黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【考察】坊ちゃんの「悪魔と契約した理由」の主張が、緑の魔女編と青の教団編で真逆になっている

こんにちは、餅月です。
今回は、最新話第137話の考察をさらに深堀していきたいと思います。

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第137話(青の教団編)で語られた坊ちゃんの主張はミスリードの可能性が高い

青の教団編の回想にて、サバトでセバスチャンと坊ちゃんが出逢った際「坊ちゃんがどのような理由で悪魔と契約し、シエルを名乗ることを決めたか」が説明されました。

しかし、こちらの主張はミスリードである可能性が高いです。

第137話での坊ちゃんの主張

まずは第137話の坊ちゃんの主張を見ていきましょう。


ああ、そうか
もう きみはいない
僕が君の魂を犠牲に悪魔を喚んでしまったから

悪魔「さあ 選んで」(微笑みを浮かべ自分に唇の前で人差し指を立てる)

僕たちは同じ顔をしているけど何もかもが違う。
君は強くて 優しくて でもすごく寂しがり屋で
僕は弱くて 臆病で 君のオマケで

ーーーそれでも
もう二度と時間が戻らないのなら
「誰にも負けない 力があれば・・・!(真シエルが回想で叫ぶ)」

もう君が戻ってこないなら

僕が

君と同じ顔をした 僕が
君の魂と引き換えに 君が願った君になる

坊ちゃん「欲しい・・・力が欲しい・・・僕らをこんな目にあわせた奴らに復讐する力が!!」

檻から悪魔にむかって手を伸ばす
坊ちゃん「悪魔!!お前と契約する!!」

注目していただきたい点は太字下線部分です。

しかし私は上記の坊ちゃんの主張に疑問を感じます。
結論から言えば、私は坊ちゃんが契約時このように考えてしまったことは悪魔(セバスチャン)にそそのかされたことが原因であり、現在の坊ちゃんの主張に至るまでには、シエルに対する坊ちゃんの価値観が、悪魔を通じもう一段階変化すると考えています。
契約時にセバスチャンが坊ちゃんをそそのかした可能性についてはこちらをご覧ください。

近日公開
【特例】第137話だけは、セバスチャンの発言を信じてはいけない理由
追記:公開しました!
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私が第137話での坊ちゃんの主張を疑う理由は緑の魔女編にあります。
緑の魔女編の中でも、坊ちゃんが「悪魔と何故契約したのか」が問われるシーンがあるのですが、その時の坊ちゃんの主張は、今回語られた内容と完全な真逆なのです。
具体的に見ていきましょう。

真シエル
「誰も復讐なんて望んでいない。なのにお前は何故復讐を使用としているの?僕を犠牲に手に入れた力で」
真シエル
「お前があんな選択をしたせいで、たくさんの人が犠牲になったんだよ」
真シエル
「僕に許されたかった?」
坊ちゃん
「違う・・・。」
マダムレッド
「弱い自分と決別したかった?」
坊ちゃん
「違う!」
ジョーカー
「何もかも自分のものにしたかった?」
坊ちゃん
「違う!」

ヴィンセント&レイチェル
「わかっているわ。私たちの無念を晴らすためでしょう?」
 
違う!!!!!


セバスチャン
「では、あなたは何故、大きな犠牲を払い、その魂を賭けてまで、悪魔と契約したのですか?」
 
坊ちゃん
「そうだ・・・僕が悪魔と契約したのは、僕が誰にも負けない力を欲したのは
 
 坊ちゃん
「僕は誰かの為に命をかけられるほど高潔ではない。
僕はどうしようもなく利己的で、独善的な人間だ。
だから 僕は僕自身への汚辱を晴らす為お前の手を取った。
 
誰のためでもない。
僕のために!!!!!!

 
 

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黒執事第20巻第95話「その執事、失望」より
坊ちゃんはここで、「誰にも負けない力を欲したのはーーー」と、真シエルのセリフを思い起こしています。
それにもかかわらず彼の名前を理由として挙げず、あえて自分自身のため、と強く主張したことには何か強い意味があると考えられます。
 

プチまとめ

緑の魔女編における坊ちゃんの主張
  • 自分は誰かのために命を懸けるほど高潔ではない
  • 僕自身への汚辱を晴らすために悪魔の手をとった
  • 両親の無念を晴らすためではない
  • 誰のためでもない。僕自身のため
第137話での坊ちゃんの主張
  • 同じ顔をした僕が、君の願った君になる。
  • シエルは誰にも負けない力を望んでいた。だから望む


契約理由の主語が、「シエル」から「僕自身へ」と完全に逆転しています。
第137話では坊ちゃんは「シエルのため」と自己犠牲の精神をもって悪魔との契約に挑みました。
しかし緑の魔女編ではシエルの価値観は消え、完全に「僕のため」が主語になっているのです

私はこの「差」には、

  • 「悪魔の嘘」から暴かれた真シエルの本当の姿
  • それを踏まえたうえで、悪魔にそそのかされ自分は契約したわけではなく、確固たる自我をもって突き進むという坊ちゃんの強い抵抗と自我
  • セバスチャンは、坊ちゃんの魂をより絶望に染め美味しく食べるために、真シエルの為に自己犠牲を実現させた後に実は真シエルが事件の片棒を担いでいたことを坊ちゃんに提示した可能性

が関係しているように思えてなりません。
詳しくはこちらの記事を読んで下さるとうれしいです!
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まとめ「僕たちは似ているのに、何もかも違う」

以上のことから、青の教団編第13話のでの坊ちゃんの悪魔との契約回想シーンは鵜のみにしない方がいいと私は考えます。
セバスチャンは坊ちゃんをたぶらかしていた可能性があります。坊ちゃんは頭がいいので途中でその可能性に気が付き、悪魔に「嘘をつくこと」を禁止することで悪魔の口から「シエルの真実」にたどり着いたのかもしれません。

「僕たちは似ているのに、何もかも違う。」
黒執事ではしきりにこのセリフが登場しますが、これは暗い理由(シエルの異常な二面性)という意味での伏線も込められているのかもしれませんね。


餅月