こんにちは、餅月です!
『黒執事』最新話第177話「その執事、指導」Gファンタジ―2021年7月号の考察をしていきたいと思います。
いよいよ本格的に明らかにされ始めたバルドの過去
セバスチャンによるバルドの引き抜き。果たして穏便に行くのでしょうか。
前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちら
www.under-taker.com
- あらすじ:黒執事第177話「その執事、指導」Gファンタジー2021年7月号
- 枢先生の巻末コメント
- 今回の重要な伏線箇所
- 葬儀屋ヲタの叫び(感想)
- 考察
- バルドの人間性
- バルドの回想に登場する子供
- バルドが思い起こした子供は何者か
- 笑顔が少ないセバスチャン
- ハウスキーパーのお仕事
- まとめ
あらすじ:黒執事第177話「その執事、指導」Gファンタジー2021年7月号
※考察に必要最低限の大まかな話の流れのみです。
詳しく知りたい方はぜひ本誌を買ってください!(^^)
※伏線として重要な可能性がある点は線と太文字で強調してあります。
扉絵:背中合わせで睨み合うセバスチャンとバルド
目の上の瘤、後ろの執事
戦地のバルド
・瀕死の仲間テリーを気遣うバルド
・豪華なディナーとはいかねえが、昨日雨が降ってくれたおかげで雨水が溜まったと言い差し出す。
・そんなバルドに対しテリーは母が作ってくれたというキャンディ・ヤムを思い出し、無念を呟き息絶える
・息絶えたテリーに対しバルドは俺を独りにしないでくれよ…と呟く
・目覚ましの音で目を覚ますバルド。夢だったことに気が付く
・手引書通り7時半にセットしたはずが、時計は5時を指していた
・セバスチャンは「使用人が足りない今、見習いシェフの仕事は通常よりも多くこの時間に起きる必要がある」と説明する
・またセバスチャンはハウスキーパーが居ないためメニューは執事に一任されていることと、大人数のゲストを招いての晩餐会はほぼ開催されないことを伝える
・しかし本来料理人とは軍隊的に部下を指揮し、時間通りにダイニングテーブルに料理を整列させる司令官であるという
・バルドは特に衛生管理に疎かった。セバスチャンからの「厨房は屋敷の健康を管理する場所であるからこそ衛生面には特に気をつけろ」という忠告にも、耳を貸さない
・「お口に泥が入っただけでお貴族様のお子様は病気になるってか?ガキなんて外で泥まみれになんのが仕事だろ」と、またある子どもを思い出しながらバルドはつぶやく。
・その様子にセバスチャンはこれ以上言及はせず、ロースト・チキンのリベンジをバルドに言い渡した
キッチンも二等兵から…。
第177話終了ーー
前回のネタバレあらすじ&考察記事はこちら
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枢先生の巻末コメント
胃をやってしまい、一週間ほど流動食で過ごしていました。健康大事だな……。
枢先生が体調不良とのことでとても心配です。
一週間流動食って相当ですよね…。一日も早く良くなりますよう切にお祈りしています。
今回の重要な伏線箇所
・バルドの人間性
・バルドの回想に登場する子供
・笑顔が少ないセバスチャン
・ハウスキーパー(家老)のお仕事
現在の本誌では黒執事の本筋の伏線に関わるお話と言うよりはバルド個人のお話が描かれています。
なので今回のお話は本筋に関わるような直接的な伏線はほとんどないように感じました。
しかしバルドの過去についての伏線や、イギリスの歴史背景に基づくファントムハイヴ家のルールなど、面白いポイントがいくつかりましたので今回はそちらを考察していきたいと思います!
葬儀屋ヲタの叫び(感想)
バルドの過去がどんどん明らかになってきましたねーー!
今回バルドとフィニの相部屋が描かれましたが、私の記憶が正しければこの二人の部屋が描かれたのは黒執事9巻第41話「その執事、死亡」以来のはずです‥!(密室殺人事件編の際にセバスチャンが2人の部屋を訪れた時ですね)
どうしても不良っぽいイメージが強いバルドですが、兵士の仲間に対する姿勢を見ると並々ならぬ人間の出来の良さを感じました。
戦場ゆえの仲間意識なのか、それとももともとのバルドの人間性なのか…
バルドが極限状態だったのは理解していたつもりではありましたが、それでも水の確保にさえ困っていた様子を見て、バルド引き抜きの際に目の前でピクニックの準備をして見せたセバスチャンの行動が、バルドに対していかにケンカを売る行為だったかが改めて理解できた気がしましたwww
前回は戦場での過去編から一気にお屋敷まで回想が飛んだため、バルドとセバスチャンの戦場での出会いは割愛されてしまったのかと思いました。
ですが今回またバルドの夢の中という形で戦地での出来事が描かれたので、また後日改めてこのシーンが描かれる可能性が出てきましたね…!
ちなみに亡くなってしまった兵士が最後に回想していたキャンディ・ヤムについても調べてみました。
現在ヤムイモとサツマイモは現地でも混同されており、ヤムイモはほとんど流通していないようです。
ざっくりとして見分け方としてはお芋を割ったときにオレンジ色のものがヤムイモで、黄色いものがサツマイモという見分け方をしている方が多いとか。
※この見分け方で100パーセントあっているという訳ではないらしいです。
ja.wikipedia.org
http://kaigaigo.com/usa-12812/kaigaigo.com
キャンディ・ヤムはホリデーシーズンによく食べられる郷土料理です。
とても甘いですが、デザートではなく料理として食べられるものだそうです。
それでは考察に移っていきたいと思います!
考察
バルドの人間性
今回の話で、バルドの新たな一面が描かれました。
それは死に行く兵士との一コマで垣間見えています。
今にも死にそうな兵士に対し、バルドはようやく貯めた雨水を飲ませようとしました。
「昨日雨が降ってくれたおかげで雨水が溜まった」といっていることから、バルドもまた十分な水を得れていない状況であったことが分かります。
それにも関わらず衰弱した兵士を見捨てることなく水を与えようとする姿勢にはバルドの仲間に対する思いやりを感じました。
また母親の手料理を思い出す兵士の話に対し、バルドはこの極限状態でも笑ってみせて冗談まで飛ばします。
もし私が極限までおなかが減っていたら、食べ物の話をされたらブチ切れてしまうかもしれない
食欲は人間の三大欲求のはずですが、それにも関わらず自分の感情をここまでコントロールして対応できる姿勢には、バルドの人間性を感じました。
セバスチャンはバルドに料理人という仕事を説明する際に司令官であると言いました。
セバスチャンが何故敢えてバルドをスカウトしに行ったか、その明確な理由はまだ明らかにされてはいません。
しかしもしかするとバルドのここぞという時に発揮される並外れた自制心に、使用人たちを取りまとめる司令官としての素質を見抜いたのかも、しれませんね。
p.s バルドと呼ぶセバスチャン
ちなみにですが、この時のセバスチャンはバルドの事をバルドロイ司令官さんとではなく、バルド司令官と呼んでいますね。
前回敢えて「バルドロイさん」と呼びますと断りを入れていたセバスチャンがここで敢えてバルドと呼んでいる理由を考えてみたのですが、軍人時代にバルドと呼ばれていたことを敢えてここで皮肉として踏襲しているのかな・・?と感じました。
バルドの回想に登場する子供
また出ました!バルドの回想に子供が!!
匂わせますねーー!
こちらの子の考察につきましては前回の考察と共通なので過去記事から引用させてもらいます。
バルドが思い起こした子供は何者か
自分の新しい主人である坊ちゃんが10歳もいかないような子供であったことに驚いたバルド。
そんな坊ちゃんをバルドは内心「クソガキ」と悪態をつき、誰か別の子供を思い浮かべて「アイツとは似ても似つかねえ」と思います。一体この子供は誰なのでしょうか?
バルドの子供説
まだあまりにも根拠がなさすぎるので、こちらは考察と言うよりは予想です。
現段階で一番自然に思えるのはバルドの子供説かなと感じています。髪色と癖っ毛の特徴
理由としては、以下の二点を挙げられます。
・バルドと髪色が同じに見える事。
・髪の毛の癖具合がバルドにそっくりであるという点です。恐らくこの子供は男の子のようです。
前歯がかけていて無邪気な笑顔の様子からは、確かにバルドの「坊ちゃんとは似ても似つかない」という感想にもうなずけます。「嫁と息子」というバルドの発言
また、アテナ退役軍人療養所の患者たちに自分の過去を話す中で、バルドがこのように発言しているシーンが存在します。
バルド「しょっちゅう頭が戦場にぶっ飛んじまうオレに嫁も息子も愛想を尽かして出て行ったよ。」
黒執事第173話「その執事、療養」より引用この発言が、バルドの実際の過去に基づくものなのか、それともバルドが偽名として名乗っていたマシュー・バーグ氏としての設定なのかはまだどちらとも言えません。
この過去回想の中で描かれている男性は確かにバルド本人ですが、後ろ姿として描かれている女性と子供は少々身なりが良すぎるようにも見えます。この回想が完全な作り話である可能性も否定はできませんが、今回このようにバルドから子供を想う伏線が張られたことから、このバルドの発言と過去回想がバルドが実際に体験した出来事であり、この子供がバルドの実の子供である可能性もまた十分考えられると感じています。
恐らく今回の過去回想編の中でこの子供のことは明らかにはされると思いますが、このことバルドの関係性、そして生死を含めて非常に気になるところです。
※余談ですが、もし仮にバルドのセリフに嘘が無かった場合、この子供はまだ生きている可能性もあるのかな?と感じています
笑顔が少ないセバスチャン
次に気になったのがセバスチャンの笑顔が今よりも少ないという点です。
細かいポイントではあるのですが、結構重要な箇所ではないかなと感じています。
セバスチャンと言えば完全無欠な執事で、どんなことが起ころうと大体のことは涼しい笑顔でやり過ごす姿勢が印象的です。
一番分かりやすいお話は1巻の第1話でのセバスチャンではないでしょうか。
このお話でもまた、セバスチャンはダメな使用人ズに翻弄されます。
多少青筋を立てたり真剣な顔をすることはあるものの、表立って「不快」と感じていることが分かるような表情はしていないように感じます。
これに対し、今回の過去回想ではバルドが好戦的な態度であることも相まってか、セバスチャンは不愉快そうな表情や無表情が多い印象があるように感じます。
この過去回想の時点ではセバスチャンが坊ちゃんの事を「ファントムハイヴ伯爵」と言っていることから爵位返還は恐らく受けた後です。
このことから一応坊ちゃんとセバスチャンは2人とも完璧な伯爵と執事として仕上がっている状態のはずですが、もしかするとまだセバスチャンはそれでも多少悪魔みが残っている、という意味合いなのかもしれませんね笑
ちなみにセバスチャンは嘘をつかないため普段坊ちゃんの事を「シエル」ではなく「坊ちゃん」と呼んでいますが、今回は「ファントムハイヴ伯爵」と呼んでいました。
確かに「シエル」とは言っていません…!相変わらず「名前」の点で徹底されています!
ハウスキーパーのお仕事
セバスチャンの口から「ハウスキーパーもおりませんので、メニューを決める役目は執事である私に一任されています」というセリフが出ました。
ハウスキーパーとは日本語で言えば家政婦長の事です。
ヴィンセントの時代はファントムハイヴ家にいた可能性もありますが、坊ちゃんの代になってからはまず間違いなく雇われたことはない職種ですね。
ちなみに黒執事の中ではハウスキーパーとして、ヒースフィールド男爵邸の中でミセス・アビーが登場しています。
このミセス・アビーも兄シエル側に加担した人物としてどこまで真実を知っているのか、非常に怪しい人物として描かれています。
ハウスキーパー(家政婦長)
ナニー、ガヴァネス、レディーズ・メイドの三者を除く、台所担当及び全ての女性使用人を管理・統括した。また食料品貯蔵室の鍵を預かり管理もしていた。リネンと高価な陶器の管理も任されており、自分の部屋と鍵がかかる戸棚とシンクを備えた小さな陶器部屋とは繋がっていた。私室は仕事部屋も兼ねていた。そこには奥行きの深い高棚と床から天井まで届く戸棚があり、保存食品、ピクルス、スパイス、極上の食品、菓子、砂糖、ビスケットが置かれていた。尊敬の印として独身であっても常に「ミセス」の冠付きで呼ばれていた。
セバスチャンの説明によると本来メニューを決める仕事というのはハウスキーパーの仕事であり執事の仕事ではないようです。
こちら裏付けを見つけることが出来なかったので確定とは言い切れないのですが、黒執事はかなり歴史的背景に忠実に描かれている作品なので恐らくこの一文も事実に則ったものであると考えられます。
まとめ
いやーーーーーバルドの回想にちょこちょこ出てくる男の子が気になって夜しか眠れない今日この頃です‥!!!
しかしいくらファントムハイヴ邸が人不足とはいえ、説明もなしに与えた手引書よりも3時間早く叩き起こされ、本来シェフがやる仕事ではないメイドやシェフ見習の雑用仕事までさせられると言われたら、そりゃあバルドでなくてもあんな顔になりますな…と思いましたww
バルドが3連続でシラーっとした顔をして明後日の方向を見ているのですがすごく面白いので是非実際に読んでみてくださいww
でも個人的なハイライトはバルドの見下した笑い顔でしょうかねーーー!
大好きなんですゲス笑顔。ビバ!!
まだまだセバスチャンはバルドへのシェフとしての教育を諦めていないようですが、一点心配なポイントがあるとすれば私の記憶ではバルドはセバスチャンが期待するようなまともな食事を作れたことはなくって、最新刊までずっと料理を炭にしていた気がするんですよねー‥‥
一体どこでセバスチャンは諦め折り合いをつけるのか…( ^ω^)!
黒執事の本筋には全く関係がない点かもしれませんが、実はこのあたりもちょっと楽しみにしていたりします笑
さて来月バルドは無事にお肉を上手に焼くことが出来るのか…!
緊迫の一瞬を固唾を飲んで見守りたいと思います。
お肉を焼くと言えばこれ↓
餅月