こんにちは!餅月です。
『黒執事』最新話第196話「その執事、連想」Gファンタジ―2023年2月号の考察をしていきたいと思います。
今回の黒執事は話の終盤で非常に大きな展開がありました。
じわじわと緊迫の色が強くなる黒執事の世界。
今回も順番に考察を進めていきたいと思います。
前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
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第196話の初見読みライブ配信はこちらです。
毎月18日のGファンタジー発売日に、
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「読みたいけど超展開が怖い!」という親愛なる同士の皆様!
同じファン仲間同士で叫びながら同時読みしてみませんか。
黒執事、みんなで読めば怖くない!!(…多分!)
もし葬儀屋さん(※私の推し)が突然出た暁には、管理人が突然叫ぶ可能性がありますが、生暖かく見守って頂けると嬉しいです。
- Gファン初見読みライブ配信
- あらすじ:黒執事第196話「その執事、連想」Gファンタジー2023年2月号
- 第196話伏線回収箇所(考察的中箇所)
- 第196話:重要箇所
- 枢先生の巻末コメント
- 葬儀屋ヲタの叫び(感想)
- 考察
- ドールの正体はビザールドール
- 疑問点:ドールの言う「みんな」と「あいつら」とは誰のことを指すのか
- 新キャラクター:テオ(テオドア)
- 馬丁
- コーギークラスの乗馬
- 施設職員について
- まとめ
あらすじ:黒執事第196話「その執事、連想」Gファンタジー2023年2月号
※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。
扉絵:レモンケーキとレモンタルトに囲まれて首をかしげるスネーク
どっちもお菓子でどっちもケーキで違うお菓子で???
アフタヌーンティーの菓子変更を、ことさら重要なことととらえる児童養護院の職員達。
・菓子の変更を「そのくらい」と言った事について謝罪するスネーク
・ドールは「わかってくれりゃいいんだ」と言って微笑み、次は厩を案内した。
・スネークは「乗馬も教えてもらえるなんてまるで貴族ね」という
・ドールは「ちょうど馬丁のジョニーが手伝いを欲しがっていた」という
・厩では、コーギークラスの女の子が馬に乗りたくないと叫んでいた。職員はコーギークラスは乗馬の適性が必須だとなだめるもいう事を聞かない。
・そこに現れたのはポメラニアンクラスの男の子テオ(テオドア)だった。
・上手くなだめたテオ。職員曰く、テオは他にも授業を抜け出した子供を見つけだしたり偏食家の子供にきちんと食事をとらせたりなど、子供たちを指導することがうまい子供だという。
・テオは「きょうだいの面倒を見るのは長男の務めだろ。先月ロニーが『巣立ちの日』を迎えて今は僕が最年長だ。当たり前のことをしてるだけさ」という
・フィニとスネークはドールに「オレのダチ!」とテオに対し紹介される。それに対しテオは意味深に「へえ。ドールの…。」と呟き、すれ違いざまにフィニアンに「綺麗な上流階級英語ですね。」とささやいた。
・フィニはそんな様子を見て「誰かに似てる気がする」と感じる
・次の場所へ案内しようとしたドールだが、突如視界が歪み倒れてしまう。
・顔を見せないようにしながらスネークたちと距離を取るドール。ドールは「みんな待っててくれ。必ずあいつらを地獄(そっち)に送るから」と呟く。その顔と手には兄シエルと同じビザールドール特有の血管が浮き出ていた。
急変したドールの体調。不穏な発言の真意は?
第196話終了ーー
第196話伏線回収箇所(考察的中箇所)
・ドールの正体はビザールドール(肉人形)だった
第196話:重要箇所
今回の第196話で特に重要な箇所について箇条書きでまとめます。
過去の考察記事も踏まえ、
こちらの的中箇所を中心に、順番に考察を進めていきたいと思います!
- 馬丁というワード
- 新キャラクターポメラニアンクラスのテオドアについて
- ドールの言う「みんな」と「あいつら」とは誰のことを指すのか
枢先生の巻末コメント
新年あけましておめでとうございます。今年も大病せず健康に仕事したいです。
先生もスタッフの皆様も、どうぞお体に気をつけてご無理をなさらずお過ごしいただきたいです。
今年も素敵な物語をドキドキしながら楽しみにしています!
葬儀屋ヲタの叫び(感想)
いやーーーー今回は新キャラも登場し盛り沢山でした!
しかし何より印象的だったのはやはり最後のコマではないでしょうか。
「うわーーっ!ついにきたか!」と感じさせられる非常に印象的な一コマでした。
見た目だけでなく、内面のドールの変わりようにゾクッとしてしまいました。
ドールは、あれだけの殺意を隠してスネークたちと向き合っていたんですね。サーカス編のころのドールは嘘が苦手なイメージがありましたが、現在のドールはどうやらあの頃のドールとは明らかに違うように感じます。
F.O.L児童養護院編は水面下でじわじわと恐ろしい方向に動き出しているように感じます。
それでは考察に移っていきたいと思います‥!
考察
ドールの正体はビザールドール
まずは、今回の第196話の中で最重要と思われる伏線回収箇所について考察をしていきたいと思います。
今回の第196話でドールの体調が急変し、その体にはビザールドール特有のグロテスクな血管が浮き上がりました。
その他にもドールが倒れた様子には、同じくビザールドールである兄シエルが倒れた時との共通点も垣間見えました。
この事から、原作内ではまだ明言はされていないものの、ドールが普通の生きた人間ではなく、葬儀屋達によって死者蘇生されたビザールドールであることはほぼ確定と言えるかと思われます。
当ブログでは児童養護院編が始まる前からドールが再登場する可能性と、再登場した場合にドールはビザールドールになっている可能性について考察をしてきました。
こちらの的中〇が、ほぼ確定となりました!
↓ドールの正体がビザールドールではないかと考察した初めの記事はこちら
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ドール=ビザールドール説について、当ブログでいつから考察をしていたのか調べてみたところ、一番古い記事でなんと6年前(2017年)の記事が出てきました…!
6年越しの的中は嬉しすぎます。6年前から、そしてサーカス編から遡ればもっとはるか昔から伏線が張られていたことになります。
本当に黒執事は凄い作品だと改めて感じました…。
ドールの正体についての考察は、下記記事が一番最新で分かりやすくまとめてあります。
ビザールドール説の他にも、今後もしかすると明かされるかもしれないもう一つのドールの正体についても考察しています。未読の方は良ければ是非読んでみて下さい!
www.under-taker.com
ドールの正体がビザールドールなのはほぼ確ですが、念の為そう考える理由としてドールと兄シエルの共通点の面から根拠をまとめておきたいと思います。
1.視界が歪む
ビザールドールの最大の特徴は、輸血が無いと動けなくなってしまう体であることです。
葬儀屋は、原作内でそれを「時間切れ」と表現しています。
ビザールドールと確定している兄シエルの様子から見てみると、輸血が必要になった場合視界が歪むことから体の異変が始まることが分かります。
そして今回、ドールもまた倒れる際に体の不調は視界のゆがみから始まっていることが分かります。
この様子はビザールドールである兄シエルが「時間切れ」を迎えた時の様子と酷似しています。
このことから、この表現はビザールドールである兄シエルとドールの共通点の内の一つとして考えられます。
2.体に浮き出る血管
:黒執事第149話「その執事、鳩合」より引用
次にビザールドールの特徴として上げられるのは体に浮き出る血管です。
このグロテスクな血管の描写は、兄シエルがまだシリウス様としてのみ登場していた頃から、手のみ描かれる際から既に存在した特徴でした。
現在のビザールドールは進化が進んでおり、見た目を含め生者とほとんど区別が無いことが分かります。
しかし、これは輸血が間に合っている時に限ります。
しかし輸血が必要な状態になるとビザールドールは「時間切れ」を迎え、途端に体中にこの血管が浮き出てしまうことが分かります。
今回ドールの全身に突如として現れた血管は正しくこのビザールドールの特徴に当てはまるものだと考えられます。
参考までに兄シエルと比べてみたいと思います。
このように、かなり酷似していることが分かります。
原作の中では、ドールはまだ「体調が急変した」としか言及されていません。
しかしこのように複数個所ビザールドールである兄シエルと共通点があることから、今回のドールの体調不良はドールの正体がビザールドールである可能性を表していることはほぼ間違いないのではないかと私は感じています。
疑問点:ドールの言う「みんな」と「あいつら」とは誰のことを指すのか
次に、ドールの台詞について考察をしていきたいと思います。
この台詞については、まだ確定できるほどヒントが無い為、あくまで問題提起としての考察になります。
今回、第196話ではドールが非常に重要と思われる台詞を発言しました。
それがこちらです。
ドール「みんな‥‥待っててくれ。必ずあいつらを地獄(そっち)に送るから。」
黒執事第196話「その執事、連想」
児童養護院編で、初めてドールの本心が赤裸々に語られたシーンです。
この台詞からも、ドールは誰かに対して猛烈な恨みと殺意を持っていることが分かります。
これは一体だれに対して向けられた言葉なのでしょうか?
具体的に考察していきたいと思います。
「みんな」と「あいつら」
まずは、この台詞から確実にわかることを順番に考えていきたいと思います。
ドールの台詞では、「みんな」と「あいつら」という言葉が使われています。
ここから確実にわかることは、対象人物はどちらも複数形であるということです。
「みんな」と言っていることから、ドールは複数人数に対してこの台詞を言っていることになります。
また、「地獄に送る」という言葉のルビに「地獄(そっち)」と付いていることから、この台詞は既に亡くなった人物たちに対して語られていることが分かります。
次に、殺意の対象者についても「あいつら」と言っていることから、殺したい人物は複数人いることが分かります。
ではこの「みんな」と「あいつら」とは一体誰のことを指すのでしょうか?
黒執事の中では度々このように主語がぼかされることがあります。
このような場合、主語にミスリードが含まれることがよくある為、思い込みで考察を進めるとミスリードにハマってしまうことがあり少々危険です。
なので、今回はあくまで仮説として受け取って頂けますと幸いです。
仮説:「みんな」=サーカス団員か?
ドールが復讐を誓う、既に亡くなった複数人数の人達と言えば、やはりサーカス編で命を落としたサーカス団員の一軍メンバーである可能性が現段階の中では一番つじつまが合いそうだなと感じています。
また、彼らが天国ではなく地獄にいるという前提で話しているということも、子供を攫って殺害していたサーカス団の悪事を踏まえての発言なのかもしれません。
※ちなみにこの中には例外としてジョーカーのみ含まれていない可能性があります。理由はジョーカーもまた葬儀屋に蘇生されている可能性があるからです。詳しくは下記記事で考察をしています。
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命を落としたサーカス団員達がドールにとっては大切な仲間であったことは間違いなのですが、それでも彼らが天国にいるという前提ではない発言は、胸に来るものがあります。
自分達がしていた悪事と罪を理解した上で、なおそれでも仲間を大切に思い、弔うために復讐を誓っているのかもしれません。
罪を認識している分、非常に苦しい葛藤がドールの中にもあるのではないでしょうか。
また、地獄というワードも少々気になりました。
といいますのも、ドールは一度死んでいる筈だからです。
いままで黒執事の中では、死後の世界としては死神派遣協会しか描かれたことがありません。
死神という形ではなく、文字通りいびつな形で生還を果たしたドールは死後の世界(文字通り地獄)を見たのでしょうか?
この「地獄」というワードに深い意味があるかはまだ分かりません。しかし一度死んだことがあるであろうドールの発言だからこそ、この「地獄」というワードはただの比喩以上の説得力があるように感じました。
仮説:「あいつら」=セバスチャン&坊ちゃん&使用人たちか?
次に、ドールの殺意の対象について考察をしていきたいと思います。
ドールが殺したい人物は「あいつら」と言っていることから複数人いることが確定しています。
もし仮に先ほど言及した「みんな」がサーカス団員達のことを表していた場合、必然的に「あいつら」は、サーカス団員を殺したセバスチャン、坊ちゃん、フィニアン、バルド、メイリン、タナカさんの事を指していると考えるのが、現段階では一番自然なように感じます。
過去にドールが明白な殺意を持ったシーンは一瞬のみであり、それはドール自身が死ぬ直前でした。
ドールは、セバスチャンの口によりサーカス団員が殺されたことを知り、激昂しました。
また、この時のドールの表情と今回の第196話ラストで描かれた殺意を隠していないドールの表情が酷似していることも、殺意が同一人物に向けられていることの伏線と言えるのかもしれません。
現段階では、私はこの可能性が一番高いのではないかと感じています。
しかしそれと同時にこのドールの発言には一つ大きな疑問点が残ります。
坊ちゃんへの殺意を葬儀屋と兄シエルが容認するのか?
ドールの殺意が仮にセバスチャンや坊ちゃんを中心に向けられていた場合、大きな疑問が残ります。
それは、坊ちゃんを何よりも大切に思っている筈の葬儀屋と兄シエルがこれを容認するわけがないという点です。
スフィア・ミュージックホールでも歌われていた通り、葬儀屋側の目的は、「全ては蒼き星(シリウス=双子)の為」である可能性が非常に高いです。
となると、これらの死者蘇生の研究、そして輸血技術の大成、児童養護施設の存在意義は、元を辿れば兄シエルと坊ちゃんの為にあるものである可能性があります。
そうなると、ドールの殺意はこれらの目的とは全く相反するものになることが分かります。
もし仮にこの説が正しかった場合、2つの可能性が考えられます。
- 葬儀屋や兄シエルに対し、坊ちゃんを殺したいという殺意を一切見せていない可能性
- 葬儀屋や兄シエルは、ドールの殺意を理解した上で利用している可能性
あくまで根拠が薄い予想ではありますが、現段階では、私は後者の可能性が高いのではないかと感じています。
葬儀屋はドールの走馬灯劇場を見ている筈ですし、何よりドールが殺される現場を目撃しています。
それでいてドールの坊ちゃんたちへの殺意に気付けなかったとはちょっと考えにくいのではないかなと感じています。
葬儀屋と兄シエルは、ドールの坊ちゃんに対する(下手すれば双子である兄シエルに対しても飛び火しかねない)殺意を理解した上で、手綱を握れると判断して泳がせているようにどうも感じていしまいます。兄シエルと葬儀屋ならやりかねない・・・。
サーカス編当時の葬儀屋はまだ死者蘇生の研究段階であったことから、優秀な未来への願望を持つ死体を探している状況でした。
その為、このドールが持つ坊ちゃんへの並々ならない殺意を優秀な素材とみなし、蘇生を行った可能性があります。
※詳しくはこちらで言及しています。
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しかし、実験が成功しても尚、現在まで危険因子であるドールを貴重な血液を使って活かし続けていることにはまだ謎が残ります。
この点についてはまだヒントが一切与えられていないため現段階では考察が出来ません。
何故現在もドールを生かし続けているのでしょうか?
何よりドールはただのビザールドールではなく、ポラリス様の内の1人である可能性が出ています。
何故こんな危険因子のドールをポラリス様という高い立場にあえて置いているのかも疑問です。
現段階ではただ単にドールとジョーカーが強いから、や、古株であり因縁があるから、もしくは以前予想考察した通り、ジョーカーというコマを使う為にドールの蘇生を行い人質のような形をとっているからなどの理由しかパッとは思い浮かびません。
ここについては今後黒執事の物語が進めばより明らかになりそうです。
いよいよ、お星さま方が何を意味する人物たちなのかについても話が触れてきそうな予感ですね。
新キャラクター:テオ(テオドア)
さて、次に第196話で登場した新キャラクターについて言及していきたいと思います。
今回、児童養護院の特別クラスであるポメラニアンクラスの男の子でテオドアというキャラクターが登場しました。
現在施設内で最年長であるという彼は、他の子供たちと違い何かこの施設についてより深く知っているかのような意味深な振る舞いを見せました。
また、編集者であるクマさんがこのように発言していることからも、このテオというキャラクターは今後重要なポジションになる可能性があります。
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— クマ🐉🎓 (@takekumax) January 17, 2023
#黒執事 196話掲載。スネークとフィニが、奇妙な教育方針の児童養護院に潜入🍰
物語の鍵を握る、聡明なエリート少年新キャラ現る⁉︎ pic.twitter.com/Jmh6LVS72A
第194話で初めてポメラニアンクラスが紹介された際に描かれた子がテオと酷似している為、恐らく同一人物かな?と思われます。(ちょっと雰囲気が違うようにも見えるので確証は持てませんが…)
テオについては、テオの発言から新たに分かった施設の事と、テオ自身についての伏線この二つが大きく描かれましたので順番に整理していきたいと思います。
テオの発言から新たに分かった施設の事
『巣立ちの日』
テオの発言から、先月ロニーという最年長の子供が巣立ちをしたことが分かりました。
第192話で施設の職員が言っていた里子に出た子供のことを指していると思われます。
つまり、里子=巣立ちの日を指している可能性があります。
しかし、シリウス型の血液のみの特別な子供たちの中で、ましてや兄シエルに酷似した子供になるように教育されている大切な子供がただ里子に出るわけはありません。
兄シエルの生命維持に直結するような重要な子供であることは間違いないので、まず殺されていることはないと思われます。
ではこの子供は一体何処に行ったのでしょうか?
テオの発言からもわかる通り、最年長の子供が巣立ったという事から年齢にも意味合いがあるのかもしれません。
現段階では兄シエルへのより直接的な輸血提供の為に場所を移動したのではと感じてしまいますが、今後の情報を待ちたいと思います。
テオ自身についての伏線
次にテオ本人についての考察をしていきたいと思います。
まずは外見やキャラクターについてです。
結論から申し上げますと、テオというキャラクターは見た目も中身も非常に兄シエルに似たキャラクターとなっていることが分かります。
- 兄シエルの服装と全く同じポメラニアンクラスの制服を着ている
- 長男の務めという、兄シエルと似たセリフを言う
- 施設内最年長の子供であり責任感がある
- ファントムハイヴ家の双子が幼い頃に読んだフィニアンの本を読み、ラテン語を勉強している
- 大人よりも子供を説得することが得意であり、文字通り兄的存在である
これらが全て、兄シエルとの共通点として上げられます。
この中で最も印象的なのは、やはり「長男の務め」というセリフではないでしょうか。
ファントムハイヴ家襲撃事件当日、兄シエルもまた長男としての役割の責任を語る印象的なセリフがありました。テオの発言に、この時の兄シエルを思い出した方は少なくないのではないかと思います。
フィニアン「誰かに似てる気がする」
こんなテオを見て、フィニは「誰かに似てる気がする」と感じました。
これはまず間違いなく兄シエル、そして坊ちゃんの事を指していると思われます。
私達読者からしてみると「いや、誰かに似てるじゃなくて、どう見ても兄シエルでしょ!」となる為、一見フィニがとても鈍感なように見えます。
しかし、ここでフィニが「似てる!」と明言しない事には大きな意図が含まれているのかもしれません。
と言いますのも、フィニは兄シエルが坊ちゃんのフリをしてファントムハイヴ家本邸に舞い戻った際、使用人ズの中で唯一兄シエルが坊ちゃんではないという違和感を感じていたキャラだからです。
つまり、フィニは両親さえ見分けることが難しいほど似ている双子をある意味見極められていたことになります。
それだけ繊細に感じ取れるフィニアンが、これだけ外見で似ているテオを見て兄シエルと似ていると明言しない事は単純に考えれば矛盾とも捉えてしまいそうなほどちぐはぐに感じます。
つまり、フィニがここで敢えてテオが兄シエルに似ていると明言しない事には何らかの意味合いが含まれている可能性があります。
見た目で判断しないフィニアン
兄シエルと坊っちゃんの違いに気づいたフィニから考察をしていきます。
周りの人間が双子を見分けられないのに対し、何故フィニアンだけがその違和感に気付いたのでしょうか?
それは、フィニアンが双子を見た目だけで判断していないという点に集約されている可能性があります。
フィニは、兄が坊ちゃんと別人であると気づいた際、「何か違うと思った」と発言しています。
この「何か」が何を表すのかはまだ明らかになっていません。
しかし重要なのは、この違和感を感じた際、フィニアンの瞳がフィニアンの能力を開放する際の色に変わっていることを上げることが出来ます。
フィニアンの瞳がこのように描かれるのは、怪力を使ったり足を速くしたりなど、人体実験の結果与えられた人並外れた力を開放する時です。
つまり、フィニアンは双子が入れ替わっていることに気付いたとき、この何らかの特殊能力を持ってこの違和感に気付いた可能性があります。
兄シエルと坊っちゃんほどそっくりな双子の違和感に気付けるほどの繊細なセンサーを持つであろうフィニアンにとっては、私たちの目から見ればそっくりに見えるテオも、まだ「誰かに似ている気がする」程度の似具合であるという事をもしかすると表しているのかもしれません。
もしそうだとしたら、テオという存在は見た目も中身も人工的に限りなく双子に寄せられただけの全くの別人のままであるということになります。となると、テオはより不気味な存在になるように感じます。
また、このフィニアンの人の内面を見抜く特殊能力は、今後もしかすると黒執事の物語の中で直接触れられることもあるのかもしれませんね。
ドールについて何か知っていそうなテオ
次に、テオの立場についてです。
児童養護院の中で現在最年長であるテオですが、他の子供たちよりもより深く施設の秘密について知っているキャラクターである可能性を示唆するような伏線が垣間見えました。
順番に説明していきたいと思います。
「ドールの友達」に意味深な反応をするテオ
まず、フィニアンとスネークを紹介された際、テオは意味深な反応を見せました。
知っての通り、ドールは児童養護院の中では異質かつ重要なキャラクターです。
私たちは読者であるためその事実を知っていますが、テオがこのような反応を示すということは、テオもまたドールの正体について何かしら他の子供たちより深く知っている可能性があります。
このシーンで、テオは手元にフィニアンの本を抱えています。(フィニ自身もそれに気づいていました。)
これは現段階ではあくまで予想ですが、
フィニがフィニアンを名乗った事、そしてドールの友達であるという事から、フィニとスネークが児童養護院に対して重要な働きかけをする人物であることに、この瞬間にテオは勘づいた可能性があります。
勘づいておきながら言及せず、あえて泳がせるような姿勢もまた非常に兄シエルや坊ちゃんに似ています。
また、テオは別れ際すれ違いざまにフィニアンにこのように話しかけます。
テオ「綺麗な上流階級英語ですね。」
黒執事第196話「その執事、連想」より引用
この時のテオの表情…!!
微笑みつつも意地悪い含みを見せる、美しい微笑みです。
表向きは相手の英語を褒めつつも、この言葉の真意は間違いなく「お前はただの孤児じゃないことに僕は気づいているぞ」という嫌味を込めたけん制でしょう。このやり方も双子に似てますね~
そういわれた後に、焦るわけでもなく「誰かに似てる気がする」で済ませて受け取らないフィニアンの姿勢はちょっとスカッとジャパンっぽいです笑テオの嫌味、届かなかった…www
既にテオにはだいぶ怪しまれてしまっているフィニアン。
これから一体どうなるのでしょうか?
疑問点:テオの目的は
最後に疑問点です。
今回のお話で、テオは非常に頭がいいキャラクターであることが分かりました。
以前言及した通り、双子に似た子供を育てるということは必然的に学を身につけることに繋がります。
となると必然的に、テオの様に双子同様頭がキレる子供が出来上がることが分かります。
以前から、私は利用する子供を育てる上で、その子供に学を身に付けさせることはある種反乱しやすくなるような危険もはらんでいるのではないかと感じました。
今回のお話を踏まえ、これだけ頭がキレるテオが果たしてどのような心境でこの施設にとどまっているのかを非常に興味深く思いました。
この施設の、特にポメラニアンクラスの子供たちは待遇はいいはずです。
それは一時的なものかもしれませんが、兄シエルへの直接的輸血提供者である場合、その待遇は一生続く可能性もあるかもしれません。
しかしそれでもこの施設にいる限り、ここにいる子供たちは搾取される側であることもまた恐らく間違いないかと思われます。
その事実を踏まえ、テオは約ネバの様にこの施設から逃げ出すことを考えているのか。それともこの施設にいる事のメリットを取り意図的に留まるつもりなのか。
聡明な彼がどのようなことを考えているのかが非常に興味深いなと感じました。
これはあくまで私の考えですが、とはいえこの世の中はある種ただ仕事をするだけでもそれは一種の搾取であるため、そう考えると孤児である彼らの場合はこのまま施設にとどまっていた方がメリットがあるような気が現段階ではしています。(恐らく殺される可能性もかなり低いと思われますし…)
ただこの可能性は低そうですが、もし万が一、彼がこの施設で搾取されることを拒んだ場合は坊ちゃん側と利害が一致して味方になる可能性もまだ否定はできないかもしれません。(前回のアテナ退役軍人療養所編がその形だったので可能性はあまり高くなさそうに感じますが…。)
馬丁
さて、メインの考察は終了です。
最後にいくつか気になったポイントをまとめておきたいと思います。
まず一つ目が「馬丁」というワードについてです。
今回の第196話で馬丁というワードがでましたが、黒執事の中で馬丁は重要な意味合いが隠されている可能性がある為言及しておきたいと思います。
黒執事に登場する馬丁。
それは女王の馬丁ジョン・ブラウンです。
ジョン・ブラウンは実在したヴィクトリア女王の馬丁です。
また、黒執事の世界の中でのジョン・ブラウンは死神である可能性がある為、非常に重要なキャラクターとなっています。
そのような今後重要な意味合いの立場になるであろう馬丁というワードが今回登場した為、念の為記載しておきたいと思います。(恐らく直接黒執事の物語の中で大きく関わることはないと思いますが…w)
ジョン・ブラウンについては下記記事で詳しく考察をしています。
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コーギークラスの乗馬
こちらは問題提起です。
今回、コーギークラスでは乗馬の適性が必須であることが明らかになりました。
ポメラニアンクラスやマスティフクラスを見る限り、それぞれのクラスには何かしらのモデルの人物がある程度イメージされている可能性があります。
※ポメラニアンは兄シエル&坊ちゃん、マスティフはセバスチャンなど。
その中で、具体的な模倣したい人物像がいまいちピンとこないのが、コーギークラスとコリークラスです。
服装的にはコーギークラスがフィニアンっぽく、コリークラスがメイリンっぽい気がする、程度の雰囲気となっています。
そんな中で何故コーギークラスが乗馬が必須なのか、何故ここまで重要視されているかが疑問点として残ります。
以前から言及している通り、この児童養護施設の目的が兄シエルを取り巻く使用人たち丸ごとをシリウス型の人間で埋め尽くす計画だった場合、単純に兄シエルや坊ちゃんの周りにいた使用人たちの雰囲気を何となく程度に模倣し、あくまで使用人として必要な技術として乗馬をあてがっているだけの可能性もあります。
こちらはまだ全く分からないため、問題提起のメモとして残させて頂きます。
施設職員について
また、施設の職員についても2点気になる点がありました。
それは、ブーツとドールについてです。
ブーツ
コーギークラスの子供をなだめている女性職員ですが、メイド服のような服の下に編み上げブーツを履いていることが分かります。
これはメイリンとの共通点として上げることが出来るポイントです。
このように、施設職員のブーツとメイリンのブーツがほぼ全く同じものであることが分かります。
何故この点について言及するかと言いますと、ヒースフィールド男爵邸にメイリンが潜入していた際、メイドのジェーンによって編み上げブーツがわざわざ言及されていたからです。
メイリンのブーツは1ページ丸ごと使って言及されていました。
それだけメイリンのブーツはメイドとしてはイレギュラーなものであることが分かります。
また、ヒースフィールド男爵邸編ではメイドが勢ぞろいするシーンがありましたが、その中でもメイリンの靴のみ、明らかにヒールが無いブーツタイプで区別して描かれていました。
今回のF.O.L児童養護院は制服が厳守されており、またそれらは何かしらのモデルを模倣している可能性が出てきています。
その中で、原作の中でこれだけ区別して描かれたメイリンのブーツと酷似したブーツを職員女性が履いていることは、坊ちゃんが生活していた環境を模倣する意味合いがもしかすると含まれているのかもしれません。
職員はドールのビザールドールとしての正体を知っているのか
また施設職員についてもう一つ言及しておきたいことがあります。
それは施設職員がドールの正体について何らか知っている可能性があるという点です。
普通は、ドールが倒れた場合スネークの様に大丈夫か!?と思わず助けに向かうのが自然なように感じます。
しかし近くにいた施設職員はドールにそのような伺いを立てることはなく、厳しい表情のままドールの指示に従い速やかにフィニアンとスネークをドールの傍から引き離しました。
これはドールがビザールドールであるという事を知っていて、かつこの二人に隠す必要がある場合は非常に適切な対応であることが分かります。
ドールが倒れた際、施設職員は焦ったような反応は見せましたが助けようとはしませんでした。
それはドールを助けるためにはこの場で出来ることは何もなく、輸血が必要だと分かっていたからだとしたらつじつまが合うように感じます。
もしこの事実を施設職員が知っていた場合、F.O.L児童養護施設は職員自身が自分たちが実際に何に携わっているのかという意識レベルも含めて、いよいよ今まで潜入してきたどの施設よりも重要な根幹により近い施設と言えるのかもしれません。
ちなみに余談ではありますが、テオもまたドールが特別な人物であることに感づいている様子でした。テオも施設職員に負けず劣らず、もしかするとこの施設の本当の目的を知っている人物なのかもしれません。
まとめ
今回の話では非常に大きな伏線回収と新たな伏線が散りばめられた回でした!
ドールの本性も徐々に露わになりつつあり、じわじわと水面下で緊張感が高まっているように感じます。
ドールの本心は、やはりセバスチャンに殺された時のままだったんですね…。あまりにも生き生きとしてたドールの様子に「もしかして殺意は消えたのだろうか」とうっかり本気で騙されてしまうほどでした。
しかし演技と言えば、今回フィニアンが過去一に頑張っていますね…!!
空気を読む系が苦手なはずのフィニアンですが、ドールの危険性に気付き、スネークに頼れないと分かった今、物凄く頑張っています。
フィニアンやスネークをある程度敵だと認識しておきながらも泳がせるF.O.L児童養護院施設の余裕さが不気味です。
ドールのビザールドールとしての正体がほぼほぼ明かされた今、徐々に物語は加速していくのではないでしょうか。
来月号もかたずをのんで見守りたいと思います。
餅月