こんにちは、餅月です!
今回は『黒執事』青の教団編/25巻第121話「その執事、不動」の考察をしていきたいと思います。
前回のネタバレ&考察はこちらの記事をご覧ください。
※あらすじをご存知の方は上記目次より「考察」に飛んでくださいm(__)m
あらすじ
黒執事25巻第121話「その執事、不動」
扉絵:蝙蝠のマントをかぶったファントム・ファイヴのメンバーと、それを前に得意げに腕組をし微笑む坊ちゃん
スフィア・ミュージックホールに対抗すべく
目の前にファントム・ミュージックホールを作りミュージックホール対決に乗り出した坊ちゃん。
ファントム・ミュージックホールの前にはファントム・ファイブのチケットを求める群衆が溢れていた
店員「ファントム・ファイヴ明日の公演チケットの配布は終了です!当日券は抽選となります!」
あまりの盛況ぶりに衝撃を受けるブラバット
そこに偵察に出していたスフィア・ミュージックホールのスタッフが帰ってくる
ブラバット「何があったか報告して。」
店員「なんか…ギューン!!ってしたと思ったらドドドンッってなって!ぶんぶんしたりピカピカしたり…!!!!ヤバかったんスよ!!!」
ブラバット「…はあ?」
つい明日のチケットも取ってしまったと興奮気味に話す店員。
ブラバットはそれを店員の手から奪う
ブラバット「それはお手柄。よくやってくれたねお疲れ様!今日はもう上がっていいよ」
使えないなあとぼやくブラバット。
そこにS4のメンバーレドモンドが血相を変えて飛んでくる
レドモンド「ブラバットさん!バイオレットが…!医者は貧血と過労じゃないかと…。」
バイオレットの心配ではなく、内心『こんなときに…』とぼやくブラバット
グリーンヒル「ブラバットさん、明日の限定集会、バイオレットは休ませてもらえませんか?」
ブラバット「『月曜はポラリスの日か…』もちろんだよ!輝くスターは健康第一!しっかり休んで元気になってもらわないとね!」
人懐っこい笑顔で言うブラバット。
しかし倒れたバイオレットはベットから起き上がってしまう
バイオレット「必要ないよ…おなかがすきすぎてちょっとフラついただけ。みんな大げさに騒ぎすぎ…」
それを制すブラバット
ブラバット「いいや、バイオレット君無理は禁物だよ。君は大事なシリウスなんだから。ね」
有無を言わさない様子に異議を唱えられないバイオレット。しぶしぶ頷く
ーーー日にちは変わり翌日
ファントム・ファイブの公演の偵察に行くブラバット
普段のギリシャ衣装のような目立つ服装ではなく現代的で地味な格好に身を包む。(頭の星の飾りも外している)
ファントム・ミュージックホールではプレゼントと称され、
入り口で色のついた棒とタオルが渡される(どう見てもライブ用のサイリウム)
なんだこれは、と全く理解できないブラバット
劇場内では公演グッズとして、ファントム・ファイブのメンバ―に扮したビターラビットが販売されている
ブラバット『子供っぽいステッキにぬいぐるみ…。しかも金をとるなんて。うちの純銀のブレスレットとくらぶべくもないね。』
劇場内に入ると広い上にすでに観覧場所がブロックごとに決められていた。
ブラバット『これじゃ舞台から遠い客は見づらいし音が遠い。ミュージックホールは広すぎても狭すぎてもダメなんだよ。動員数獲得を焦ったばかりの致命的なミスだね。』
アナウンス「紳士淑女の皆さん。ファントム・ミュージックホールへようこそ!今宵は心行くまで踊り明かしましょう…。」
幕が開くが舞台上にファントム・ファイブの姿はない。
ざわつく場内。
?「さあ!ショータイムだ!」
突然天井から響く声
蝙蝠のマントとフードを被ったメンバーが、天井から滑空する
観客「と、飛んでる!?」
舞台に降り立つメンバー5人
「 Phantom?Knight?」
喚ぶ奴は誰だ?
甘い匂い誰だ?
GRRRR
GRRRR
(観客に向かって猫の手の様なポーズをする)
さあ刻がきた
僕は目覚める
獲物はそうさ
お城のネズミ?
滴る生き血?
じゃなくキミ!
どこまでもどこまでも追いかける
いつまでもいつまでも食い飽きぬ
夜を咬んで
GRRR
恥じらい裂いて
GRRR
少女剥いで
GRRR
闇呑込んで永久に!
メンバーが前にいるにもかかわらず後ろから声がすることに驚き振り向く観客とブラバット
そこには現代のスピーカーのような機械。メンバーの前にはマイクに似たものが立っている
ブラバット『まさかあの装置で声を増幅して…!?歌も踊りもレベルが高い。…しかしまだまだファントム・ファイヴは新参者。なじみのない曲では観客もノリきれない。』
そう思ったとたん、ファントム・ファイブのソーマが観客に、配ったタオルを出すように声をかける
タオルを振り回し俺に続けと促すソーマ
場は一気に温まる
ブラバット『あのタオルはこのためか…!』
チェスロック「後ろ盛り上がってるかあ!?気ィ抜いてんじゃねえぞ行くぜ!」
舞台を飛び降りるメンバー
観客をブロック分けし作った通路を歩き、観客と距離を近づける
エドワードに扮したビターラビットのぬいぐるみを持った女性の観客
それに気づいたエドワードは自分指先にキスをし、その指先で女性のぬいぐるみの口元にキスを返す
悶絶する女性
ブラバット『あのぬいぐるみはファンがメンバーにアピールするためのものだったのか!メンバ―は自分のぬいぐるみを持つ客へサービスに向かう。…張り巡らされている!客を楽しませる戦略が!』
歌が終わり、場内の灯りが落とされる
エドワード「俺たちに星の灯り(キラキラ)は必要ない。俺たちに必要なのは、照らしてくれるのはお前たちだ。」
その言葉とともに、入り口で配られたサイリウムが輝き始める
ブラバット「何故光っている!?」
観客「魔法のステッキだ!」
観客「きれい... 」
ファントム・ファイブ「さあ星空をぶっ飛ばすくらい盛り上がろうぜ!『 Bloken Star』!」
熱狂して答える観客
打ちのめされるブラバット。
帰り道にはメンバーの名前が書かれた五つのゲートがある
スタッフ「帰りはメンバーによるお見送りがございます。お好きなゲートにお並びください」
ゲートの中ではメンバ―が観客一人一人へファンサービスに応えていた
エドワード「明日も来んだろ?ん?(女性の顎をつうと指でなぞる」
チェスロック「遅いから気ィつけて帰れよ。ハア?優しくねーし!」
ハーコート「わー♡ぼくのビタラビ買ってくれて嬉しい!僕だと思って可愛がってね♡」
ソーマ「踊りつかれた?象で送ってやろうか。」
クレイトン「あ…あう…その...ま、また…」
観客「エドワード様ヤバい…腰砕ける…」
観客「演出凄かったね!」
観客「クレイトン君実は一番かわいい」
観客「チェスロックのテクニックは本物だわ」
観客「ハーコートちゃん天使!」
観客「ソーマ王子のダンスのキレすごい」
ブラバット「‥‥完璧だ。」
考えつくされた楽曲、グッズ、パフォーマンス
そのすべてが絡み合い客を楽しませることに帰結している
あまりの完成度に愕然とするブラバット
?「これはこれはスフィア・ミュージックホールの....。当公演は楽しんでいただけましたか?」
ブラバット「君は‥‥ファントムハイヴ伯爵。」
勝ち誇った顔の坊ちゃんとセバスチャンがブラバットを見下ろしていた。
第121話終了ーーー
次話はこちらとなります
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考察
今回は坊っちゃん率いるファントムハイヴ社のエンターテイメント能力にブラバットがコテンパンにされる回でした(;'∀')
ファントムハイヴ社は総合エンターテイメント会社。
一番の強み部分であるためいくらブラバットと言えど勝つことは難しいかもしれません。
今回はファントム・ファイヴの全貌が明らかとなった回ですが、いくつか考察の余地がある部位分がありましたので拾っていきたいと思います。
坊っちゃんの正体を知っていたブラバット
ブラバットは
坊っちゃんと出会いすぐに「ファントムハイヴ伯爵」と言い当てました。
坊ちゃんは身分を隠してブラバットと会った時以外面識がありません。
やはり潜入していた時点で、ブラバットは坊ちゃんがファントムハイヴ伯爵であったことを分かっていたようです。
何故ブラバットは
坊っちゃんの正体を知っており、セバスチャンが人間でないことを言い当てることが出来たのでしょうか?
これはスフィア・ミュージックホールの裏にいる人物の伏線である可能性があります。
※私はブラバットはただの人間であり、葬儀屋に坊ちゃんとセバスチャンの正体と特徴を聞いていたのではないかと考えています。
真シエルと葬儀屋の影
スフィア・ミュージックホールにいるお星さまの中でも、シリウス様が坊っちゃんの双子の兄(真シエル)である可能性については以前より当ブログで言及してきました。
つまりブラバットは
真シエルについてかなり深くまで事前に知っていた可能性があります。
双子の坊ちゃんの存在も、女王の番犬として近いうちにスフィア・ミュージックホールに潜入してくる可能性があることも誰かから口添えされていた可能性があります。
となるとそれらを口添えした人物とは誰か。
・セバスチャンの正体が人間でないことを知っている人物。
・真シエルを蘇生しうる人物。
これらの可能性から、葬儀屋(アンダーテイカー)の影を見ることが出来ます。
進みすぎた科学技術合戦
今回のファントムファイヴの公演で描かれた中で最も重要な点は、すべてが進みすぎた形であるということをあげることが出来ます。
・スピーカー
・マイク
・サイリウム
・ファスナー(衣装部分)
これらはすべて当時のイギリスには存在していません。
衣装のファスナー以外に共通することは「電気」です
当時の1889年は、まだエジソンが蓄音機を発明してから20年もたっていない時代です。
これらの電子機器は19世紀後半に目覚ましく発展しましたがまだまだライブを行えるほどではありません。
また坊ちゃんがプロヂュースしたファントムファイブの公演形態は現在のライブの在り方と非常に近いものでした。
これは坊ちゃんの商才を表すものとしてが最も重要な意味合いかもしれませんが、これも「進みすぎている」と言えます。
今後の黒執事
今後の黒執事は、時代背景に比べて進みすぎた技術での戦いになっていく可能性があります。
特にそれは今後死神派遣協会に対抗していくうえで非常に重要なものとなります。
黒執事の中で進みすぎた未来の力を持つ団体こそが死神派遣協会です。
当時はまだエンジンが存在しない時代です。
となると、エンジンを搭載したチェーンソー型、芝刈り機型のデスサイズはすべて未来の器具となります。
オセロの胸ポケットにさらりと入っているボールペンも未来のものですし、死神のスーツや眼鏡のデザインなども非常に現代的です。
この死神派遣協会が黒執事のラスボスとして出てくる場合、今後この時代を凌駕した力に対抗していくことが黒執事の上でカギとなります。
そのような意味でも、サリヴァン(緑の魔女)は今後坊っちゃんにとって非常に重要なパートナーとなる可能性があります。
まとめ
今回はファントムファイヴの全容が明らかとなりました。
楽しげな公演を通じ、「進みすぎた科学の技術」を見せつけたファントムファイヴ。
この力こそが、今後の黒執事で大きな意味合いを持つのではと感じています。
餅月