黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【黒執事考察ブログ】The world is my oister...黒執事×真珠が紡ぐ“祝いと死”の美学。Gファンタジー2023年4月号表紙を徹底考察

こんにちは!餅月です。
今日は牡蠣坊ちゃんこと、 Gファンタジ―2023年4月号表紙考察をしていきたいと思います!

この絵はただ美しいだけではありません。
背後には様々な意味合いが隠されている可能性があるのです。

今回の記事は、下記記事からの抜粋となります。
www.under-taker.com

Gファンタジ―2023年4月号表紙考察

Gファンタジ―30周年記念号で表紙を飾った黒執事。

真珠をモチーフにした絵となっています。

Gファンタジ―2023年4月号表紙:黒執事

この真珠モチーフには3つの意味合いが含まれている可能性があります。

  • The world is your oyster(世界は貴方の(※僕の)もの)
  • 真珠は冠婚葬祭すべてで身に着けられる唯一の宝石
  • 真珠とヴィクトリア女王との関係性

順番に考察していきましょう。

The world is your oyster(世界は貴方の(僕の)もの)

イギリスの諺でThe world is your oysterという言葉が存在します。
この意味は、世界は貴方のもの。

詳細を引用させて頂きます。

"The world is your oyster" の本当の意味は、
世界はあなたのもの
あなたの可能性は無限大

"oyster" といっても食用のカキではなく、"pearl oyster(真珠貝)" を指しています。

ではなぜ "The world is your oyster" はこういった意味なのか。

この表現の語源は、シェークスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』に出てくるピストルという登場人物が言ったセリフに由来します。

Pistol: “Why then the world’s mine oyster, which I with sword will open.”

The Merry Wives Of Windsor
「世界が牡蠣のようなものならば、この剣で世界をこじ開けてみせよう。」

つまり、誰にでもチャンスは転がっていて、自分のやる気や努力、工夫次第でそれをつかむことができる、なんとでもなるといったニュアンスがあります。

引用:“The world is your oyster” ってどういう意味?? | 英語たいむ

今回の表紙では、The world is your oysterではなく、The world is my oisterとなっていることが分かります。

添えられている言葉を正確に訳すと、「世界は僕のもの」となる事が分かります。

本来の意味合いであれば、「世界は貴方のもの」と、セバスチャンから坊ちゃんに向けられた言葉になるように感じますが、今回の台詞は坊ちゃんの言葉であることが分かります。
頼もしいですね。

またoisterも古い英語表記とのことです。

坊ちゃんとセバスチャンのポーズから食用牡蠣にもかけられているようです。

調べたところによるとイギリスではWhitstable Oyster Festivalという牡蠣のお祭りがあり、そこでは基本生牡蠣店しかなかったとのこと。

今回セバスチャンが食用としての生牡蠣を差し出しているのもこの食文化になぞらえてのものなのかもしれませんね。

真珠は冠婚葬祭すべてで身に着けられる唯一の宝石

次に、真珠と冠婚葬祭について考察していきましょう。
真珠は冠婚葬祭すべてで身に着けられる唯一の宝石であることが挙げられます。

今回の表紙絵のメインテーマは勿論、めでたい意味合いな筈です。

しかし黒執事は『死』と切っても切り離せない物語。

『葬』でも同時に使うことが可能な真珠は、まさしく祝い事と黒執事という作品を同時に表現する上で最適な宝石であるように感じます。

それだけではありません。
真珠が葬儀の場でも許されるようになった理由には、ヴィクトリア女王が関係していることも理由の一つとして上げることが出来ます。

真珠とヴィクトリア女王の関係性

調べたてみたところ、真珠が葬儀の場で使われるようになった理由として黒執事にも登場するヴィクトリア女王が強く影響していたことが分かりました。

パールには「悲しみを添える」という意味があるとされています。弔事の場でパールが身につけられるようになったのは、イギリスのエリザベス女王が国葬の際に着用したことがきっかけだといわれています。エリザベス女王は、故人の死に対する悲しみを表すためにパールを身につけていたのです。

引用:パール(真珠)の意味は? 効果や種類も徹底解説
またエリザベス女王の葬儀でも英国王室の女性が真珠を身に着けており、英国王室の葬儀と真珠は切っても切り離せないものであることが分かります。

イギリス王室の女性メンバーたちは長年、パールを身につけて喪に服してきた。
(略)
なぜ真珠は、王室メンバーが喪に服す際に選ばれるのだろうか?
作家でジュエリー史の研究家であるヴィヴィアン・ベッカーはこれは「伝統」なのだとし、こう続ける。
(略)
真珠が喪を強く連想させるようになったのは、ヴィクトリア女王の影響が大きい。1861年、最愛の夫であるアルバート公を42歳失った彼女は、その後の約40年間を喪に服して過ごした。ヴィクトリア女王の存在により、喪の儀式にまつわる厳格なルールが生まれた。
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館のジュエリーキュレーター、クレア・フィリップスは、著書『Jewels and Jewellery』で次のように書いている。
「死をめぐるエチケットは、19世紀の間により複雑で厳格なものになった......。1860年代、夫を亡くした女性は、夫の死後1年と1日の間、黒い服と、磨かれていないジェット(黒玉)を身につけて過ごすことが求められた。その期間が過ぎると、服喪用の少し凝ったジュエリーの着用が許され、その後、ダイヤモンドやパール、そして色石を身につけられるようになった。ヴィクトリア女王に倣い、より明るい雰囲気の装飾品を二度と身につけなかった女性もいた」

引用:英王室の女性たちが、喪の装いに真珠を合わせる意味とは? | Vogue Japan

まとめ

以上のことから真珠はめでたい場にふさわしいジュエリーであると同時に、ヴィクトリア女王、そして葬儀の場という点でも非常に縁の深いものであることが分かります。

ただ華やかなだけではなく、どこか悲しみや仄暗さも帯びる宝石、真珠。

まさしく『黒執事』という作品が祝いの席で付けるアクセサリーとしてピッタリだと強く感じました。

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それではまた次の記事でお会いしましょう!
餅月