黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】第216話「その執事、勘定」|「テンペスト」に込められた兄シエルと葬儀屋の真意とは?「不死の泉」の疑惑と謎の男の正体に迫る

こんにちは!餅月です。

本日は『黒執事』最新話第216話「その執事、勘定」Gファンタジ―2025年7月号の考察をしていきたいと思います。
考察の都合上、本誌最新話までのネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

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前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
www.under-taker.com

第216話初見読みライブ配信

初見読みライブ配信はこちらです。
youtube.com

毎月18日Gファンタジー発売日に、
YouTube Liveにて初見読み&考察のリアルタイムライブ配信を行っています!
※18日が土日の場合、日付が前倒しで発売となります。
最近はこちらのブログ記事と並行して聞いて下さっている方もいらっしゃると伺っています。

よろしければ是非、
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第216話:重要伏線箇所

今回の第216話で特に重要な箇所について箇条書きでまとめます。
過去の考察記事も踏まえ、こちらのを中心に順番に考察を進めていきたいと思います!

嗚呼、素晴らしき人間界
客室係(ロドニー)に手当てをされる客(モドリ)。

  • 「一般」のお客様がいらっしゃる場で粗暴な振る舞いはご遠慮くださいというロドニーの発言
  • 客に対し少なすぎる客室
  • 客の目的は地下にあるスパ
  • ネクタルスプリングスホテルは「楽園」
  • 「テンペスト」
  • 謎の男性

出逢い、擦れ違う。
黒執事第216話終了ー

枢先生の巻末コメント

弾丸で名古屋までハンス・ジマー氏のライブ観に行きました。最高でした。

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

今回の表紙みましたか!?
悪魔セバスチャン、カッコ良すぎましたね!
黒いリップが鬱くしい…。

黒執事としてはかなり珍しい白背景…!
真っ白な背景に赤い文字、セバスチャンの黒、そして紫…。

これらの色合いがこんなにもマッチするなんて初めて知りました。

また今回の表紙セバスチャンは、
Gファンタジー2020年11月号のセバスチャンと似ているように感じました。

その時の記事はこちら▼
www.under-taker.com

今回の表紙も是非いつか複製原画として販売されたら嬉しいですね!

考察

今回の第216話では新たな伏線が沢山張られました。
それでは今回も順番に考察していきましょう!

モドリは「一般」ではない客?

まずは客室係ロドニー・ホールの発言を考察していきます。

モドリ・ヴラディスの手当てをするロドニー。

彼らは、この施設の真相にどこまで関わっているのか、とても謎深いキャラとして描かれています。

そんな中、今回ロドニーからとても意味深な発言がなされました。
それがこちらです。

ロドニー・ホール
「ヴラディス様。一般のお客様がいらっしゃる場で粗暴な振る舞いはご遠慮ください。」
黒執事第216話「その執事、勘定」より引用

モドリは「一般」ではない客?:黒執事第216話「その執事、勘定」より引用

ここで私が気になったのは「一般のお客様」と言う発言です。
逆に言えば、モドリ・ヴラディスは一般の客ではない区別された存在の可能性があります。

葬儀屋側の施設では、フードの男たちが複数登場します。
しかしその中でも、モドリ・ヴラディスは唯一フードに柄がある特別な存在として描かれています。

フードに柄があるヴラディス:黒執事第214話「その執事、上昇」より引用

同じフードを被った人物でも、
S4やポラリス様でさえ、フードに柄はありませんでした。

柄のないフードを被るS4:黒執事23巻第112話「その執事、独唱」より引用

唯一フードに柄のある、点滴をする男モドリ・ヴラディス。
彼は一体何者なのでしょうか?

コメントで頂いた考察では、
彼の名前のヴラディスはヴラド三世から来てる可能性をご指摘頂きました。

ヴラド三世と言えばドラキュラのモデルとなった人物。
血液との関係性も、彼の尖った八重歯も、正しくピッタリと感じます。

彼は血液と一体どんな関係性があるのでしょうか。

少なすぎる客室

次に、坊ちゃんがザ・ネクタルスプリングスホテルは客に対し客室が少ないことを指摘しました。

この時比較としてセバスチャンが言及したサヴォイ・ホテルとザ ランガム ロンドンはどちらもロンドンに実在するホテルです。

ja.wikipedia.org

ザ ランガム ロンドンはロンドンの元祖高級ホテルと言える老舗の一つ。
このホテルにはアフタヌーンティーの文化を生み出した「パーム・コート(Palm Court)」があるそうです。

guide.michelin.com

枢先生の現地取材の空気を感じれる、そんな1話でした✨

さて、話をザ・ネクタルスプリングスホテルに戻しましょう。

多くの人を集め、その人数が客室数と合わない。
これは今までの下記施設との重要な共通点となります。

  • スフィア・ミュージックホール→無償のサービスで身分を問わず人を集め、裏で失血死を出した
  • ヒースフィールド男爵邸→メイドの募集をし続けており、消えたメイド達は地下に幽閉され血液を搾取されていた
  • F.O.L児童養護院→「巣立ちの日」を迎えた子供は施設内で殺害されていた。
  • ザ・ネクタルスプリングスホテル→素晴らしいサービスの質で貴族を集め、その数は客室数を上回っている

こうして紐解いてみると、今まで血液収集の事実があった施設の中ではアテナ退役軍人療養所だけが唯一、人が消えることが無く生者と輸血対象者とのバランスが取れていたイレギュラーの施設と言えるでしょう。

ザ・ネクタルスプリングスホテルは他の施設同様、集めた人間をどこかで収容して血液搾取に利用している可能性があります。

客の目的は地下にあるスパ

セバスチャンの助言で、貴婦人たちの世間話に耳を傾ける坊ちゃん。

そこで坊ちゃんは、この施設を訪れる客の目的が、心も体も若返るこのホテルの地下にあるスパにある事を知ります。

このスパについては、第214話の中で客室係のロドニー・ホールが「温熱施設(スパ)」として紹介しています。

貴婦人の話によるとこの温熱施設は予約が必要との事。

また、ザ・ネクタルスプリングスホテルの意味は「不死の泉」。

この名前からもわかる通り、ザ・ネクタルスプリングスホテルの重要な根幹はこの地下の温熱施設に隠されていると考えてまず間違いはないでしょう。

ザ・ネクタルスプリングスホテルの名前についての考察はこちら▼
www.under-taker.com

蒸気を浴びて身も心も若返るスパ。
一体ここではどのように血液と関係があるのでしょうか。

ネクタルスプリングスホテルは「楽園」

ロドニー・ホールと客は、共通してこのホテルを楽園と言います。
これは一体どのような意味なのでしょうか。

葬儀屋の死者蘇生の技術は、当時不治の病とされていた腎不全を治療し患者の寿命を延ばす、もはや夢のような技術とさえ言えます。

スフィア・ミュージックホールでは大人も子供も熱狂する娯楽を提供し、ある意味人々を幸せにすることに成功していました。

楽園の様な夢の空間を生み出し、演出することは、もはや葬儀屋達にとって得意分野と言っても過言ではないのかもしれません。

今までは1つの施設で完結していた血液収集施設。

しかし今回のザ・ネクタルスプリングスホテルは、ホテルだけにとどまりません。

水上遊園地メリーオーシャン・ピアを始め、アクアリウム、ロイヤルパビリオンなどその規模は正しく一つの複合施設と言っても過言ではないのかもしれません。

彼らが作り出す「楽園」。これは人々をおびき寄せる為の甘い蜜と言えるでしょう。
「楽園」には、何かお金以上の見返りが必ず生じている筈です。

「テンペスト」

さて、兄シエル&葬儀屋からのメッセージ性を感じずにはいられないポイント。

それが海上遊園地メリーオーシャン・ピアで上演されていたシェイクスピアの「テンペスト」です。

テンペストについてはセバスチャンが詳しく説明をしてくれました。

テンペスト

劇作家ウィリアム・シェイクスピアによるロマンス劇。かつてミラノ大公だった魔術師プロスペローは弟の裏切りにより娘と共に孤島に流される。島で精霊エアリアルや怪物キャリバンなどを従えたプロスペローは復讐のため精霊に嵐を起こさせ自らを追放した者たちを島に呼び寄せる。

セバスチャン
「兄弟に裏切られ追放されたものが地位の奪還と復讐を誓う…。どこかで聞いた事のある話です。プロスペローに扱き使われるエアリアルには同情を禁じ得ませんねぇ」

黒執事第216話「その執事、勘定」より引用

ja.wikipedia.org

また、ここで重要なのはこの物語の結末です。

ライブ配信中にコメントで教えて頂いたのですが、テンペストは最後、プロスペローは復讐を思いとどまり和解するという結末を迎えるのです。

兄シエルは緑の魔女編の回想内で坊ちゃんに対し「誰もお前に復讐なんか頼んでいないよ」と語ります。

このテンペストの上演には、坊ちゃんとセバスチャンが着目した物語のあらすじの他に、結末にも兄シエルと葬儀屋からの「復讐なんてしなくていい」というメッセージ性が込められているのかもしれません。

コヴェント・ガーデン

「テンペスト」の公演については、コヴェント・ガーデンで上演されるような古典の台詞や演出を子供向けに焼き直しているというセバスチャンの発言がありました。

このコヴェント・ガーデンも実在する劇場となっています。
またコヴェント・ガーデンは次で説明するパンチとジュディともなじみが深い劇場となっています。

ja.wikipedia.org

パンチとジュディ

シェイクスピアと比較する形で描かれたパンチとジュディ。
調べたところ風刺劇であり、最後は悪魔を殴り倒すというなかなか暴力的な人形劇とのことです。

初演は先程言及したコヴェント・ガーデンで上演されました。

人形劇「パンチとジュディ」の起源は、14世紀のイタリアの伝統的な風刺劇「コメディア・デラルテ」である。

「パンチ」は、この劇がイギリスに伝わった際に、劇に登場する道化師、プルチネッラ (Pulcinella) が「Punchinello」と綴られ、それが後に「Punch」 に縮められたものである。

人形劇「パンチとジュディ」のイギリス初演は1662年5月、ロンドンのコヴェント・ガーデンにおいてで、17世紀に活躍したイギリスの官僚サミュエル・ピープスの日記中に記されている。

人形劇「パンチとジュディ」は、演者により多少ストーリーの変更はあるものの、基本はパンチが赤ん坊を放り投げ、ジュディを棍棒で殴り倒し、その後も犬や医者、警官やワニなどを殴り倒し、死刑執行人を逆に縛り首にし、最後に悪魔を殴り倒すというのが大筋である。

残酷ながらもその荒唐無稽なドタバタ喜劇はイギリス国民の人気を集めており、夏の海岸やキャンプ場など人の多く集まる場所でよく演じられる他、毎年10月最初の日曜日に「パンチとジュディ・フェスティバル」がコヴェント・ガーデンで開かれている。

ja.wikipedia.org

謎の男性

第216話ラスト!!
海上遊園地を調査する坊ちゃんとセバスチャンを冷たく見つめる謎の男性が描かれました。

その感想の第一声はこちらでした。

正しく犯人の犯沢さんwwww
目線も相まって完全な黒ハゲ(っぽく見える)謎の人物が登場しました。

この犯沢さん(※通称)。
物凄く無個性に描かれているんです。

黒ハゲっぽいのは勿論の事、一番印象的だったのはそのでした。
犯沢さんの目が、いい意味で枢先生の絵柄っぽくないんです。

これだけこの人物を隠す理由は一体なんでしょうか。

私は、この犯沢さんは既出キャラである可能性が高いのではないかと感じました。

既出であるからこそ、これだけ隠す必要があるのではないかと感じたのです。

例えばモドリ・ヴラディス。
彼は新キャラでしたが新キャラの場合は顔を隠すことはありませんでした。

新キャラの場合、顔を隠したところでセバスチャンと同じ反応になるだけだからです。

読者もきっとこうなる:黒執事第215話「その執事、廃忘」より引用

つまり、顔をこれだけ隠している事こそが、この犯沢さんが既出キャラである事を示唆する伏線である可能性があるのです。

それこそ本家犯沢さんも、
実際コナンで既出した人物の身代わりですしね。

犯沢さんの疑惑

  • 既出キャラ
  • 男性
  • 坊ちゃんとセバスチャンを冷たく見つめる

以上の事から、私は現時点で考えられる犯沢さんの正体は、
坊ちゃん&セバスチャンと黒い因縁があるサーカス編のジョーカー=ポラリス様ではないかと考察します。

既出キャラ

当ブログではスフィア・ミュージックホールのポラリス様の正体はジョーカーではないかと考察してきました。

youtu.be
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ポラリス様は今まで原作内で度々登場しているにもかかわらず頑なに顔が隠されている点で犯沢さんと一致します。

モドリ・ヴラディスが初登場時、ポラリス様と似た描かれ方をしましたが、これはモドリ=ポラリス様と思わせる為のミスリードの可能性があります。

モドリ・ヴラディス:黒執事第214話「その執事、上昇」より引用

ポラリス様:黒執事26巻第127話「その執事、讃称」より引用

また、仮に犯沢さん=ジョーカーだった場合、服装が異なる事が気になる方がいるかもしれません。

仮にジョーカー=ポラリス様だった場合、F.O.L児童養護院でポラリス様を模倣しているクラスと思われるマスティフクラスを見てみると、ポラリス様は執事服を着ている可能性があるのです。

詳しい考察はこちら▼
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仮にジョーカーがドール同様本当に葬儀屋達によって蘇生されていた場合、彼はサーカス団に所属していない為、もう道化師の格好をする必要はない可能性が高いです。

その為、もしジョーカーが犯沢さんの様な格好をしていたとしても辻褄が合うと考えられます。

性別が男性

この犯沢さんは男性の格好をしています。
これはジョーカー、そしてポラリス様との共通項となります。

坊ちゃんとセバスチャンを冷たく見つめる

最後に考察したいのは犯沢さんの視線です。

無個性に描かれていますが、犯沢さんのその視線は決して友好的な印象は持ちません。

冷たく二人を見つめる犯沢さん。
しかし攻撃はしてこない。

ヴラディスの様に2人を問い詰めることもありませんでした。

これは

  • 2人がここに来ることを覚悟していた事
  • 二人に対して良い感情を持っていない事
  • 立場的に二人に手が出せない事

上記を表している可能性があります。

もし仮に犯沢さん=ポラリス様だった場合。

ポラリス様は兄シエルの下で働きつつも苦しんでいる存在です。

ファントムハイヴ家に対し復讐をしたくても出来ない。
そんながんじがらめな立場にいるポラリス様は、2人を冷たく見つめる事しかできなかったのかも、しれません。

まとめ

今回は、新たな伏線が数多く張られた、とても見応えのある回でした!

また実在する場所や作品が沢山出てきて、、枢先生がXで仰っていた通り、リアルなイギリスの空気を感じられるような一話だったと感じます。

ザ・ネクタルスプリングスホテル編に入ってから、新たなキャラクターも場所も増え、いよいよ面白くなってきました。

「不死の泉」とされるザ・ネクタルスプリングスホテルには一体どんな秘密が隠されているのでしょうか?

犯沢さんの正体も気になりますね!
近いうちに明かされるといいなあ。

気になるキャラクターが多すぎてどこを注目していいのか迷ってしまうほどです!!

来月の黒執事では、きっとまた新たに明かされる点も多いことでしょう。
続きを楽しみに待ちたいと思います!

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それではまた次の記事でお会いしましょう!

餅月