こんにちは!餅月です。
今日は「切り裂きジャック編(赤執事編)」におけるシエル・ファントムハイヴ双子説の重要な伏線の総まとめを書かせて頂きます!
黒執事の根幹を担うと言っても過言ではない超重要伏線、シエル・ファントムハイヴ双子説。
青の教団編で遂にその事実が明かされましたが、
実はこの伏線は黒執事2巻「切り裂きジャック編(赤執事編)」から既に張り巡らされていました。
今まで双子説はブログ内の記事に転々としてしまっており、
情報を整理しまとめた記事がありませんでした。
本誌長期休載中のこの貴重な期間を使い、
今回から双子説の解説を物語の章ごとにまとめた記事を書かせて頂く事にしました!
この記事が私と同じ黒執事ファンの読者の方にとって、
緑の魔女編を楽しむ際の予習&復習のお役に立てたとしたらこんなに嬉しいことはありません!
ブログランキング
沢山の応援ありがとうございます!
よければクリック↓で引き続き応援お願いします!✨
切り裂きジャック編(赤執事編)
コミック:2巻~3巻(第3話~第13話まで)
アニメ:切り裂きジャック「黒執事Ⅲ」(第4話~第6話まで)
「切り裂きジャック編(赤執事編)」双子説重要伏線総まとめ
連載当初は長期連載を予定していなかった黒執事。
その為、現在の黒執事にも関わる重要な伏線は、主に長期連載が決定してから開始となったこの「切り裂きジャック編」から始まっています。
連載して十年後に回収されたシエル・ファントムハイヴ双子説も同様に、この第2巻から始まる「切り裂きジャック編」から既に張り巡らされているのです。
考察の都合上これ以降「切り裂きジャック編」のネタバレを含みます。
まだ未読の方は是非原作を読んでからお楽しみください!
1. 葬儀屋(アンダーテイカー)の店にいた兄シエル
黒執事の長期連載が決まった切り裂きジャック編。
この章で初登場した重要キャラはとても多く、我らが葬儀屋(アンダーテイカー)もそのうちの1人です。
葬儀屋が初登場を果たしたのは黒執事2巻第6話「その執事、始動」。
文字通り、このお話から何もかも始動し始めたのです。
坊ちゃんとセバスチャンは、切り裂きジャック事件の情報を得るために裏社会の情報屋である葬儀屋の元を訪れます。
この時点で、なんと既に双子説の伏線が張られていた事を皆様はご存知でしょうか。
注目して頂きたいのは、
葬儀屋の店を訪れた際に「適当にかけて」と葬儀屋に促されて坊ちゃんが座った棺桶。
実は何と、この棺桶の中には葬儀屋によって蘇生措置を施されている裸の兄シエルが眠っていたのです。
このシーンは、コマ割りまで2巻の該当箇所を再現される形で描かれました。
2.墓の数
マダム・レッドとチェスをしながら談話する坊ちゃん。
その際、坊ちゃんはマダム・レッドから「裏社会に戻ってきたのは殺された家族の仇を討とうとしているからなのか」と聞かれました。
それに対して坊ちゃんは「そう思った事は一度もない」と明確に否定します。
その際描かれたお墓について。
こちらのお墓は、坊ちゃんの両親の墓の他にもう一つ、兄シエル分の合計3つ描かれている事が分かります。
余談:「ファントムハイヴを裏切った人間」とは
また、このシーンでもう一つ兄シエルの伏線と思われるものが存在します。
ここで坊ちゃんは裏社会に戻ったのは自分の為であり、ファントムハイヴを裏切り、穢した人間に僕と同じ屈辱と痛みを味わわせたいだけだと答えます。
ここで重要なポイントは、ファントムハイヴを裏切った人間は誰かという点です。
ファントムハイヴ家襲撃事件は、何度も繰り返し描かれているにも関わらずまだまだ謎が多い事件です。
この事件は、主に坊ちゃん視点で描かれることが多いです。
しかしこの事件の疑問点は、何度も描かれてる描写の中ではファントムハイヴ家襲撃事件の犯人像はおろか、裏切者による犯行だと明確に分かるシーンがただの一度も描かれたことが無いという点です。
それにも関わらず、現在の坊ちゃんが「裏切者がいる」と断定するのは違和感を感じます。
この違和感こそ、伏線である可能性があります。
これは、坊ちゃん視点で描かれる当初のファントムハイヴ家襲撃事件と、現在の坊ちゃんの間でまだ本作品内で描かれたことが無い「秘密」が隠されている可能性があります。
何故坊ちゃんはファントムハイヴ家を裏切った人間がいると断言できるのでしょうか?
女王の番犬として常日頃命を狙われている坊ちゃん。
ファントムハイヴ家襲撃事件がそんな外部の人間による犯行である可能性は、十分に考えられます。それにも関わらず何故現在の坊ちゃんは「裏切者がいる」と断言できるのでしょうか。
この謎は、2024年現在も明らかにされていない未回収の伏線です。
そしてこの伏線こそ、兄シエルがファントムハイヴ家襲撃事件に関わった裏切者である事を示唆している可能性があるのです。
兄シエルの秘密と、ファントムハイヴ家襲撃事件の関与の可能性については下記記事で詳しく考察しています。
www.under-taker.com
3.セバスチャンの走馬灯劇場
次に双子説の伏線があるのは黒執事3巻第10話、「その執事、回想」です。
切り裂きジャック事件の犯人である死神グレル・サトクリフと対峙したセバスチャン。
グレルのデスサイズに切り付けられた際、セバスチャンの走馬灯劇場が溢れるのですがその中にも双子説の伏線が含まれています。
それがこちら。
「輪は私が取り出しましょうか」
まず一つ目はコマの上部。
「輪は私が取り出しましょうか」というセリフ。
これは実際の台詞は「指輪は私が取り出しましょうか。」でした。
黒ミサで生贄の犠牲になった兄シエル。
その兄シエルの腹の中からファントムハイヴ家当主の指輪を取り出しましょうか、とセバスチャンが坊ちゃんに尋ねるシーンとして、黒執事27巻第139話「その執事、執刀」で満を持して、実に10年越しの伏線回収がなされました。
「僕の名前は」
セバスチャンの走馬灯の中で「僕の名前は」と坊っちゃんが言っているコマがあります。
これは黒執事27巻第138話「その執事、推敲」で描かれた、坊ちゃんが悪魔セバスチャンと契約を結ぶシーンです。
「僕の名前はシエル。シエル・ファントムハイヴ。」と、坊ちゃんが初めて嘘をつき、自分の名前を偽ります。
これに対し、坊ちゃんが嘘をついている事を理解しているセバスチャンは「なるほど、よいでしょう」と答えます。
この時から坊ちゃんは兄であるシエルに成り代わったのでした。
4.「可愛い甥っ子『達』」
グレルと共に切り裂きジャック事件の共犯だったマダム・レッド。
番犬VS切り裂きジャックとして坊ちゃんと対峙しますが、マダムは情を捨てきれず坊ちゃんを殺すことが出来ませんでした。
そんなマダムに見切りをつけたグレルは、マダム・レッドをデスサイズで殺害します。
その際に描かれたマダム・レッドの走馬灯の中にも、双子説の伏線が隠されていました。
絵の中では甥っ子であるシエルは一人しか描かれていませんが、甥っ子達とある事から甥っ子は実は複数いる事の伏線となっています。
黒執事の中で、特に双子説の伏線が隠される際このように「達」と複数形で描かれることが良くあります。
今回の場合は「甥っ子達」と描く中にシエルの父や母も含まれたような画角になっており、次に「私の大好きな人達」と繋ぐ事で、「甥っ子達」の達の意味を濁すテクニックがなされています。
5.「よかった、あなただけでも無事で」
次にこちらは少々残酷な伏線です。
マダム・レッドの過去回想の中で、坊ちゃんがファントムハイヴ家に帰還したシーンが描かれます。
その際マダムはこう言います。
「よかった…っ。あなただけでも無事で…。」
これは一見、ファントムハイヴ家が全滅した中でシエル「だけ」でも無事でよかったというセリフに聞こえます。
しかしそれこそがミスリードなのです。
この直前、子供の死体は見つからず、甥っ子は行方不明と書かれています。
つまりこの台詞は、「行方不明だった甥っ子達の中で、貴方だけでも無事でよかった」という意味が真意となります。
「シエルだけでも無事でよかった。」
しかし実際この台詞を聞いている子供はシエルに成り代わった弟の坊ちゃんです。
この台詞を聞いた時の坊ちゃんの気持ちはーーー…
私などにはとても言葉では言い表せない程です。
「シエル」を「肉親」と言い換える坊ちゃん
最後の双子説伏線です。
切り裂きジャック事件の最後、坊ちゃんはこのように発言しました。
坊ちゃん
「マダムには僕(シエル)を…肉親を殺すことは出来ない。そう思ったんだ」
ここで坊ちゃんがシエルを肉親と言い換えたのは双子説の伏線です。
マダムが殺そうとしたのはシエルです。
しかし実際殺されそうになったのはシエルではなく、同じ肉親ではあるものの成り代わったシエルの弟の坊ちゃんです。
その為、坊ちゃんはこのように言い換えたと思われます。
番外編:黒執事3巻第14話「その執事、狩猟」
さて、最後にオマケです。
切り裂きジャック事件編完結後、黒執事3巻第14話「その執事、狩猟」は次の黄執事編を前にした番外編のお話となっています。
内容は坊ちゃんが誕生日にミッドフォード侯爵夫人と狩りの対決をするというもの。
生き生きと狩りをする坊ちゃんをみて、見学中の従妹のエリザベスが話す一言にもまた、双子説の伏線が含まれています。
それがこちら。
アン叔母様とはマダム・レッドの事です。
マダムの回想内で、本物のシエルと遊んでいたのはエリザベスだったので、この「一番可愛がっていたのは」というセリフは一見エリザベスとシエルだけを比べる形に見えます。
しかし、実際この台詞の真意はこの二人のみならず、体が弱くて遊ぶことが出来ずシエル、エリザベス、マダム・レッド、レイチェル(シエルの母)を屋敷から見下ろしていた弟の坊ちゃんの事も含まれていた、そんな伏線となっています。
まとめ
今回は考察の原点に立ち返り、双子説総まとめ記事第一弾を書かせて頂きました。
如何でしたでしょうか。
双子説が明らかになってから改めて黒執事を読んでみると、その伏線の多さに驚かれる方も多いのではないでしょうか。
双子説が明らかになってからでないと分からない形の伏線や、双子説が明らかになる前から気づけそうなものなど、様々な形の伏線が黒執事には存在します。
しかし改めて記事にしてみると、双子説の伏線の裏には常に坊ちゃんの次男としての苦悩が寄り添い続けていると感じました。
今回の中で上げるとすれば、生還を果たした坊ちゃんに向けられたマダムの「あなただけでも無事でよかった」…。この台詞が個人的には一番胸に突き刺さりました。
決して悪気はなく、むしろ優しさに溢れていたはずの思いやりあるマダムの言葉。
この言葉一つをとっても、次男である坊ちゃんが無自覚であったとしても、どれほど傷ついたか想像もできない程です。
双子説、そして坊ちゃんの次男としての苦しみは、
坊ちゃんを重度の小児喘息にしてしまうほど坊ちゃんを苦しめていた可能性があるとても重要な伏線箇所です。
次回は黄執事編(逆さ吊り事件編)の双子説考察まとめ記事を書かせて頂こうと思っています。
皆様も是非、この長期休載中の機会に新たな伏線を探しに黒執事を今一度読み返してみるのはいかがでしょうか。
クリックでのブログ応援、大変励みになっています!
↓よければ引き続き応援お願いします!✨
それではまた次の記事でお会いしましょう!
餅月