黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【ネタバレ考察】『黒執事』25巻第120話「その執事、静聴」/倒れたバイオレット

こんにちは、餅月です!
今回は『黒執事』青の教団編/24巻第119話「その執事、示教」の考察をしていきたいと思います。
前回のネタバレ&考察はこちらの記事をご覧ください。
www.under-taker.com

※あらすじをご存知の方は上記目次より「考察」に飛んでくださいm(__)m

あらすじ


黒執事25巻第120話「その執事、静聴」
扉絵:机で仕事をする坊ちゃんと、横目でそれを見つめるセバスチャン

スフィア・ミュージックホール

それは身分に分け隔てなく催し物や食事を無償で提供し
熱狂的な支持者を集める娯楽施設

しかしその実体は
集めた人々から非合法的に血液を抜き取るカルト組織だった

時を同じくして
ロンドン近郊で遺棄された失血死体が多数発見。
件の組織にかかわりがあるのは明白。

だが相手は今や民衆だけでなく政府の高官まで魅了する時代の寵児たる存在。

裏の力で強引に解体すれば残された人々に大きな混乱をもたらすだろう。

そこで設立されたのがファントム・ミュージックホール

具楽のサービスで競い
相手のカリスマ的人気を失墜させ

スフィア・ミュージックホールの虜となっている者たちの目を覚まさせるのが目的だ。

その旗頭となるのがーーー

セバスチャンによって引き抜かれた、ウェストン校の現寮長生をメインに組まれた対抗組織アイドル、「ファントム・ファイブ」である

ーーーーーーーー

「ファントムーーーーー~~ファイっ!!」

掛け声と共に気合を入れるメンバー。

目の前に同じようなミュージックホールが出来たことにショックを隠せないスフィア・ミュージックホールの占い師ブラバット。

わなわなと手を震わせながらも、すぐに冷静になる

ブラバット『いや…今更こんな二番煎じがなんだって言うんだ。こっちは一朝一夕で人気を築いてきたわけじゃない。見せてあげるよ、オリジナルの力を!』

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自分に言い聞かせるブラバット:黒執事25巻第120話「その執事、静聴」より引用
と、言いつつもスフィア・ミュージックホールのドアマンに「念のためあっちの公演見てきてくれる?」とお願いするブラバット


スフィア・ミュージックホールは舞台に役者が誰もいなくなったにもかかわらず、観客は混乱し立ち尽くしている。

ステージの裏で困り果てていたP4(元ウェストン校寮長生)の元にブラバットが帰ってくる。
ほっとするP4のメンバー

何故寮弟(ファッグ)達が、と戸惑うメンバー。

寮生の存在を知らなかったブラバットに対し、ファントム・ファイブのメンバーが寄宿学校時代の後輩であることをつたえる。

ブラバット「大丈夫、落ち着いて。君たちの輝きをみたら真似したくなるのも当然さ。ちょっとびっくりしたけど。」

にははと笑うブラバット

ブラバット「君たちがいつも以上にキラキラなパフォーマンスを見せれば、小さな星たちも輝きを取り戻すはずだよ!だから予定してた新曲発表を一曲から二曲にしよう。」

バイオレット「えッ…(焦ったように)」

グリーンヒル「しっ、しかし二曲目はまだ練習中で…」

ブラバットが急にどこか冷たく言う

ブラバット「ねえ、君たちがこの地上で一番輝けるのはどこだい?ステージの上だろう?」

そうだ、あんなことをしてしまった俺たちはもう・・・・

寄宿学校編で、学校の伝統を守るためにデリック・アーデンを殺し、学校を追放された苦い思い出を思い起こす四人


ブラバット「…やれるね?」

その目線は有無を言わせない光を持っている

うなずくP4

再びミュージックホールの幕が開き、P 4 は客の前に笑顔で現れる。

レドモンド「みんなーーーーっお騒がせしてごめんね!もっともっと盛り上がっていこう!新曲は『シリウスを探して』。今日は特別にもう一曲!『パラダイ☆スフィア』!」


ーーーもう後戻りはできない。
俺たちが輝けるのは
世界中でここしかない!

演じながら焦りのような気持ちに追い立てられるP4。それでも笑顔で演じきる。

幕が下りる前に、舞台の上で突然バイオレットが倒れてしまう。
観客は悲鳴を上げ、バイオレットの腕にはたくさんの注射の刺し傷があることが写しだされる。


観客の黄色い歓声だと思い込み、ブラバットはステージ上の異変に気付かない。

ブラバット『ロンドン中を震わせる歓声…これが真のスターの力だよ。即興で寄せ集めたニセモノに負けるなんて絶対にありえない!』

歩幅も大きく、どうだとばかりにスフィア・ミュージックホールの扉を開け放つブラバット。

ブラバット「…え?」

笑顔のまま目を丸くし言葉を失うブラバット。
そこにはファントム・ファイブの公演見たさに、スフィア・ミュージックホールにも負けないほどの列を作ったファントム・ミュージックホールの光景があった。

第120話終了

考察

今回はアイドルとなった元プリ―フェクト組P4の真意と、ブラバットさんの若干の小物感が描かれた回でした。

P4には焦りがあるようです。
文字通り「背水の陣」。

笑顔で観客を楽しませている裏では、「殺人を犯してしまった」という壮絶な過去からくる「焦り」が垣間見えます。

ブラバットの話し方も、時折このP4の弱みに漬け込むような節がありました。
ちょっと卑怯でタチの悪いやり口です。

少なくともP4は、心の底から「キラキラした毎日」を送っていたわけではないようでした。


今回の話では回収された伏線はありませんでしたが、
新たに張られた重要な伏線としてはバイオレットが倒れたことに尽きるでしょう。

それでは順に考察に移っていきたいと思います。

新たに張られた伏線

寮弟を知らなかったブラバット

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黒執事25巻第120話「その執事、静聴」より引用

ブラバットはウェストン校に伝統的にあった寮弟(ファッグ)の制度を知りませんでした。
このことから、ブラバットは寄宿学校編の際葬儀屋の死者蘇生について一切かかわっていない可能性が高いと感じています。

ブラバットはいつから葬儀屋に協力していたのか?

寄宿学校編に関わっていなかったことは上記から間違いありません。
説としては二択となります。

・寄宿学校編の間葬儀屋(アンダーテイカー)とは別行動し、その間ミュージックホールの準備をしていた可能性

・豪華客船編での暁学会共同開発者リアン・ストーカーのような捨て駒

私は前者であると考えています。
個人的にブラバットは「小物感」が前面に押し出されているからこそ、リアンよりはもう少し深いかかわりがある気がすると考えています。

また坊っちゃんのことを占った際のことも考察の視野に入れることが出来ます。

ブラバットの意味深な占い

・セバスチャンが悪魔だということを言い当てた

・悪魔から離れることを手伝ってあげようかと発言した

真シエル(シリウス様)が二面性が激しいという、まだ明かされていないキャラクター性についても示唆していること

これらの占いは、葬儀屋から事実を聞いてさえいれば言い当て得ることは容易です。

ブラバットは他の客を占う時もコールド・リーディングによる誘導尋問(会話や観察から相手のことを言い当てる話術)をしていたことが原作で明かされていることから、
彼自身はただの人間であると私は予想しています。

しかしそれでも特筆すべき注目する点があります。
それは、これらのことが「いずれにせよかなりファントムハイヴに踏み入った内容である」ということです。

特に真シエルの二面性については、現在まだ伏線として張られている段階で真実は明らかになっていません。

真シエルの二面性についての考察はこちらの記事にまとめてあります。
www.under-taker.com


リアンよりは何かしらファントムハイヴに近しい縁を持つキャラクターの可能性であることが高いと考えています。
結局捨て駒であることに違いは無いかもしれませんが…。

葬儀屋の遺髪入れには「B」から始まる名字の人物が存在します。
これがもしブラバットの先祖であったとしたら面白いですよね(根拠はまだありません)

余談( ..)φ:どこでP4を知ったのか?

ちなみにブラバットはどこでどのようにP4を知り、アイドル結成に誘ったのでしょうか?

私はP4を見つけ声をかけたのは恐らく葬儀屋(アンダーテイカー)なのではないかと考えています。

今回ファントム・ファイブを結成するにあたり、ウェストン校で先生をしていた立場であるセバスチャンがメンバーを選別しました。
これが伏線である可能性があります。

恐らく寄宿学校編後、行き場を無くした彼らを拾う形で葬儀屋が声をかけたのではないでしょうか?

「校長の言うことは絶対」。
この洗脳はおそらく四人の中でまだ完全には溶けてはいなかったはずです。

偽物だったとはいえ、何か得体のしれない強大な力を感じる「元・校長」である葬儀屋に誘われ、P4はその誘いに乗ってしまったのかもしれません。

そしてスフィア・ミュージックホールへ連れ帰り、仲間であるブラバットに引き合わせた・・。この可能性がとても高いのではと私は感じています。

「捨てる神あれば拾う神あり」
「殺人を犯したという背水の陣」
「ブラバットと葬儀屋(元・校長)の謎に包まれたカリスマ性」

クリケット大会前夜祭ですら踊ることが無かったというバイオレットが躍ったことも納得がいく理由ですね。


伏線:倒れたバイオレット

今回新たに張られた中で最大の伏線と言えます。
バイオレットの腕には沢山の注射跡がありました。

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腕に存在する不気味な注射痕と倒れるバイオレット:黒執事25巻第120話「その執事、静聴」より引用

バイオレットは最も貴重な「シリウス」型(AB型)の血液の持ち主です。

スフィア・ミュージックホールは貴重なクワイア(祝歌隊)であるバイオレットからも血を抜き取っていたようです。

P4の中で血を抜かれていたのはバイオレットだけ

他のメンバーが無邪気に練習にとりかかっているのに対し、バイオレットのみどこか様子が違います。

これはバイオレットしかミュージックホールの裏の顔(血を集めていること)を知らないことを表す伏線でもあります。

わざわざバイオレットから血を抜く理由

さらに言えば、
P4はミュージックホールの宣伝頭です。そのバイオレットから血を抜くことはあまりミュージックホールにとってもメリットが無いことは明白です。
貧血で倒れてしまうということは相当の量をすでに抜かれているはずです。

セバスチャンによって、シリウス型の血液は本当に量が少ないことが明らかとなっています。

P4から血を抜いてでもシリウスの血液が必要であるという、スフィア・ミュージックホールの追い詰められた一面が垣間見える伏線でもあります。

まとめ

いよいよミュージックホール対決が始まりました。
バイオレットの様子を見ると体調が心配です。

この・・ブラバットさんに感じる若干の小物感は何なのでしょうか・・笑
ちなみに今後ブラバットさんと坊ちゃんとの会話は更に面白いものとなるので個人的に楽しみです笑

血液について徐々に伏線が張られ、そして回収され始めました。
スフィア・ミュージックホールの真意は何なのか。

黒執事は大きな転換期を迎えようとしています。

餅月