黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】ネタバレ第183話「その執事、消亡」/バルドを変えた「一本の矢」。

こんにちは、餅月です!
『黒執事』最新話第183話「その執事、消亡」Gファンタジ―2022年1月号の考察をしていきたいと思います。



その前に!今回のGファンタジーで
新しいお知らせがありました!

複製原画に新しい絵柄が2種類追加決定

現在福岡で開催中の黒執事展。
来年の2月から開催される宮城会場から、
枢先生のサイン入り複製原画に新規絵柄が2種類登場するそうです!

絵柄は「ナイフ」と「ボールルーム」。

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枢やな複製原画に新規絵2種登場:Gファンタジー2022年1月号より引用

黒執事展:新潟、愛知で開催決定

また2022年の春に新潟で、夏に愛知黒執事展が開催されることも決定したそうです!!
おめでとうございます!!

その他、黒執事オーケストラについても新着情報が多数あるのですがこちらにはグッズに考察要素がありましたので、後ほど別記事にさせて頂きます!

それでは本編に移りたいと思います!

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
www.under-taker.com


あらすじ:黒執事第182話「その執事、消亡」Gファンタジー2022年1月号

※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。

扉絵:幸せそうなバルド一家。その絵は四方が焼け焦げている育み繋いでいく郷里と笑顔…。
平穏なバルドの村に異変が…?

・時は更に過去に遡る
・元来は友好的なインディアンだったが、入植者が増えたことにより食い扶持を減らされていることから入植者を襲うようになっており、村では会議が開かれていた。バルドも出席している。
・「銃を仕入れて防備を固めよう」という意見が出る中、バルドは「それでは余計にこじれるだけ、元は分けてもらっていたのだから安く分けてやればいい」と意見を言う。
この場所に根を張るって決めた者同士、なるべく穏便にいきたいと考えるバルド。
・それに対しバルドの子供Jrは、怖い人が襲ってきても、ママのご飯を食べたらだれでもニコニコになるから大丈夫!と答える。

・回想が炎に包まれる。
「農民が敵う相手じゃねえ早く逃げろ!」という声にハッとするバルド。
・慌てて家に戻ると、妻子は既に息絶えていた。
ご先祖様たちのように幸せに、平凡に、この場所でというバルドの願いは崩れてしまう
・バルドは自分の背中にを放ったインディアンに対し、矢を抜くこともせずに農具を持ち襲い掛かり殺害した。
・燃える畑を見て、ここにはもう根は張れねえな…と呟くと、バルドは一人燃える畑の中どこかへ歩き始めた。

自由で広大な血で、根無し草は何処へ…。
第183話終了ーー

前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちらです
www.under-taker.com

枢先生の巻末コメント

人生で一番駆け抜けた感のある1年でした。皆さま、良いお年を。

葬儀屋ヲタの叫び(感想)

読んでいて胸がぎゅうっとなるようなお話でした…。
誰よりも友好的解決を望んでいたバルドにとって、あまりにも残酷すぎる結果だからです。

今回のお話ではまたしても歴史的史実が垣間見えました。後ほどこちらも併せて考察をさせて頂けたらと思っています。

そして葬儀屋さんは安定の焦らしプレイ。今回も出ることはありませんでした…!
この回想が切れたら登場する可能性が高いので、ダブルで心臓に悪いDEATH!!www

回想っていつ終わるかわからないので、私以外のフォロワーさんのご意見も五分五分と言った形でした笑

遂に今年は一度も葬儀屋さんが本誌に出なかった…!!!
「ただ我慢ならなくなったんだよ、これ以上ファントムハイヴを失うのは」って葬儀屋さんが言ってたのがつい最近のように感じるんですが、あれが43話前、約4年前の事ってマジですか!?!?

でも出ない=それだけ葬儀屋さんの寿命があるということですし、有難いともいえるのかも…(究極論)

葬儀屋さんって、出てくるたびに必ず本誌の流れに関わる超重要な伏線を落としていくキャラなんで、毎回登場に意味がありすぎるんですよね…!

だからファンとしては登場は勿論嬉しいのですが、
登場するたびに丁寧に一つ一つ伏線を花弁のように落としていくので、それが落ち切った後はもう…って思うと勝手にあ“あ“あ“!ってなってしまうんです!まだ「そうなる」と確定すらしていないのに!!ww

あ“ーーーでも来年は本誌に出てほしいです!
でも本誌の伏線に関わらない形で出てほしい…!絶対に無理だけど!
コミック裏表紙でデッドボールを食らってるくらいの、本誌の流れに全く関係がない出番があったら嬉しいなああああああ(悪魔6じゃダメなんですあれは伏線モリモリなんで…あれ?もしかして私悪魔6の伏線考察かいつまんでのみで纏めて考察してない…?うわああ何たる不覚!近いうちに記事作ります!!)

伏線回収も勿論楽しいんですが、胃が痛くならず、何より推しの死亡フラグを感じない登場が欲しいDEATH!
なるべく長生きしてくれ!死ぬってまだ決まってないけど!!

それでは考察に移っていきたいと思います!!

考察

考察的中!インディアンによる襲撃

前回考察したバルド達の村を襲ったのはインディアンなのではないかという説が的中〇しました!
これにより、バルドは自分の信念としてたご先祖様の「先住民への感謝を忘れるな」という教えを大きく揺るがさざるを得なくなります。

考察的中箇所:2021年11月18日記事より引用

アメリカの先住民=インディアン

第182話で、バルドの先祖は信仰の自由を求めてアメリカに渡ってきた移民であることが明らかとなりました。
また先祖が先住民に助けられたことから「先住民への感謝を忘れるな」という言葉を大切にしていることも描かれています。

アメリカの先住民とは、いわゆるインディアンです。
バルドの先祖は、インディアンに助けられていたことが分かります。

このインディアンについて、不穏な伏線が張られました。

助けたのも先住民、壊したのも先住民

バルドの先祖を助けたのはインディアンです。
しかし、バルドの家庭を壊したのもまた、インディアンである可能性があります。

今回の第182話のラストで、
バルドの住む村に火を放ち襲っている族が映っていますがその姿はインディアンの姿に酷似していることが分かります。

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バルドの村を襲う族:黒執事第182話「その執事、問答」より引用

もしこれが本当にインディアンによる襲撃であった場合、「先住民への感謝を忘れるな」という言葉を教訓に生きてきたバルドにとっては本当に残酷です。

伏線回収:インディアンの「矢」

過去にバルドはインディアンによって背中に矢を受けたことがあることが新たに明らかになりました。

実は既に一度、バルドの口から先住民族の「矢」について発言があったことを皆様覚えていらっしゃるでしょうか?それがこちらです。

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アパッチ族と戦った過去があるバルド:黒執事第172話「その執事、心療」より引用

黒執事第172話で、戦場で心に傷を負った患者の役をしている際に、精神疾患のふりをして演技をしたときのバルドの発言です。

この発言からバルドは過去に先住民と戦ったことがあるのではないかと私は考察をしていました。
しかしこの「矢」という発言はそれだけの意味ではなく、この時にバルドが背中に受けた矢の事も意味している可能性があります。
よく嘘をつくときは少し本当のことを混ぜるといいと言いますが、もしとっさに嘘をついたこの場所で「アパッチの矢」と言うワードが出てきたことが、自身のこの時の経験を思い出したからだとしたら本当に切ないですよね…。

また特に私が強調して言いたいのは、妻子を殺された段階ではバルドはまだ呆然としているだけで周りのインディアン達を攻撃する様子はなかったという点です。
しかしこの矢を受けたことにより、バルドは初めて先住民であるインディアンに対して敵対し、攻撃をします。

この先住民から自身に向けて放たれた一本の矢こそが、バルドが今まで大切にしていた「先住民への感謝を忘れるな」という教えと決別し、現在のバルドになる道を歩み始めるそんな転機となった可能性があります。

歴史的史実:バッファローの乱獲

次に歴史的史実について触れておきたいと思います。

インディアンに襲われたバルドの村。
元来友好的な関係を気づいていたはずのインディアンでしたが、遂にバルド達の村も襲われてしまう形となりました。

その理由となったものが食糧不足です。

あらすじの中では省略したのですが、本誌の中ではバッファローの乱獲に関しちゃ軍隊もやりすぎだというセリフがありました。
こちらは歴史的史実に基づいた内容となっています。

バッファローを巡る争い

 平原インディアンはバッファロー狩りで生活していた。彼らはスペイン人から手に入れた小さな馬(馬はもともと新大陸にはいなかった)に乗り、バッファローを狩猟し、肉を食用とし、その皮は衣服やティピーというテントの材料とされていた。このようにバッファローは平原インディアンの生活基盤であったが、そこに入り込んできた白人は大陸横断鉄道に従事する人びとの食用にバッファロー狩りをはじめた。1865年には1500万頭はいたと推定されるが、1880年代には数千頭にへってしまった。生活の基盤を奪われた平原インディアンは、白人を襲撃するようになり、アメリカ政府は騎兵隊を派遣してインディアンの殲滅をはかった。これが19世紀後半の新たなインディアン戦争であった。「西部劇」は無知で狂暴、野蛮なインディアンしか描かないが、それは全く誤っており、誇張されたものに過ぎない。
引用源:
インディアン

特に食肉用としてのバッファローが激減してしまった事も、インディアンが入植者を襲う大きな原因の一つであったようです。

また、今回の第183話の中ではこのような絵も描かれましたが、こちらはバッファロー・ジャンプではないかと考えられます。
国が違うのですが、カナダで行われていた下記のものが非常に有名です。

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バッファロー・ジャンプ:黒執事第183話「その執事、消亡」より引用

ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ

カルガリーの南約150km、アルバータ州のポーキュパイン・ヒルにある。実際には崖である。崖の幅は300mに渡り、高さは約18m。崖の下には、バッファローの骨が、多いところでは約11m以上も堆積している。

なぜバッファローの骨が崖下に堆積しているかといえば、この付近に住んでいた先住民であるブラックフット族が、崖の上にバッファローを追い詰めて、崖から突き落としてバッファローを仕留める狩猟を行っていたからである。

崖の西側には、40km2にも及ぶ草原地帯がある。ここに生息していたバッファローを崖へと通じる道(ドライブ・レーン)へと追い込んだ。このドライブ・レーンには、石でできた道標が残っている。

この様なバッファローの狩は、他の北アメリカの地域でも行われていたと考えられている。このヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプは、それらの中でも大規模で最も古く、紀元前3500年以上前から行われていたと考えられている。またこの猟は、ここで、19世紀まで続いていた。

この崖の周囲には、火を焚いた跡も多数発見されている。このことから、バッファローを追い込むときに火を使用していたと推測されている。

また、崖下からは大量のバッファローの骨の中から、矢尻や鍬などが発掘されている。また、ブラックフット族はこの谷を、血に染まった深い淵と呼んでいたようだ。

引用源:
ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ - Wikipedia

疑問点:バルドは何故インディアンを殺害することが出来たのか

これは考えすぎなのかもしれませんが、一応メモとして残しておきます。
住民の1人が「農民が敵う相手じゃねえ!」と言うインディアンですが、そのインディアンをバルドは殺害することが出来ました。

これが今後のバルドの生き方に繋がる伏線なのか(殺しの才能があった、傭兵としてのポテンシャルがあった、など)、それとも妻子を殺されたことに対する怒りの火事場の馬鹿力だったのかはまだ分かりません。「両方」を意味している可能性もあるかと思います。

小さな点であり、今後の伏線となるかはまだ一切分からないのですが念のため書き記しておきます。

まとめ

今回はバルドの町が襲撃された経緯、そして妻子を失うまでが描かれました。
先程考察でも言及しましたが、バルドの肩に刺さった一本の矢は文字通りバルドの生き方を変えるターニングポイントとしての重要な一押しとなってしまったのではないでしょうか。

過去のバルドの発言はみな全て温和であることが分かります。
インディアン達が襲ってくるかもしれないという状況を持っても尚、穏便に解決できる方法はないかと考えています。
現在のちょっとがさつで投げやりなところがあるバルドとはかなり印象が異なります。

そんな温和だったバルドを大きく変えてしまう事件こそ、今回のインディアン達による襲撃だったのでしょう。

ここからバルドはどのように傭兵と成っていくのでしょうか。
本誌で描かれるかは分かりませんが、何故バルドはこれだけの経験をしたにもかかわらず「生きる」事を選んだのでしょうか。前回も考察しましたが、自ら命を絶つという選択をしてもおかしくないほどの状態であったことは間違いないのではないでしょうか。

現在本誌の中でバルドは住んでいた土地も、愛する家族も全て失い「根無し草」と称されています。
インディアンを殺害した際は一瞬だけ殺意に満ちた様子を見せたバルドですが、それ以降のバルドはどこかに表情と魂を置いてきてしまったのではないかというような中身が空っぽになってしまったような様子を見せているように感じます。どこか淡々と行動しているような…。(ちょっと死神現役時代の葬儀屋にイメージが近いかも‥?)

火が放たれた畑の中へ、躊躇うことなく農具一つだけを持って一人歩くその姿勢はとてもつい今しがた妻子と全てを失い慟哭していた男だとは思えません。まるで別人のような印象さえ感じさせられるそんな一コマです。

ここから一体バルドはどんな道を歩み、ファントムハイヴ家へと繋がっていくのでしょうか。
バルドの過去編はまだまだ続いてくれそうな予感です。

餅月