黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】ドールの『嘘』が示す未来。ジョーカー再登場の伏線とビザールドール化の真相を読み解く

こんにちは!餅月です。
黒執事第194話・195話に登場するドールの発言に焦点を当て、その中に隠された「嘘」と、それが示唆するジョーカー再登場の可能性について考察します。

今回の記事は、下記記事からの抜粋となります。
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ドールがついた嘘/ドールの回想を信じてはいけない

感動的な再開を果たしたスネークとドール。

お互いあれから何があったかを語り合いますが、第194話の中で語られたドールの話には既に嘘が含まれています。

ドールの過去回想を読む際は、セバスチャンと坊ちゃんの契約シーンの考察の様に、何が真実で何が嘘なのかを注意深く観察しながら読む必要がありそうです。
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1.「ジョーカーたちの行方を知らない」ドールの嘘

まず、ドールが過去を遡り始めた際の第一声に着目します。

ドール「ジョーカーの兄貴たちの行方はオレも知らない。みんな何も言わずいなくなっちまった。」
黒執事第194話「その執事、入校」より引用

まずこの台詞から既に、全て嘘であることが分かります。

ドールはサーカス編の中でケルヴィン男爵邸についた際、ジョーカーを殺した後のセバスチャンと鉢合わせています。

そしてそこでドールは、セバスチャンからジョーカーが死んだことを直接聞いているのです。

ジョーカーたちが死んだことを知るドール:黒執事第35話「その執事、遂行」より引用

このことから、ドールがジョーカーの行方を知らないと言った事がまず一つ目の嘘であることが分かります。
では、このドールの嘘は一体何を意味しているのでしょうか?

敢えて嘘をつくのには何か理由があるはずです。
ドールが嘘をついたということは、ジョーカーの行方・現在は、今後に関わる重要な伏線である為敢えてぼかされた可能性が濃くなったことを表していると私は感じます。

今回満を持して再登場を果たしたドール。
ジョーカーは一見まだ再登場は果たしていません。

しかし実は、ジョーカーはドールよりもはるか前から既に再登場を果たしている可能性があるのです。

現在当ブログでは、ジョーカーはビザールドールのポラリス様の可能性を考察してきました。

黒執事では、重要なキャラほど真実が隠され、嘘で固められる傾向があります。
今回ジョーカーの安否についてドールの口から嘘の証言が出たことにより、今後の黒執事では、ジョーカーはドール以上に重要なキャラクターとして描かれる可能性があります。

ジョーカー=ポラリス様についての考察は下記記事にまとめてあります!
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2.サーカス団員襲撃夜の行動

次にドールが嘘をついたのは、サーカス団員たちがファントムハイヴ家本邸に襲撃をかけた夜の行動についてです。
第194話でドールはケルヴィン男爵への届け物を頼まれて別行動をしたと発言しました。

しかし実際のサーカス編の中で描かれた真実は、追手が来ることを危惧したサーカス団員達が、ジョーカーがいない間にファントムハイヴ家襲撃を前倒して決行することにしたという事をジョーカーに報告するための別行動でした。
届け物は頼まれていなかったことが分かります。

この嘘については純粋に、ドールが今も尚スネークに対して自分たちが人さらいを行っていたという事実を伏せるためについた嘘だと思われます。

次に195話内のドールの嘘を見ていきましょう

「手も足も出なかった。」

ドール「俺はあの夜、全てを失ったーー。オレがお父様のもとに到着した時、屋敷はすっかり炎に包まれていて…。無力な俺は誰も助けられなかった。(ここまで真)手も足も出なかった。(←スネークに対するミスリード)
黒執事第195話「その執事、謹聴」より引用

ドールが手も足も出なかった相手はセバスチャンの事:黒執事第195話「その執事、謹聴」より引用

この台詞は普段黒執事が私達読者に対して良くおこなうミスリードの伏線の描き方を、読者に対してではなく登場人物であるスネークに向けて行っている台詞であると感じています。

まず、ドールの前半部分の台詞を見てみましょう。

サーカス編で描かれた事実と一致している為、真実であることは間違いありません。

しかし、次の「手も足も出なかった」というセリフについて。

この台詞を紐解く上で重要なのは、
・主語が無い事。
・挿絵がセバスチャンである

この二点です。

黒執事ではミスリードの伏線を張るために敢えて主語をぼかされることが良くあります。

今回のドールの台詞を素直に初めから読んでみると、この「手も足も出ないかった」というセリフは、一見「屋敷が炎に包まれていたから」にかかるように見えるかと思います。
これがスネークの捉え方のはずです。

しかし、実際ドールは炎ではなく「手も足も出なかった」の主語は実はセバスチャンに対してかかっている事が理解できます。

「一度はノアの方舟サーカスに戻った(偽)」

ド―ル「兄貴たちもお父様も一晩にして失って…(ここまで真)一度はノアの方舟サーカスに戻ったけど(偽の可能性大)兄貴たちがごっそりいなくなっちまっちゃあやっていけるわけがない。」
黒執事第195話「その執事、謹聴」より引用

ドールの一度ノアの方舟サーカスに戻ったという発言は現段階ではである可能性が高いと感じています。

理由はもしこれが真実であり、かつドールがビザールドールであった場合、葬儀屋のビザールドールの進化の歴史とつじつまが合わないからです。

青の教団編で明らかにされた兄シエルのビザールドールの蘇生技術の向上は、そのまま葬儀屋(アンダーテイカー)の死者蘇生の技術の歴史を反映しています。

ビザールドールの進化の歴史については過去記事で詳しくまとめています。
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その歴史を紐解いてみると、サーカス編ではまだビザールドールからは管を外すことが出来ず、また自分で立つことも出来ないことが分かります。

その後の豪華客船編でのクオリティは言わずもがなで、寄宿学校編でもビザールドールである兄シエルには自我が見えることはありませんでした。

葬儀屋が「最高傑作」と豪語する兄シエルの蘇生クオリティを持ってさえこの結果であったことから、仮にドールがビザールドールとして蘇生を受けた後だったとしても、すぐにサーカス団に戻ることは不可能であったことが分かります。

ただこのドールの発言は「いつ」であるかは明記していません。
緑の魔女編では兄シエルが葬儀屋と短く会話をしているシーンがあったことから、仮にこの時期にドールがサーカス団に戻っていた場合は、この台詞は嘘ではないことになります。

ロンドンやバースを転々とした

ド―ル「それからオレはロンドンやバースを転々(真?)として今はこのF.O.L児童養護院の雑用係(偽)だ。」
黒執事第195話「その執事、謹聴」より引用

まず上記の台詞の中で一番気になったのは
ロンドンやバースという具体的な地名についてです。

私はこの具体的な地名について、実際にドールはビザールドールになってから行った事がある可能性があるのではないかと感じています。

理由は、ロンドンとバースにはそれぞれ葬儀屋&兄シエルサイドの血液収集施設があることがすでに原作の中で明らかにされているからです。

ロンドンの血液収集施設
スフィアミュージックホール
※全種類の血液を収集。多数の不本意な失血死を招いた

バースの治療施設
・建設途中のミュージックホール
全種類の血液対応の治療施設。貴族院などの上層部で腎不全を患った生者が多額の献金の代わりに透析治療を受けていた。最終的には血液を採取され、故意に殺害された。

以上の事から、ロンドンとバースはそれぞれ兄シエル側の施設があるという点で共通していることが分かります。

ドールはお星さまのカノープス様として血液を調達するために出張で訪れた可能性があるのです。

兄シエルの為に「出張」するお星さま:黒執事29巻第151話「その執事、無精」より引用

このことからも、ドールがロンドンとバースにそれぞれ出向くのはつじつまが合うことが分かります。

もしこの考察が正しかった場合、第195話で描かれたドールのこの挿絵は、転々とロンドンやバースを彷徨うドールではなく、ロンドンやバースに血液の回収に向かうカノープス様としてのドールを描いているのかも、しれませんね。

ロンドンやバースに行ったと発言するドールの過去回想:黒執事第195話「その執事、謹聴」より引用

ドールの「嘘」まとめ/嘘をつく準備をしていた可能性

以上の考察から、ドールの発言には多くの「嘘」が含まれていることが明らかになりました。

これらの嘘は、ジョーカー再登場の伏線である可能性が高く、今後の展開に注目が集まります。

元々ドールは情が厚く、仲間を騙すことも得意なタイプではありません。
それは第194話でドールが嘘をつく直前、カップを強く握りしめる様子からも垣間見えます。

嘘を吐くドール:黒執事第194話「その執事、入校」より引用

久しぶりのスネークとの再会。
ドールは喜んではいましたが驚いてはいませんでした。

ここがスネークとドールの明確な違いであると感じています。

何故ドールはジョーカーの真実をスネークに対して隠すのでしょうか?

この点については、今後の黒執事を読む上で重要な疑問点の内の一つであると言えるでしょう。

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それではまた次の記事でお会いしましょう。
餅月