黒執事考察ブログ

葬儀屋(アンダーテイカー)についての考察を載せたいがためにはじめたブログです。『黒執事』に隠された「嘘」と「伏線」に、貴方も騙されていませんか?※本誌内容に言及します※

【ネタバレ考察】黒執事24巻第118話「その執事、改装」

こんにちは、餅月です。
今回は黒執事24巻第118話「その執事、改装」青の教団編の考察をしていきたいと思います。

前回の話のネタバレ考察はこちらの記事となります。
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あらすじ

扉絵:ビターラビットを三段トレーに載せて持つセバスチャン

部屋に飛び込んでくるアグニ。エリザベスがいなくなったことを伝える。
ここは三階だぞと驚くエドワード。カーテンをつないで外に降りたようだ。なぜそこまで・・と苦しむエドワード。

坊っちゃん「お前・・気づいていたな。」
セバスチャンをにらむ坊ちゃん
セバスチャン「ええ。ですが引き留めてどうなさるおつもりです?囚人のように見張りを付けますか?それとも犬のように鎖でつないでおきましょうか?」
ニタリと目元が悪魔らしく歪むセバスチャン
坊っちゃん「貴様…っ!」
セバスチャン「いったでしょう?他人の心を縛る事など不可能だと。エリザベス様の心がスフィア・ミュージックホールに囚われている限り何度連れ戻しても同じことの繰り返しになる。」

エドワード「いったい何がリジーの心を!?あそこにしかないリジーのキラキラってなんだ!?」
坊っちゃん「占い師に何かを吹き込まれ洗脳状態である可能性もある。」
セバスチャンの中に『あたしだけはそっちに帰れない!』といったエリザベスがよぎる。

真剣に話し合うエドワードと坊ちゃん。
しかし何やら表が慌ただしくなってきて会話に集中できない。

坊っちゃん「オイッ!!うるさいぞ!いったい何を・・・なんだこの子供の群れは!?」
そこには子供たちを前にカレーパンを配るアグニとソーマの姿があった。
高貴な者の義務として、民衆に施しをしているのだというソーマ。

坊っちゃん「物には限度がある!これじゃ炊き出しじゃないか!」
セバスチャン「見慣れない顔がかなりある・・・別の区画のストリートチルドレンも集まっているようですね。」

だってここのパンが一番おいしいし、お兄ちゃん優しいから、と嬉しそうな子供たち。それを見て坊ちゃんは何かに気づく

坊っちゃん「僕はなぜこんな簡単なことに気づかなかったんだ...!」


二週間後の第四土曜。
スフィア・ミュージックホールは相変わらずの賑わいを見せている。
いつものキャロルが終わり、S4 が新しい衣装で現れる。新曲「シリウスを探して」を披露しようとしたその時

?「オイ、偽物ども」
?「その程度でキラキラ?笑わせんな。俺たちが本物を教えてやるぜ!」

コーラス隊の5人がフードを脱ぐ。そこにはロック調の服に身を包んだ現P4とソーマの姿が。


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ハリボテの夜空
イミテーションの星

幻影灯で作られた退屈なサタデーナイト
暗黒の夜空
デストラクションの星
綺麗なだけじゃない スリリングな スリープレスナイト
玩具ではしゃいでた
オコサマにsay good bye

さあ俺の手を取って
連れ出してやる今夜

新しい夜の世界へ!

ーーーーーーーーーーー

騒然とする会場

エドワード「ロンドンの夜を支配するのは俺たちーーファントム・ファイブだ!もっと踊りたい奴は表に出な。朝まで暴れさせてやるぜ・・・?」
色気にふらつく女性客

その言葉を聞きブラバットは表へ飛び出す

ブラバット『まさか・・まさか』
目の前にはでかでかと掲げられた「ファントム・ミュージックホール」の看板が。

ブラバット「そんな・・・うちの前は廃れた小劇場だったはずじゃ・・・。」

ファントム・ミュージックホールの中では
坊っちゃん「他人の心が縛れないなら、自ら選ばせればいい。ただそれだけの話だ。」
セバスチャン「それにしても本家の目の前で二番煎じとは坊ちゃんも人が悪い。」
坊っちゃん「菓子、玩具、レストラン、カフェ・・・わが社はエンターテイメントの総合企業だ。劇場経営に乗り出すのは自然な流れだろう。さあ、極上の享楽をお前たちに教えてやろう。ファントム・ミュージックホール会場だ!」

第118話 終了

次話、黒執事24巻第119話「その執事、示教」のネタバレ考察はこちらの記事となります。
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考察

再び逃げ出したエリザベス

連れ戻されたエリザベスですが、今回再び屋敷を抜け出しスフィア・ミュージックホールへと帰ってしまいました。

しかも玄関からではなく三階の窓からカーテンをつたってという強硬手段です。
またエリザベスの格好はパジャマはだし
「可愛さ」を重視するはずのエリザベスがこのような格好でスフィア・ミュージックホールへ帰ろうとすることはとても普通とは思えません。

またわざわざ玄関を通ってではなく、あえて窓からという姿勢には坊ちゃんへの壁のようなものを感じます。
それだけ誰とも顔を合わせたくなかったのでしょうか?

今回はエリザベスのスフィア・ミュージックホールへの異常な執着ぶりが強調される回となりました。
しかしエリザベスは単なるわがままで人に迷惑をかけるような行動をする子ではありません。
彼女一人で抱え込まざるを得ないような何か「真実」をスフィア・ミュージックホールで見てしまったのかもしれません。

坊っちゃんに有無を言わせる隙さえ与えず帰って行ってしまう姿勢はとても悲しいものを感じますが、もしかすると坊ちゃんを糾弾することもせず、あえて自分だけが何も言わずスフィア・ミュージックホールへ帰ることこそが、もしかするとエリザベスなりの無意識な優しさだったのかもしれません。(詳しくすぐに説明します。)

エリザベスは洗脳状態なのか?

エドワードと坊ちゃんはリジーが占いによって洗脳状態である可能性も考え始めました。
しかしセバスチャンはそうではなく「あたしだけは、そっちへ帰れない!」といったリジーを思い起こします。

私はエリザベスは洗脳状態ではないと感じています。
エリザベスは自分自身もどうしていいかわからないほど混乱しています。しかし、自分だけはどうしてもここを離れるわけにはいかない。そういった使命感から、スフィア・ミュージックホールにとどまっている可能性があります。

エリザベスにとっての「キラキラ」とは?

ではそもそもエリザベスをここまでとどめさせる「キラキラ」に正体とは何でしょうか?
それは「シリウス様=真シエル」であると私は感じています。

エリザベスはスフィア・ミュージックホールの中で一度「シエル」と接触しています。
その人物は「坊ちゃん」ではなく「真シエル」であった可能性が高いです。

「私じゃ、貴方を救えない。」このセリフはエリザベスの血がカノープスであり、シリウスであるシエルに輸血が出来無いことを表している可能性が高いです。

彼女はスフィア・ミュージックホールが違法な形で民衆から血を集めていると知っていながも、そうしないと真シエルが死んでしまうという板挟みに苦しめられているのではないでしょうか。
そしてそれが違法な方法である限り、女王の番犬である坊ちゃんが事態を止めるために動くはずです。
そのため、エリザベスは坊っちゃんに糾弾されないため、また真シエルを守るために教団へ戻った可能性があります。

「ファントム・ファイブ」

今回、S4 への対抗組織として坊ちゃんによりファントム・ファイヴが結成されました。

黒執事24巻第118話「その執事、改装」より

特徴としては「服装」をあげることが出来ます。

ファントム・ファイブは現代的な衣装

ホプキンス・テーラーのニナが仕上げたS4の衣装は三銃士を思わせるような伝統的な衣装です。
それに比べファントム・ファイヴの衣装はまるでロック歌手を彷彿とさせるようなとても現代的なものであると言えます。

S4が「キラキラ」なアイドルであることに対し、ファントム・ファイブは「ワルい魅力」でせめるようです。
この辺りも対になっていてとても面白いですね

メモ φ(..):チャックは「進みすぎている」

ちっちゃな点ですが一つ付け足しを。

実はこのファントム・ファイブのメンバーが来ている服ですが、時代的に明らかに進みすぎているものがあります。

それが服についている「チャック(ファスナー)」です。
綿チャック(ファスナー)は1891年にアメリカではじめて開発されました。
今の黒執事は1889年の11月です。
微妙に時代を先取りしたものであることが分かります笑

「ファントム・ミュージックホール」

今回の話はスフィア・ミュージックホールに対抗すべく坊ちゃんが「ファントム・ミュージックホール」を新たに作るという導入のような話でした。
ファントム・ミュージックホールにはチケット売り場が存在することから、どうやら無銭ではなく商業娯楽として展開していくつもりのようです。

余談:「極上の享楽をお前たちに教えてやろう」

坊ちゃんは今回の話のラストで

「極上の享楽をお前たちに教えてやろう」

と発言します。

これは単なるミーハー心かもしれませんがこの「極上の~」という言い回しが葬儀屋(アンダーテイカー)のそれにそっくりだなと感じました笑
枢先生が意識して表現したものかは定かではありませんが、もし無意識に葬儀屋の言い回しが坊ちゃんに写ってしまった結果がこの何気ない一言だとしたら面白いですよね(*'▽')

餅月