黒執事考察ブログ

黒執事は「腐女子向けの作品」ではない・・!それはあまりにも勿体ない!作品の「嘘」と「伏線」に貴方も騙されていませんか?葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたネタバレ有りの考察ブログ

【黒執事考察ブログ】何故、サーカス編は死神にとって「特別」だったのか/サーカス団員の魂の審査の事ではなく、葬儀屋(アンダーテイカー)が現れる事を警戒していた可能性について

こんにちは!餅月です。
今日は黒執事サーカス編の謎について考察をしていきたいと思います。

サーカス編には、未だ回収されていない伏線が沢山残されています。
またスフィア・ミュージックホールのお星さまである「ポラリス様」について、このサーカス編と密接な関係を持つキャラクターである可能性もかなり高くなっており、ますます見過ごすことの出来ない重要な章となっています。

ではサーカス編は何故「特別」な章なのでしょうか?
今回考察を進めていくと、サーカス編が特別な理由には、なんと葬儀屋(アンダーテイカー)が関わってくる可能性が見えてきました。



サーカス編は何故「特別」なのか

まず、そもそもサーカス編とは何故特別なのでしょうか。

先に結論から申し上げてしまいますと、
サーカス編が「特別」な理由は、
死神派遣協会にとって、お尋ね者である伝説の死神葬儀屋(アンダーテイカー)が現れるかもしれない現場であることを意味しており、サーカス団員の魂の審査については全く無関係である可能性があります。

具体的に説明していきたいと思います。

そもそもサーカス編を「特別」たらしめる理由は、
死神ウィリアム・T・スピアーズの台詞を理由として上げることが出来ます。
そのセリフがこちらです。

今回は「特別なケース」というウィル:黒執事第26話「その執事、同僚」より引用

この台詞により、サーカス編での魂回収現場は死神派遣協会にとって特別な現場であったことが分かります。
この事実は非常に重要です。

しかしこのウィルの台詞は
重要な伏線であると同時に、ミスリードでもある可能性があります。

ウィルの台詞:「審査が特別」と思わせるミスリード×

一見、死神にとって特別となると、
死亡予定者であるサーカス団員達の魂の審査に特別な意味合いがあるように感じます。
しかしこれこそがミスリードである可能性があるのです。

そもそも、まずここまで読まれた方の中には
「えっ、何でこのウィルの台詞が葬儀屋を指していることに繋がるの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。

皆様が自然とそう感じてしまう理由にこそ、このウィルの台詞のミスリードが関わっている可能性があります。

具体的に説明していきたいと思います。

この台詞を読む上で最も重要なポイントは、
ウィルはあくまで「特別なケース」と言っており、「特別な審査」とは言っていないという点です。

それどころか、ウィルはまさにサーカス団員の魂を回収するシーンで、
このように説明をしています。

ウィル「我々死神の仕事は上から配られたリストに従い魂を審査し回収する。ただそれだけ。またその審査でさえ形式的なもの。対象者が世界に有益となり得る存在だった場合のみリストから除外される。しかし人間にそのような価値のある者など皆無に等しい。ゆえに死神派万が一無い様確認作業をしているに過ぎない。淡々と、坦々と。」
黒執事第35話「その執事、遂行」より引用

ウィル「では定時までに急いで回収しますよ。一人残さずね。」
黒執事第35話「その執事、遂行」より引用

このことから、サーカス団員達の魂回収自体には特に例外が無かったことが分かります。

つまり、サーカス編が特別なケースだった理由は、
魂回収の仕事以外に理由があったことが分かります。

「特別なケース」に死者数は関係ない

では次にこれを受け、
「じゃあサーカス編が特別な理由は大量の魂を審査したからではないの?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし死者数が関係ないことも考察で説明することが出来ます。
その理由は豪華客船編です。

豪華客船編ではサーカス編よりもはるかに多い1000人以上の死者が出ましたが、死神から「特別」というワードは出ませんでした。
このことから、死者数もまたサーカス編の現場が「特別」である理由には当てはまらないということが出来ます。

ウィルの台詞:「特別なケース」=葬儀屋が現れる可能性◎

ではこれらを受け、いよいよ
死神達にとって何が「特別なケース」だったのでしょうか。

それこそが、このサーカス編での魂回収現場に葬儀屋(アンダーテイカー)が現れる可能性を指しており、それを警戒していたことを指していた可能性があります。

なぜそのように考えるのか。その理由は、
葬儀屋が以前、サーカス編で再現されたものと同じ悪魔召喚儀式に現れたことがあり、それを死神派遣協会は知っていた可能性があるからです。
具体的に説明していきたいと思います。

過去に一度、悪魔召喚儀式に現れた葬儀屋(アンダーテイカー)

この考察をする上で、まずは青の教団編まで遡っていきたいと思います。
青の教団編でファントムハイヴ家本邸に帰還を果たした兄シエル。
その際、葬儀屋(アンダーテイカー)から、
悪魔召喚儀式の現場から兄の死体を持ち出したの自分自身だという証言がありました。

また、特に重要なのはこの後で、
葬儀屋は兄シエルの死体を回収する際に何者かの邪魔にあったことを明らかにしています。

双子を助けようとした葬儀屋は何者かに邪魔されていた:黒執事第140話「その執事、主張」より
葬儀屋を邪魔出来る存在として描かれている存在は、原作の中では現在死神派遣協会しか描かれていません。
この葬儀屋と死神派遣協会との強弱関係を素直に捉えれば、
葬儀屋は悪魔召喚儀式の際、死神派遣協会から邪魔を受けていたことになります。

※葬儀屋は70年前に死神派遣協会からの離脱を試み、本部を半壊に追い込んだものの恐らく失敗しています。
空白の20年間をはさみ、50年後に離脱に成功した可能性があることから死神派遣協会は現段階で唯一葬儀屋を抑え込むことに成功したことがある組織であると考えられます。
この考察について詳しくは下記記事で考察しています。
www.under-taker.com
www.under-taker.com

この事実が、サーカス編でのウィルの「特別なケース」という発言に大きく関わってくる可能性があります。

死神派遣協会側から見た「サーカス編」とは

分かりやすくするため、
ここで一度死神派遣協会側に立って考えてみたいと思います。

上記の考察が合っていたと仮定します。
とすると死神派遣協会側からサーカス編はどのようなものに見えるでしょうか?

死神派遣協会はずっと葬儀屋を緩く探していました。
ファントムハイヴ家襲撃事件の後、死神派遣協会は、悪魔召喚儀式の生贄となった双子を助けるために現れた葬儀屋と交戦します。
このことで死神派遣協会は、あの悪魔召喚儀式と葬儀屋に何らかの因縁があると気づいた可能性があります。

そして今回のサーカス編に繋がります。
サーカス編でいよいよ死亡予定者リストに載ったケルヴィン男爵は、
その悪魔召喚儀式を行っていた大人たちの中の唯一の生き残りでした。

しかもケルヴィン男爵はご丁寧に、この悪魔召喚儀式の現場を忠実に再現するという凶行に及んでいます。

実際に葬儀屋が現れた際の悪魔召喚儀式でも、坊ちゃんが悪魔を呼び大人たちを虐殺したことで大量の死者が出ました。
そして今回もまた、サーカス団員の他に子供達も殺されることにより大量の死亡予定者リストがあるためこの点でも完全に状況が一致します。

このことから、死神派遣協会は
サーカス編の魂回収のシーンでもまた葬儀屋がこの現場に現れることを危惧した可能性があります。

つまり、サーカス編が「特別」だった理由は、
この時点から、というよりは更に遡ってファントムハイヴ家襲撃事件の悪魔召喚儀式の時から、既に死神派遣協会が葬儀屋を追い続けていたことを表す伏線であった可能性があります。

実際に来ていた葬儀屋

そして死神派遣協会のこの読みですが、的中していたことが分かります。
と言いますのも、この魂回収のシーンに葬儀屋はちゃんと来ていたからです。

しかし葬儀屋は少し離れた崖の上から見守っており、直接死神達の前に姿を現すことはありませんでした。
前回の悪魔召喚儀式で姿を現したことにより今回もまた警戒されていることを踏まえての行動だったのかもしれません。その点では葬儀屋の方が一枚上手だったと言えるのかもしれません。

しかし私はここにはもう少し深い葬儀屋に人間らしい一面が垣間見えているのではないかと感じます。

サーカス編で葬儀屋がケルヴィン男爵邸を訪れた理由は恐らく二つあります。
それは坊ちゃんの様子を見に行くことと、その後ビザールドールにするための死体回収のために訪れていたと思われます。
重要なポイントは、葬儀屋にとってサーカス団員は助けに行かなくてもいい存在だったという点です。
もっと直接的に言えば用があるのは死体になってからだったとでも言いましょうか。

これがサーカス編と坊ちゃんたちの悪魔召喚儀式との最も大きな違いであり、また死神派遣協会側が読み切れなかった葬儀屋の部分かと思われます。

葬儀屋の死者蘇生には死神が回収する魂は関係ありません。
サーカス編でわざわざ葬儀屋が死神達の前に姿を現さなかった理由は、死神が魂を回収した後に残る「肉体」と「記憶」があれば蘇生が可能だったからだと思われます。
つまり死んでからでよかったということですね。

逆に言えば、坊ちゃんたちが囚われていた時の悪魔召喚儀式に、死神派遣協会との接触という危険を顧みずに殴りこんでいったのは例え自分の身バレという危険を冒すとしても、双子たちに死んでほしくなかったからなのではないでしょうか。
死神達とわざわざ接触することで変わるものはその生命体の「生死」と「魂」があるかないかのみです。

仮に限りなく生者に近い形での死者蘇生を将来行うと既に目論んでいたとしても、それでも葬儀屋にとって、自分の技術ではまだどうすることも出来ない部分であるファントムハイヴ家の人間の「生死」と「魂」とは、全てを投げ打ってでも守り通したかったものなのではないでしょうか。

ちなみにサーカス編での葬儀屋の台詞は非常に意味深なものとなっています。
こちらについても考察が出来たので、後日別記事にまとめさせて頂きますね。

予想考察:ケルヴィン男爵は「備考欄」に記載があった人物か?

サーカス編の中でケルヴィン男爵の魂の審査シーンが描かれていません。

これは根拠のないあくまで予想ですが、
もしかするとケルヴィン男爵はリストの備考欄に記載があった人物かもしれません。

過去に葬儀屋が現れた悪魔召喚儀式の再現を行っていることから、また葬儀屋が現れる可能性があることについて備考欄に記載されていた可能性があります。

ウィルが坊ちゃんが囚われていた方の悪魔召喚儀式の魂回収に直接赴いていた場合は別でしょうが、そうでなかった場合は「備考特になし」の形ではなく「備考欄アリ」の形でお上からリストが降りてきたことがきっかけで、この事実を知り、サーカス編はウィルにとって「特別なケース」となったのかもしれませんね。
ジョーカーの魂の審査描写があったにもかかわらずケルヴィン男爵の審査シーンが無かった理由についても、備考欄に葬儀屋の注意点が書かれていたからだとすれば納得がいくように感じます。
当時それを描いてしまえば匂わせすぎになってしまいますし、描かないこと自体が伏線、という形にもなりそうですよね。

ただもし仮に備考欄に記載があったとしても
あくまで「葬儀屋出現注意報」であり、ケルヴィン男爵の寿命には直接かかわらないと思われます。サーカス編の中で直接死神派遣協会と葬儀屋が接触しなかった以上、ケルヴィン男爵の魂は例外なくその魂を回収されたと思われます。

サーカス編と豪華客船編の共通点

また、サーカス編と豪華客船編にも、葬儀屋を巡った内容と思われる共通点があります。
それは以下の通りです。

・葬儀屋が関わっていること
・悪魔であるセバスチャンに対して、死神派遣協会側からの葬儀屋の説明があること

興味深いのは、どちらの章でも
セバスチャンに対して、葬儀屋を説明する死神派遣協会側からの見解が見受けられるという点です。

そしてどちらにも共通するのは、
これは死神の問題だから邪魔をするなと言っているという点です。

サーカス編 ウィル「邪魔だけはご遠慮願います。」

まずはサーカス編を見ていきましょう。
先程から言及しているシーンですが、ウィルがセバスチャンに対して邪魔だけはご遠慮願います。と言っていることが分かります。

今回は「特別なケース」というウィル:黒執事第26話「その執事、同僚」より引用
豪華客船編 グレル「外野は引っ込んでて!」

次に豪華客船編を見ていきたいと思います。
豪華客船編では、葬儀屋の確保という形で離脱組問題に首を突っ込んでくるセバスチャンに対しグレルがこのように言っています。

外野は引っ込んでてというグレル:黒執事第60話「その執事、動揺」より引用

以上のことから、
もしサーカス編の「特別」が考察通り葬儀屋の事を指していた場合、
悪魔であるセバスチャンに対して「離脱組関係(葬儀屋)の事で首を突っ込むな」と言っている上記の台詞が共通点として上げることが出来ます。

余談:豪華客船編の時、死神派遣協会は葬儀屋と死者蘇生の関係性を知らなかった


ちなみに余談ですが、死神派遣協会は
豪華客船編まで死者蘇生の研究に葬儀屋が関わっていることを知りませんでした。
サーカス編では元々以前葬儀屋が悪魔召喚儀式になぜか現れたことを死神派遣協会は知っていた為、サーカス編が死神派遣協会にとって葬儀屋との接触の可能性を事前に感じれる「特別」なケースとなっていました。
しかし豪華客船編では離脱組の葬儀屋の調査とは全く別の「動く死体」の調査をしていた死神グレルとロナルドが葬儀屋と接触したことにより関係性が初めて発覚したため、ここで初めて死神派遣協会は死者蘇生の研究と葬儀屋との関係性を知ったことになります。

このことから、死神派遣協会にとって豪華客船編とは、事件の後から「特別なケース」の現場になった可能性があります。
※その後死神派遣協会は悪魔召喚儀式を張った理由同様、死者蘇生の事件=葬儀屋との関係性を疑い、捜査範囲を広げています。やばい。とてもまずい。

ウィル「この案件は1人で対応出来るわけがないというのに」

最後に、もう一つウィルの台詞の真意について考察をしていきたいと思います。
先程から考察してきたウィルの台詞はサーカス編序盤の台詞でした。

最後に考察する台詞は
サーカス団員の魂を回収している真っ最中のウィルの台詞です。
こちらの台詞もまた紐解いてみると、葬儀屋の気配を感じれるような内容になっていることが分かります。

ウィル「この案件は1人で対応できるわけがない」:黒執事第35話「その執事、遂行」より引用

ウィル「まったく、人事は何を考えているのやら。この案件は1人で対応できる訳が無いというのに。今頃…しかも貴方を増員によこすとは。」
黒執事第35話「その執事、遂行」より引用

ここまで考察を読んでいただいた皆様には、もうお分かりいただけるかと思います。
この台詞は、素直に読めば「こんな大量の魂の審査を1人で対応できる訳が無い」と読み取れるように見えますが、これはミスリードの可能性があります。

いえ、正確に言えば勿論その意味もゼロではないとは思います。
しかしこの台詞はもう一つの意味が隠されたダブルミーニングのセリフである可能性があります。

それはもし仮に本当にこの現場に葬儀屋が現れた場合、自分一人では対処しきれないという意味合いです。

ウィルは葬儀屋の事を軽視していないことが分かります。
またそれに対し、人事側の葬儀屋への対応はかなりぬるく、それを嘆くウィルの気持ちも至極同意できます。

しかもようやく増員が来たと思えばたった一人。ロナルド・ノックスです。(ウィルからしてみればなめとんのかってなりますよね。多分。)
レイラVSロナルド戦でもウィルはロナルドの危ないところを助けていました。
このことから回収課とはいえ、後輩であるロナルドはまだウィルよりも実力が無いことが分かります。

ウィルはグレルではなくロナルドが来たことを「僥倖」と言いましたが、今回ばかりはグレルの実力が欲しかった可能性がある為、この部分はもしかすると少々の皮肉と社交辞令が含まれていたのかもしれません。
※勿論葬儀屋はイケメンですしグレルが来たら来たでいろいろめんどくさかったはずなので半分は本心かとは思いますが

まとめ

いかがでしたでしょうか。
サーカス編は特に謎が深く、「特別」が何を指しているのか長い事考察勢の中で疑問視されてきました。

しかしまさかそれが葬儀屋を指していた可能性があるなんて‥‥!
死亡フラグが更にビンビンになったような気がしなくもなくもないですがそれでもちょっとうれしいです!!複雑!!!

しかしもしそうなると少なくともこの時期からウィルは既に葬儀屋の事を少なからず警戒していたことになります。
ウィルが葬儀屋の味方なのか敵なのかはまだわかりませんが、それでも私たちが思う以上にウィルと葬儀屋の因縁もまた深いのではないでしょうか。

ウィルが葬儀屋の味方だとすればサーカス編というタイミングで現場にいるのは大変意味深ですし、敵だとすればシンプルに脅威です。
また最新話で語られたウィルの「そろそろ決着を付けなければならない。」というセリフにもより凄みを感じます。

どちらでもおいしい。
どちらの展開も素敵です。
でも葬儀屋に死んでほしくないという下心から(あと規律を重視してるウィルが違反していたらめちゃくちゃエモいというただの欲)から、個人的には裏切っててほしいなあ~と思いますが…実際どっちなんでしょうね。

サーカス編でウィルは死神の在り方について言及する際、仕事に感情を持ち込むから余計な手間が増えるんだと言いました。
現時点でウィルは葬儀屋と完全に対するキャラとして描かれています。またそれは同時に言えば死神現役時代の葬儀屋に似ているキャラと言えるのかもしれません。

そんなウィルが否定する感情。
葬儀屋はそんな感情を仕事に持ち込んだ結果、死神を離脱したのかもしれませんね。
www.under-taker.com
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考察の元となった殴り書きツイート


餅月