こんにちは、餅月です。
今回は黒執事第115話「その執事、拝聴」の考察をしていきたいと思います。
あらすじ
扉絵:建物の上に一人座っている死神オセロ
グレル「死神派遣協会きってのギーク集団・科学捜査課が現場になんの用ヨ、オセロ。」
オセロ「教えない。いってもわかんないと思うし~あはは。グレルチャンは科捜課の研究とか興味ないでしょ?グレルチャンは死神の一番大事なお仕事・・魂の回収をキッチリやってくれればいいよ俺は俺で勝手にやるから。俺腕っぷしに自信ないし、デスサイズもカスタムしてないからいざというときはちゃんと守ってよグレルチャン。」
支給されたときのままのデスサイズを持つオセロ(一般的な農具としての手鎌に酷似している)
ここでオセロが回収した少年の魂のファイルを見る。
オセロ「ああやっぱり、このコも『失血を原因とする多臓器障害により死亡』か。」
そのころ、ファントムハイヴ邸に招かれたアバーラインを相手に話す坊ちゃん。
セバスチャン「秘密裏に参加者の血を抜く集会、身分がばらばらの遺体、そして死因は失血死。これで繋がりましたね。」
坊ちゃん「ああほぼ間違いない。スフィア・ミュージックホールは参加者から密かに血液を抜き死者を出している。それどころか参加者から集めた血液を用いて輸血実験をしている可能性もある。」
セバスチャン「ヴォルフラムさんのお話では失敗率が高いそうですから失血死以外にも犠牲者を出しているかもしれませんね。」
直ぐに検挙をと急くアバーラインを引き留める坊ちゃん。
鑑賞代、飲食代全て無料のミュージックホール。無料で配られる純銀のアクセサリー、そして輸血実験を行っているだろう設備・・・。どれをとっても莫大な財を持つ者の援助なしには実現不可能と説く。いまいち飲み込めていないアバーラインに対し、坊ちゃんは軍や貴族院、そして警察、その上層部でミュージックホールに足しげく通っているもののリストを見せる。
アバーライン「・・・こんなに!?」
坊ちゃん「貴族院や警察庁が伏魔殿に見えるだろう?その中に少なからずパトロンがいる。」
セバスチャン「ですから警部が表立って動けばもみ消されるどころか真の黒幕を取り逃がす可能性も高い。」
アバーライン「陛下にお力添えいただくことは出来ないんでしょうか?」
坊ちゃん「『君臨すれども統治せず。』王は国内の諸問題に干渉しないのがルールだ。」
アバーライン「なら一体どうすれば!?」
坊ちゃん「そのために『女王の番犬(ぼく)が』いる。まあみていろ、逃げられる前に尻尾にかみついてやるさ。」
屋敷を出て、馬車の中からスフィアミュージックホールをうかがう坊ちゃん。
一番手っ取り早い方法はサーカスの時のように組織の一員として中枢に食い込む方法だがブラバットがいる以上看破される危険性がある。出入りする業者を買収するにしても、交渉が決裂すればブラバットに報告されてしまう。迷っていると聞き覚えのある声が聞こえてくる。
それはスフィアミュージックホールに服を届けに来たホプキンス・テーラーのニナだった。
そのころスフィア・ミュージックホール。
P4 はブラバットからダンスの稽古を受けていた。終わったとたんにあまりの激しさから膝をつく四人。
ブラバット「今日もお疲れ様。頑張った君たちにご褒美さ。新しい曲だよ。この曲があれば皆もっと笑顔になれるはずさ!」
グリーンヒル「ありがとうございますブラバットさん!」
過労から倒れ込むブルーアー。これしきのレッスンで情けないと嘆く。
ブラバット「連日のレッスンは大変だと思う。でも君らはキラキラをみんなに届ける星そのもの・・・スターなんだ!」
P4 「もちろんです!!」
レドモンド「俺たちが輝けるのはもうココしかない。」
グリーンヒル「ああ、今度こそ失敗はしない!」
ブラバット「こーーら!そんな曇り空な顔じゃ君たちの輝きが隠れてしまうよ。ああ、それからバイオレット君」
びくっとするバイオレット
ブラバット「シリウス様の光が弱まっている。祝歌隊である君に頼むのは心苦しいんだけど、また君のきらめきを分けてもらえないかな。」
バイオレット「・・・・。」
楽しそうにしている三人を横目で見ながら、ブラバットに連れていかれるバイオレット。
シリウス様の前にひざまずくバイオレットとブラバット。
バイオレットは限定集会の時の衣装に着替えている。
シリウス様「・・・おいで」
暗闇の中、横たわっている人影。差し出した右手は血管が浮き出ていて通常の人間のものとは明らかに異なる。
シリウス様の手を取り引っ張られていくバイオレット・・・
第115話終了
考察
回収された伏線
『失血を原因とする多臓器障害により死亡』
綺麗すぎる死体たちの具体的な死因が確定しました。この子も、とオセロが言ってることから、この要因の死体は複数いると考えていいといえます。
莫大な資金の出どころ
スフィア・ミュージックホールの資金の出どころの謎。国の官僚たちが多数ミュージックホールに出入りしていることが分かりました。
官僚の中に何らかの理由で血液を必要としている人物がいるということでしょうか。スフィア・ミュージックホールが行っていることは明らかに違法です。そこに肩入れするということはもし事実が発覚した際、官僚の立場が危うくなるかもしれないほどのものです。それなのになぜ肩入れをするのか。金銭的な利益が理由ではなく、血液を使用した延命等が目的なのかもしれません。
しかし、私はこれらの官僚たち以外にも存在すると考えています。具体的に言えば「ブルースターライン社」をはじめとするその他もろもろです。
ブルースターライン社についてはこちらの記事を参照してください。
www.under-taker.com
葬儀屋はビザールドールを作る際も「動物兵器」を匂わすようなことを言っていました。またそれらを欲しがる粋狂な連中がいるとも言っていました。カンパニア号の行き先はニューヨークであり、そしてイギリスのヴィクトリア女王はビザールドールの存在を知りませんでした。
となると、ビザールドールの存在を知り、欲しがっている粋狂な連中はイギリス以外の国外の人間である可能性が高いです。
最も怪しいのは葬儀屋が言ったというフランスでしょうか?医療の歴史的にみると19世紀ではフランスとドイツが医療の最先端だったようですが後にアメリカに追い越されます。
カンパニア号の行き先であったニューヨークはアメリカです。
・・なんだかすべてが怪しく見えてきてしまいますね。今のところ最も直接的に怪しいのはフランスではないかと感じています。
「緑の魔女編」でも、最終的にはドイツの国家的陰謀が明らかになりました。今回の「スフィア・ミュージックホール」も、イギリスの官僚レベルの融資ではない、もっと国家的な陰謀を私は感じます。
シリウス様の背景が一致
この時椅子で眠っていたのは眼帯をしていないシエルでした。そしてエリザべスは彼に対し「シエル・・ごめんなさい」と話しかけています。
今回バイオレットがシリウス様と会う際に訪れた部屋のステンドグラスがエリザベスがシエルと会った場所と一致します。
そして椅子の人物にブラバットとバイオレットはひざまずいています。
そしてシリウス様の手は健全な人間の手とは異なります。
つまりシリウス様の正体はシエルである可能性が高いです。しかし、手の異常性から坊ちゃんである可能性は低いです。
結論を言ってしまうと、シリウス様は坊ちゃんの双子である「真シエル」である可能性が高いです。
新たに張られた伏線
オセロのキャラクター
新登場のオセロ。今まで出てきた死神は回収課と総務課でしたが、これらの死神とは明らかに区別されています。
グレル曰く「死神派遣協会きってのギーク集団」。ギークとはオタクとニアリーイコールの意味を持つ単語です。サブカルチャーの熱心な愛好家、コンピューターなどの技術オタクの意図があります。
オセロの科捜課がなぜ人間界に来たのか。具体的な所を教えてくれていません。
オセロは「進みすぎた科学」を扱う死神派遣協会の肝といえる死神でしょう。その死神が操作しなければいけないような事案がどうやら人間界では起こっているようです。
オセロの好物リコリス飴
オセロは携帯して持ち歩くほどリコリス飴が好きなようです。
ちなみにリコリス飴と聞いて、「マダム・レッド!?」と思う方もいるのではないでしょうか?実はこのリコリス飴のリコリスは彼岸花とは若干異なるのです。
見た目は真っ黒。日本人の口には合わない味のお菓子です。よく「タイヤのゴム味」と表現されます笑ちなみに私もホームステイに行った際リコリス飴を口にしたことがあるのですが、正しく味も触感もゴムそのものでした。他の日本人生徒からも「ゴムだ!」という感想が連発し、これをバスの中で配ったイギリス男性教師が「なんで!?おいしいじゃん!!」といいながらリコリス飴をかじっていたのをみんなでドン引きしながら見ていたのを覚えています・・ww
リコリス飴について、詳しくはこちらをどうぞ
www.under-taker.com
ホプキンステーラーのニナ
今回ホプキンステーラーのニナが再登場しました。スフィアミュージックホールへの潜入の重要なキーメンバーとなりそうです。
P4 の本心
アイドルのように活躍しているP4。エドワードに対して「毎日がキラキラしているんだ!」と語っていたグリーンヒルですが、今回「俺たちが輝けるのはもうここしかない」という背水の陣のような危機感を持って挑んでいることが明らかになりました。彼らの自分たちの立場に対する焦り、これこそが彼らの本心と原動力なのかもしれません。
彼らがレッスンの苦痛に耐えているときに「君たちはスターなんだ!」と持ち上げるブラバットも少し不気味です。もしかすると、彼らはウェストン校の時のようにまた洗脳に近い状態になっているのかもしれません。
明らかに区別されているバイオレットの存在
毎日がキラキラしている!と言っているP4 の中で唯一「そうでもないよ」とにおわせていたバイオレット。彼は「シリウス様にきらめきを分けてくれ」といわれ連れていかれます。祝歌隊に頼むのは申し訳ないんだけどと言われていることから、基本P4はきらめきを分けることはないようですがバイオレットだけは特別なようです。
レアなシリウスの血液が不足しているということでしょうか?P4のなかでバイオレットのみがスフィア・ミュージックホールの闇を見ているのかもしれません。
まとめ
さて、いよいよシリウス様が片手だけとはいえ登場しました。
青の教団編はもしかすると黒執事の根本を覆すような非常に重要な章となるかもしれません。今後の展開を固唾をのみながら見守りたいと思います。
餅月