黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】兄シエルの“焼き印”が描かれない理由。双子の見分け方に迫る伏線か?

こんにちは!餅月です。
今日は、現在も未回収の伏線である兄シエルの焼き印について考察していきます。

皆さんは、原作の中で兄シエルの焼き印が一度も描かれたことが無いことにお気づきでしょうか?
これは双子に関わる重要な未回収の伏線の可能性があります。

今回の記事は、下記記事からの抜粋となります。
www.under-taker.com

双子と焼き印

まず、双子と焼き印についてまとめます。

悪魔召喚儀式の供物となった兄シエルと坊っちゃん。
その際二人は体に焼き印を押されます。

この焼き印は2人が受けた辱めを象徴するものと言えるでしょう。

黒執事の中には、この焼き印と関係が深いキャラクターが双子以外に一人だけ存在します。
それがサーカス編で登場したドールです。

未回収の伏線:ドールは唯一、坊ちゃんの背中の焼き印を見たことがある重要なキャラ

ドールは黒執事に登場するキャラクターの中で唯一、坊ちゃんの背中の焼き印を直接見たことがあるキャラクターです。

これは現在もまだ未回収の重要な伏線の可能性があります。

坊ちゃんの背中の焼き印を見てしまったドール:黒執事7巻第28話「その執事、交渉」より引用

このドールのシーンと対比の形になっているのが、
サーカス編終了後、小話として収録された黒執事8巻第37話「その執事、新調」です。

焼き印を見せたくない坊ちゃんの心理

黒執事8巻第37話「その執事、新調」。
この話は、サーカス団員の襲撃によって屋敷がボロボロになり、服を新調することになった話です。

服を試着する際に坊ちゃんが焼き印を見せたくないがないがために、あの手この手で奮闘する話となっています。

焼き印を見られないように(無理矢理)頑張るセバスチャン:黒執事8巻第37話「その執事、新調」より引用

黒執事では時折、メインの章と章の間で一話読み切りのような小さな小話が描かれることがあります。

一見本編には関係ないような独立したほのぼのストーリーに見えることが多いのですが、その中に伏線が張られることが多々あります。
(例:例えばイースター編では、リジーが坊ちゃんとの会話の中で違和感を感じる描写が双子伏線として描かれました。)

今回の焼き印についてもサーカス編直後に、しかもドールが焼き印を見てしまったという話の直後にこの小話が差し込まれることは、ドールが坊ちゃんの焼き印を見たという事が今後の黒執事に深く関わることを示唆する伏線の可能性があるのです。

更に具体的に考察していきましょう。

「理由」が明言されないことに着目

そもそも坊ちゃんは何故焼き印を隠したがるのでしょう?
意外なのですが、実は黒執事の中ではこの理由がまだ一度も明確に説明されていません。

特に、第37話で焼き印に重きが置かれた小話があったにもかかわらず、このポイントが敢えて明確に説明されていない事にはどうしても意図的なものを感じます。

これはまだ根拠が薄い予想考察なのですが、
坊ちゃんが焼き印を見せたがらない理由は双子の兄と弟で焼き印の位置が異なる位置にある可能性が考えられます。

兄シエルの焼き印は一度も明確に描かれたことが無い

双子の焼き印の位置について具体的に説明していきます。

・兄シエルの焼き印は一度も明確に描かれたことが無い
・兄シエルの腕にちらりと見える焼き印らしき跡…?

まず一つ目について。
原作の中で、坊ちゃんの焼き印についてははっきりと何度も描かれていますが、兄シエルの焼き印についてはしっかりと描かれたことがまだ一度もありません。
これが伏線の可能性があるのです。

焼き印シーンにおける服装の差

黒執事27巻第136話で双子が焼き印を入れられるシーンが描かれています。
しかしそこでは坊ちゃんが焼き印を背中に押されたシーンは描かれているものの兄に焼き印を押されるシーンは省略されており、描かれていません。

またこの時焼き印を押そうとしている大人は双子に対して
「ふたりとも背中を出しなさい。」と言っています。

このことから当初、大人たちは双子それぞれの背中に焼き印を押そうとしていたことが見て取れます。

しかし、少々気になるのはこの時の双子の服装の相違点です。
坊ちゃんは長そでシャツを着ているのに対し、兄シエルは上裸であることが分かります。

上裸の兄シエルと、長そでシャツを着ている坊ちゃん:黒執事第136話「その執事、参上」より引用

兄の右手首

また、まだ確定ではないのですが、
第19話の中で兄シエルの右手首の甲側に焼き印のような跡が見えなくもありません。

兄シエルの右腕に見える焼き印らしき跡:黒執事第19話「その執事、異能」より引用

焼き印を押される際、
坊ちゃんはシャツを着たまま背中をめくられ焼き印を押された描写があります。

しかし当時兄の方は上裸です。
その為、ちょっと抵抗をすれば背中につけようと思った焼き印が「うっかり」腕など他の場所に押されてしまった、という事が可能な服装となっているのが個人的に大変気になります。

「痛み」の曖昧なやり取り

また坊ちゃんの焼き印の跡を兄シエルが確認してあげるシーンについても言及します。

そこでも痛む背中を抑える坊ちゃんに対し、シエルは「痛みはするけれど…。」とはいうものの体の具体的な部分を気にするような様子がありませんでした。

背中を抑える坊ちゃん:黒執事第136話「その執事、参上」より引用

その為兄シエルはどこが痛むのかは不明のままなのです。

「どこが」痛むのかが明言されていない双子の会話:黒執事第136話「その執事、参上」より引用

まだ確定とは言えませんが、ここまでくれば兄シエルの焼き印の跡の場所は意図的に隠されている可能性があると感じずにはいられません。

双子の焼き印の場所は大きく異なっている可能性は十分考えられるのではないでしょうか。

兄と弟の焼き印の位置が違う可能性については、下記記事でも少々触れております。
www.under-taker.com

余談:現在の兄の右手首に焼き印は無し

31巻の特典絵を見ると、第19話で見えた兄シエルの右手首にあった焼き印の跡らしきものが見えないことが分かります。
このことから、少なくとも葬儀屋によって蘇生された後の兄シエルの手首には焼き印の後は無いことが分かります。

こちらもまた予想ですが、葬儀屋が厚意で焼き印を消してあげたという可能性もまだ否定はできません。
と言いますのも、葬儀屋は実際兄シエルの額にあった傷跡を消してあげているからです。

間違いなく負の遺産である焼き印を目の前にして、葬儀屋は何を思ったのでしょうか…。

兄も焼き印を消したいと思うのでしょうか。
それとも双子のおそろいとして勝手に消したら激怒するのでしょうか。

ここはまだキャラクター自身でなければ分からない部分です。

ドールは双子を見分けられる?

さて、話をドールに戻しましょう。
生前、坊ちゃんの焼き印を見たドールは、焼き印の位置で唯一双子を見分けることが出来るキャラの可能性があります。

もし仮にそうであった場合、
ドールは自分のサーカス団の仇である坊ちゃんと、サーカス団に直接手を下していない兄シエルを見分けられることになります。

もしそうであった場合ドールは兄シエルの潔白をジョーカーにも説明が出来た可能性があります。

双子の見分け方。
読者である私達には比較的簡単ですが、これは原作の中では重要かつ難しい部分と言えます。

そもそも兄シエルが登場した時、キャラクターたちは何故素直に双子だと理解し信じることが出来たのでしょうか?
その理由は単純。
兄が出てきた同じ場に、坊ちゃんもいたからです。

双子だと認めざるを得ない状況だったからですね。
正しくこの状況↓だったはずです。

兄と弟を見比べても尚混乱するアバーライン:黒執事28巻第142話「その執事、膺懲」より引用

ではもし仮に双子の1人しか目の前におらず、その場にいない別のもう1人の双子に何かしらの危害を加えられた場合はどうなるでしょう?

兄シエルと勘違いして坊ちゃんを殴るソーマ:黒執事26話第128話「その執事、見証」より引用

当然こうなる訳です。
相手に自分が双子であることを公言していなかった場合、相手に証明するって意外と難しそうですよね。

しかも相手が激昂している場合は猶更です。

双子だと理解することが出来ず坊ちゃんを殴ってしまったソーマですが、これと同じことがポラリス様(ジョーカー※仮)と兄シエルの間でも起こりうる可能性があると感じます。

その場合、兄と坊ちゃんを唯一外見で見分けられるかもしれないポイントである坊ちゃんの焼き印の位置を知っているドールは、兄シエルの潔白を晴らすために重要な役割を担ったのかもしれません。

双子は、以下の点が対比関係となっている可能性があるのです。

坊ちゃん:サーカス団の仲間を殺す
兄:サーカス団の生き残りであるジョーカー&ドールに坊ちゃんだと勘違いされる?


兄:アグニを殺す
坊ちゃん:ソーマにアグニを殺した兄と勘違いされて殴られる

ソーマが坊ちゃんを勘違いして殴ってしまった事は、
上記の対を示唆する伏線である可能性があります。

まとめ

サーカス編後に描かれた特に第37話の焼き印小話は、焼き印を隠すためにセバスチャンがかなり無理矢理な強行突破をすることが多く、全体的に非常にコミカルなテイストで描かれていました。

このことも相まって何となく読者側からしてみると、「坊ちゃんは恥ずかしくて見られたくないんだな」とだけ捉えてしまいそうな描き方になっています。
その意図もあるとは思うのですが、これは双子の見分け方にも繋がる重要な伏線なのかもしれません。

勿論、兄シエルは結局生還することが出来なかった為、例えこの時点でリジーが坊ちゃんの焼き印の跡に気付いたとしても、兄と弟で焼き印の場所が違うこと気づくことはなかったと思います。

仮に本当に兄と弟で焼き印の位置が違った場合でも、それを知り得る人間は坊ちゃんと兄だけのはずだったからです。

しかしそれでもこの明確な双子の差は、シエルを名乗る坊ちゃんにとっては本能的にバレたら自分の正体に繋がってしまうのではないかと思うほど不安なものだったのではないでしょうか。

だからこそ、坊ちゃんは焼き印小話の中で「リジーに見られたくない」ではなく、「リジーに見られたらまずい。」と思ったかもしれませんね。

「リジーに見つかったらまずい」と感じる坊ちゃん:黒執事第37話「その執事、新調」より引用

兄シエルの焼き印の位置についてはやはり意図的にぼかされていると感じる部分が多いです。

坊ちゃんとは異なる位置に入っている可能性は十分考えられるのではないでしょうか。

兄シエルが帰還を果たした今、
もしこの焼き印について双子で差がある場合、それは真実を暴く鍵として大きく物語を大きく左右するのかもしれません。

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それではまた次の記事でお会いしましょう!
餅月