第133話「その執事、没了」
タナカ「だだをこねるなんて坊ちゃんらしくありませんぞ」坊ちゃん「そうだよ、どうしちゃったの? 」
真シエル「お前にはわかんないよ!!もう放っておいて!!」
真シエル「僕お尻を叩かれても絶対勉強しないから!!!!!」
レイチェル「あら、シエルは怒られるようなことをしたの?」
ヴィンセント「勉強したくないのは何か理由があるんだろう?起こらないから私たちに教えてくれないか。」
真シエル「だって、あいつ牧師じゃなくてロンドンでおもちゃ屋になりたいって言うんだ…。僕を1人にするって、ずっと一緒じゃないって、なら伯爵になる勉強なんかしたくないーーーーーー!!!僕も伯爵じゃなくておもちゃ屋になるー!!」
ヴィンセント「 2人ともそんな話をしていたのか…!」
レイチェル「泣かないでシエル、気持ちはよくわかるわ。生まれてからずっと一緒だったんだものね。私もお嫁に来る時妹と離れるのは寂しかった。」
レイチェル「それはファントムハイヴ伯爵だけがつけられる指輪。お母様もはめちゃいけない。お父様と、未来のあなただけがつける資格がある特別の指輪。きれいでしょう?星のきらめきを閉じ込めた深い青。あなたの瞳によく似た色だわ。伯爵はおもちゃ屋のように努力すればなれるものではない。ファントムハイヴ伯爵はあなたにしか告げないものなの。」
真シエル「でも…」
ヴィンセント「弟と一緒におもちゃになる。確かに伯爵家の長男には難しいかもしれない。でも貴族の次男がおもちゃ屋になるのも楽な道じゃないぞ?そんな時お前が伯爵になっていれば弟を支えてやれるはずだ。」
レイチェル「そうよ!たとえ離れていても2人が兄弟であることに変わりは無いわ。ピンチの時に駆けつけてくれる伯爵のお兄ちゃん。私はかっこいいと思うなぁ」
真シエル「…そっかあ…やっぱり僕はファントムハイヴ伯爵になるしかないんだね…」★
真シエルは指輪をきゅっと握りしめこういいます。
「わかったよ!!」★
季節は巡り12月14日の朝(襲撃の日)になりました。
シエルたちの10歳の誕生日です
12月14日(ファントムハイヴ家襲撃事件当日)
アドベントカレンダーを開けるとウサギのフェーヴが出てきました。
真シエルは本を読んでいて夜更かしをしていたらしく寝不足気味です。
食堂へ行くとそこはきれいに飾り付けられており、クリスマスツリーの下にはたくさんのプレゼントが置いてありました。
レイチェル「今日は特別にお勉強は無しよ!夕方まで遊んでらっしゃい」
双子「わーい!」
使用人「お二人ともお誕生日おめでとうございます!」
邸中の使用人が双子に声をかけます。
坊ちゃん「さっきから甘くていい匂いがするね」
真シエル「きっとケーキを焼いているんだ見に行ってみようよ。」
使用人「あっ!だめですよ坊ちゃん!どんなケーキか夕食まで内緒です!」
真シエル「そんなの待ちきれないよ〜」
坊ちゃん「ヒントは?」
使用人「坊ちゃんたちの大好きなケーキです!」
真シエル「じゃぁいちごかな?」
坊ちゃん「チョコかも!」
タナカ「 6時ごろ晩餐用のお召し替えのお手伝いに参りますからね。」
双子「はーい」
そこから双子はチェスをして遊び、気がつくと眠ってしまいます。
坊ちゃんは、柱時計がうつ6時の鐘で目を覚ましました。
坊ちゃん「寝ちゃってた。じいやは? 」
真シエル「まだみたい。」
6時15分になりました。
坊ちゃん「まだかなぁ。」
真シエル「きっとすごいパーティーの準備をしているんだよ。」
6時40分になりました。
坊ちゃん「じいや遅いね… 。」
真シエル「うん…。」
もうすぐ時計の針は6時45分になりそうです。
坊ちゃん「…なんで、誰もこないの?」
シエルたちを変えた、あの日が来たーーー
この言葉で、第133話は終了です。
来月は読むのに覚悟が必要そうですね。
坊ちゃんが言っていた「あの日」は、どうやら襲撃の日当日のことのようです。
おそらく、真シエルはクロです。
考察に続きます!🙇
餅月