃんがこんなにも恐れ、窮地に追い込まれたような表情を見せました。
その理由は以下を予想することが出来ます。
- 真シエルは坊ちゃんが知らない異常性を持っていたということ
- 真シエルの坊ちゃんへの異常な執着心が原因でファントムハイヴ襲撃事件は起きたということ
- いうなれば真シエルも坊ちゃんにとっては親と家の仇の一人であるということ
- 悪魔の力を頼れば真シエルを復活させることは出来たが以上の理由からあえて生き返らせなかったということ(見殺しにした)
そしてこれらが、嘘を付けないセバスチャンによって教えられていたものだとしたら。
このことを踏まえ、坊ちゃんはセバスチャンに再度「本当に嘘はついていないよな」と問いかけた可能性があります。
そしてそれに対し
残念ながら、私は嘘は吐きません
とセバスチャンは答えたのではないでしょうか。
最悪の状態です。
ちなみに余談ではありますが、
この坊ちゃんとセバスチャンの契約シーンで、この個所以外でセバスチャンはまだ嘘を付いている可能性があります。
これは非常に重要な伏線となる可能性があります。詳しくは下記記事にまとめてあります!
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回収可能な伏線
以上の様に考えると、下記の伏線を回収することが出来ます。
- なぜセバスチャンは坊ちゃんがシエルではないと分かったのか。
- なぜシエル・ファントムハイヴという名前が坊ちゃんにとって突然「悪しき名」となったのか。
まとめ
豪華客船編での過去回想の中で、坊ちゃんがセバスチャンに対し「お前だけは僕に嘘を付くな」というシーンがありました。
この「お前だけは」という言葉には「真シエルにさえ嘘をつかれていた」という内容が隠されていたのかもしれません。
坊ちゃんが真シエルの復活におびえていた理由は、自分と離れないでいるようする為には家族を殺めてしまほどの異常性への恐怖だったのかもしれません。
餅月